- 英
- large bowel cancer
- 同
- 結腸直腸癌, colorectal cancer, CRC, colorectal carcinoma、直腸結腸癌
- 関
- 結腸癌 colon cancer colonic cancer。大腸
- first aid step1 2006 p.277
概念
- 大腸に発生した悪性腫瘍の総称
- 結腸癌、直腸S状部癌、直腸癌を含む。
疫学
死亡率
- 男性:第4位(肺>胃>肝>大腸)
- 女性:第1位(大腸>胃>肺>肝>乳房>子宮)
リスクファクター(first aid step1 2006 p.277)
- ×Peutz-Jeghers syndromeはリスクファクターではない
好発部位
- 直腸・S状結腸 > 上行結腸・盲腸 > 横行結腸 > 下行結腸
- 直腸が50%、S状結腸25% (出典不明)
頻度
肉眼分類
早期癌
- 0-I型(隆起型):Ip(隆起型)、Isp(亜有茎型)、Is(無茎型)
- 0-II型(表面型):IIa(表面隆起型), IIc(表面陥凹型)
進行癌
- 1型(腫瘤型)
- 2型(潰瘍限局型)
- 3型(潰瘍浸潤型)
- 4型(びまん浸潤型)
頻度
- 進行癌:2型(潰瘍限局型) > 3型(潰瘍浸潤型) > 1型(腫瘤型) > 4型(びまん浸潤型)
- 早期癌を含めると、2型(潰瘍限局型)(80%)に次いで0型(表在型)が多い。
- 2型で外周の2/3週以上となると、注腸造影でapple core sign として認められる。
病期分類
Dukes分類
- A. 癌腫が腸管壁内に限局するもの ← 固有筋層まで(MP。つまりT2)
- B. 癌腫が腸壁を貫いて浸潤するが、リンパ節転移のないもの
- C. リンパ節転移があるもの
進行病期分類
stage
|
定義
|
治療
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0
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癌が粘膜にとどまっている。(M)
|
内視鏡
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I
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癌が大腸壁にとどまっている。(SM,MP)
|
SM軽度浸潤(<2cm)では内視鏡、それ以外は手術療法
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II
|
癌が大腸壁の外まで浸潤している。(SS,SE)
|
手術療法
|
III
|
リンパ節転移がある。
|
手術療法+補助化学療法
|
IV
|
肝転移、肺転移または腹膜播種がある。
|
手術療法 and/or 化学療法 and/or 放射療法
|
大腸癌取り扱い規約 第7版(2009年)
壁深達度
- M:粘膜内まで
- SM:粘膜下層まで
- MP:固有筋層まで
漿膜を有する部位
- SS:MP越えているが漿膜下にとどまる
- SE:漿膜表面に露出
- SI:他臓器に直接浸潤
漿膜を有しない部位
進行度
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N0
|
N1
|
N2
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H1,H2,H3,M1 P1,P2,P3
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M
|
0
|
|
SM MP
|
I
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IIIa
|
IIIb
|
IV
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SS,A SE SI,AI
|
II
|
リンパ節郭清
- 1群リンパ節郭清:D1:腫瘍付近のリンパ節(傍リンパ節)を切除
- 2群リンパ節郭清:D2:癌のある腸管を栄養する血管に沿うリンパ節(中間リンパ節)までを切除
- 3群リンパ節郭清:D3:栄養血管の根元にあるリンパ節(主リンパ節)までを切除
病理
症状
腫瘍の局在
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右側結腸
|
左側結腸
|
S状結腸・直腸
|
症状
|
自覚症状に乏しい(貧血、腹部腫瘤、腹痛、まれに腸重積)
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イレウス多い、左下腹部痛
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血便/粘結弁
|
下痢
|
便秘、便通過障害(下血・血便)
|
便通異常(下痢・便秘、腹部膨満感、しぶり腹、輪状狭窄、糞柱の狭小化)
|
検査
血液検査
腫瘍マーカー
便潜血
単純X線検査
診断
治療
- 原則として以下の治療を選択するが、必要に応じて、手術療法、化学療法、放射線療法を組み合わせる。(SSUR.550)
- Stage0,StageIの一部:内視鏡的切除
- StageI,II:手術療法
- StageIII:手術療法+化学療法
- StageIV:手術療法、化学療法、および放射線療法の組み合わせ
早期癌
内視鏡的治療
原則
病期
- stage 0 ~ stage I and SM軽度浸潤 and 最大径 2cm以下
適応基準
- ( M or SM ) and ( 最大経≦2cm ) and ( 肉眼型は問わない )
進行癌
-
- FOLFIRI療法 → FOLFOX療法 、 FOLFOX療法 → FOLFIRI療法 。一次治療にはベバシズマブ、二次治療にはセツキシマブの併用を推奨
- stage I~IVで行われる。
- 原発巣の切除とリンパ節の郭清を行う
- 転移巣(肝臓、肺)、局所再発に対して:根治性が得られるなら切除。得られないのであれば姑息的治療(肝転移の場合なら、経カテーテル的肝動脈塞栓術
- (姑息的に?結腸癌の進展による直腸の狭窄が考慮される場合には)Hartmann手術をおこなう。
- (大腸癌の肝転移例に対する手術適応)原発巣が根治的に処理されている場合には積極的に肝切除を行う。肝切除ができない場合は経カテーテル的冠動脈塞栓術を施行(QB.A-194)
術式
結腸癌
- 結腸部分切除術
- 回盲部切除術
- 結腸右半切除術
- 結腸左半切除術
- S状結腸切除術
- 結腸全摘術
検診
スクリーニング
- USPSTF
- 50-75歳の成人に便潜血・大腸内視鏡を推奨する(A)
- 85歳以上の高齢者には推奨しない(D)
- リスクが有る患者には40歳、ないし発症した親族の年齢の10年前から大腸内視鏡を5年ごとに行う
- リスク:2人の大腸癌ないし腺腫性ポリープの家族歴あり
- 大腸内視鏡であれば10年毎でよいが、これをやらない場合には毎年の便潜血を。
参考
- 1. がん情報 - 結腸および直腸 Colon and Rectum(C18-C20)
- http://ganjoho.ncc.go.jp/data/hospital/cancer_registration/odjrh3000000hrgr-att/20070723022_c18colon_and_rectum.pdf
- 2. 大腸低分化腺癌,印環細胞癌の臨床病理学的検討
- 山形県立中央病院外科
- 平井 一郎 池田 栄一 飯澤 肇 佐藤 敏彦 岡部 健二 石田 卓也 太田 陽一
- 最近11年間の大腸癌手術症例1,260例のうち,低分化腺癌(por)93例,印環細胞癌(sig)7例を臨床病理学的に検討した.また間質結合織の多寡で髄様型(med),中間型(int),硬性型(並1)に3分類した。por,sigはs(a2)以深の進行例が多く,早期癌203例中1例のみであり,癌発生直後より急速に進展すると考えられた。5生率は高分化:67.9%,中分化:423%,por,sig:37.4%で,por,sigは有意に予後不良であった。間質別5生率はmedで79.6%と極めて予後良好だったが,sciには3年生存例がなく,med,int,並i間に有意差が認められた。組織発生の検討では,intは分化型腺癌の浸潤先進部の分化度が低下し低分化部分が優勢となったもので,med,sciは発生初期から低分化腺癌の形態をとる症例が存在すると考えられた。大腸低分化腺癌,印環細胞癌の間質組合織の多寡による3分類は予後,癌組織発生の点で重要である。
- http://journal.jsgs.or.jp/pdf/028040805.pdf
- http://www.jsco-cpg.jp/guideline/13.html
ガイドライン
- http://www.jsco-cpg.jp/guideline/13.html
- 大腸癌治療ガイドライン 医師用 2010年版 - 大腸癌研究会 JSCCR
- http://www.jsccr.jp/guideline2010/guideline02.html
PrepTutorEJDIC
- Civil Rights Commission市民権擁護委員会
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/20 14:47:33」(JST)
