- 英
- left axis deviation
- 関
- 右軸偏位、電気軸
定義
医学大事典
- QRS波の前額面の平均電気軸の偏位で定める
- 左軸偏位有り:29≦ ≦-89
- 病的意義あり:-30≦ ≦-89
最新医学事典
心電図のABC (改訂2版)
原因
- 1. 左脚前枝ブロック:
- 2. 左脚ブロック:右脚が興奮後に左脚側が興奮するために、電気軸が偏位する。
- 3. 2枝ブロック:右脚ブッロク+左脚前枝ブロックでは左軸偏位となる。
- 4. WPW症候群 房室結節とケント束を介して刺激伝導系を興奮させるため、電気軸が偏位する。
- 5. 左室肥大:左室での起電力が増大するため。
- 6. 先天性心疾患 心内膜床欠損症や単心室などの疾患で左軸偏位となる。
- 7. 下壁梗塞 下壁心筋の壊死(起電力の低下・欠如)に伴い、Q波を認め、よって電気軸が偏位する。
- 8. 横位心、水平位心:肥満、妊娠、腹水、腹部腫瘤など横隔膜が持ち上げられ、心臓が横位となる場合は左軸偏位となる場合がある。
- 9. 健常者:加齢に伴って出現することがある。いわゆる正常変異(normal variant)であり、軽度(0°~-30°)である。
- 10. 肺気腫
- 11. 心筋症
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 27) 高血圧,痛風にて18年間加療中に完全左脚ブロックが出現し,その後左軸偏位と正常軸を繰り返している1例(第208回日本循環器学会関東甲信越地方会)
- 高遠 哲也,芦田 映直,山田 奈美恵,藤井 潤,真島 三郎
- Circulation journal : official journal of the Japanese Circulation Society 72(Supplement_III), 1063, 2008-10-20
- NAID 110007011040
- 老研究者の覚え書 養育院時代(3) : 老年者の心臓刺激伝導系の形態学的研究 老年型房室伝導系病変の特徴 東大・養育院での研究追記
- 岡田 了三
- 群馬パース大学紀要 5, 681-711, 2007-09
- … (2)左軸偏位兼右脚ブロックは虚血性両脚壊死3、(1)と同種の原発性変改10例(2例は重複病因)より成る。 …
- NAID 110007045034
- 電気軸の求め方 (まずはホップ!心電図の基礎知識)
Related Links
- 会社の集団検診で、15年前から心電図の結果で、左軸偏位、要注意という表示がされ ます。10年前に精密検査をした ... 左軸偏位というのは、心臓の中の電気の伝わり方の 傾きのことで、あくまでも心電図上の所見です。病気の名前では ...
- A. 身体前後軸周りの回転 a:右軸偏位、b:左軸偏位. B. 心臓長軸周りの回転 c:時針 式 ... 軸偏位の診断基準 平均前面QRS軸の位置が、下図のどの区画にあるかにより、 正常軸、左軸偏位、右軸偏位と診断します。すなわち、+30度から時計回りに+90度 ...
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★リンクテーブル★
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[正答]
E
左手と右手の電極をつけ間違えると、Iが陰転、II⇔III, aVR⇔aVLとなる。
※国試ナビ4※ [100G095]←[国試_100]→[100G097]
[★]
[★]
- 英
- electrocardiogram ECG, electrocardiography
- 同
- elektrokardiogramm EKG
- 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
- 心電図の読み方:PHD.108
概念
- 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
- 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ
医学大事典より
- 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
- 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
- この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。
意義
- 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
- 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。
施行する目的
- 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
- スクリーニング(学校検診、職場検診など)
心電図の種類
電極の部位による分類
表現形式による分類
- ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
- スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録
心電図の記録サイズ
- 縦軸:10mm = 1mV
- 横軸: 5mm = 0.2s
標準12誘導心電図
- 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導
電極の取り付け位置・電極の色
単極肢誘導
- EAB.5改変
V1
|
右第4肋間
|
赤
|
V2
|
左第4肋間
|
黄
|
V3
|
V2とV4の中点
|
緑
|
V4
|
左第5肋間かつ鎖骨中線
|
茶
|
V5
|
V4と同じ高さで前腋窩線との交点
|
黒
|
V6
|
V4と同じ高さで中腋窩線との交点
|
紫
|
心電図の波
- 6つの棘波よりなる
- P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
- QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
- T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
- U波
心電図の波の間隔
- PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
- QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
- QTc=QT/sqrt(RR)
- 心拍数によらずほぼ一定の値を示す
正常心電図における波
心電図による得られる情報 (SP.536)
- 1. 心臓内の興奮伝導の障害
- ex. 房室ブロック
- 2. 不整脈:脈拍のリズムと心拍数の異常
- ex. 心房粗動、心室細動
- 3. 冠循環の異常
- ex. 心筋梗塞
- 4. 心室肥大
- 5. 血漿中の電解質濃度の異常
各誘導で取りやすい所見
特徴的な所見
新生児・幼小児の心電図
- SPE.428-
- 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位 胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
- 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
- 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。
心電図と心疾患
- 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
- 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
- 異常Q、ST上昇、冠性T
- 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。
疾患と心電図
- 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
- 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
- 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
- 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
- 心室中隔欠損症:
- ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
- 脚ブロック
- WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
- 肺血栓塞栓症:右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転
- 肺気腫:V1,V2でrS/QSパターン
注意点
- 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。
参考
- http://www.cardiac.jp/
[★]
- 英
- atrioventricular septal defect AVSD
- 同
- 心内膜床欠損症 心内膜床欠損 endocardial cushion defect, ECD
- 総房室孔開存 common atrioventricular canal
- 関
- 心内膜床欠損症、完全型心内膜床欠損症
[show details]
疫学
病型
- 完全型 :心房中隔一次口閉鎖不全、僧帽弁異常、心室中隔閉鎖不全:ASD, VSD, MR, TR
- 不完全型::心房中隔一次口閉鎖不全、僧帽弁異常:ASD, MR, TR
病態
身体所見
- 聴診:収縮期逆流性雑音(MR,TR)、収縮期駆出性雑音(相対的PS)
検査
左室造影
心電図
心エコー
診断
予後
- 不完全型:
- 完全型:未治療のまま放置すれば、肺高血圧症により死亡。
参考
- http://www.nurs.or.jp/~academy/igaku/s1/s153.htm
- http://www.geocities.jp/study_nasubi/c/c44.html
- 3. (2) 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf
[★]
- 英
- idiopathic ventricular tachycardia
- 関
- 心室頻拍
- 明瞭な基礎心疾患が認められず、電解質・代謝・内分泌などの異常や薬物の影響が泣く、QT延長症候群やBrugada症候群などが否定された心室頻拍の総称である。
- ECGP.321
- 左室起原か、右室起原か?:QRSを見て左脚ブロック型か右脚ブロック型かを判別すればよい。
- 上方に伝導か、下方に伝導か?:II,III,aVFを見て判断。
- 右室流出路起源心室頻拍:基礎疾患を合併しない。左室流出路を起原とする。持続することはなく、間欠的に出現する。
- QRS:左脚ブロック型
- 軸:II,III,aVFでR波が高い。下方軸であり、上から下に伝導
- 移行帯はV3-V4
- 自由壁側か?中隔側か?:IでRなら自由壁側(右→左)、IでrSなら中隔側(左→右)
- 左脚後枝起原心室頻拍:基礎疾患がない物がほとんど。左脚後枝プルキンエ線維内のCaチャネル依存性組織の緩徐伝導が形成するリエントリが原因と考えられる。左脚後枝の分枝が関与するためQRSが狭め。リエントリ回路にCaチャネル依存性の組織が含まれるためベラパミルが著効し、ベラパミル感受性特発性心室頻拍とも呼ばれる。
- QRS:右脚ブロック型。QRS幅は0.14秒と短め
- 軸:左軸偏位
- 鑑別:上室性頻拍+右脚ブロック左軸偏位
- 治療:ベラパミルが有効。リエントリ回路にCa依存の部位があるため。カテーテルアブレーションでも90%以上の成功率があるとされる。
[★]
- 英
- right bundle branch block right bundle-branch block RBBB
- 関
- 左脚ブロック、束枝ブロック、脚ブロック
脚ブロックと心音、電気軸との関係
心電図
- V1でrSR' :R'は右室の興奮を表し幅広く高い波。
[★]
- 英
- left bundle branch block, LBBB
- 関
- 右脚ブロック、束枝ブロック、脚ブロック
分類
脚ブロックと心音、電気軸との関係
[★]
- 英
- deviation
- 関
- 異常性、逸脱、偏向、偏差
[★]
- 英
- left axis、left axes