出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/05/20 20:21:58」(JST)
食品添加物(しょくひんてんかぶつ、英語 food additives)は、食品製造の際に添加する物質のこと。広義には食品包装に使われる樹脂などを、間接食品添加物として扱う場合がある。
主な用途
また、化学合成によるものとそうでないものに分類される。
目次
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1956年、WHO(世界保健機関)は、JECFA(FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives:食品添加物の合同専門委員会)を設立する。 JECFAは、ADI(Acceptable Daily Intake:許容一日摂取量)を算出している。動物を用いて慢性毒性、急性毒性、発がん性、催奇形性などがリスク評価され、健康へ影響を与えない量であるADIが算出される。
1962年、コーデックス委員会(FAO/WHO合同食品規格委員会、CAC:Joint FAO/WHO Codex Alimentarius Commission)が設立される。食品の国際的な規格を策定している。
食品衛生法では、第4条第2項で「食品の製造の過程において又は加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう」と定義され、種類や量が規制されている。添加物は安全が確認されたものを指定し使用できた(ポジティブリスト)。当初の使用してもいいと指定された食品添加物の数は、60種類であった。
既存天然添加物489品目のうち、139品目に速やかな調査が求められるが残りは安全性が高いものであると結論された。以降、安全性の報告が継続される。
2005年6月1日現在、指定されている添加物は361品目、既存添加物名簿に収載されているもの450品目、天然香料が600品目許可されている。また、エタノールやブドウ果汁などが「一般に食品として飲食に供されている物であって添加物として使用されるもの」として一般飲食物添加物100品目が定められている。
安全性は、ADIと実際に摂取している量を比較するリスク評価により判断される。マーケットバスケット方式を用いた食品添加物一日摂取量調査結果によれば、安全性上問題ないレベルであることが確認されている[6]。
食品添加物について、日本の基準と外国の基準はいまだ統一はなされていないため、輸入食品から日本では許可されていない添加物が検出されることがある。日本では上記のように食品添加物は指定制度を取っているため、指定されていない添加物は「無認可」となる。「無認可」という表現は、安全性上の問題があって禁止されていると誤解が生じることもある。
輸入の柑橘類の果物に使われるポストハーベスト農薬は食品添加物に分類されている。
食品添加物が食品加工の際、添加される段階、また添加の目的、添加物の名称、使用量などを一般消費者にもわかりやすく表示する方法としては、食品加工の際の衛生管理工程図であるHACCP(ハサップ)に、食品添加物の投入や使用の工程、添加物名及び使用数量を明記して一般消費者向けに開示することが考えられる。 もし食品製造工程に企業秘密が存在するのであれば「特許」(食品の製法特許)で食品製造者の法的権利を保護して、HACCPを一般消費者に開示する方法も考えられる。
食品衛生法によって食品添加物に関わる製品への表示が定められている。その表示方法は下記の通り。
以下に述べる食品添加物は、食品衛生法により製品への表示を免除されている。
これは食品添加物が同じ目的のために複数用いられる場合は、個別の食品添加物の名称を表示しなくとも「一括表示」してよいということである。一括表示できるのは次の14種類[7]。
この表示方法は、使用した重量に対して多い順、なおかつ下記に述べている3つの表示方法に沿って、表示しなければならない。
1980年代、欧州共同体(EEC)で、イーナンバー(en:E_number)という表示によって、E100番台は合成着色料、E200番台は合成保存料などと分かりやすい表示に整理された。
1856年、ウィリアム・ヘンリー・パーキンがコールタールから染料を合成し、以降、合成染料の業界ができる。
1977年、食品添加物を除去するファインゴールドの食事療法はイギリスにも知れ「注意欠陥・多動性障害の子供をサポートする会」[9]につながった。
1986年、ラベル表示を義務付ける法案が施行する。
2009年末より、メーカーが自主規制するよう勧告されているタール色素:赤色40号、赤色102号、カルモイシン、黄色4号、黄色5号、キノリンイエロー[10]
合成着色料は禁止されたものが多く、それ以外の合成添加物も第二次世界大戦以後に使われるようになったものが大半であり、使用の歴史も浅く、安全性が疑問視されてきた。
天然に存在しない化学合成添加物の毒性や、またまだリスク評価されていない蓄積性や環境ホルモン作用についても疑問視されている。
また、複合的な汚染が懸念されている。 厚生労働省が食品添加物認可前に行う各種安全性試験は、食品添加物を単品でのみ供試動物に投与するものであり、一般消費者が日々、複数の食品添加物を摂取している現状に鑑み、考えられる「複数の食品添加物同士による複合作用」は試験されていない。
タール色素を中心とした一部の添加物では発癌性や染色体異常、催奇形性の危険性にもとづき、各国で規制されているものが日本では流通しているため、一部消費者が安全性に異議をとなえている。こうした疑問に対しては、食品安全委員会のホームページの他、JECFAでの科学的な審議結果が参考となる。
