- 英
- papillary muscle rupture
- 関
- 乳頭筋
- 僧帽弁に付着している腱索を心室側で支える乳頭筋の断裂である。
- 乳頭筋は右室(三尖弁側)と左室(僧帽弁側)に存在する。
- 僧帽弁側の乳頭筋断裂により急性の僧帽弁閉鎖不全症を発症し、急性心不全に至る。心尖部では汎収縮期雑音を聴取する。
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Japanese Journal
- 待機的に僧帽弁形成術が可能であった高位側壁枝病変による急性心筋梗塞後に合併した前乳頭筋断裂による重症僧帽弁逆流症の1例
- 古山 輝將,林田 晃寛,福原 健三,玉田 智子,今井 孝一郎,久米 輝善,根石 陽二,川元 隆弘,大倉 宏之,吉田 清
- 心臓 46(5), 582-589, 2014
- 症例は60歳代, 男性. 畑仕事中, 胸痛が出現し近医受診するも異常を指摘されなかった. その後も労作時呼吸困難はみられていたが, 発症11日後に安静時にも呼吸困難が出現したため再診したところ, 胸部X線にて肺水腫を認め入院した. 利尿薬等で改善したが, 経胸壁心エコー図で僧帽弁逆流がみられ精査加療目的で当院に紹介入院となった. 経食道心エコー図で重症僧帽弁逆流症を認め, 僧帽弁前尖 (A1) …
- NAID 130005069338
- 乳頭筋断裂による僧帽弁閉鎖不全緊急手術術後の重症右心不全に対しAPRVが著効し救命できた1症例
- 乳頭筋断裂による急性僧帽弁閉鎖不全症,僧帽弁置換術後の重症心不全に対しトルバプタン投与が有効であった1例
- 吉武 勇,畑 博明,秦 光賢,瀬在 明,飯田 充,大幸 俊司,木村 玄,八百板 寛子,中田 金一,塩野 元美
- 日本冠疾患学会雑誌 20(3), 209-213, 2014
- … 訴にショックバイタルで救命センターへ搬送され,急性冠症候群の診断下に気管内挿管,強心剤投与,IABP挿入し緊急冠動脈造影検査を施行.RCA #1 100%に対し血栓吸引および冠動脈ステント挿入.治療中に乳頭筋断裂による急性僧帽弁閉鎖不全症を合併し,同日緊急僧帽弁置換術を施行.IABP,強心剤投与下に適宜利尿剤を用い加療継続するも,うっ血性心不全が遷延.術後3病日目よりトルバプタン7.5 mg胃管注入を併用 …
- NAID 130003397729
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- 筋断裂(きんだんれつ、英:rupture of the muscle, myorrhexis、独: Muskelzerreisung, Muskelriss)は、筋肉が完全に断裂した状態である。一方で筋線維の 一部もしくは筋肉の膜が断裂した状態を筋損傷、筋膜断裂という。一般的に肉離れと 呼ばれるものは ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 65歳の男性。1時間前からの胸内苦悶を主訴に来院した。10年前から脂質異常症を指摘され内服治療中である。意識は清明。呼吸数20/分。脈拍60/分、整。血圧108/72mmHg。12誘導心電図でII、III、aVF誘導でST上昇を認めた。直ちに緊急冠動脈造影を行ったところ、右冠動脈に99%の狭窄を認めたため、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した。再潜流直後に脈拍が120/分に上昇しショック状態となり、意識レベルが低下した。
- この患者に発生した可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105E043]←[国試_105]→[105E045]
[★]
- 75歳の女性。2時間持続する激しい前胸部痛を主訴に来院した。意識は清明。脈拍88/分、整。血圧104/88mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めなかった。心電図のV1-V5誘導でST上昇を認めたため、緊急入院し、治療を行った。入院後3日、突然の呼吸困難を自覚した。脈拍104/分、整。血圧90/70mmHg。呼吸数24/分。心音の聴取で、入院時に認めなかった全収縮期雑音を認める。
- この時点の病態として考えられるのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I078]←[国試_106]→[106I080]
[★]
- 74歳の女性。前胸部痛で緊急入院した。
- 前胸部痛は4日前に起こり、徐々に改善したが、悪心を伴う胸部圧迫感が持続している。
- 20年来高血圧の治療を受けている。
- 入院翌日、突然胸部苦悶感が出現し、血圧72/40mmHgまで低下した。前胸部に全収縮期雑音を新たに聴取する。
- 心電図と心エコー図とを以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F025]←[国試_100]→[100F027]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [113A004]←[国試_113]→[113A006]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103C031]←[国試_103]→[103D002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [110D011]←[国試_110]→[110D013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112A011]←[国試_112]→[112A013]
[★]