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大腸癌 |
分類及び外部参照情報 |
胃と直腸と結腸の図
|
ICD-10 |
C18.-C20. |
ICD-9 |
153.0-154.1 |
ICD-O: |
M8140/3 (95%の事例) |
OMIM |
114500 |
DiseasesDB |
2975 |
MedlinePlus |
000262 |
eMedicine |
med/413 med/1994 ped/3037 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
大腸癌(だいちょうがん、colorectal cancer[1])とは、大腸(盲腸、結腸、直腸)に発生する癌腫であり、肛門管に発生するものを含めることもある。
正式には部位別に盲腸癌(もうちょうがん、cecum cancer)、結腸癌(けっちょうがん、colon cancer)、直腸癌(ちょくちょうがん、rectum cancer)と称される。
目次
- 1 疫学
- 2 危険因子
- 3 予防の可能性
- 4 病態
- 5 病理
- 6 症状
- 7 検査・診断
- 8 病期
- 8.1 TNM分類
- 8.2 AJCC病期分類
- 8.3 大腸癌取り扱い規約による分類
- 8.4 その他の有名な分類
- 9 治療
- 9.1 内視鏡治療
- 9.2 手術療法
- 9.3 化学療法
- 9.4 放射線療法
- 10 脚注
- 11 参考文献
- 12 関連項目
- 13 外部リンク
|
疫学[編集]
日本では女性のがんの死亡率の1位を占め、2020年には男性でも2位に上昇すると予想されている。[2]。アメリカ合衆国においては、3番目に多い癌で、癌死の原因として2番目に多く、生涯に大腸癌に罹患する確率は約7%である。日本でも胃癌を追い越し肺癌についで2番目に多くなっている。
危険因子[編集]
各国民の肉の消費量と大腸癌の発生率には高い相関がある。
以下のものが報告されている。
- 大腸癌に罹る家系
- 特に55歳以前の罹患や癌の多発の場合、顕著である。
- 年齢
- 大腸癌に進行するリスクは年齢とともに増加する。その多くは60歳代から70歳代で後期がんが発見されるが、早期発見のためには35[3]歳以降は定期的な検診が必要であるとされる。
- 癌の既往歴
- 卵巣癌、子宮癌、乳がんに罹患した婦人は、大腸癌に進行するリスクが増大する。
- 家族性大腸腺腫症(家族性大腸ポリポーシス)(Familial adenomatous polyposis;FAP)
- 全大腸切除を施されない場合はほぼ100%が癌に進行する。
- 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)
- 長期罹患で寛解がコントロールされていない症例に多く、全大腸切除を施されない場合には25年後でおよそ30%が大腸癌となる。
- 腸内細菌である硫化水素産生菌が産生する硫化水素が潰瘍性大腸炎の原因ではないかとの指摘がある。大腸の粘膜に硫化水素を代謝する酵素が存在するが、その処理量以上の硫化水素に大腸がさらされることが潰瘍性大腸炎の原因となるのではないかとの指摘がされている[4][要高次出典]。硫化水素はミトコンドリアに所在するシトクロムcオキシダーゼを阻害することにより毒性を発現する。高濃度の硫化水素に曝露されることでアポトーシス関連蛋白質であるcaspase3の活性化、ミトコンドリアからのシトクロムcの遊離が見られ、ミトコンドリアを介したアポトーシスが誘導される可能性がある[5][要高次出典]。大腸粘膜を傷害するおそれのある有害な物質の発生を制御するためシソ科を中心としたいくつかの植物の抽出物を動物にあたえることで硫化水素やメタンチオールの発生を抑制することが報告されている[6][要高次出典]。
- 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(hereditary nonpolyposis colorectal cancer;HNPCC)
- 大腸癌や他臓器癌の高リスク群であるため定期的なスクリーニングが推奨される。
- 過体重・肥満
- リスクが高まる事が確実視されている。
- 男性で肥満だと大腸癌になりやすい[7]。
- 赤肉、加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージ)
- 赤肉の摂取と大腸がんのリスクの増加が指摘されている[8]。がん予防10か条(世界がん研究基金)では「赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。ゴール:赤肉は週300g以下に。推奨:赤肉は週500g以下に。」と指摘されている。
- 飲酒
- 確実なリスク
- 1日平均1合以上の飲酒者は、お酒を飲まない人に比べて、大腸癌になりやすい[9]。
- 喫煙
- 喫煙は特に直腸癌のリスク上昇となる。
- たばこを吸う人は、吸わない人に比べて、大腸癌になりやすい[9]。
- 食事バランス
- 食物繊維をとり、動物性の食肉を減らすと大腸癌のリスクが低減すると言われており、食物繊維の摂取量が少ない(平均約6g)人のリスクが高くなる事は再確認されたが、食物繊維を多く摂取している人の肉食でリスクが高まるかは不明である。臨床的にはバランスの取れた食事は大切であるとされている[10][11]。
- 食物繊維摂取量の非常に少ない人で大腸癌リスクが高くなる可能性があるという報告がある[12]。
- 米国国立がん研究所の公開資料によると、「(脂肪に富んだ)大量の肉と大量のカロリーを摂取する人々は、特に大腸がんにおいて、がんの危険が増大することが図より見て取れる。」と指摘している[13]。
- 女性では、「欧米型」の食生活と大腸癌との関連が示唆されるという報告がある[14]。
- リトコール酸
- リトコール酸(Lithocholic acid)は、脂質を可溶性にして吸収を高める界面活性剤の役割をする胆汁酸の一種である。体内で生成された一次胆汁酸であるケノデオキシコール酸から大腸内における微生物の活動により二次胆汁酸としてリトコール酸が発生する。リトコール酸は、人や実験動物に発がんをもたらすとされている[15]。食物繊維は、リトコール酸を吸着し、大便として排出することを促進するとしている[16]。しかし、後述するように食物繊維には大腸がんのリスクの減少の効果はほとんど認められないとしている。
- なお、代表的な界面活性剤である石鹸は、カルシウムイオンやマグネシウムイオンと結合して石鹸かすになって界面活性力を失い毒性もなくなる。二次胆汁酸にカルシウムが結合することで無毒化されて便中に排泄されるという説がある[17]。興味深いことに、カルシウムとカルシウムの吸収に密接な関わりのあるビタミンDについては後述のような報告もあり、また、マグネシウム摂取量が多いグループの男性の大腸がんリスクが低いとの報告がある[18]、との報告がある。
- ラットで、各種ポリフェノール(カフェ酸、カテキン、クルクミン、エラグ酸)の摂取がリトコール酸の生成を減少させたとの報告がある[19][要高次出典]。
- C-ペプチド
- C-ペプチドは、インスリン生成の際、インスリンの前駆体であるプロインスリンから切り放された部分を指すが、男性では、C-ペプチド値が高いと大腸癌リスクが高くなる。C-ペプチドは男性の結腸癌と関連がある[20]。
- 高感度CRP
- 炎症の程度を示す高感度CRP(C反応性蛋白)の値が高いと、大腸癌リスクが高くなる[21]。
予防の可能性[編集]
- 検診
- 人の血液にのみ反応する免疫便潜血検査[22]は、スクリーニングとしての精度は低いが安価で検査への負担の少ない検診の方法として、現在日本では概ね(自治体や各企業により違いがあるが)35歳から40歳以上の人に対して推奨されている。健康診断の「大腸がん検診」は殆どの場合これをさす。血液検査による腫瘍マーカー(CA19-9やCEA)による検診の方法もあるが、病期が進行するまで異常値を示さない場合が多く[23]早期発見にはつながりにくい。そのため、年齢や生活習慣および病歴などからみたハイリスクグループには、大腸内視鏡による検診が推奨[24]されている。
- 大腸癌検診を受けている人では、大腸癌による死亡率が低い[25]。
- 検査
- ハイリスクグループや何らかの症状のある人は検査を受けるべきである。ほとんどの大腸がんは、腺腫性ポリープから発生する。これらの病変は大腸内視鏡検査で検知可能で除去可能である。50歳から始めて5年か10年毎に一度のこの内視鏡検査と病変の除去で、がん死のリスクを80%以上減少させることができる[26]。
- 米国全国総合がんネットワークによる現在のガイドラインにおける限り、大腸がんの家族歴がなく、腺種や炎症性腸疾患の病歴がない平均的な対象者で、5年毎のS字結腸の内視鏡検査と毎年の便潜血反応検査、あるいは、バリウム注腸二重造影検査は、10年毎の内視鏡検査よりも望ましい検査方法であるとされている。
- 生活習慣及び栄養
- 様々な国々での大腸がんの発生を比較すると、すわり作業で、高カロリー食品の食べ過ぎ、多量の赤肉又は加工肉の摂取は大腸がんの発生のリスクを高めることを強く示唆している。反面、健全な体重、適度な運動、良い栄養は一般的にがんのリスクを下げる。生活習慣を変えることにより大腸がんのリスクを60-80%下げることができると言われている[27]。
- 身体活動量の多い人で大腸癌リスクが低くなるという報告がある[28]。
