- 英
- probability、chance
- 関
- 可能性、機会、偶然、見込み、チャンス
WordNet
- be the case by chance; "I chanced to meet my old friend in the street"
- a risk involving danger; "you take a chance when you let her drive"
- a measure of how likely it is that some event will occur; a number expressing the ratio of favorable cases to the whole number of cases possible; "the probability that an unbiased coin will fall with the head up is 0.5" (同)chance
- the quality of being probable; a probable event or the most probable event; "for a while mutiny seemed a probability"; "going by past experience there was a high probability that the visitors were lost"
PrepTutorEJDIC
- 〈C〉〈U〉『偶然』,偶然のでき事;運,めぐり合わせ / 〈U〉〈C〉(何かが起こる)『公算』,見込み,可能性(probability) / 〈C〉『好機』,機会(opportunity) / 〈C〉危険,冒険;かけ / 《『chance to』 do》〈人が〉偶然;する / 《『it chances』+『that』『節』》〈物事が〉偶然に起こる / …'を'運を天に任せてする / 偶然の,はずみの
- 〈U〉『ありそうなこと』,起こりそうなこと,見込み,公算(likelihood) / 〈C〉ありそうな(起こりそうな)事件(結果) / 〈U〉(数学で)確率;(哲学で)蓋然(がいぜん)性
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/07/08 17:39:50」(JST)
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確率の数学的な定式化については「確率論」を参照
確率(かくりつ、英: probability)とは、偶然性を持つある現象について、その現象が起こることが期待される度合い、あるいは現れることが期待される割合のことをいう。確率そのものは偶然性を含まないひとつに定まった数値であり、発生の度合いを示す指標として使われる。
目次
- 1 概要
- 2 日本における用語の歴史
- 3 用語の定義
- 4 確率と観測
- 5 量子論と確率
- 6 哲学と確率
- 7 客観確率と主観確率
- 8 脚注
- 9 参考文献
- 10 関連項目
- 11 外部リンク
概要
数学においても、賭け事の計算の定式化として出発している。同様に確からしい事象に注目して確率の値を求めることと、ある事象の確率から他の事象の確率を求める方法を記述することと、統計的な確率の正当化が中心となる。
日本における用語の歴史
Probability なる単語に対して「確率」という訳案が出されたのは、1908年(明治41年)だが、この語の他にも「蓋然」「公算」「適遇」「近真」「確からしさ」「多分さ」等の候補が有り、「確率」という訳語が定着したのは、1919年(大正8年)頃である[2]。首都大学東京で経営科学を専門とする中塚利直教授は、藤澤利喜太郎の訳語であると推定している[3]。中国語では「概率」、「機率」または「或然率」と訳している。
用語の定義
ラプラスの「確率の哲学的試論」の解説で、内井惣七は帰納的確率と統計的確率に分類している。
日本工業規格では確率(かくりつ:probability)は、「ある試行を同じ条件の下で長く続けたとき,一定の結果が生起する相対頻度の極限値。より一般的にはランダムな事象に割り当てられている [0, 1] の範囲の実数値と定義される。一般に事象 A の確率を Pr (A)で表す。」参考として「ある事象が生じるという信念の度合いを表す主観確率という概念も存在する。」と定義している。
確率と観測
確率は、理論的な事象の発生頻度を与える。たとえば、コインをトスして、手で伏せる。表と裏の確率はそれぞれ50%である。その後、手を除けて観測すると、表か裏かは判明する。これについて、多世界解釈では可能性の数だけ世界が分岐するという解釈がなされる。
量子論と確率
量子論では、確率という概念は決定的に重要となる。古典物理学の世界では、事象は決定的であるが、量子論の世界では、事象は決定的でなく確率的に決まるだけである。
量子論の世界で、事象が確率的に決まる理由はよくわかっていない。事象が確率的に決まることは、実験結果からわかったことである。わかっていることは、確率が確率振幅の自乗に比例することのみであり、それは量子力学の基礎原理のひとつである。別の何かの原理から導くことはできない。
哲学と確率
