- 英
- bundle branch block BBB
- 関
- 刺激伝導系
分類
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/03 15:16:44」(JST)
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脚ブロック |
分類及び外部参照情報 |
脚ブロックの所見を示す心電図
|
ICD-10 |
I44.4-I44.7, I45. |
ICD-9 |
426.3-426.5 |
DiseasesDB |
7352 11620 |
eMedicine |
ped/2501 ped/2500 |
MeSH |
C14.280.067.558.323 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
脚ブロック(きゃく-、英語: Bundle branch block)は、心室性の徐脈性不整脈の一つ。心臓の刺激伝導系において、ヒス束よりも遠位で伝導障害が生じた状態である[1]。
目次
- 1 病態
- 1.1 程度に応じた分類
- 1.2 部位に応じた分類
- 2 予後
- 3 参考文献
病態[編集]
その病態は、障害の程度と部位に応じて、それぞれ分類される。なお、心房性期外収縮に伴って脚ブロックが生じることがあり、変行伝導と称されるが、病的意義は少ない[2]。
程度に応じた分類[編集]
心室性の徐脈性不整脈であるという本質上、障害の程度はQRS幅(心室内伝導時間)によって推測することができる。このことから、QRS幅が0.12秒(3mm)以上に延長した場合を完全脚ブロック、延長の程度がこれ未満であった場合を不完全脚ブロックに分類する[1]。
なお、他の心臓刺激伝導系障害(房室ブロックなど)の場合は、伝導障害の度合いを数字によって分類しており、仮にこれに従った場合は不完全脚ブロックとは脚の第1度伝導障害として表現されるが、本症においてこのような表現は用いられない[2]。
部位に応じた分類[編集]
詳細は「左脚ブロック」および「右脚ブロック」を参照
- 左脚ブロック
- 左脚枝内で伝導障害を来たした場合に生じる。また、左脚は電気生理学的に分枝していることから、12誘導心電図上の所見はより多彩となっている。
- 完全左脚ブロック
- V1誘導でQSパターンを呈し、V6誘導でq波を認めない[1]。
- 左脚前束枝ブロック
- 著明な左軸偏位(-45〜-90度)、QI SIIIパターン(I誘導でq波、III誘導で深いS波)を認める[1]。
- 左脚後束枝ブロック
- 著明な右軸偏位(+100〜110度)、SI QIIIパターン(I誘導で深いS波、III誘導でq波)を認める[1]。
- 右脚ブロック
- 右脚枝内で伝導障害を来たした場合に生じる。12誘導心電図上、V1誘導ないしV2誘導でrSR'パターンを呈し、またI誘導とV6誘導で幅広いS波が認められる[1][2]。
予後[編集]
脚ブロックは通常、それそのものよりは、原因疾患のほうが問題となる。このため、基礎心疾患を認めない特発性脚ブロック(右脚ブロックに多い)の予後は良好である。ただし2枝ブロックの場合、年間3〜5パーセントの突然死が報告されている。これは高度房室ブロックに進展したことによるものと考えられており、特に急性心筋梗塞に合併した場合は房室ブロックの発生率が高い[2]。
参考文献[編集]
- ^ a b c d e f 蜂谷 仁 「伝導障害」『内科診断学 第2版』 医学書院、2008年。ISBN 978-4260002875。
- ^ a b c d 大江 透 「7. 興奮伝導障害」『新臨床内科学 第9版』 医学書院、2009年。ISBN 978-4-260-00305-6。
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上室性
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心室性
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狭心症 | 急性冠症候群 | 心筋梗塞 | 冠動脈血栓症
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CABG | off-pump CAB(en) | MIDCAB(en) | TECAB(en)
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内科的治療
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循環作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド(en), プロパフェノン(en)
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール(en)
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬(en)
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 | PDEⅢ阻害薬
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬(en)) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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循環器系の正常構造・生理 |
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Japanese Journal
- 脚ブロック心電図の虚血の判断 : 脚ブロックは怖くない! (特集 救急の心電図 どう読む? どう動く? : 症例で学ぶ救急医の思考プロセス) -- (胸痛の心電図判断)
- QRS波(群)の異常 (今月の特集 日常検査からみえる病態 : 心電図検査編)
- Question 健康診断で心電図異常を認めた際,どのような所見がある場合に専門医に依頼すべきでしょうか?たとえば,期外収縮でも紹介すべきですか?脚ブロックやR波増高不良,Brugada型心電図などで悩むことが多くあります. (特集 身近に考えよう循環器内科の素朴な疑問) -- (検査 : 心電図)
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- electrocardiogram ECG, electrocardiography
- 同
- elektrokardiogramm EKG
- 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
- 心電図の読み方:PHD.108
概念
- 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
- 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ
医学大事典より
- 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