- 便通は、大腸癌リスクと関係ない。下痢便は、直腸癌リスクと関連があるかもしれないという報告がある[29]。
- 野菜・果物をたくさん食べても大腸癌リスクは変わらず[30]。
- 果物、野菜、シリアルその他の食物繊維の多量の摂取は、大腸がんと腺種のリスクを下げると考えられてきた。この理論を検証するため16年にわたる88,757人を対象とした調査では、食物繊維の多い食事は大腸がんのリスクを下げてはいなかった[31]。2005年の別の調査でもその結果を支持している[32]。
- ハーバード大学公衆衛生学部は、「食物繊維の摂取は、健康効果のある健全な食事としてもてはやされ、心臓病、糖尿病、憩室疾患、便秘を含む様々な疾患のリスクを減少させていた。多くの人が信じていたにも関わらず、食物繊維には大腸がんのリスクの減少の効果はほとんど認められなかった。」と発表している[33]。
- WHOと国際がん研究機関 (IARC) による、「生活習慣とがんの関連」についてのリスクを下げるもの、リスクを上げるものに関する報告がある[34]。
生活習慣とがんの関連[34][35] (WHO/IARC)
関連の強さ |
リスクを下げるもの(部位) |
リスクを上げるもの(部位) |
確実 |
身体活動(結腸) |
たばこ(口腔、咽頭、喉頭、食道、胃、肺、膵臓、肝臓、腎臓、尿路、膀胱、子宮頸部、骨髄性白血病)
他人のたばこの煙(肺)
過体重と肥満(食道<腺がん>、結腸、直腸、乳房<閉経後>、子宮体部、腎臓)
飲酒(口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、乳房)、
アフラトキシン(肝臓)、
中国式塩蔵魚(鼻咽頭) |
可能性大 |
野菜・果物(口腔、食道、胃、結腸、直腸)
身体活動(乳房) |
貯蔵肉(結腸、直腸)
塩蔵品および食塩(胃)
熱い飲食物(口腔、咽頭、食道) |
可能性あり データ不十分 |
食物繊維、大豆、魚、ω-3脂肪酸、カロテノイド、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、亜鉛、セレン、非栄養性植物機能成分(例:アリウム化合物、フラボノイド、イソフラボン、リグナン) |
動物性脂肪 複素環式アミン 多環芳香族炭化水素 ニトロソ化合物 |
2004年における10万人毎の大腸がんによる死亡者数(年齢標準化済み)[36]
0 データなし
0 2.5以下
0 2.5-5
0 5-7.5
0 7.5-10
0 10-12.5
0 12.5-15
0 15-17.5
0 17.5-20
0 20-22.5
0 22.5-25
0 25-27.5
0 27.5以上
- ビタミンD
- アメリカ国立癌研究所は、ビタミンDの摂取が大腸がん及びその他のがんの予防効果について限定されているか証拠が不十分なので、大腸がん及びその他のがんの予防のためにビタミンDサプリメントの摂取を勧奨はしないとしている[37]。
- ビタミンDの摂取が少ないと直腸がんのリスクが高かったとの報告がある[38]。
- カルシウム
- 2つの無作為化比較試験[39][40]の国際コクラン共同計画によるメタ分析[41]によると、カルシウムは大腸腺腫性ポリープをある程度抑制し得るかもしれないことが発見された。
-
- ある無作為化比較試験は、1000mgのカルシウム成分と400IUのビタミンD3は大腸癌に何も効果を示さなかった[42]。
- カルシウムとビタミンDの両方を多く摂取するグループで大腸癌のリスクが低下したとの報告がある[43]。
- ω-3脂肪酸
- 魚を食べても大腸癌との研究がある[44]。魚由来のω-3脂肪酸およびトータルのω-3不飽和脂肪酸摂取量が多いグループの結腸癌リスクは低い。ω-6脂肪酸およびω-3/ω-6比は大腸癌のリスクと関連がみられない[45]。
- アスピリン
- 後述の#化学療法を参照のこと。
- ビタミンB6
- ビタミンB6を多く摂取するグループで大腸癌のリスクが低下したとの報告がある[46]。
- コーヒー
- コーヒーは女性の浸潤結腸がんを予防したとの報告がある[47]。
病態[編集]
多くの大腸癌の発生に関する機序については大きく以下の2つが論じられている。
- adenoma carcinoma sequence(腺腫-癌 発生)
- 腺腫(大腸ポリープ)から癌が発生し発展していくと考えられている。
- 腺腫(大腸ポリープ)を経ずに何らかの要因によって癌が発生していくと考えられている。
病理[編集]
大腸癌で最も多く見られるものは腺癌で、全体の95%も占める。他についても様々に存在する。
詳細は「大腸ポリープ」を参照
症状[編集]
一般に早期大腸癌であれば自覚症状はなく、健康診断や人間ドックで発見される。まったく症状が現れない場合も少なくない。進行大腸癌でも環周度が1/4以下ならば症状はほとんどない。1/2周を超えると腸内容の通過障害を起こす場合がある。
左側結腸に存在すると便通異常、腹痛、腹部膨満感などがあり、血便を伴うこともある。しかし、右側結腸ではこれらの症状は乏しく貧血、体重減少、腫瘤触知などの症状となる。これは上行結腸では内容物がまだ液体であるからであると説明されている。左側結腸の全周性病変になると排便困難、便秘、イレウスを起こすこともある。
検査・診断[編集]
大腸癌は早期に発見できれば完全治癒の可能性が大きくなる。集団健診では普通「便潜血反応」が行われる。潜血反応が陽性であった場合、貧血などの異常がある場合、その他の大腸癌のハイリスクの場合は、癌をはじめとする大腸疾患の確定のため大腸内視鏡検査が行われる。
- 便潜血反応検査(Fecal occult blood test;FOBT)
- 「化学的便潜血検査」と「免疫学的便潜血検査」がある。化学的便潜血検査は鉄分を含む食事によって検査結果が変化してしまうため、現在は免疫学的の「ヒトヘモグロビン法」が主流。多くの大腸癌検診の1次スクリーニングとして広く行われている。
- 大腸内視鏡(Colonoscopy)
- 内視鏡で直腸から回盲部まで挿入し病変を観察する。最近ではほぼ多くの場合に2次スクリーニングの確定診断目的に施行される。
- バリウム注腸二重撮像法(Double contrast barium enema;DCBE)
- 肛門からバリウム溶液を注入し、ついで空気を注入し、大腸や直腸の形状をX線で撮像する。
-
直腸RSに発生した2型腫瘍の注腸バリウム像(高分化型管状腺癌)。
-
- コンピュータ断層撮影法 (CT)
- X線診断法で進行癌の周囲への進展度合や他臓器(特に肝臓)転移の有無を検査するのに行われる。他の理由で実施されたCT断層撮影で進行大腸癌が発見されることもある。また内視鏡や透視とは異なり、腹部の断層撮影がなされていることから腸管の粘膜下病変を検出し、スキルスや粘膜下腫瘍、虫垂病変などの評価を行える。
- 現在、コンピューターの情報処理能力の進歩に伴いCT colonographyと呼ばれる仮想大腸内視鏡が普及しつつある。この方法は大腸をガスで膨らませ、肛門からカメラを入れ込むことなく、大腸部分を精密な3次元CT画像にする装置である。但し、事前の食事制限や下剤処理を受けることは同じ。唯一陰性反応適中度が低いことが欠点とされる[48]が、これも科学的な根拠はないとされる。腸管に障害のあるばあいこの検査法は、内視鏡検査の代替検査として有効である[49]。
- 血液検査
- 進行大腸癌があると貧血を来すことがよくある。貧血自体はありふれた疾患であるが、大腸がんがその原因の場合は進行がんのおそれがある。また、腫瘍マーカーを計測することで進行癌の存在を推定することができる。癌胎児性抗原(CEA)が代表的であるが、ほとんどが進行ガンでしか陽性にならず、早期ガンや前ガン病変(大腸ポリープ)の発見はできない上、費用がかかる。
- 直腸指診(Digital rectal examination;DRE)
- 医師が、潤滑剤を付けた手袋をした指で直腸に異常がないか触診する。簡単に実施できるが、肛門からその医師の指の届く範囲数センチの所までしか診断できない。
病期[編集]
大腸癌の病期分類は主に局所浸潤の度合い、リンパ節浸潤の度合いあるいは遠隔転移の有無によって決定される。今日においては、日本では「大腸癌取り扱い規約」に基づく独自の病期分類を行っている。国際的にはTNM分類が病期分類に使用される。あるいは医者によっては以前から使用されていたデューク分類(Duke's system)を使用する者もいる。
TNM分類[編集]
UICCのTNM分類の定義を次に示す。
- T - 腸壁への浸潤度合い
- T0 - 癌の兆候は見出されない
- Tis- 癌は粘膜内にある(腫瘍は存在しているが、浸潤はない)
- T1 - 腫瘍は存在しているが、浸潤は最小限である
- T2 - 浸潤は粘膜下組織に達している
- T3 - 浸潤は筋固有層に達している
- N - リンパ節浸潤の度合い
- N0 - リンパ節に浸潤は見られない
- N1 - 1ないし3つのリンパ節に浸潤が見られる。
- N2 - 4つ以上のリンパ節に浸潤が見られる
- M - 転移の度合い
例えば患者が癌に罹患していなければT0N0M0となる。
AJCC病期分類[編集]
- Stage 0
- Stage I
- Stage IIA
- Stage IIB
- Stage IIIA
- Stage IIIB
- Stage IIIC
- Stage IV
大腸癌取り扱い規約による分類[編集]
まずは肉眼的分類として以下がある。
- 0型 表在型(詳しくは大腸ポリープの項目を参照)
- 病変の肉眼的形態が軽度な隆起や陥凹を示すに過ぎないもの。
- 1型 腫瘤型