哲学的には、確率を人間の限界と関係づけて様々な立場がある。例えば、量子論において、初期の段階では、観測問題のように人間が知ることができないだけで、決まっていることという理解があった。これは、人間が何か分かって何がわからないかという哲学的な立場を物理現象の説明に当てはめようとした見解であった。アインシュタインの言葉として「神はサイコロを振らない(独: Der Alte würfelt nicht.)」がある[5]。しかし、物理学では、ベルの不等式によりこの立場を取っておらず、物理学の支持のない哲学的な主張と見なしている。
客観確率と主観確率
詳細は「主観確率」を参照
確率(客観確率)を拡張してできた、主観確率という概念もある。
脚注
- ^ 松宮哲夫「確率という用語の由来 : その発案者と定着の過程 : 佐藤良一郎先生の思い出に捧げる」、『数学教育研究』第21巻、大阪教育大学数学教室、1992年、 103–109、 ISSN 0288-416X。
- ^ aサロン(記者ブログ)_科学面にようこそ_藤沢利喜太郎 生誕150年 [リンク切れ] 中塚は、当時の保険学関係の雑誌に、大学内で「確率」と決定した旨の藤沢からの通知文が載っていたことなどから、「藤沢に端を発した訳語」と考え、自著『応用のための確率論入門』で解説している。
- ^ マックス・ボルン宛の1926年12月4日付の手紙 原文:独: Die Quantenmechanik ist sehr achtunggebietend. Aber eine innere Stimme sagt mir, daß das noch nicht der wahre Jakob ist. Die Theorie liefert viel, aber dem Geheimnis des Alten bringt sie uns kaum näher. Jedenfalls bin ich überzeugt, daß der Alte nicht würfelt.(直訳:量子力学にはとても尊敬の念を抱いています。しかし内なる声が私に、その理論はまだ完璧ではないと言っています。量子力学はとても有益なものではありますが、神の秘密にはほとんど迫っていません。少なくとも私には、神はサイコロを振らないという確信があるのです。)
参考文献
- ラプラス, ピエール=シモン 『確率の哲学的試論』 内井惣七訳、岩波書店〈岩波文庫〉、1997年。ISBN 978-4003392515。
- 中塚利直 『応用のための確率論入門』 岩波書店、2010年。ISBN 978-4-00-005206-1。
- 西岡, 康夫 『数学チュートリアル やさしく語る 確率統計』 オーム社、2013年。ISBN 9784274214073。
- 『数学辞典』 日本数学会、岩波書店、2007年、第4版。ISBN 9784000803090。
- JIS Z 8101-1:1999 統計−用語と記号−第1部:確率及び一般統計用語, 日本規格協会, (1999), http://kikakurui.com/z8/Z8101-1-1999-01.html
- 伏見, 康治 『確率論及統計論』 河出書房、1942年。ISBN 9784874720127。
関連項目
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- 量子論
- 科学哲学
- 確率論
- 確率変数
- 確率分布
- 母集団
- 期待値
- 標本
- 事象
- 試行
- ランダム
- 様相
- 帰納
- 主観確率
- モンティ・ホール問題 - 確率に関する逸話
- ギャンブル
外部リンク
- 日本工業標準調査会
- 「Interpretations of Probability」 - スタンフォード哲学百科事典にある「確率の解釈」についての項目。(英語)
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ソフトウェア信頼度成長モデルによる学習者特性を考慮した原稿作成指導手法の検討
- 土井 崇,奥田 隆史,井手口 哲夫,田 学軍
- 情報処理学会研究報告. コンピュータと教育研究会報告 2014-CE-126(2), 1-6, 2014-10-04
- … ドバイスを提供する必要があるかなどを考慮することである.そこで本稿では,原稿の修正過程をソフトウェア信頼度成長モデルにより表現することで,学生の能力向上を意識した原稿作成指導について検討する.その結果より,教員に原稿作成プロセスの指標を提供することを目的とする.また,指導内容や学生の能力変化によって学生の修正数の確率的特徴が著しく変化する現象を考慮することで,より現実的なモデルとした. …
- NAID 110009830995
- 現場リーダーのための説得する力養成講座(第1回)成功確率を高める意思決定 常に決まったプロセスで判断 判断根拠を示し納得を得る
Related Links
- SPI2「確率」のまるわかり講座。計算力とともに論理的思考力も求められる確率。SPI2の中でも難度の高い論点です。 ... で求められます。 コインの例題ですと,「そのことがらの起こる場合の数」が, 「表」が出る=1通り 「(起こり ...
- サイコロやコインの確率計算やガチャや宝くじの確率を計算します。 ... 確率の計算 ・サイコロの確率 サイコロを振って特定の目が出る確率を計算します。 ・サイコロの和の確率 サイコロを指定個数振って、その合計の値が出る確率 ...
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- ☆case33 頭痛と混乱
- ■glossary
- accompany
- vt.