- 急性心筋梗塞患者で心雑音が新たに出現したときに考えるべき合併症はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B022]←[国試_097]→[097B024]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109I008]←[国試_109]→[109I010]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108I020]←[国試_108]→[108I022]
[★]
- 英
- acute myocardial infarction, AMI
- 関
- 心筋梗塞
症状
- 胸痛:デルマトームC7-T1への放散痛(PHD.179)。デルマトームT1-T4への放散痛(IMD.418)→胸骨裏側、左上肢の尺側側、頚部、下顎部
- 痛みは虚血により生じた代謝産物(アデノシン、乳酸)が局所の神経終末を刺激することで生じる
PDH.179
特徴的な疼痛
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持続性で、ひどい痛み、典型的には胸骨下痛
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交感神経による作用
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発汗
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皮膚が湿って冷たく感じられる
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副交感神経による作用
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悪心・嘔吐
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倦怠感
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炎症反応
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中程度の発熱
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心臓の所見
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IV音ギャロップ(うっ血性心不全があればIII音も)
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その他
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運動異常を伴う膨隆(前壁梗塞なら)
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心膜摩擦音(心膜炎があれば)
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収縮期雑音(僧帽弁閉鎖不全症や心室中隔欠損があれば)
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肺のラ音(うっ血性心不全があれば)
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頚動脈の拡大(右室梗塞)
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身体所見(ST-segment elecation MI HIM.1533)
- 不安、不穏、ベットの上で場所を変えたり身体を曲げたりして痛みを和らげようとしている。
- 蒼白
- 四肢の冷感
- 30分以上持続する後胸骨痛 + 発汗 → ST上昇心筋梗塞を示唆
- 多くの患者は最初の1時間は脈拍、血圧、正常
- 前壁梗塞の患者の1/4は交感神経が興奮 → 頻脈、高血圧
- about one-fourth of patients with anterior infarction have manifestations of sympathetic nervous system hyperactivity (tachycardia and/or hypertension)
- 下壁梗塞の1/2は副交感神経興奮 → 徐脈±低血圧
- up to one-half with inferior infarction show evidence of parasympathetic hyperactivity (bradycardia and/or hypotension)
検査
血液生化学検査: マーカー
時系列
→→→→→→→→→→→→→→→→→→
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myo
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W
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TnT
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myo
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AST
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LDH
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CRP
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H
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CK
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2-3時間 ~~~~~~半日~ 1日
