- 英
- splenomegaly
- 関
- 脾臓
定義
- 脾臓が腫大した状態(250以上(正常は90-120g))
- 脾の大きさは長径と重量がよく相関し、超音波診断では長径×短径(SI スプリーンインデックス)が脾腫の指標となる。
- 正常の2倍程度となると脾腫として左季肋部で診察可能となる
- 慢性骨髄増殖症候群、慢性リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、遺伝性溶血性貧血、フェルティ症候群、マラリアでは巨大脾腫を認める。
頻度
- 急性ウイルス感染の約50%、銃声細菌感染症の約20%、慢性肝疾患の50-70%、溶血性貧血で約70%、血液造血器疾患で約40%に出現する。(IMD.544)
症状
- ほぼない。
- 胃か圧排するほど大きくなれば、胃の膨満感が出現しうる。
診察
- 仰臥位で右季肋部を触診
- 小児では触れても良いが、健常成人では触れない。触れたら異常である。
- 臍まで脾臓を脾臓を触知できる場合を特に巨脾という。
- 打診または触診で診察する
打診
- IMD 544
Nixon法
- 右側臥位とする
- 後腋窩線上を胸部から腹部に向かい打診する。
- 肺鼓音から濁音に変わった部位から左肋骨弓に直角に向かい打診をする。
- 正常では濁音界が6-8cmであるが、8cmを超えた場合異常と判断する。
Castell法
- 仰臥位とする
- 第8または第9肋間は正常では鼓音であるが、濁音であれば異常と判断する。
Traube法
- 左第6肋骨上縁と左中腋窩線および左肋骨弓に囲まれた部位を(トラウベ半月腔)という。
- 空腹時、通常の呼吸ではこの領域は鼓音であるが、濁音であれば異常と判断する。
検査
- 腹部エコー、腹部CT
- 腹部エコーで長径が10cmを超えると脾腫と判断しうる
鑑別疾患
病因による鑑別
- V 血管:全身性うっ血(心不全)、門脈系うっ血(肝硬変、門脈血栓症)
- I 感染症:細菌性心内膜炎、伝染性単核球症、結核、梅毒、エキノコックス、日本住血吸収症、マラリア
- N 血液悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病、骨髄線維症、慢性骨髄増殖症候群)
- D
- I
- C 血液系疾患(溶血性貧血(自己免疫性溶血性貧血、遺伝性球状赤血球症、サラセミア)、悪性貧血、特発性血小板減少性紫斑病)、免疫異常(関節リウマチ、フェルティ症候群、全身性エリテマトーデス)、蓄積病(ムコ糖質蓄積など)、嚢胞性疾患
- A
- T
- E
病態による鑑別疾患
- 脾臓は巨大なリンパ器官と考えられるために、原因は組織を考えれば鑑別を挙げることが容易となる。
治療
WordNet
- an abnormal enlargement of the spleen
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/17 21:54:49」(JST)
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脾腫(ひしゅ、英: splenomegaly)は、脾臓が腫大した状態。巨脾症(きょひしょう)とも呼ばれる。
目次
- 1 概要
- 2 原因
- 3 関連項目
- 4 脚注
- 5 参考文献
概要[編集]
脾臓は免疫をつかさどる臓器であり、免疫に関連する疾患で腫大する。また門脈圧亢進症による影響も受ける。骨髄での造血に異常が生じた際には造血の場になることもあり腫大を起こすこともある。[1]
通常は脾臓は肋骨の後部にあり触知出来ないが、脾腫の状態になると触知できることがある。
多くの良性腫瘍と一部の悪性腫瘍は~腫と命名されるが、脾腫は脾臓の状態であり良性腫瘍あるいは悪性腫瘍を意味しない。
原因[編集]
心機能障害、肝硬変などによる門脈圧亢進等の脾静脈血の還流障害、種々の感染症による炎症、腫瘍細胞の浸潤、白血病や骨髄線維症などの骨髄増殖性疾患、などの原因により脾腫は発生する。骨髄線維症では脾臓造血が起こり著しく巨大な脾腫が認められることがある。
獣医学分野では地方病性牛白血病では10kgを超える腫瘍性脾腫が認められることがある。
関連項目[編集]
- 成人スティル病
- フェルティ症候群
- 血液学
- 肝硬変
- 白血病
- 骨髄増殖性疾患
- 骨髄線維症
- 真性多血症
- 本態性血小板血症
- 先天性赤血球異形成貧血
- 伝染性単核球症
- ゴーシェ病
- ニーマン・ピック病
- スフィンゴミエリン症
- 炭疽
- 馬伝染性貧血
- アフリカ豚コレラ
- サルモネラ症
- 豚丹毒
- アナプラズマ症
- ヘモバルトネラ症
- 鶏チフス
- ミンクアリューシャン病
脚注[編集]
参考文献[編集]
- 日本獣医病理学会編集 『動物病理学各論』 文永堂出版 2001年 ISBN 483003162X
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 極長鎖脂肪酸の反復検査で診断し得たD-bifunctional protein欠損症の1例