- (人)と同行する、(人)に随行する。(もの)に付随する。~と同時に起こる。~に加える(添える、同封する)(with)
- slurred n. 不明瞭
- 強直間代痙攣 tonic-clonic convulsion
- 意識消失とともに全身の随意筋に強直痙攣が生じ(強直痙攣期tonic convulsion)、次いで全身の筋の強直と弛緩とが律動的に繰り返される時期(間代痙攣期clonic convulsion)を経て、発作後もうろう状態を呈する一連の発作。
- ■症例
- 28歳、女性 黒人 南アフリカ 手術室看護師 ロンドン住在
- 主訴:頭痛と混乱
- 現病歴:過去3週間で頭痛が続いており、ひどくなってきた。現在も頭痛が持続しており、頭全体が痛い。友人曰く「過去六ヶ月で体重が10kg減っていて、最近、混乱してきたようだ」。発話は不明瞭。救急室にいる間に強直間代痙攣を起こした。
- ・診察 examination
- やせている。55kg。38.5℃。口腔カンジダ症(oral candidiasis)。リンパ節腫脹無し。心血管、呼吸器系、消化器系正常。痙攣前における神経検査では時間、場所、人の見当識無し。神経局所症状無し(no focal neurological sign)。眼底両側に乳頭浮腫有り。
- ・検査 investigation
- 血算:白血球増多
- 血液生化学:ナトリウム低下
- CT:供覧
- ■キーワード&着目するポイント
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis)
- ・頭痛、精神症状、強直間代痙攣
- ・眼底両側に乳頭浮腫
- ・CT所見
- ・低ナトリウム血症は二次的なもの
- ■アプローチ
- ・口腔カンジダ症(oral candidiasis) → 細胞免疫低下状態(DM、免疫抑制、AIDSなど) or 常在細菌叢の攪乱(長期の抗菌薬の使用)
- ・The occurrence of thrush in a young, otherwise healthy-appearing person should prompt an investigation for underlying HIV infection.(HIM.1254)
- ・More commonly, thrush is seen as a nonspecific manifestation of severe debilitating illness.(HIM.1254)
- ・精神症状、強直間代痙攣 → 一次的、あるいは二次的な脳の疾患がありそう
- ・頭痛 → 漠然としていて絞れないが、他の症状からして機能性頭痛ではなく症候性頭痛っぽい。
- ・眼底両側に乳頭浮腫 → 脳圧亢進の徴候 → 原因は・・・脳腫瘍、ことにテント下腫瘍と側頭葉の腫瘍、クモ膜下出血、脳水腫など、そのほか、眼窩内病変、低眼圧などの局所的要因、悪性高血圧、血液疾患、大量出血、肺気腫などの全身的要因 (vindicate本のp342も参考になる)
- ・頭痛と脳圧亢進 → 頭蓋内圧占拠性病変、脳炎(IMD.274)
- ・CT所見 → ringformの病変、脳浮腫、脳圧亢進
- ・低ナトリウム血症 → 脳ヘルニアに続発して起こることがあるらしい。実際には下垂体にトキソプラズマによる病変が形成されることにより起こりうる。
- ・そのほか出身地、体重減少もHIVを疑わせる点
- パターン認識でHIV + 精神症状 + てんかん発作(強直間代痙攣) + 脳圧亢進 + CT所見 = 一番ありそうなのはToxoplasma gondiiによるトキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis (トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis)
- ■Toxoplasma gondii
- 原虫 胞子原虫類
- (感染予防学 080521のプリント、CASES p,92、HIM p.1305-)
- ・疫学:西洋では30-80%の成人がトキソプラズマの感染の既往がある・・・うぇ(CASES)。日本では10%前後(Wikipedia)。
- ・生活環