- 明らかに隆起した形態を示し、周囲粘膜との境界が明瞭なもの。
- 2型 潰瘍限局型
- 潰瘍を形成し、潰瘍をとりまく胃壁が肥厚し周堤を形成し、周堤と周囲粘膜との境界が比較的明瞭なもの。
- 3型 腫瘍浸潤型
- 潰瘍を形成し、腫瘍をとりまく胃壁が肥厚し周堤を形成するが、周堤と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの。
- 4型 びまん浸潤型
- 著明な潰瘍形成も周堤もなく、胃壁の肥厚・硬化を特徴とし、病巣と周囲粘膜との境界が不明瞭なもの。
- 5型 分類不能
- 上記分類に当てはまらないもの。
という分類がある。これは胃癌の分類とまったく同じである。大腸癌取り扱い規約によると壁深達度(いわゆるT)がTNM分類よりはるかに細かくなる。
- 漿膜を有する部位の壁深達度
- m:癌が粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいない。
- sm:癌が粘膜下層にとどまり、固有筋層に及んでいない。
- mp:癌が固有筋層にとどまり、これをこえていない。
- ss:癌が固有筋層を超えているが漿膜表面に出ていない。
- se:癌が漿膜表面に露出している。
- si:癌が直接他臓器に浸潤している。
- 漿膜を有しない部位の壁深達度
- m:癌が粘膜内にとどまり、粘膜下層に及んでいない。
- sm:癌が粘膜下層にとどまり、固有筋層に及んでいない。
- mp:癌が固有筋層にとどまり、これをこえていない。
- A1:癌が固有筋層を超えているが、さらに深くは浸潤していない。
- A2:癌が筋層を越えてさらに深く浸潤しているが他臓器に浸潤していない。
- Ai:癌が直接他臓器に浸潤している。
- リンパ節転移
- n(-):リンパ節転移を認めない。
- n1(-):第1群リンパ節に転移を認めない。
- n1(+):第1群リンパ節に転移を認める。
- n2(-):第2群リンパ節に転移を認めない。
- n2(+):第2群リンパ節に転移を認める。
- n3(-):第3群リンパ節に転移を認めない。
- n3(+):第3群リンパ節に転移を認める。
- n4(-):第4群リンパ節に転移を認めない。
- n4(+):第4群リンパ節に転移を認める。
- 腹膜播種転移
- P0:播種性転移を認めない。
- P1:近接腹膜のみ播種性転移を認める(合併切除可能なもの)。
- P2:遠隔腹膜に少数の転移を認めるもの。
- P3:遠隔腹膜に多数の転移を認めるもの。
- 肝転移
- H0:肝転移を認めない。
- H1:一葉のみに肝転移を認める。
- H2:両葉に少数散在性(4個以内)に転移を認める。
- H3:両葉にわたり多数散在性(5個以上)に転移を認める。
- 肝以外の遠隔他臓器転移
- M(-):遠隔他臓器転移が認められないもの。
- M(+):遠隔他臓器転移が認められるもの。
その他の有名な分類[編集]
上記以外の有名な分類をあげる。どの分類を用いるか悩むときはなぜ分類するのかを考える。結局、治療の選択をしたいことが多いので自分がベストと思う治療法を選択する根拠となる分類を用いればよい。なお腸壁とは固有筋層までのことである。
- Dukes分類
- A:癌腫が腸壁内に限局するもの。
- B:癌腫が腸壁を貫いて浸潤するがリンパ節転移がないもの。
- C:リンパ節転移のあるもの。
- Astler&Coller分類
- A:癌腫が粘膜にとどまるもの。
- B1:癌腫が固有筋層に及ぶがリンパ節転移のないもの。
- B2:癌腫が固有筋層を穿通するが、リンパ節転移のないもの。
- C1:癌腫が腸壁内に限局し、リンパ節転移のあるもの。
- C2:癌腫が腸壁を穿通して外部に達し、リンパ節転移のあるもの。
治療[編集]
他の癌の治療と同様に、治療方針は癌の病期によって変わってくる。主に以下にあげられる治療を集学的に行っていく。また、近年では臨床診断が進み、大腸ポリープ・大腸癌を含めて「大腸腫瘍」として一括に取り扱うことで評価・治療を行っていく。本稿では大腸癌(進行)について主に記述。
内視鏡治療[編集]
主に大腸ポリープ・早期大腸癌(進達度が粘膜下層(sm)の浅層にとどまり、=リンパ節転移の無いと思われる病変)に対し、内視鏡を用いてEMR・ESDによって病変切除による根治治療が施行される。内視鏡治療は原発巣の切除は可能であるが、リンパ節郭清は外科的手術でしか行えないため、リンパ節転移の無いと思われる病変に対し選択される。 大腸ポリープの項目記述を参照。
手術療法[編集]
旧来より、外科手術による癌病変切除・リンパ節郭清は根治術の根幹である。個々の術式に関しては消化器外科学を参照。
他の悪性腫瘍と異なり、大腸や胃等の管腔臓器の癌は、癌による消化管閉塞(腸閉塞)・出血を生じることが多く、遠隔転移等も認める進行癌であっても、比較的全身状態良好なうちに食事摂取困難となる場合も多くあり、根治的ではなく対症療法的に原発巣切除・バイパス術施行等が行われることも多い。
化学療法[編集]
以下の種類があり、組み合わせによって様々な「レジメン」が提唱されている。
抗癌剤
- 5-FU+ロイコボリン
- イリノテカン
- オキサリプラチン
- カペシタビン
- TS-1 (ティーエスワン)
- UFT+ロイコボリン
- UFT+ロイコボリン+イリノテカン(FOLFIRI)
- UFT+ロイコボリン+オキサリプラチン(FOLFOX)
- ゼローダ(カペシタビン)
- オキサリプラチン+イリノテカン
- マイトマイシン
- アバスチン(ベバシツマブ)
- アービタックス(セツキシマブ)
分子標的治療薬
- アバスチン:VEGFに対する抗体
- アービタックス:EGFRに対する抗体
従来、アスピリンの作用としてシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の活性阻害作用を持つことが知られていた。この事から、大腸癌予防効果が期待されていた。
米マサチューセッツ総合病院のAndrew T.Chan氏らよる2009年5月の米国消化器学会で発表された臨床研究報告によれば、約17万人を対象としステージⅠ~Ⅲの大腸癌患者1279人を約12年間調査したところ、大腸癌と診断された後にアスピリンを定期的に服用した患者は、服用していない場合に比べ死亡率が29%低下した。また、診断前から定期的に服用していた場合は死亡率が47%低下した。特に、COX-2が過剰発現している大腸癌患者では大幅な減少があった。としている但し、研究者自身が「データが不足しており、より規模の大きな検証が必要とされる」ともしている[50]。
放射線療法[編集]
大腸癌の多くは腺癌であるため、あまり施行されない場合が多いが、必ずしもそれは正しくなく、術前化学療法において局所再発率を下げるLancetで報告がされている。(経験則として扁平上皮癌には放射線が有効であり、腺癌には効かないとされている。)
脚注[編集]
- ^ 大腸がん研究会によれば colorectal cancer を「結腸直腸癌」と訳す場合があるが、ほとんど使用されない用語のため、日本では「直腸癌」と訳すことが多い。
- ^ がん統計白書2004
- ^ 自治体や保険組合によって異なる。東京都墨田区の場合は35歳[1]からだが、大阪府の場合は40歳[2]
- ^ アボット感染症アワー ラジオNIKKEI 2009年7月31日放送 腸内細菌と回腸嚢褒炎 広島大学病院消化器外科 診療講師 大毛宏喜
- ^ 「硫化水素の細胞毒性の機構の解明」 2009年度~2011年度 (科学研究費助成事業データベース)
- ^ 大腸機能と大腸細菌の話
- ^ 肥満指数・身長と大腸がんの関係についてJPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ 赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて JPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ a b お酒・たばこと大腸がんの関連について JPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ 野菜・果物をよく食べると答えた人の大腸がん発症リスク
- ^ 肉を良く食べると答えた人の、大腸がん発症リスク
- ^ 食物繊維摂取と大腸がん罹患との関連について JPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ 米国国立がん研究所 (2006年9月1日). “Understanding Cancer Series: Cancer and the Environment” (英語). 2009年12月1日閲覧。
- ^ 食生活パターンと大腸がんとの関連についてJPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ Kozoni, V. (2000). “The effect of lithocholic acid on proliferation and apoptosis during the early stages of colon carcinogenesis: differential effect on apoptosis in the presence of a colon carcinogen”. Carcinogenesis 21 (5): 999–1005. doi:10.1093/carcin/21.5.999. ISSN 14602180.