- 塩田 睦記/舟塚 真/小田 絵里/白戸 由理/竹下 暁子/石垣 景子/齋藤 加代子/下澤 伸行/大澤 真木子
- 東京女子医科大学雑誌 83(E1), E103-E106, 2013-01-31
- … ,症例は家族歴のない2歳2か月の女児で新生児期発症の難治性てんかんと重度精神運動発達遅滞、特異顔貌、肝脾腫があった。 …
- NAID 110009559397
- 症例 コロジオン児として出生したGaucher病2型の1例
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- 脾腫はほとんど常に他の疾患に続発する。その原因は数限りなく,可能な分類方法も同様である( 脾臓の疾患: 脾腫の一般的な原因*表 1: 参照)。温暖気候では骨髄増殖性疾患,リンパ増殖性疾患,蓄積症(例,ゴーシェ病)および ...
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- 次の文を読み、4~6の問いに答えよ。
- 54歳の男性。息切れと皮下の出血斑とを主訴に来院した。
- 現病歴 : 生来健康で2年前の会社での健康診断では異常はなかった。4か月前から階段で息切れを自覚するようになり、2か月前の出張旅行では疲労感が強く、同僚に顔色不良を指摘された。そのころから常時頭重感があり、1週前に下腿前面に赤紫色の小斑点が出現しているのに気付いた。体重減少や発熱はない。常用薬はない。
- 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 身長172cm、体重63kg。体温36.8℃。脈拍70/分、整。血圧110/70mmHg。顔色は蒼白で、前胸部、下腿および足背に点状出血斑が多数散在する,表在リンパ節の腫大はない。眼瞼結膜は高度貧血様。舌とロ腔咽頭とに異常所見を認めない。心尖拍動の左方偏位を認めるが呼吸音に異常はない。腹部は軟で圧痛はなく、腸雑音は正常である。下腿に浮腫はない。四肢の深部腱反射に異常を認めない。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ウロビリノゲン(±)、尿潜血(-)。便潜血反応陽性。血液所見:赤血球160万、Hb 5.6g/dl、Ht 17.0%、網赤血球4‰、白血球2,300(桿状核好中球10%、分葉核好中球15%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球68%)、血小板0.9万。プロトロンピン時間(PT)100%(基準80~120)、APTT31秒(基準対照32.2)、血漿フィブリノゲン254mg/dl(基準200~400)、血清FDP10μg/ml以下(基準10以下)。Ham試験陰性。血清生化学所見:総蛋白6.7g/dl、アルブミン4.3g/dl、ハプトグロビン52mg/dl (基準19~170)、尿素窒素15mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、尿酸2.8mg/dl、総コレステロール102mg/dl、AST(GOT)16単位(基準40以下)、ALT(GPT)12単位(基準35以下)、LDH350単位(基準176~353)、Na141mEq/l、K4.1mEq/l、Cl108mEq/l。免疫学所見:CRP0.2mg/dl(基準0.3以下)、抗核抗体陰性、直接Coombs試験陰性。骨髄穿刺所見:有核細胞数は減少しているが、異型細胞を認めない。
- この患者で予想される症候はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [096C003]←[国試_096]→[096C005]
[★]
- 次の文を読み、39、40の問いに答えよ。
- 72歳の男性。呼吸困難のため家族に付き添われて来院した。
- 現病歴 : 5年前から肺気腫による慢性呼吸不全で治療中であった。3日前から感冒様症状が出現し、その後呼吸困難が増強し階段の昇降が困難になった。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。体温37.8℃。呼吸数18/分。脈拍108/分、整。血圧110/80mmHg。下腿浮腫と頚静脈怒張とを認める。
- 検査所見 : 尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤血球450万、Hb15.2g/dl、Ht43%、白血球10,200。血清生化学所見:総蛋白6.4g/dl、尿素窒素25mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、AF36単位(基準40以下)、ALT32単位(基準35以下)、LDH364単位(基準176~353)、Na140mEq/l、K4.0mEq/l、Cl 102mEq/l。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH7.32、PaO2 54Torr、PaCO2 48Torr。心電図で右室負荷所見を認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [097F038]←[国試_097]→[097F040]