1975年、アメリカのアレルギー医であるベン・F.ファインゴールド は『なぜあなたの子供は暴れん坊で勉強嫌いか』という著書を出版し、サリチル酸に似た構造を含む合成食品添加物の入らない食事によって、アレルギー症状が回復すると同時に半数以上の子供のADHD(注意欠陥・多動性障害)も改善されることを報告した。
1985年、ロンドンで最大の小児病院といわれるグレート・オーモンド・ストリート小児病院で76人の子供で二重盲検法による比較が行われ、合成着色料と合成保存料の除去した食事によって80%以上の子供に活動の収まる傾向がみられたものの、正常値までADHDが改善したのは28%であった。頭痛などの症状も改善したのは38%であった。[11]。二重盲検法で合成保存料や合成着色料を除去したらADHDの子供の73%に改善傾向が見られた[12]。
2007年、英国食品基準庁はいくつかの合成着色料と合成保存料の安息香酸ナトリウムの混じったものが子どものADHDを増加させるという二重盲検法の結果[13][14]を受けて、避けたほうがいいと勧告し[15]2008年4月、英国食品基準庁(FSA)は注意欠陥・多動性障害(ADHD)と関連の疑われるタール色素6種類について2009年末までにメーカーが自主規制するよう勧告した[10]。ガーディアン紙によれば、この政府勧告による自主規制の前に、大手メーカーは2008年中にもそれらの食品添加物を除去する[16]。
2008年3月、これを受けて、欧州食品安全庁(EFSA)は、イギリスでの研究結果は1日あたりの摂取許容量(ADI)の変更にのための基準にはできないと報告した[17]。しかし、4月イギリスは再び排除すべきだと勧告を行い[10]、8月には欧州は摂取量の見直しをはじめ「注意欠陥多動性障害に影響するかもしれない」という警告表示がされることになると報道された[16]。
1999年、食品添加物の危険性を指摘する『買ってはいけない』が出版され、ミリオンセラーとなった。
2005年11月、食品添加物の元セールスマンである安部司が、『食品の裏側—みんな大好きな食品添加物』を出版し、注目された。 かれは、「(食品添加物を利用することで実現した)簡単で便利な生活もいいけれど、その代償として失っているものは確実にあります。それが何なのか、本当にこのままでよいのか。この辺りで立ち止まって、一度きちんと考えてみてはどうでしょうか。私の話がそのきっかけになるのであれば、それが一番うれしいことです。」[18]と述べている。
ただし、『買ってはいけない』や安部司の『食品の裏側』については科学ライターの松永和紀がその論理の飛躍や非科学性を手厳しく批判している[19]。
食品添加物が加えられていることを嫌がる消費者も少なくないが、例えば、豆腐やこんにゃくは、そもそも添加物を加えないと凝固しないなど、添加物がないと製造できない食品も多いことも事実である。育児用粉ミルクの各種ビタミン類、水酸化カルシウム、硫酸銅、硫酸亜鉛など食品添加物で必須成分を強化しなければ、乳児の健康に重篤な障害が発生しうる危険性さえある。
また、無添加食品が無添加でない食品よりも健康にいいという科学的証拠は全くゼロであり、無添加などの日用品におけるゼロリスク商法は、消費者に誤解と不安を広げるだけで、加工食品等に対する信頼の構築には結びつかないという意見もある。[20][21]現状では、「無添加」という語句は、一種のバズワードと考えられる。
食品添加物そのものは、スーパーなどで、「うま味調味料」、製菓材料の着色料(タール色素)、サッカリンや着色料含有のたくあんの素など漬物の素などの形で、一般消費者向けに販売されている。
嗜好
味
保存
製造
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テンプレート:Otheruses テンプレート:小文字 ppm(パーツ・パー・ミリオン)は、100万分のいくらであるかという割合を示す単位。主に濃度を表すために用いられるが、不良品発生率などの確率を表すこともある。「parts per million」の頭文字をとったもので、100万分の1の意。百万分率とも。
同様の単位に、ppc(パーセント、parts per cent、100分の1、百分率)、ppb(パーツ・パー・ビリオン、parts per billion、10億分の1、十億分率)、ppt(パーツ・パー・トリリオン、parts per trillion、1兆分の1、一兆分率)などがある。
二酸化窒素などの大気汚染物質をはじめとする公害分野や、食品添加物などの濃度、岩石中の微量元素の組成、半導体中の不純物量を示す目的などで良く用いられる。
気体中の気体については体積比を用い、液体・固体中の液体・固体では重量比を用いるのが一般的である。体積比か重量比かあいまいになる場合は使用しない方がよい。なお、水溶液中の濃度について、「1kg = 1l」と近似し、「mg/l = ppm」として、水質汚濁物質濃度等の単位で用いられることがあるが、公的基準値などでは使用されない。
長さを表す例として、線膨張係数の表記にも使用される。 (例)線膨張係数が8.8ppm/℃と表記されている場合、これは、8.8μm/℃/m(メートル)のことである。
ちなみに、一般の水の遊離残留塩素濃度は約0.4ppm、浄水器を使った場合は約0.1ppmである。
また、原子(分子)の数量の比率か重量の比率かを区別するためにppma(parts per million atomic)もしくはppmw(parts per million weight)の表記が用いられることもある<ref name="NREL_mgSi">シリコン原料の精製に関する論文の例(NREL/SR-520-30716)</ref>。
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