出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/13 05:48:02」(JST)
この項目では、化学物質のアミンについて説明しています。その他の用法については「アミン (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
アミン (amine) とは、アンモニアの水素原子を炭化水素基で置換した化合物の総称である。
置換した数が1つであれば第一級アミン、2つであれば第二級アミン、3つであれば第三級アミンという。また、アルキル基が第三級アミンに結合して第四級アンモニウムイオンとなる。一方アンモニアもアミンに属する。
塩基、配位子として広く利用される。
アンモニア、第一級アミンまたは第二級アミンから水素を除去した1価の官能基 (-NH2, -NHR, -NRR') をアミノ基と呼ぶ。芳香環上に置換すると電子供与基としての性質を示す。
アミンは塩基性を有し、プロトン(水素陽イオン)が配位結合する。これは、窒素原子が非共有電子対を持つためである。アミンの塩基性の強さは窒素原子に結合しているアルキル基と密接な関係がある。炭素数が同じ場合、第二級アミンは第一級アミンより塩基性が強い。これは、アルキル基が持つ電子供与性によって窒素原子が負に分極することに拠る。しかし、第三級アミンは第二級アミンよりも塩基性が小さい。これは、アルキル基が3つ存在することで立体障害をもたらすためである。また、一般に芳香環に直結したアミンは塩基性が低い。これは芳香族炭化水素のもたらす非局在化による。
一般的なアミンの窒素原子はピラミッド型の構造をとる。このため3つ違う置換基のついたアミンは一見光学活性となりそうに見えるが、実際には窒素が反転を起こしやすいため、特殊な場合を除いてキラリティを持たない。しかし、1991年に初めて合成されたトリイソプロピルアミンはイソプロピル基のかさ高さのために平面構造をとることが判明している[1]。
アミン類の多くはアンモニアや魚に例えられる悪臭を有することが多い。
他にカルボン酸やアルコールがある場合はそちらを優先し、アミノ基を置換基とする。
窒素原子に結合したアルキル基にアミンを続けて表記する。
以下に示すような方法がある。主鎖のとり方などの詳細についてはIUPAC命名法を参照。
また、許容慣用名が認められている化合物がいくつかある。
IUPAC命名法の 2 を用いる。ただし位置番号は置換基の前に付ける。
アミンはハロゲン化アルキルやスルホン酸アルキルエステルなどに対し、アンモニアやアミンなどが求核剤としてはたらく置換反応により合成される。ただし、立体障害の小さい基質の反応などでは、生成したアミンがさらに求核剤としてはたらき、二級、三級のアミン、さらに四級のアンモニウムとなる副反応が起こってしまう。このことは、特に一級アミンを合成したい場合に問題となる。その解決法として、フタルイミドカリウムとハロゲン化アルキルを反応させて N-アルキルフタルイミドとし、続く加水分解などで一級アミンを得る、ガブリエル合成が行われる。またハロゲン化アルキルとアジ化ナトリウムなどを反応させてアルキルアジドとし、これを還元(後述)する方法も有用である。
アリール基(芳香族基)をアミン上に導入する置換反応は、その芳香環上の適当な位置に電子求引基があるハロゲン化アリールの場合は SNAr 機構により進むことがある。活性の低いハロゲン化アリールでも、ウルマン反応やブッフバルト・ハートウィッグ反応といった、銅やパラジウム化合物を媒介とする反応によりアリールアミンへと変換できる。
アミンはまた、ニトロ基、アジド、アミド、イミン、オキシム、ニトリル、アゾ化合物などの還元によっても得ることができる。水素化アルミニウムリチウム (LAH)、パラジウム触媒-水素系などが用いられる。
還元的アミノ化などの手法によれば、アルデヒドやケトンから、イミンを経由してワンポットでアミンを得ることができる。酸性条件下、シアノ水素化ホウ素ナトリウム (NaBH3CN) やピリジン-ボラン錯体などを用いて還元を行うのが普通である。この形式の人名反応としてロイカート反応、エシュバイラー・クラーク反応の例がある。
アミンは、アミド、イミン、イソシアネートなどを加水分解すると、対応するアミンが得られる。イソシアネートはホフマン転位、クルチウス転位などの生成物であるため、それらの反応を含水系で行った場合は生成物としてアミンが得られることになる。
アミンを生成物とする人名反応としては、上記に挙げたもののほか、ロッセン転位、シュミット転位、ゾムレー・ハウザー転位、スチーブンス転位、バンバーガー転位などの転位反応や、マンニッヒ反応、ストレッカー反応、チチバビン反応などの求核的反応が挙げられる。
第一級および第二級アミンはカルボン酸ハロゲン化物やカルボン酸無水物と縮合してアミドを作る。また、DCCなどの適切な脱水剤や脱水反応により、カルボン酸と反応させてアミドとすることができる。
第一級アミンはアルデヒドやケトンと縮合するとイミンに変わる。第二級アミンは同様にイミニウムカチオンを与える。
第二級、第三級アミンは酸化銀などの存在下でホフマン脱離を起こし、一級下位のアミンとアルケンとなる。この反応ではホフマン則という位置選択則が働く。
アミンは酸化によってヒドロキシルアミン、オキシム、ニトロソ化合物、ニトロ化合物となる。
第一級アミンに亜硝酸あるいは亜硝酸エステルを作用させるとジアゾニウムイオンとなる。これはザンドマイヤー反応やシーマン反応など、求核置換反応の基質となる。
アミンを用いる人名反応としては、これまでにすでに述べたものや合成法として述べたもののほか、ウギ反応、ストークエナミン合成などが知られる。
|
ウィキメディア・コモンズには、アミンに関連するカテゴリがあります。 |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
ナイロジン注
●神経痛
●筋肉痛・関節痛
●末梢神経炎・末梢神経麻痺
(いずれも頻度不明)
エタノール(95)に溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は希塩酸又は希硝酸に溶ける。
本品の飽和水溶液はほぼ中性である。
水に溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、無水酢酸、酢酸(100)にほとんど溶けない。
本品は光によって徐々に変化する。
水に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。
リンク元 | 「アミノエチルスルホン酸」「トリドセラン」「アミン取り込みポンプ」 |
拡張検索 | 「オレイン酸モノエタノールアミン」「ネアミン」「チアミントリホスファターゼ」 |
テンプレート:Infobox 有機化合物
タウリンはカルボキシル基を持たないので、アミノ酸ではない。また、タンパク質の構成成分になることもない。したがって、ネコにおいてはタウリンは必須アミノ酸ではなく、ビタミンの一種である。しかし、アミノ基を持つ酸であることもあって、古くからアミノ酸として混同されている。合成経路においてはまず、タンパク質の構成成分にもなる含硫アミノ酸であるシステインからシステイン・ジオキゲナーゼによりシステイン酸が合成される。タウリンはシステインスルフィン酸デカルボキシラーゼ(スルフィノアラニン・デカルボキシラーゼ)によりこのシステイン酸から合成される。ヒトはこの合成経路の両酵素をもつため、タンパク質を摂取していれば、タウリンの形での積極的摂取は不要である。胆汁酸と縮合したタウロコール酸はコリル・コエンザイムAとタウリンから合成される。タウリンは尿中に一日約200mgが排泄される。
.