- 英
- superior vena cava (KH), SVC
- ラ
- vena cava superior
由来
走行
臨床関連
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/03/26 12:49:14」(JST)
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静脈: 上大静脈 |
心臓の前面における断面図である。白い矢印は通常の血液の流れを示している。
|
周辺の静脈
|
ラテン語 |
v. cava superior |
グレイの解剖学 |
書籍中の説明(英語) |
起始
|
腕頭静脈, 奇静脈
|
前駆体
|
総主静脈
|
MeSH |
Vena+Cava,+Superior |
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上大静脈(じょうだいじょうみゃく、superior vena cava(SVC))とは上半身の血液を集めて右心房に流れ込む短く太い静脈である。なお下半身の血液を集めているのは下大静脈である。
目次
- 1 走行
- 2 発生
- 3 関連疾患
- 4 画像
- 5 関連項目
走行[編集]
上大静脈は、上肢や首や頭からの血液を集めている右と左の腕頭静脈が合流してできる。また右心房に入る直前に、胸郭からの血液を集めている奇静脈が心臓の上側の右前方から合流している。
上大静脈と腕頭静脈には右心房に至るまで弁がないので、右の心房収縮と心室収縮が内頚静脈まで伝わる。この拍動を頚静脈圧といい、胸鎖乳突筋を通して観測することができる。三尖弁逆流が起こるとこれがかなり強くなる。
発生[編集]
発生の途中まで胚の静脈はほぼ左右対称であるが、心臓が発達するにつれて静脈系は右側に偏って発達する。このとき右総主静脈と右前主静脈の一部から作られるのが上大静脈である。左前主静脈は退縮し左総主静脈は冠状静脈洞として心臓側に残り冠状静脈の還流にあずかるようになる。稀に、左前主静脈がのこっていることがあり、これを左上大静脈遺残(PLSVC: persistent left superior vena cava)という。さらに右側も閉塞せず、左右両方に上大静脈がある場合は重複上大静脈と呼ばる。このとき左上大静脈は冠状静脈洞を通って右心房に入ることがほとんどである。
関連疾患[編集]
上大静脈が悪性腫瘍等で閉塞するとチアノーゼ、浮腫などの症状がでることがある。これを上大静脈症候群という。上大静脈の閉塞時には奇静脈や内胸静脈が側副血行路として発達する。
画像[編集]
関連項目[編集]
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Japanese Journal
- 上大静脈症候群への血管内ステント留置を行った悪性胸膜中皮腫の1例
- 長島 聖二,福田 実,北﨑 健,御手洗 和範,森 雅一,河野 茂
- 肺癌 53(3), 250-254, 2013-09-30
- … 背景.上大静脈症候群は緊急的な合併症である.しかしながら本邦における静脈内ステント留置術は保険適応対象外診療であるので,あまり行われていない.症例.67歳の男性.悪性胸膜中皮腫に対して化学療法を行っていたが,診断より2年2ヶ月後呼吸困難が強くなり入院した.胸部CT検査では右胸膜病変が増大し,上大静脈,右主肺動脈,右主気管支を狭窄していた.顔面を含む上半身の浮腫,頚 …
- NAID 120005350161
- 3. 心大血管合併切除(<特集>進行肺癌に対する拡大手術-最近の動向-)
- 2. 肺癌に対する拡大手術の位置づけ(<特集>進行肺癌に対する拡大手術-最近の動向-)
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★リンクテーブル★
[★]
- 60歳の女性。顔のむくみ、息苦しさ及び痰に血が混じることを主訴に来院した。3か月前から顔面腫脹、咳嗽および呼吸困難のため自宅近くの診療所で抗菌薬と利尿薬とを処方され内服したが軽快しなかった。1週前から血痰もみられるようになったため受診した。喫煙は30本/日を35年間。意識は清明。身長160cm、体重68kg。体温36.7℃。脈拍92/分、整。血圧140/96mmHg。呼吸数14/分。SpO2 96%(room air)。頸静脈と前胸部皮静脈とに怒張を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。右鎖骨上窩に径2cmのリンパ節を触知する。NSE 107ng/ml(基準10以下)、ProGRP 580pg/ml(基準46以下)。胸部エックス線写真(別冊No.1)を別に示す。
- 狭窄または閉塞が考えられる血管はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107F015]←[国試_107]→[107F017]
[★]
- 大動脈弓の高さにおける解剖学的位置関係で誤っているのはどれか。
- a 胸腺は食道より前方に位置する。
- b 気管は食道より前方に位置する。
- c 横隔神経は椎体より前方に位置する。
- d 上大静脈は気管より前方に位置する。