[★]
- 70歳の女性。自宅近くの診療所で初めて受けた血液検査で異常を指摘され来院した。飲酒歴はない。輸血歴はない。常用薬はない。意識は清明。身長158cm、体重74kg.腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 310万、Hb 10.9g/dl、Ht 31%、白血球 4,200、血小板 9.7万、PT 68%(基準80-120)、血液生化学所見:HbA1c 6.8%(基準4.3-5.8)、アルブミン 3.3g/dl、IgG 2,614mg/dl(基準739-1,649)、IgM 82mg/dl(基準46-260)、総コレステロール 122mg/dl、トリグリセリド 140mg/dl、AST 84IU/l、ALT 98IU/l、γ-GTP 62IU/l(基準8-50)。免疫学所見: HBs抗原、HBs抗体陰性、HBc抗体陰性、HCV抗体陰性、抗核抗体陰性、抗ミトコンドリア抗体陰性。腹部超音波検査で肝表面の凹凸不整、肝腎コントラストの明瞭化および軽度の脾腫を認める。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I045]←[国試_105]→[105I047]
[★]
- 1歳7か月の女児。脾腫の精査を目的に来院した。 1歳6か月児健康診査で脾腫を指摘された。出生後の発育と発達とは正常である。眼球結膜に軽度の黄染を認める。腹部で肝を1cm、脾を4cm触知する。血液所見:赤血球 347万、Hb 8.7g/dl、Ht 27%、白血球 12,100、血小板 36万。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dl、アルブミン 4.2g/dl、総ビリルビン 2.0mg/dl、AST 41IU/l、ALT 23IU/l、ALP 558IU/l(基準361-958)、ハプトグロビン 10mg/dl(基準19-170)。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本(別冊No.17)を別に示す。
- 合併によって原疾患が急激に増悪する可能性があるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D042]←[国試_105]→[105D044]
[★]
- 65歳の女性。全身倦怠感を主訴に来院した。1か月前に全身倦怠感が出現し、徐々に増悪した。2週前に知人に皮膚の黄染を指摘された。既往歴に特記すべきことはない。体温36.6℃。眼球結膜に黄染を認める。血液所見:赤血球374万、Hb 12.0g/dl、Ht 36%、白血球7,700、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白6.3g/dl、アルブミン3.5g/dl、尿素窒素7mg/dl、クレアチニン0.5mg/dl、総ビリルビン12.8mg/dl、直接ビリルビン9.6mg/dl、AST 140IU/l、ALT 283IU/l、LD 210IU/l(基準176~353)、ALP 1,970IU/l(基準115~359)、γ-GTP 399IU/l(基準8~50)。CRP 0.4mg/dl。
- 認められる可能性が最も高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E048]←[国試_107]→[107E050]
[★]
- 54歳の男性。息切れと皮下の出血斑とを主訴に来院した。生来健康で1年前の会社での健康診断では異常はなかった。4か月前から階段で息切れを自覚するようになり、2か月前に顔色不良を指摘された。1週前に下腿前面に赤紫色の小斑点が多発しているのに気付き受診した。血液所見:赤血球160万、Hb 5.6g/dl、Ht17%、網赤血球0.4%、白血球2,300(桿状核好中球10%、分葉核好中球15%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球68%)、血小板0.9万。骨髄生検で著明な低形成を認める。
- この患者で予想される症候はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G053]←[国試_107]→[107G055]
[★]
- 46歳の男性。全身倦怠感、発熱および左季肋部違和感を主訴に来院した。 4年前に慢性骨髄性白血病の慢性期の診断で 1年間イマチニブ治療を受けていた。その後3年間受診せずそのままにしていた。末血血液検査で白血球 30,400、骨髄芽球が56%であった。末血白血球 bcr/abl FISH法検査の写真 (別冊 No. 9)を別に示す。