- ^ Jenkins, David; Wolever, Thomas; Rao, A. Venketeshwer; Hegele, Robert A.; Mitchell, Steven J.; Ransom, Thomas; Boctor, Dana L.; Spadafora, Peter J. et al. (1993). “Effect on Blood Lipids of Very High Intakes of Fiber in Diets Low in Saturated Fat and Cholesterol”. New England Journal of Medicine 329 (1): 21–26. doi:10.1056/NEJM199307013290104. ISSN 0028-4793.
- ^ 溝上哲也「カルシウムとビタミンDの大腸がん予防効果」(全国発酵乳乳酸菌飲料協会) 世界がん研究基金2007年報告書と、"Dairy Product, Saturated Fatty Acid, and Calcium Intake and Prostate Cancer in a Prospective Cohort of Japanese Men"Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention 2008年10月号doi 10.1158/1055-9965.EPI-07-2681の解説。
- ^ マグネシウム摂取と大腸がんとの関連について JPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ 加藤範久 広島大学 大腸がんの危険因子である2次胆汁酸を減少させるポリフェノールを発見 (大学院生物圏科学研究科)
- ^ インスリン関連マーカーと大腸がん罹患との関係についてJPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ 高感度CRP(C反応性蛋白)と大腸がん罹患との関係についてJPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ [3]日本消化器病学界 弁潜血
- ^ 高久 史磨「臨床検査データブック 2005 ~ 2006」医学書院 2005
- ^ [4]大腸癌スクリーニングにおける大腸内視鏡検査と免疫便潜血検査との比較
- ^ 大腸がん検診受診と大腸がん死亡率との関係JPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ Winawer SJ, Zauber AG, Ho MN, et al. (December 1993). “Prevention of colorectal cancer by colonoscopic polypectomy. The National Polyp Study Workgroup”. N. Engl. J. Med. 329 (27): 1977–81. doi:10.1056/NEJM199312303292701. PMID 8247072. http://content.nejm.org/cgi/pmidlookup?view=short&pmid=8247072&promo=ONFLNS19.
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- ^ n-3およびn-6不飽和脂肪酸摂取と大腸がんとの関連についてJPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ 葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニン摂取と大腸がん罹患との関連についてJPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ コーヒー摂取と大腸がんとの関連についてJPHC Study 多目的コホート研究 (独立行政法人国立がん研究センター)
- ^ Daniele Regge, Cristiana Laudi, Giovanni Galatola etal. Diagnostic Accuracy of Computed Tomographic Colonography for the Detection of Advanced Neoplasia in Individuals at Increased Risk of Colorectal Cancer. JAMA. 2009;301(23):2453-2461.
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- ^ 大腸癌診断後にアスピリンを定期服用すると死亡率が半減する可能性日経メディカルオンライン 記事:2009.6.3 閲覧:2009.6.5
参考文献[編集]
- 『大腸癌治療ガイドライン2005年版』 大腸癌研究会 (Minds医療情報サービス)
- 『大腸癌治療ガイドライン医師用2010年版』 大腸癌研究会 (Minds医療情報サービス)
- 『有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2005年版』 厚労省がん研究班編 (Minds医療情報サービス)
- 『大腸がん標準化学療法の実際 改訂第2版』 金原出版 (2009/01) ISBN 978-4307101431
- 松野正紀監修『改訂版 消化器外科手術のため解剖学 小腸・大腸、肛門部疾患、肝臓・胆嚢・胆道系、膵臓・脾臓』メジカルビュー社 2007年 ISBN 978-4-7583-0323-1
関連項目[編集]
- 悪性腫瘍
- 腫瘍学
- 消化器学
- 直腸粘膜逸脱症候群...鑑別診断が必要となることがある
外部リンク[編集]
- 国立がんセンター
- がん情報サイト Cancer Information Japan (米国国立がん研究所によるPDQの日本語版)
- 財団法人 癌研究会
- 大腸癌の基礎知識
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例 皮下埋め込み型中心静脈カテーテル断裂をきたした進行再発大腸癌の4例
- 転移性肝癌の治療効果と治療費 (特集 癌治療の選択 : 治療効果と治療費)
- 大腸癌の治療効果と治療費 : 費用対効果を考える意義 (特集 癌治療の選択 : 治療効果と治療費)
- ここまで進歩した外来がん化学療法 消化器癌(大腸癌・胃癌) (特集 がん医療におけるプライマリケア医の役割を考える)
Related Links
- 大腸癌(だいちょうがん、colorectal cancer)とは、大腸(盲腸、結腸、直腸)に発生する 癌腫であり、肛門管に発生するものを含める ... アメリカ合衆国においては、3番目に多い 癌で、癌死の原因として2番目に多く、生涯に大腸癌に罹患する確率は約7%である。
- 大腸がんについてや大腸がんの症状・初期症状について説明。
- 大腸は消化吸収された残りの腸内容物をため、水分を吸収しながら大便にするところ です。多種、多量の細菌のすみかでもあります。大腸のはじまりは盲腸です。盲腸から 上(頭側)に向かう部分が上行結腸、次いで横に向かう部分を横行結腸、下に向かう 部分が ...
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- 次の文を読み、56~58の問いに答えよ。
- 67歳の男性。人間ドックで異常を指摘され来院した。
- 現病歴:5年前に退職してから健康診断を受けていなかった。妻に勧められて初めて受診した人間ドックで肥満、耐糖能障害および脂質異常症を指摘され、妻とともに来院した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が胃癌。
- 現症:意識は清明。身長 170cm、体重 80kg。体温 36.5℃。脈拍 68/分、整。血圧 130/94mmHg。呼吸数 18/分。眉弓部の膨隆、下顎の突出、鼻と口唇の肥大および巨大舌を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。手足の体積の増大を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腱反射に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(±)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 487万、Hb 14.6g/dL、Ht 43%、白血球 4,000、血小板 23万、PT 115%(基準 80~120)。血液生化学所見:総蛋白 7.2g/dL、アルブミン 4.2g/dL、総ビリルビン 0.6mg/dL、AST 21IU/L、ALT 28IU/L、LD 185IU/L(基準 176~353)、ALP 277IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 34IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 76IU/L(基準 37~160)、CK 135IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 14mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、尿酸 5.9mg/dL、血糖 127mg/dL、HbA1c 7.0%(基準 4.6~6.2)、トリグリセリド 162mg/dL、HDLコレステロール 75mg/dL、LDLコレステロール 146mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 102mEq/L、Ca 9.3mg/dL、P 4.0mg/dL、TSH 0.6μU/mL(基準 0.4~4.0)、FT4 1.1ng/dL(基準 0.8~1.8)。心電図に異常を認めない。胸部エックス線写真で心胸郭比 54%。頭部エックス線写真(別冊No. 8)を別に示す。頭部MRIで下垂体に限局した腫瘤を認める。
- 今後の経過中に起こりうる合併症として考えにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B057]←[国試_109]→[109B059]
[★]
次の文を読み、 30、 31の問いに答えよ。
- 62歳の女性。持続性の腹痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 6か月前に食欲不振と全身倦怠感とを主訴に受診し、精査の結果、肺癌とその肝転移であると診断された。抗癌化学療法などの積極的な治療を希望せず、外来通院することとなった。 2週前から右上腹部に持続性の疼痛が出現し、次第に増強した。疼痛は体動によって増悪した。外来で非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が投与され、一時的に疼痛は軽減したが、 1週前から再び増悪したため来院した。
- 2週前までは日中は車椅子で生活できていたが、最近は疼痛のために室内の移動も困難となり、 1日中ベッドに横になっていることが多かったという。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:娘夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が大腸癌のため72歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重42kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧118/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を鎖骨中線上で6cm触知する。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。
- 血液所見:赤血球382万、 Hb10.6g/dl、 Ht36%、白血球5,300、血小板17万。