- e 交感神経幹は大動脈弓より前方に位置する。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B009]←[国試_109]→[109B011]
[★]
- 二次孔心房中隔欠損症で血液酸素飽和度が上昇し始めるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097G098]←[国試_097]→[097G100]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G049]←[国試_098]→[098G051]
[★]
- 英
- phrenic nerve (KH)
- ラ
- nervus phrenicus
- 関
- [[]]
由来
- 頚神経叢由来
- 主にC4(C3-C5)の前枝(KL.657)
支配
走行
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- heart
- ラ
- cor
- 関
- 肺、循環器
性状
体表解剖
- 心臓の上縁:左の第2肋軟骨の下縁と右の第3肋軟骨を結ぶ線上
- 心臓の右縁:右の第3肋軟骨から右の第6軟骨に向かう線。この線は外側に向かって弓状をなす。
- 心臓の下縁:右縁の下端から第5肋間隙で左鎖骨中線の近くに向かう線
- 心臓の左縁:上縁と下縁を外側に凸となる曲線で結んだ線
機能血管
動脈
静脈
心臓の栄養動脈 (M.92)
-
- 洞房結節枝
- 右縁枝
- 後下行枝 = 後室間枝
- 房室結節枝
-
心臓の栄養静脈 (M.95)
心臓の静脈の特徴
- 酸素供給能 = 心臓の送血能 x 血液のHb量 x (動脈の酸素飽和度(肺) - 静脈の酸素飽和度(末梢))
- 心臓の酸素消費量と仕事
[★]
- 英
- chest radiograph
- 関
- 胸部X線像
心臓の目印と呼称
疾患と各弓の変化
[★]
- 英
- sinuatrial node (N,Z), SA node sino-atrial node
- 同
- キース・フラック結節,SA結節、洞結節 sinus node
生理
- 自動的興奮性を有する
- 房室結節細胞やプルキンエ線維も自動的興奮性を有するが、閾電位に達する前に興奮が伝導してくるので、これらの自動性は潜在的
- 洞房結節の活動電位の発生にはNaチャネルの活性化はほとんど関与しない(授業プリント)
解剖
[★]
- 英
- external jugular vein
- ラ
- vena jugularis externa
- 同
- 外頸静脈
- 関
- 頚静脈、内頚静脈、上大静脈
由来-終末
走行
臨床関連
- 外頚静脈の怒張 (M.554)
- 普段は見えないが、静脈圧が上昇すると、外頚静脈が顕著に見えるようになる。
- 原因:心不全の徴候、鎖骨下リンパ節の腫大、胸腔内圧の上昇、上大静脈の閉塞
[★]
- 英
- superior vena cava syndrome, SVC syndrome, SVCS
- 関
- 上大静脈、頚静脈怒張
概念
- 上大静脈の閉塞や有意狭窄によって生じる上半身の静脈圧の上昇で、頭部、顔面、上肢、頸部および上半身のうっ血を来す症候群。
- 肺癌、ホジキンリンパ腫(→ホジキン病)、大動脈瘤などの縦隔洞、胸腔内腫瘍により急速に上大静脈が圧迫され、静脈還流異常をまねき、これによって生ずる種々の症状をいう。
病因
病態生理
症状
- 上肢静脈圧は30-50cmH2Oと上昇し頚部、上腕、胸壁の静脈は怒張し、顔面、上肢の浮腫をみる。
- 頚静脈、側頭静脈の怒張、起坐呼吸、失神発作
- 脳浮腫 → 頭痛、めまい、傾眠傾向、(ときどき)痙攣・呼吸困難など
- 脳静脈圧上昇 → 抗利尿ホルモン分泌亢進 → 脳脊髄循環に悪影響
身体所見
- (原因疾患が良性で慢性に経過する場合)副血行路が主として奇静脈、内胸静脈、側胸静脈、脊椎静脈に生じる。門脈系を通して食道静脈瘤を生じる。
副側路(表在腹壁静脈)の流れる方向
検査
- 胸部単純X線写真:左第一弓の突出
- 胸部造影CT:上大静脈の閉塞、奇静脈の拡張
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治療
- 手術療法:大動脈瘤や甲状腺腫など
- 放射線療法・抗癌剤化学療法:摘除不能な悪性腫瘍
- バイパス手術:人工血管にて閉塞部をバイパス
- 経皮的血管形成術:バルーン拡張やすてんと留置で閉塞部を広げる。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
国試
[★]
- 英
- superior vena cava-right pulmonary artery anastomosis
- 関
- グレン手術
[★]
- 同
- left superior vena cava, LSVC
[★]
- 英
- opening of superior vena cava (Z)
[★]
- 英
- vein (Z)
- ラ
- vena
- 毛細血管から発生した静脈血を心臓に送るために使われる血管。
[★]
- ラ
- vena cava
- 関
- 静脈
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.