- 4年前と比較し、現在の患者の所見として考えられるのはどれか。
- a 脾腫の縮小
- b 血小板数増加
- c 骨髄細胞数減少
- d 染色体付加異常の出現
- e 好中球アルカリフォスファターゼ低値
[正答]
※国試ナビ4※ [108A028]←[国試_108]→[108A030]
[★]
- 32歳の女性。2週以上続く37℃台の発熱を主訴に来院した。3週前に抜歯を行った。体温37.8℃。脈拍84/分、整。III音と心尖部を最強点とする3/6度の全収縮期雑音とを聴取する。血液所見:赤血球320万、Hb9.8g/dl、Ht32%、白血球9,800、血小板20万。血清生化学所見:AST18単位、ALT16単位、LDH260単位(基準176~353)、CK35単位(基準10~40)。CRP7.6mg/dl。心エコー検査で僧帽弁に疣贅を認める。この疾患に特徴的でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F022]←[国試_100]→[100F024]
[★]
- 日齢5の新生児。在胎39週、出生体重2,840gで帝王切開で出生した。Apgarスコアは5点(1分)、9点(5分)。本日、心雑音を認めたため、心エコー検査を行ったところ大動脈遠位弓部狭窄、心室中隔欠損および動脈管開存を認めた。
- 今後、この患児にみられる可能性が高い症候はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G052]←[国試_111]→[111G054]
[★]
- 17歳の男子。10日前からの発熱、咽頭痛および倦怠感を主訴に来院した。鼻汁、鼻閉および咳嗽はない。両側後頸部リンパ節腫脹と脾腫とを認める。皮疹はみられない。血液検査で白血球12,400、異型リンパ球78%。
- 口腔内にみられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103C015]←[国試_103]→[103C017]
[★]
- a. 脾腫の診断には空腹時の方が有用である。
- b. 消化管穿孔の診断に有用である。
- c. 急性腹膜炎による腹部膨満では全体が濁音である。
- d. 肝臓では上縁が下縁より分かりやすい。
- e. 腹水の診断には体位変換が重要である。
[正答]
※国試ナビ4※ [095E019]←[国試_095]→[095E021]
[★]
- 身体診察と用いる手指の部位との組合せで適切なのはどれか。
- a 脾腫の触診―――手背
- b 腹部の打診―――母指の先端
- c 上顎洞の圧痛―――手掌近位部
- d 声音振盪の触診―――示指の先端
- e 鎖骨上リンパ節の触診―――示指から環指までの指腹
[正答]
※国試ナビ4※ [112E004]←[国試_112]→[112E006]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F039]←[国試_101]→[101F041]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097E023]←[国試_097]→[097E025]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095B064]←[国試_095]→[095B066]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111E021]←[国試_111]→[111E023]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G081]←[国試_100]→[100G083]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104G035]←[国試_104]→[104G037]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100E033]←[国試_100]→[100E035]
[★]
- 英
- rheumatoid arthritis, RA
- 同
- リウマチ様関節炎、萎縮性関節炎 atrophic arthritis
- 関
- カプラン症候群、膠原病
概要
- 原因不明のchronic multisystem disease
- 炎症性の関節炎が、特に末梢の関節で全身性に起こる。
- 経過は多様
症候
- 朝のこわばり、疼痛、腫脹、関節の動揺、関節可動域制限、変形(手指、足趾、膝関節)。(SOR.211)
- 手指の近位指節間関節(PIP関節)、中手指節関節(MP関節)。遠位指節間関節(DIP関節)に初発することは稀。(SOR.211)
- 左右対称性に生じることが多い。手関節、足趾、膝関節に初発する。(SOR.211)