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心電図
- PECG.168
- (超急性期:発症直後~数時間)T波先鋭化、非特異的ST上昇
- (急性期 :数時間~12時間)特異的ST上昇(上に凸)、R波減高、異常Q波出現
- (亜急性期:24時間~1週間)ST上昇は減高、T波が陰転化(冠性T波:左右対称な陰性T波)。しばしばQT延長を伴う。
- 全層虚血でのST上昇は対側誘導でST低下が見られる。
- 異常Q波 + ST上昇 が数週間持続 → 高度の壁運動の異常 → 心室瘤の形成を示唆
診断
- 心筋梗塞を疑ったら診察は、病歴、心電図変化、心筋マーカーの上昇で行う。心エコーで心筋壁の障害が認められ、CAGで冠動脈の閉塞または狭窄所見が見られたら確実(YN.C81)
治療
初期治療
- PHD.187 ガイドライン1
- アスピリン:治療開始から退院後も継続的に服用。
- 未分画ヘパリン:冠動脈の開存性を保つ。
- βブロッカー:酸素需要減少。拡張期の延長による障害心筋への灌流を改善。静脈投与→経口投与。
- 禁忌:喘息、低血圧、著しい徐脈。
- 硝酸薬:前負荷・後負荷軽減による心筋酸素需要量低減、冠攣縮の解除・予防、側副路の血流増加。
- 使用不可:収縮期血圧<90mmHg or 通常血圧より30mmHg以上血圧低下、高度徐脈(<50bpm)、頻脈(>100bpm)、下壁梗塞・右室梗塞合併疑い例
- 禁忌:勃起不全治療薬服用後24時間以内。
- 未分画ヘパリン:PCIが施行される場合にはヘパリンをactivated clotting timeが250を越えるように使用。tPAを使用した血栓溶解を行った後にはヘパリン48時間投与し、APTTを50-70秒に保つ。
- 鎮痛薬:塩酸モルヒネ:硝酸薬使用後も疼痛が持続する場合。
再灌流療法
- 適応:発症後12時間以内 (救急医療パーフェクトマニュアル p.43)
二次予防
- 患者教育
- 禁煙指導
- 食事療法:血圧管理、脂質管理、体重管理、糖尿病管理
- 運動療法
- 抗血小板薬
- 脂質異常症治療薬
- RAA系阻害薬
- βブロッカー
- カルシウム拮抗薬:血圧管理や狭心症が他の薬剤でコントロールできない場合に限る(心筋梗塞発症早期での短時間作用型カルシウム拮抗薬投与による総死亡低下に対する有効性が確認されなかったため)。,STEMI患者への短時間作用型ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬投与は通常禁忌。(ガイドライン1)
- ニコランジル
- ワルファリン
合併症
機械的合併症
- NSU.424 SSUR.397
- 心筋梗塞の破裂は全心筋梗塞例の2-4%でみられ、3/4の例で左室自由壁破裂、1/4の例で心室中隔穿孔、僧帽弁乳頭筋断裂はごく稀(SSUR.397)。
-
- 心室中隔を栄養する血流の途絶により中隔の壊死を来たす。左右シャントを生じ、原疾患である心筋梗塞による心不全を増悪させ、前方不全、すなわち低心拍出量症候群をきたす。増悪すれば、心原性ショックに陥る。右室は容量負荷をうけ右心不全をきたすことがある。症状は苦悶、血液低下、尿量減少を来たし、半数例においては心原性ショックが見られる。治療は循環が悪化している場合にはドパミン、ドブタミン、ニトログリセリンが用いられるが一時的であり、大動脈内バルーンパンピングによって循環動態を安定させる。その後、速やかに手術を施行する。循環動態が安定している例では2-3週間後に手術を行う(NSU.424)。手術は心停止下に左室梗塞部を切開して中隔穿孔部をダクロンパッチで閉鎖する。
- 2. 虚血性僧帽弁不全症(急性:乳頭筋断裂、慢性:乳頭筋機能不全)
- 乳頭筋断裂の75%は下壁梗塞に合併して後乳頭筋に発生し、残りは前乳頭筋に生ずる。僧帽弁尖の逸脱が起こり急性僧帽弁閉鎖不全症の病態を呈する。原疾患の心筋梗塞による心不全に加え、急性僧帽弁閉鎖不全症により心原性ショックに陥る。治療はIABPを挿入して循環動態を安定化後、僧帽弁置換術を行う。
-
- 自由壁破裂は左室に多く、健常部と梗塞部位の境界に多い。病型は急激に大出血するblow-out型とじわじわ出血するoozing型がある。いずれの場合でも出血による心タンポナーデを来たし、低心拍出量の低下、さらに心原性ショックに陥る。症状は血圧低下、意識消失、呼吸停止、徐脈、心停止に至る。治療は直ちにPCPSにより循環の維持を図り(oozing型の場合は心嚢穿刺によるタンポナーデの解除を行う)、開胸手術により出血部のフェルトを用いた縫合閉鎖を行う。
ガイドライン
- 1. 急性心筋梗塞(ST上昇型)の診療に関するガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_takano_h.pdf
国試
[★]
- 英
- nipple, papilla
- ラ
- papilla mammae
- 関
- 乳房
位置
- 鎖骨中線のあたりであって、T4-T5肋骨の間、すなわち第4肋間隙にある(♂)、と思われる。
- 上記の位置は、性差・個体差あり(KL.265)
臨床関連
- 胸骨圧迫(心臓マッサージ):圧迫部位は両乳頭のを結ぶ線と胸骨が交わる部位である。胸骨のやや下部となる。
[★]
- 英
- papillary muscle (Z), papillary muscles, PM
- ラ
- musculus papillaris, musculi papillares
- 関
- 心筋梗塞
血流支配
- 前外側乳頭筋:左前下行枝(LAD)、回旋枝(LCA) ← LAD病変だけでは断裂しにくい。
- 後内側乳頭筋:右冠動脈後下行枝(4PD。RADって書く?)
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- laceration、rupture
- 関
- 破壊、破裂、裂傷、裂創、破綻、挫創
[★]
- 英
- muscle rupture, rupture of the muscle, myorrhexis
- 関
- 肉離れ