- ・終宿主:ネコ:ネコの小腸上皮細胞で有性・無性生殖 糞便にオーシストの排泄
- ・中間宿主:ヒト.ブタを含むほ乳類と鳥類:無性生殖で増殖、シストの形成
- 急性期の増殖盛んな急増虫体tachyzoiteとシスト内の緩増虫体bradyzoite
- ・病原、病因 phathogenesis
- ・緩増虫体(bradyzoite)、接合子嚢(oocyst)
- ・感染経路
- 1. オーシストの経口摂取
- 2. 中間宿主の生肉中のシストの経口摂取
- 3. 初感染妊婦からの経胎盤感染。既感染なら胎盤感染しないらしい(HIM.1306)
- (4)移植臓器、輸血。確率は低い(at low rate)(HIM.1306)
- ・病態
- 1. 先天性トキソプラズマ症 congenital toxoplasmosis
- ①網脈絡膜炎、 ②水頭症、 ③脳内石灰化、 ④精神・運動障害
- 2. 後天性トキソプラズマ症 acquired toxoplasmosis
- (1) 健常者
- ・多くは不顕性感染。発熱、リンパ節腫脹、皮疹(rash)
- ・(少数例)筋肉痛、暈疼痛、腹痛、斑状丘疹状皮疹(maculopapular rash)、脳脊髄炎、混乱(HIM.1308)
- ・(まれ)肺炎、心筋炎、脳症、心膜炎、多発筋炎
- ・網膜、脈絡叢に瘢痕や、脳に小さい炎症性の病変を残すことあり(CASES)。
- ・急性感染の症状は数週間で消失 筋肉や中枢神経系に緩増虫体が残存
- (2)HIV感染者、臓器移植例、がん化学療法例
- シスト内緩増虫体→急増虫体→播種性の多臓器感染
- AIDSでは、トキソプラズマ性脳炎が指標疾患 AIDS-defineing illness(CASES)
- ・治療
- (日本)アセチルスピラマイシン、ファンシダール(感染予防学 080521)
- ■トキソプラズマ脳炎 toxoplasmic encephalitis、トキソプラズマ脳症 cerebral toxoplasosis
- ・症状
- 発熱、頭痛、混乱m、痙攣、認知の障害、局所神経徴候(不全片麻痺、歯垢、脳神経損傷、視野欠損、感覚喪失)(CASES)
- ・画像検査
- (CT,MRI)多発性、両側性、ring-enhancing lesion、特に灰白質-白質境界、大脳基底核、脳幹、小脳が冒されやすい(CASES)
- ・鑑別診断(臨床症状・画像診断の所見で)
- リンパ腫、結核、転移性脳腫瘍(CASES)
- ・病歴と画像所見からの鑑別診断
- リンパ腫、結核、転移性腫瘍
- ?
- このCTがcerebral toxoplasmosisに特徴的かは不明
- □最後に残る疑問
- AIDSでWBC(leukocyte)の数はどうなるんだろう???AIDSの初診患者ではWBCが低い人が多いらしいし()、HIVはCD4+ T cellとmacrophageに感染して殺すから、これによってB cellは減るだろうし、CD8+ T cellも若干減少するだろうからWBCは減るんじゃないか?!好中球はAIDSとは関係ない?好中球は他の感染症に反応性に増加している?ちなみに、好酸球は寄生虫(原虫)の感染のために増える傾向にあるらしい(HIMのどこか)。
- スルファジアジン
- sulfadiazine
- ピリメタミン
- pyrimethamine
- 葉酸拮抗剤である。
- サルファ剤と併用され、抗トキソプラズマ薬、抗ニューモシチス・カリニ薬として相乗的に働く。
- ST合剤
- SMX-TMP
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤 sulfamethoxazole and trimethoprim mixture
- □AIDSの定義(http://en.wikipedia.org/wiki/CDC_Classification_System_for_HIV_Infection_in_Adults_and_Adolescents)
- A CD4+ T-cell count below 200 cells/μl (or a CD4+ T-cell percentage of total lymphocytes of less than 14%).