- 朝のこわばりは1時間以上持続する(⇔変形性関節症では30分以内におさまる。関節を使わないと痛みがひどくなる)
関節外症状
- 100CASE p.76
- SOR.213改変
症候スペクトル
合併症
- YN. F-43
検査
単純X線
- 軟部組織の腫脹によるX線透過性の低下、関節周囲の骨萎縮(傍関節性骨骨粗鬆症)、関節辺縁のびらん、骨洞、関節裂隙狭小化、関節面の破壊、関節亜脱臼・脱臼(SOR.216)(下線の症状は変形性関節症では認めない)
血液
- 赤血球:小球性低色素性貧血
- 白血球:正常あるいは軽度増加。ただし 脾腫 + 白血球減少 + RA = フェルティー症候群
- 血小板:増加
- 補体:高値?。(SOR.217)SLEと違って低下しない。経過中に低下してきたのなら悪性関節リウマチを考慮
- リウマチ因子:陽性(70-80%の症例)
- 炎症所見:赤沈・CRP・免疫グロブリン高値
関節液
- 淡黄緑色、混濁、滑膜細胞の細片の浮遊を認める。粘稠度低下(SOR.218)
関節内視鏡
身体所見 (SOR.213,417)
手
手関節
- 手関節と遠位橈尺関節の滑膜炎→腫脹、運動痛、手関節の掌背屈及び前腕の回旋制限
- 尺骨頭の背側亜脱臼:ピアノキーサイン
- 手根骨の尺側移動、掌側移動
- 手関節強直:手関節が破壊されて癒合すると線維性強直、骨性強直が起きて関節の変形が固定される。
指
MP関節(MCP関節)
- 掌側脱臼、尺側偏位、伸筋腱の尺側脱臼
PIP関節
趾
MP関節(MTP関節)
- 外反母趾:第1中足骨が内反し、第1中足趾節関節で母指基節骨が外反し、中足骨骨頭が内側に膨隆し「く」の字型の変形を起こしたもの。
診断基準
|
7項目中、4項目以上を満たすとき、関節リウマチと診断される
|
備考
|
1
|
1時間以上持続する朝のこわばりが、6週間以上あること
|
|
2
|
3領域以上の関節の腫れが、6週間以上あること
|
領域は、PIP関節・MP関節・手・肘・膝・足・MTP関節の14領域に分けられる
|
3
|
手関節またはMP関節またはPIP関節の腫れが、6週間以上あること
|
少なくとも1ヵ所での軟部組織腫脹
|
4
|
対称性関節腫脹
|
PIP、MCP、MTP関節は完全に対象である必要はない
|
5
|
リウマトイド結節
|
骨突起部、伸側表面/関節近傍の皮下結節
|
6
|
リウマトイド因子が陽性
|
正常人コントロールで5%以下の陽性率を示す測定法を用いること
|
7
|
X線、関節リウマチに特有の骨びらんが見られる
|
手・指を中心に見る、びらん以上の破壊も含む
|
診断
治療
- 以前は、病状の進行に合わせて作用の弱い薬剤から強い薬剤を用いていたが、最近では初期に強力に炎症を抑制して関節破壊を防ぐ治療方針に変わってきている。
TNF阻害薬の適応
- 1. 既存の抗リウマチ薬(DMARD)通常量を3ヶ月以上継続して使用してもコントロール不良のRA患者。コントロール不良の目安として以下の3項目を満たす者。
- 1) 圧痛関節数6関節以上
- 2) 腫脹関節数6関節以上
- 3) CRP 2.0mg/dl以上あるいはESR 28mm/hr以上
- a) 画像検査における進行性の骨びらんを認める
- b) DAS28-ESRが3.2(moderate activity)以上
- のいずれかを認める場合も使用を考慮する。
- 2. さらに日和見感染症の危険性が低い患者として以下の3項目も満たすことが望ましい。
- 1) 末梢血白血球数 4000/mm3以上
- 2) 末梢血リンパ球数 1000/mm3以上
- 3) 血中β-D-グルカン陰性
参考
- 2. 株式会社医学生物学研究所 MESACUP CCPテスト
- 3. 関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン
- http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/guideline.html
[★]
- 英
- inborn error of metabolism, inborn errors of metabolism
- 同
- 先天性代謝異常症
- 関
- 先天性代謝異常
- 先天代謝異常症、先天性代謝異常、先天性代謝疾患、先天代謝異常、metabolic disease
- 「先天代謝異常症」と「先天性代謝異常症」は同じ意味?
[show details]
代表的な先天性代謝異常症の症状
代表的な先天性代謝異常症の検査所見
参考
- http://www.jc-metabolomics.com/index.html
[★]
- 英
- portal hypertension
- 同
- 門脈高圧症
- 関
- 門脈圧、門脈、閉塞肝静脈圧
- 正常範囲:100-150mmH2O。200mmH2O以上は異常 (YN.B-58) → 7.4-11mmHg (cf. 静脈圧 2-8 mmHg (PHD.61))