- 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
- この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。
意義
- 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
- 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。
施行する目的
- 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
- スクリーニング(学校検診、職場検診など)
心電図の種類
電極の部位による分類
表現形式による分類
- ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
- スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録
心電図の記録サイズ
- 縦軸:10mm = 1mV
- 横軸: 5mm = 0.2s
標準12誘導心電図
- 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導
電極の取り付け位置・電極の色
単極肢誘導
- EAB.5改変
V1
|
右第4肋間
|
赤
|
V2
|
左第4肋間
|
黄
|
V3
|
V2とV4の中点
|
緑
|
V4
|
左第5肋間かつ鎖骨中線
|
茶
|
V5
|
V4と同じ高さで前腋窩線との交点
|
黒
|
V6
|
V4と同じ高さで中腋窩線との交点
|
紫
|
心電図の波
- 6つの棘波よりなる
- P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
- QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
- T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
- U波
心電図の波の間隔
- PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
- QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
- QTc=QT/sqrt(RR)
- 心拍数によらずほぼ一定の値を示す
正常心電図における波
心電図による得られる情報 (SP.536)
- 1. 心臓内の興奮伝導の障害
- ex. 房室ブロック
- 2. 不整脈:脈拍のリズムと心拍数の異常
- ex. 心房粗動、心室細動
- 3. 冠循環の異常
- ex. 心筋梗塞
- 4. 心室肥大
- 5. 血漿中の電解質濃度の異常
各誘導で取りやすい所見
特徴的な所見
新生児・幼小児の心電図
- SPE.428-
- 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位 胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
- 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
- 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。
心電図と心疾患
- 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
- 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
- 異常Q、ST上昇、冠性T
- 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。
疾患と心電図
- 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
- 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
- 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
- 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
- 心室中隔欠損症:
- ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
- 脚ブロック
- WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
- 肺血栓塞栓症:右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転
- 肺気腫:V1,V2でrS/QSパターン
注意点
- 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。
参考
- http://www.cardiac.jp/
[★]
- 英
- right bundle branch block right bundle-branch block RBBB
- 関
- 左脚ブロック、束枝ブロック、脚ブロック
脚ブロックと心音、電気軸との関係
心電図
- V1でrSR' :R'は右室の興奮を表し幅広く高い波。
[★]
- 英
- left bundle branch block, LBBB
- 関
- 右脚ブロック、束枝ブロック、脚ブロック
分類
脚ブロックと心音、電気軸との関係
[★]
- 英
- intraventricular conduction disturbance, intraventricular conduction disturbances, IVCD
- 関
- 脚ブロック、分枝ブロック、二枝ブロック、WPW症候群
- intraventricular conduction delay,心室内伝導異常 intraventricular conduction abnormalities
[show details]
[★]
- 英
- QRS interval
- 同
- QRS時間?
- 関
- 脚ブロック、不完全脚ブロック、完全脚ブロック
- 1.5mm(0.06秒)~2.5mm(0.10秒):正常
- 2.5mm(0.10秒)以上、3mm(0.12秒)未満:不完全脚ブロック
- 3mm以上(0.12秒)以上:完全脚ブロック
[★]
- 英
- incomplete right bundle branch block
- 関
- 脚ブロック、右脚ブロック
[★]
- 英
- complete right bundle branch block, CRBBB
- 関
- 右脚ブロック
[★]
- 英
- incomplete left bundle branch block, ILBBB
- 関
- 脚ブロック
[★]
- 英
- bifascicular block
- 関
- 二束ブロック、二枝ブロック
[★]
- 英
- leg、lower extremity、peduncle、pedunculus、pedunculi
- 関
- 下肢
[★]
- 英
- block, Bloch
- 関
- 塊、遮断、阻止、封鎖