- or he/she has one of the following defining illnesses:
-
- 01. Candidiasis of bronchi, trachea, or lungs
- 02. Candidiasis esophageal
- 03. Cervical cancer (invasive)
- 04. Coccidioidomycosis, disseminated or extrapulmonary
- 05. Cryptococcosis, extrapulmonary
- 06. Cryptosporidiosis, chronic intestinal for longer than 1 month
- 07. Cytomegalovirus disease (other than liver, spleen or lymph nodes)
- 08. Encephalopathy (HIV-related)
- 09. Herpes simplex: chronic ulcer(s) (for more than 1 month); or bronchitis, pneumonitis, or esophagitis
- 10. Histoplasmosis, disseminated or extrapulmonary
- 11. Isosporiasis, chronic intestinal (for more than 1 month)
- 12. Kaposi's sarcoma
- 13. Lymphoma Burkitt's, immunoblastic or primary brain
- 14. Mycobacterium avium complex
- 15. Mycobacterium, other species, disseminated or extrapulmonary
- 16. Pneumocystis carinii pneumonia
- 17. Pneumonia (recurrent)
- 18. Progressive multifocal leukoencephalopathy
- 19. Salmonella septicemia (recurrent)
- 20. Toxoplasmosis of the brain
- 21. Tuberculosis
- 22. Wasting syndrome due to HIV
- People who are not infected with HIV may also develop these conditions; this does not mean they have AIDS. However, when an individual presents laboratory evidence against HIV infection, a diagnosis of AIDS is ruled out unless the patient has not:
-
- AND
- □AIDSのステージング
- ■参考文献
- HIM = Harrison's Principles of Internal Medicine 17th Edition
- CASES = 100 Cases in Clinical Medicine Second edition
- IMD = 内科診断学第2版
[★]
- 96
- 35歳 女性
- 【主訴】息切れ
- 【現病歴】6ヶ月から次第に増悪する息切れを訴え来院。息切れは進行しており、今では同年代の人に比べ階段を登ったり平地を歩くのがおそい。3ヶ月間空咳が出現してきている。
- 【既往歴】喘息(子供の頃、中等度)
- 【家族歴】父:40歳時に胸部疾患(chest problem)で死亡(と、この患者は思いこんでいる)。
- 【服用薬】パラセタモール。やせ薬は過去に使ったことがある
- 【嗜好歴】タバコ:吸わない。飲酒:週に10 units以下。
- 【職業歴】印刷会社(学校卒業後ずっと)
- 【生活歴】8歳と10歳の子供がいる。ペットとして自宅にネコとウサギを飼育している。
- 【身体所見】
- バチ指、貧血、チアノーゼは認めない。心血管系正常。呼吸器系で、両側性に肺拡張能低下。胸部打診音、および触覚振盪音は正常。聴診上、両肺の肺底部に呼気終期年発音を聴取する。
- 【検査所見】
- 呼吸機能試験
- 測定値 予測値
- FEV1(L) 3.0 3.6-4.2
- FVC(L) 3.6 4.5-5.3
- FER(FEV1/FVC)(%) 83 75-80
- PEF(L/min) 470 450-550
- 胸部単純X線写真
- 胸部単純CT(肺野条件)
- Q1 診断は?Q2 追加の検査と治療法
- (解説)
- ・6ヶ月から次第に増悪する息切れ
- ・本当に6ヶ月から息切れが始まったかは分からない!!実際にはもっと前から存在する可能性を考えよう。
- ・喘息の既往歴 → また喘息か・・・
- ・聴診上笛音 weezingなく、また呼吸機能検査で閉塞性肺障害は認められず否定的
- ・職業性喘息 ← 肺の疾患では職業歴が重要なんだよ、うん。
- ・職業に関連した特定の物質に曝露され引き起こされる気管支喘息。
- ・気管支喘息だと閉塞性換気障害でしょっ。
- ・本症例の病態
- ・拘束性病変(restrictive problem):拡張制限 + ラ音(呼気時に閉鎖していた気道の再開通によるラ音。このラ音は(1)肺が硬い+(2)肺容量低下による起こるんじゃ)
- ・呼吸機能検査の結果
- ・中等度の拘束性換気障害(FEV1とFVCの低下、slightly high ratio)
- → 硬い肺と胸郭を示唆している → 肺コンプライアンス低下じゃな。
- → 拡散能低下が予想される。
- ・胸部単純X線写真
- ・小さい肺野、中肺野~下肺野にかけて結節性網状陰影(nodular and reticular shadowing)を認める ← 教科書的には「線状網状影」
- ・HRCT
- ・胸膜下嚢胞形成(subspleural cyst formationの直訳。教科書的には「胸膜直下の蜂巣肺所見」)を伴う線維化
- これらの所見→diffusing pulmonary fibrosis(fibrosing alveolitis)
- ・肺の線維化病変を見たら限局性かびまん性かを見なさい!マジで?