分類
部位による
- 参考1.
- 肝前性:肝前性門脈圧亢進症:門脈圧(PVP)>閉塞肝静脈圧(WHVP)
- 門脈血流↑:動脈・門脈シャント、腹部臓器血流増加、腹腔臓器肉腫
- 門脈閉塞:肝外門脈閉塞症、門脈血栓、脾静脈血栓、門脈圧排
- 肝内性:肝内性門脈圧亢進症:類洞前性は肝前性、類洞後性は肝後性と同じ:
門脈圧亢進症をきたす疾患
- 参考1 SSUR.644改変
|
肝前性
|
肝内性
|
肝後性
|
肝外門脈閉塞症
|
特発性門脈圧亢進症
|
肝硬変
|
Budd-Chiari症候群
|
extrahepatic portal obstruction
|
idiopathic portal hypertension
|
liver cirrhosis
|
|
門脈圧亢進症に占める割合
|
|
2-5%
|
90%以上
|
|
閉塞肝静脈圧 vs 門脈圧
|
小
|
小
|
大
|
大
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閉塞部位
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肝外門脈
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肝内門脈 類洞前
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肝内肝静脈 類洞後
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肝外肝静脈
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疫学
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(一次性)小児期に発症
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中年女性に多い
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病因
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(一次性)原因不明(新生児臍帯炎) (二次性)腫瘍病変
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原因不明
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(一次性)原因不明 (二次性)血栓説
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症状
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肝機能はほぼ正常 食道胃静脈瘤、脾腫、汎血球減少
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肝機能は良好な事が多い 巨脾、食道胃静脈瘤、汎血球減少、脾機能亢進
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進行例で肝機能低下 腹水、下腿浮腫、下肢静脈瘤、難治性下腿 胸腹壁の上行性皮下静脈怒張 食道胃静脈瘤、脾腫、汎血球減少
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肝臓の外観
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表面平滑or波打ち状
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再生結節により表面に凹凸を認める
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血管検査
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(肝静脈造影)肝静脈枝相互吻合、しだれ柳状
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(下大静脈造影)膜様閉塞 or 完全閉塞
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病理
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海綿状血管増生
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肝内門脈末梢枝のつぶれ像
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肝小葉構造の改築