- 血液生化学所見:血糖98mg/dl、総蛋白6.1g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素32mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、 AST78IU/l、 ALT66IU/l、 LD 477IU/l(基準176-353)、 ALP483IU/l(基準115-359)、 γ-GTP 132IU/l(基準8-50)、 Na139mEq/l、 K4.4mEq/l、 Cl97mEq/l。
- 入院後2週が経過し、疼痛コントロールが安定した。患者は退院して自宅で生活することを希望している。
- 在宅ケアを導入するにあたり、医師が病状観察と服薬管理とを依頼する職種として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C030]←[国試_106]→[106D001]
[★]
- 次の文を読み、 30、 31の問いに答えよ。
- 62歳の女性。持続性の腹痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 6か月前に食欲不振と全身倦怠感とを主訴に受診し、精査の結果、肺癌とその肝転移であると診断された。抗癌化学療法などの積極的な治療を希望せず、外来通院することとなった。 2週前から右上腹部に持続性の疼痛が出現し、次第に増強した。疼痛は体動によって増悪した。外来で非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が投与され、一時的に疼痛は軽減したが、 1週前から再び増悪したため来院した。
- 2週前までは日中は車椅子で生活できていたが、最近は疼痛のために室内の移動も困難となり、 1日中ベッドに横になっていることが多かったという。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:娘夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が大腸癌のため72歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重42kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧118/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を鎖骨中線上で6cm触知する。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。
- 血液所見:赤血球382万、 Hb10.6g/dl、 Ht36%、白血球5,300、血小板17万。
- 血液生化学所見:血糖98mg/dl、総蛋白6.1g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素32mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、 AST78IU/l、 ALT66IU/l、 LD 477IU/l(基準176-353)、 ALP483IU/l(基準115-359)、 γ-GTP 132IU/l(基準8-50)、 Na139mEq/l、 K4.4mEq/l、 Cl97mEq/l。
- a 直ちに非経口薬を用いる。
- b NSAIDsの投与を中止する。
- c 疹痛時の追加投与は行わない。
- d 投与開始から制吐薬を併用する。
- e 便秘が出現した場合は中止する。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C029]←[国試_106]→[106C031]
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 65歳の男性。息切れを主訴に来院した。
- 現病歴:1年前に大腸癌の手術を受けたが、非治癒切除であった。その後抗癌化学療法を内服で行っていたが、食欲低下が著明であったため、本人の希望により中止した。5日前から急いで歩くと息が切れるのを自覚していたが、本日昼ころからじっとしていても苦しくなり、徐々に増悪するため受診した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が脳卒中のため80歳で死亡。
- 現症:意識は清明。身長167cm、体重56kg。体温35.8℃。脈拍120/分、整。血圧82/60mmHg。呼吸数32/分。頸部の静脈怒張と心濁音界の拡大とを認める。両側下胸部でcoarse cracklesを聴取する。
- 検査所見:血液所見:赤血球348万、Hb 9.7g/dl、Ht 31%、白血球8,600、血小板32万。血液生化学所見:アルブミン2.8g/dl、尿素窒素31mg/dl、クレアチニン1.1mg/dl、総ビリルビン0.6mg/dl、AST 249IU/l、ALT 246IU/l、LD623 IU/l(基準176~353)、ALP 423IU/l(基準115~359)、Na 142mEq/l、K 4.7mEq/l、Cl 105mEq/l。CRP 6.5mg/dl。動脈血ガス分析(マスク10l/分酸素投与下):pH 7.47、PaCO2 33Torr、PaO2 120Torr、HCO3- 23mEq/l。12誘導心電図で洞性頻脈と低電位とを認める。胸部エックス線写真で心陰影の拡大と両側下肺野に浸潤影とを認める。胸部単純CT(別冊No.4)を別に示す。
- a 「息苦しさと大腸癌とは無関係です」
- b 「もう最期まで自宅には帰れません」
- c 「どんな治療をしても1か月の命です」
- d 「息苦しさを和らげる方法を一緒に考えましょう」
- e 「抗癌化学療法を続けていれば防げたと思います」
[正答]
※国試ナビ4※ [107F025]←[国試_107]→[107F027]
[★]
- 次の文を読み、 67~ 69の問いに答えよ。
- 62歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 3か月前から時々心窩部不快感を自覚するようになった。最近、会社の同僚が同じような症状で胃癌の診断を受け手術を行ったため、自分も胃癌ではないかと心配になっていた。食欲低下も出現したため、市販の胃薬を内服したところ心窩部不快感と食欲不振とは改善した。その後仕事が忙しく、時々心窩部不快感はあったがそのままにしていた。 1週前に腰部を打撲し、自宅近くの診療所で治療を受け 2日後には軽快した。 3日前から心窩部痛が持続するようになり、夜間就寝中にも痛みで覚醒するようになった。テレビで胃癌の原因が Helicobacterpyloriの感染であることを聞いて心配になり、上部消化管内視鏡検査を希望し受診した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 現症:意識は清明。体温 36.7℃。脈拍 76/分、整。血圧 128/70 mmHg。呼吸数 16/分。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。心窩部に軽度の圧痛を認めるが、腫瘤は触知しない。直腸指診で異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白 (-)、糖 (-)、潜血 (-)。血液所見:赤血球 330万、 Hb11.8 g/dl、Ht 32%、白血球 7,200、血小板 24万。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。上部消化管内視鏡像 (別冊 No. 9)を別に示す
- 追加すべき質問はどれか。
- a 「生魚は食べていませんか」
- b 「痛み止めは飲んでいませんか」
- c 「最近海外に行きませんでしたか」
- d 「最近井戸水を飲んでいませんか」
- e 「血のつながった家族に大腸癌の方はいませんか」
[正答]
※国試ナビ4※ [108G066]←[国試_108]→[108G068]
[★]
- 現病歴: 1か月前から食欲不振を自覚しており、体重が3kg減少した。今朝から全身倦怠感が強くなり、軽い悪心も自覚するようになった。 1時間前、トイレに立とうとしたところ、目の前が暗くなり、ふらついた。しばらく横になっていると症状は改善したが、心配になったため家族の運転する車で受診した。
- 既往歴: 51歳時から高血圧症で内服治療中。 54歳時に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けている。
- 生活歴:喫煙は20本/日を43年間。飲酒は日本酒2合/日を40年間。
- 家族歴 :父親が大腸癌のため81歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長175cm、体重65kg。体温35.8℃。脈拍128/分、整。血圧94/68mmHg。呼吸数24/分。 SpO2 98%(room air)。皮膚は冷たく湿っている。眼瞼結膜は貧血様である。頚静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
- 次に行うべき身体診察として適切なのはどれか。
- 心電図で洞性頻脈を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比44%、異常陰影を認めない。
- まず行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H031]←[国試_106]→[106H033]
[★]
- 63歳の男性。全身倦怠感と立ちくらみとを主訴に来院した。
- 現病歴: 1か月前から食欲不振を自覚しており、体重が3kg減少した。今朝から全身倦怠感が強くなり、軽い悪心も自覚するようになった。 1時間前、トイレに立とうとしたところ、目の前が暗くなり、ふらついた。しばらく横になっていると症状は改善したが、心配になったため家族の運転する車で受診した。
- 既往歴: 51歳時から高血圧症で内服治療中。 54歳時に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けている。
- 生活歴:喫煙は20本/日を43年間。飲酒は日本酒2合/日を40年間。
- 家族歴 :父親が大腸癌のため81歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長175cm、体重65kg。体温35.8℃。脈拍128/分、整。血圧94/68mmHg。呼吸数24/分。 SpO2 98%(room air)。皮膚は冷たく湿っている。眼瞼結膜は貧血様である。頚静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106H030]←[国試_106]→[106H032]
[★]
- 68歳の男性。進行する下腿の浮腫を主訴に来院した。2か月前から両側下腿の浮腫を自覚していたが、次第に増惑するため紹介されて受診した。10年前から高血圧症で降圧薬を服用している。6年前から関節リウマチで自宅近くの診療所にて薬物治療中である。脈拍76/分、整。血圧138/86mmHg。尿所見:蛋白3+、糖(+)、潜血(±)。血液生化学所見:総蛋白 5.5g/dL、アルブミン 2.6g/dl、総コレステロール 368mg/dl、尿素窒素 22mg/dl、クレアチニン 1.1mg/dl、尿酸 7.4 mg/dl。腎生検の蛍光抗体IgG染色標本(別冊No.26)を別に示す。
- この腎病変をきたす原因として可能性が低いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I078]←[国試_105]→[105I080]
[★]
- 63歳の女性。腹痛のため搬入された。 2日前から徐々に増悪する下腹部の持続痛を自覚していたが、本日突然に激痛となり、動けなくなったため救急搬送された。約 5年前から時々下腹部痛を自覚し、自宅近くの診療所で内服薬を投与されて軽快していた。身体所見では腹部に Blumberg徴候と筋性防御を認めた。胸腹部エックス線写真で free airを、腹部 CTで free air、腹水貯留および S状結腸の壁肥厚を認めたため、大腸穿孔による腹膜炎と診断して緊急手術を行った。術式は S状結腸切除術と人工肛門造設術であった。摘出された S状結腸の標本の写真 (別冊 No. 10)を別に示す。
- 穿孔の原因となったのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D026]←[国試_108]→[108D028]
[★]