- ・びまん性:diffuse fine pulmonary fibrosis
- ・原因:膠原病、薬剤性、中毒性、特発性
- ・限局性:例えば肺炎感染後の瘢痕
- ・IPF
- ・まれに家族性の病型有 → 本症例で父がchest problemで無くなっている事と関連があるかもしらん。
- ・IPFの良くある病型:UIP + CT上胸膜下に認められる蜂巣肺
- ・膠原病に合併する場合、NSIPの様に広い範囲に斑状の病変が出現
- ・CT上、ground glass shadowingに見える所はactive cellular alveolitisであり、反応に反応する確率が高いことと関連している。
- ・追加の検査の目的:原因と合併症の検索、肺生検施行の有無を決定
- ・肺生検:経気管支鏡生検は試料が少ないために負荷。VATは良く使用されており、若年の肺組織を得るのに適切な方法。
- ・治療
- ・低用量~中等量の副腎皮質ステロイド ± 免疫抑制薬(アザチオプリン):数ヶ月経過観察し、反応性を観察。
- ・UIP症例でこのレジメンに対する反応性は乏しく、治療による利益より重大な副作用を起こさないことが重要
- ・アセチルシステイン:anti-oxidant
- ・予後を改善するというエビデンス有り
- ・ステロイド+アザチオプリン+アセチルシステインというレジメンで用いられることがある
- ・肺移植
- ・本症例の様にナウでヤングな患者には適応を考慮しても良い
- ・予後
- ・疾患の進展速度は症例により様々
- ・6ヶ月で死亡する急性増悪も起こることがある。
- Progression rates are variable and an acute aggressive form with death in 6 months can occur.
- ・UIP症例では多くの場合2~3年かけて確実に進行していく。
- ■glossary
- clubbing n. バチ指
- restrictive ventilatory defect 拘束性換気障害
- transfer factor = 拡散能/拡散能力 diffusion capacity
- subpleural bleb 胸膜下嚢胞
- diffuse fine pulmonary fibrosis びまん性微細肺線維症
- warrant vt. (正式)(SVO/doing)S(事)からするとO(事)は「~することは」当然のことである(justify)
- relevant adj. 直接的に関連する、関連性のある(to)
- ground glass すりガラス
- 'ground glass' shadowingすりガラス陰影
[★]
- 英
- parts per million、ppm
テンプレート:Otheruses
テンプレート:小文字
ppm(パーツ・パー・ミリオン)は、100万分のいくらであるかという割合を示す単位。主に濃度を表すために用いられるが、不良品発生率などの確率を表すこともある。「parts per million」の頭文字をとったもので、100万分の1の意。百万分率とも。
- 1ppm = 0.0001%
- 10,000ppm = 1%
同様の単位に、ppc(パーセント、parts per cent、100分の1、百分率)、ppb(パーツ・パー・ビリオン、parts per billion、10億分の1、十億分率)、ppt(パーツ・パー・トリリオン、parts per trillion、1兆分の1、一兆分率)などがある。
- 1ppm = 0.0001ppc = 0.0001%
- 1ppm = 1,000ppb
- 1ppm = 1,000,000ppt
二酸化窒素などの大気汚染物質をはじめとする公害分野や、食品添加物などの濃度、岩石中の微量元素の組成、半導体中の不純物量を示す目的などで良く用いられる。
気体中の気体については体積比を用い、液体・固体中の液体・固体では重量比を用いるのが一般的である。体積比か重量比かあいまいになる場合は使用しない方がよい。なお、水溶液中の濃度について、「1kg = 1l」と近似し、「mg/l = ppm」として、水質汚濁物質濃度等の単位で用いられることがあるが、公的基準値などでは使用されない。
長さを表す例として、線膨張係数の表記にも使用される。
(例)線膨張係数が8.8ppm/℃と表記されている場合、これは、8.8μm/℃/m(メートル)のことである。
ちなみに、一般の水の遊離残留塩素濃度は約0.4ppm、浄水器を使った場合は約0.1ppmである。
また、原子(分子)の数量の比率か重量の比率かを区別するためにppma(parts per million atomic)もしくはppmw(parts per million weight)の表記が用いられることもある<ref name="NREL_mgSi">シリコン原料の精製に関する論文の例(NREL/SR-520-30716)</ref>。
出典
<references/>
[★]
- 英
- perspective、expectation、promise、estimate、prospect、chance、odds、likelihood
- 関
- 遠近、確率、可能性、機会、偶然、しそう、推定、測定、待機、展望、評価、見積、見積もる、見通し、約束、尤度、予期、予算、予想、チャンス
[★]
- 関
- accident、accidental、accidentally、casual、casually、estimate、expectation、fortuitous、likelihood、occasion、occasional、odds、opportunity、perspective、probability、promise、prospect、scope
[★]
- 英
- stochastic、probabilistic、stochastically
- 関
- 確率論的、推計学的
[★]
- 英
- stochastic、stochastically
- 関
- 確率的、推計学的
[★]
- 英
- rate
- 関
- 比
- 集団における現象発生の頻度を表す指標。全体に対する部分の割合を示す。
- 値は0~1