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肝静脈周囲のうっ血と壊死。進行すれば肝硬変
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予後
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(一次性)10年生存率90%
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10年生存率70-80% 肝硬変より良好
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(一次性)10年生存率40%
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症状
- 食道静脈瘤:肝硬変の60-80%に合併。
- 胃静脈瘤:肝硬変の8-60%に合併。
- 異所性静脈瘤
- 十二指腸静脈瘤、消長静脈瘤、結腸静脈瘤、直腸静脈瘤、人工肛門静脈瘤、胆管静脈瘤
参考
- http://shutoku.fc2web.com/special_subjects/study_room/benkyoukai/liver2.doc
- http://jsge.or.jp/cgi-bin/yohgo/index.cgi?type=50on&pk=D79
[★]
- 英
- hereditary spherocytosis, HS
- 同
- 家族性溶血性黄疸 familial hemolytic jaundice、先天性溶血性黄疸 congenital hemolytic jaundice、ミンコフスキー・ショファー症候群 ミンコフスキー-ショファール症候群 Minkowski-Chauffard syndrome
- 関
- 溶血性貧血
概念
病因
- 赤血球の細胞の裏打ち蛋白(アンキリンなど)の障害により生じる。
疫学
遺伝
病態
- 臨床的なスペクトラムは広く、幼児に発症することもあれば成人後、あるいは妊娠を契機に診断されることがある。
- 血管外溶血をきたす → 脾腫
身体所見
検査
- 網赤血球:増加 → 造血の亢進
- 正球性高色素性貧血:MCHC高値
- 末梢血:球状赤血球の出現
[show details]
[show details]
- AST:上昇 → 溶血による
- LDH:上昇 → 溶血による
- 浸透圧に対する脆弱性 (the presence of osmotic fragility became the main diagnostic test for HS.)
- → (1)赤血球膜の物理的な脆弱性、((2)構造的に水分を取り込む余地がない(出典は???))
症状
合併症
参考
- 1. [charged] Hereditary spherocytosis: Mechanism of hemolysis and pathogenesis - uptodate [1]
- 2. [uptodate] Hereditary spherocytosis: Clinical features; diagnosis; and treatment - uptodate [2]
国試
-hereditary spherocytosis
[★]
- 英
- spleen (SP)
解剖
体表解剖 (2007年度後期解剖学授業プリント)
臓器と接する面 (KL.383, N.288)
- 5つある
- 1. 横隔面
- 2. 臓側面
- 2-1. 胃面
- 2-2. 膵面
- 2-3. 結腸面
- 2-4. 腎面
組織
- 動脈周囲リンパ鞘:T細胞
- リンパ小節:B細胞
- 辺縁帯:胸腺非依存性抗原を専門に認識するB細胞(形質細胞、T細胞、B細胞、マクロファージ、interdigitating dendritic cellなど)
- 白脾髄を取り巻くように存在し、赤脾髄と白脾髄を隔てている。
- 辺縁体では、数多くの小さな血管がリンパ小節を取り囲むように存在しており、辺縁洞をなす。中心動脈から放射状に伸びる細い血管が赤脾髄に入り、その後再び戻って辺縁洞に注ぐ。
機能 (SP.499)
- 1. 赤血球の処理
- 2. 防衛機能
- 3. 胎生期における造血作用
- 4. 赤血球の貯蔵
臨床関連
-
- 莢膜を持つ菌に感染しやすくなる→脾網内系はIgMを産生する場らしい?
- 脾摘後重症感染症症候群
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 関
- 脾腫
巨大脾腫をきたす疾患
- 慢性骨髄増殖性疾患 CMPDでは血球が増加し、髄外造血を行う傾向がある(HIM.671)ため、巨大脾腫をきたしやすいのではないか?
QB.G-255
[★]
- 英
- hepatosplenomegaly
- 同
- 肝脾腫大
- 関
- 脾腫、肝腫
[★]
- 英
- splenomegaly
- 関
- 脾腫
[★]
- 関
- がん、腫瘍、腫瘤、良性新生物