- 61歳の男性。血便を主訴に来院した。3日前、排便時に少量の血液が混じることに気付いた。眼瞼結膜に貧血を認める。腹部は平坦、軟で、左下腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球345万、Hb 10.2g/dl。血液生化学所見:総蛋白 7.8g/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、総コレステロール 216mg/dl、総ビリルビン 1.0mg/dl、AST 22IU/l、ALT 28IU/l。免疫学所見:CRP 0.6mg/dl、CEA 1.1ng/ml(基準5以下)。腹部CTではS状結腸に限局的な壁の肥厚のみを認めた。下部消化管内視鏡写真を以下に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D032]←[国試_103]→[103D034]
[★]
- 35歳の女性。腹部超音波検査で総胆管の著明な拡張を指摘され来院した。幼少時から年に数回腹痛があった。貧血と黄疸とを認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球420万、Hb12.2g/dl、白血球6,200、血小板28万。血清生化学所見:総蛋白7.5g/dl、アルブミン5.0g/dl、総ビリルビン0.6mg/dl、AST38単位、ALT32単位、ALP212単位(基準260以下)。腹部MRIのT2強調冠状断像を以下に示す。
- この疾患に合併しやすいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A030]←[国試_100]→[100A032]
[★]
- 28歳の男性。上腹部膨満感を主訴に来院した。6か月前から食後に上腹部の膨満感を自覚するようになった。自宅近くの診療所で投薬を受けたが改善せず、食事中にも症状を感じるようになったため受診した。体重減少や便通異常はなかったという。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音は正常である。血液生化学検査、腹部超音波検査、便潜血検査および上部消化管内視鏡検査で異常を認めない。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110D020]←[国試_110]→[110D022]
[★]
- 49歳の男性。病期IVの大腸癌で抗癌化学療法のため入院した。以下のように家族に関する情報を得た。「既婚です」「子供が3人おり、上から男、男、女です」「長男は遠方で就職しており、私は妻と下の2人の子供と同居しています」「父は胃癌で72歳のときに亡くなりました」「母は脳卒中で60歳のときに亡くなりました」「4人の兄弟姉妹で上から兄、姉、私、弟です」家系図(別冊No.3①~⑤)を別に示す。
- 家系図で適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107C018]←[国試_107]→[107C020]
[★]
- 数年前から下顎の違和感と腫脹とを認めていた。同じころから血便を繰り返していたが、数日前から血便の程度が強くなった。
- 血液所見:赤血球320万、Hb11.5g/dl、血小板17万。注腸造影写真とパノラマ撮影による顎骨のエックス線写真とを以下に示す。
- 今後出現が予測されるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [098D025]←[国試_098]→[098D027]
[★]
- 82歳の女性。今朝、腹痛と腹部膨満感とが出現し来院した。大腸癌の手術のため自宅待機中であった。意識は清明。体温36.8℃。呼吸数14/分。脈拍96/分、整。血圧142/82mmHg。腹部は全体に膨隆し広範に軽度の圧痛を認める。腹部超音波写真と注腸造影写真とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D023]←[国試_097]→[097D025]
[★]
- 68歳の男性。今朝突然、腹痛と下血とをきたしたため来院した。身長165cm、体重59kg。呼吸数24/分。脈拍76/分、整。血圧132/90mmHg。腹部は平坦、軟で、左下腹部に圧痛を認める。血液所見:赤血球385万、Hb12.2g/dl、Ht35%、白血球9,900、血小板26万。CRP2.2mg/dl。大腸内視鏡写真を以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G025]←[国試_099]→[099G027]
[★]
- 73歳の男性。歩行障害のため搬入された。半年前に大腸癌と胸椎への転移とを指摘され、大腸の手術を受けた。最近は背部痛があるが、鎮痛薬を服用して元気にしていた。2週前から両側下肢に力が入らず、今朝から歩行できなくなった。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D008]←[国試_101]→[101D010]
[★]
- (1) 大腸癌発生のリスクは低い。
- (2) 腸管外合併症として原発性硬化性胆管炎がある。
- (3) 下痢の回数は重症度判定に重要である。
- (4) 肛門病変の合併が多い。
- (5) 手術適応の多くは腸管狭窄である。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099E031]←[国試_099]→[099E033]
[★]
- 62歳の男性。腹部不快感を主訴に来院した。1年前に大腸癌の手術を受けた。腹部造影CTを以下に示す。
- 治療として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F032]←[国試_100]→[100F034]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097G097]←[国試_097]→[097G099]
[★]
- 英
- ulcerative colitis, UC
- ラ
- colitis gravis, colitis chronica gravis, colitis ulcerosa
- 関
- 炎症性腸疾患 inflammatory bowel disease、クローン病、難病
まとめ
- (免疫応答の異常?)大腸粘膜までを侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症である。長期にわたって増悪寛解を繰り返す特定疾患治療研究事業の対象疾患である。男女差無く、若年者(25歳)と中年(50歳)に多い。病変は全大腸、左側結腸、もしくは直腸を侵す物に分類されるが、全大腸型が最も多い。症状は「下痢、血便、腹痛」が中心であり、発熱、体重減少、貧血などの全身症状も伴う。重症度は下痢、血便、発熱、脈拍、ヘモグロビン、血沈が指標となる。合併症としては、中毒性巨大結腸症、原発性硬化性胆管炎、壊疽性膿皮症、結節性紅斑、強直性脊椎炎、口内アフタなどがある。血液検査では炎症所見(CRP,WBC,ESR上昇)が認められる。注腸造影検査ではハウストラの消失、鉛管状の結腸が、また内視鏡検査では、連続病変、粘膜血管の不明瞭化、シュードポリープが認められる。組織像では粘膜下層までの炎症像、陰窩膿瘍がみられる。治療はサラゾスルファピリジン、メサラジン、ステロイド、免疫抑制剤、ATM療法などがある。手術療法は中毒性巨大症、穿孔・出血、大腸癌合併の時に適応となる。長期的には大腸癌のリスクが高くフォローが必要である。
概念
- 大腸粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症
- 粘膜下組織まで炎症が見られる
- 特定疾患治療研究事業の対象疾患である。
疫学
- 日本では、1年間人口10万人対0.3人前後
- 30歳以下の成人に多い。
病因
症状
- 急性・慢性に発症し、寛解と再発を繰り返す。
- 下痢、血便、腹痛
- 食欲不振、体重減少、易疲労感
合併症
腸管症状
- 腸管出血・穿孔・狭窄・膿瘍・瘻孔形成、貧血、低蛋白血症。重大なものは中毒性巨大結腸症と大腸癌
- 中毒性巨大結腸症
- 腸管の運動低下のために拡張をきたした状態。腹部は腸管拡張により膨隆し、腸管運動は減少または消失。
- 若年発症、全大腸型、10年以上の長期経過例で発生頻度が高い。
- 低分化癌が多い ⇔ (通常の大腸癌は高分化癌が多い)
腸管外症状
- 皮膚粘膜系:壊疽性膿皮症、結節性紅斑 ←最も多い
- 肝:脂肪肝、肝硬変、胆管周囲炎
- 膵:膵炎、高アミラーゼ血症
- 関節:強直性脊椎炎
- 泌尿生殖系:尿路結石
- 橋本病
- 大動脈炎症候群
検査
- 赤沈、CRP 上昇
- 白血球 基準値以上
- 赤血球 基準値以下
- 血清総蛋白 基準値以下
内視鏡
[show details]
注腸検査
生検
診断
臨床的重症度分類
- 参考1
|
軽症
|
中等症
|
重症
|
分布
|
関連
|
1) 排便回数
|
≦4回
|
重症と軽症との中間
|
≧6回
|
腸管症状
|
|
2) 顕血便
|
(+)~(-)
|
(+++)
|
|
3) 発熱
|
<37.5℃
|
≧37.5℃
|
全身症状
|
炎症
|
4) 頻脈
|
<90/分
|
≧90/分
|
3)発熱,4)貧血による。
|
5) 貧血
|
>Hb 10g/dl
|
≦Hb 10g/dl
|
炎症あるいは2)血便による
|
6) 赤沈
|
正常
|
≧30 mm/h
|
炎症
|
|
軽症
|
軽症項目全て満たす
|
重症
|
( 1 and 2 ) and ( 3 or 4 ) ) and (6項目のうち4項目以上)
|
- 1,2は直腸の症状、3,4は全身症状、5は血便による貧血症状、6は炎症の程度を反映。
鑑別疾患
治療
- YN.A-66
予後
潰瘍性大腸炎とクローン病の比較
Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
|
Feature
|
Crohn Disease (Small intestine)
|
Crohn Disease (Colon)
|
Ulcerative Colitis
|
Macroscopic
|
Bowel region
|
Ileum ± colon†
|
Colon ± ileum
|
Colon only
|
Distribution
|
Skip lesions
|
Skip lesions
|
Diffuse
|
Stricture
|
Early
|
Variable
|
Late/rare
|
Wall appearance
|
Thickened
|
Variable
|
Thin
|
Dilation
|
No
|
Yes
|
Yes
|
Microscopic
|
Pseudopolyps
|
None to slight
|
Marked
|
Marked
|
Ulcers
|
Deep, linear
|
Deep, linear
|
Superficial
|
Lymphoid reaction
|
Marked
|
Marked
|
Mild
|
Fibrosis
|
Marked
|
Moderate
|
Mild
|
Serositis
|
Marked
|
Variable
|
Mild to none
|
Granulomas
|
Yes (40% to 60%)
|
Yes (40% to 60%)
|
No
|
Fistulas/sinuses
|
Yes
|
Yes
|
No
|
Clinical
|
Fat/vitamin malabsorption
|
Yes
|
Yes, if ileum
|
No
|
Malignant potential
|
Yes
|
Yes
|
Yes
|
Response to surgery‡
|
Poor
|
Fair
|
Good
|
参考
- http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/5/0029_G0000120_CQ.html
- http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/1/0029_G0000071_GL.html
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/218
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/009_s.pdf
- http://nohira.web.fc2.com/
- interesting!
国試
[★]
;英:α-fetoprotein AFP, alpha fetoprotein, alpha-fetoprotein
- 同
- αフェトプロテイン、α胎児性タンパク
- 関
- トリプルマーカーテスト。腟分泌液中α-フェトプロテイン、AFP-L3分画
産生部位
- 出生後の産生はほとんどみられない。
- 肝細胞癌、肝細胞の再生局面で再び産生されるようになることがある
- 妊娠初期の異常高値は、胎児の中枢神経系異常を疑わせる所見となる。
- 本蛋白質は胎生期初期には卵黄嚢で、その後は内胚葉、肝臓で産生された後血清中に放出される。
意義
- 肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍、肝芽腫の腫瘍マーカー、炎症性肝疾患における肝再生の指標
先天異常の診断
破水の診断
- 羊水中に多量に存在するため、膣分泌物のAFPを同定することで破水の診断に利用される
腫瘍マーカー
- 腫瘍径:腫瘍径とAFP値との間に相関はない。3cmの以下の早期肝癌では陽性率は25%。
- 組織型:(高分化・未分化)産生能低い、(中分化)産生能高い。
QB.Q-14
基準値
- 高値
- 臨床検査データブック
AFPの分画
- レクチンとの親和性により、L1,L2,L3の分画に分けられる。
- L1分画上昇:肝硬変
- L3分画上昇:肝細胞癌
AFP-L3分画、PIVKA-IIとの関係
- AFP-L3分画、PIVKA-IIと相関関係は見られない。
- 肝細胞癌において、AFPとPIVKA-IIとの間に相関関係が見られないため、併用により診断率の向上が期待できる(LAB.631)
- AFP, AFP-L3分画, PIVKA-IIが高い例では予後不良である。(参考1,2)
妊婦の生理的な変動
- 妊娠3ヶ月以降上昇、8ヶ月でピーク(300-800ng/ml)。
乳児の生理的な変動
参考
- 1. AFP・AFP-L3・PIVKA-IIの3因子陽性例は脈管浸潤が多く予後不良【肝癌研究会2011】
- http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201107/520980.html&cnavi=1
- 3マーカーがいずれも陽性の場合、組織学的に脈管浸潤が多く認められ、Edmondson分類グレードIII、IVの頻度が高い
- 2. Triple Positive Tumor Markers for Hepatocellular Carcinoma Are Useful Predictors of a Poor Survival.
- Kiriyama S, Uchiyama K, Ueno M, Ozawa S, Hayami S, Tani M, Yamaue H.SourceFrom the Second Department of Surgery, Wakayama Medical University, School of Medicine, Wakayama, Japan.
- Annals of surgery.Ann Surg.2011 May 20. [Epub ahead of print]
- OBJECTIVE: To determine the importance of the expression pattern of multiple tumor markers for hepatocellular carcinoma (HCC) with regard to the tumor malignancy and patient survival.BACKGROUND: Several studies have indicated that HCC tumor markers, including alpha-fetoprotein (AFP), Lens culinaris
- PMID 21606837
[★]
- 英
- ferritin
- 同
- 血清フェリチン ← 血液検査の時に用いる用語?
- 関
- アポフェリチン、血清フェリチン
概念
- フェリチンは、H鎖とL鎖からなるサブユニットからなるヘテロダイマーであり、これが組み合わさってアポフェリチンとなる。アポフェリチンは細胞内で鉄イオンと結合してフェリチンとなる。フェリチンは鉄を生体内に貯蔵し、鉄による組織障害を防ぐのに貢献している。細胞内のフェリチンはわずかに血中に漏れだしており、漏れ出た血清中のフェリチンは(血清フェリチン)は貯蔵鉄の量と相関するので臨床検査に用いられる。
体内分布
- 網内系:肝細胞、脾臓、骨髄 ← 多い
- その他:肺、心臓、骨、腸管など広く存在
解釈
- LAB.488
-
- 臨床検査データブック
減少
増加
臨床
- フェリチン低値(≦12ng/ml)のみで診断可能(感度59%,特異度99%)なので、フェリチン単体で提出されることがある(内科外来マニュアル.394)。
- フェリチンは女性で<10ng/ml, 男性で<20ng/mlであれば、鉄貯蔵欠乏と診断する特異度が高い(ワシントンマニュアル33.742)。
- フェリチンが100ng/ml以上では鉄欠乏の可能性は低いとされる(内科外来マニュアル.394)。
- 血清フェリチンが>200ng/ml以上では鉄欠乏性貧血は除外できる(ワシントンマニュアル33.742)。
- 腎透析や機能的鉄欠乏状態では500ng/mlまでの高値を示すことがある。
- 健常な成人では15ng/ml未満、小児では12ng/ml未満が絶対的な鉄欠乏を示唆。(臨床透析 vol.24 no.1 2008 p.38)
[★]
- 英
- abdominal pain
- 関
- PQRST、急性腹症
コアカリ診療の基本 p.107
心窩部
|
食道潰瘍
|
胸焼け、嚥下困難
|
急性胃炎
|
悪心、嘔吐を伴う
|
消化性潰瘍
|
空腹時悪化傾向
|
胃癌
|
進行しないと痛まず
|
虫垂炎初期
|
回盲部に圧痛
|
急性膵炎
|
激烈な腹痛、背部痛、膵酵素の上昇
|
慢性膵炎
|
不定の上腹部症状で神経症的にみえる
|
膵臓癌
|
浸潤すると疼痛強し
|
右季肋部
|
胆石症
|
右肩に放散、発作間は痛みほとんどなし
|
急性胆嚢炎
|
発熱、圧痛著明、肝胆道系酵素上昇
|
急性肝炎
|
肝腫大、鈍痛、黄疸-肝酵素著明に上昇
|
肝膿瘍
|
激しい発熱、叩打痛は肋骨弓部付近など
|
肝癌
|
鈍痛、破裂すると激しい痛み
|
左右側腹部
|
尿管結石
|
肋骨脊椎角の叩打痛、血尿、超音波検査で水腎症
|
腎盂腎炎
|
急激な発熱と叩打痛、膿尿
|
腎梗塞
|
時に一過性の激しい痛み、血尿
|
回盲部
|
虫垂炎
|
他疾患除外の目的で、超音波検査が有用
|
右側結腸憩室炎
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虫垂炎との鑑別困難
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回腸末端炎
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虫垂炎との鑑別が必要
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クローン病
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回盲部潰瘍をきたしやすい
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大腸癌
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右側結腸癌は腫癌を触知することが多い
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左腸骨窩部
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虚血性大腸炎
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急激な腹痛と下血
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S状結腸憩室炎
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腹痛、圧痛、発熱
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急性大腸炎
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下痢、嬬動の元進
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S状結腸軸捻転
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便秘老人、鼓腸強い、内視鏡的修復
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下腹部
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子宮付属器炎
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発熱、圧痛
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卵巣嚢腫茎捻転
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ショックに陥ることもあり、超音波検査が有用
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子宮外妊娠破裂
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急激に貧血が進行、ショックなど
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生理痛
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内膜症がある場合は強い
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全体
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腹膜炎
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原発性、結核性、癌性など症状が微妙に異なる
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潰瘍穿孔
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腹壁防御、板状硬、緊急手術
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腸間膜血栓症
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鼓腸、腸麻痺、ショック、最も重篤
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- 小腸疾患による腹痛は食事後20分後ぐらいから始まることが多い。(QB.A-308)
乳幼小児の腹痛
- SPE.481
- 乳幼児・学童に共通して最も多い腹痛の原因は便秘。その他は急性胃腸炎、胆道拡張症
[★]
- 英
- metastatic lung cancer
- 同
- 転移性肺腫瘍 metastatic lung tumor ← 転移する癌は悪性なのでは?
転移性肺腫瘍の頻度(剖検例 SPU.334)
- 全悪性腫瘍の30-50%
- 乳癌:40-50%
- 肺癌:30-50%
- 肝癌:20-40%
- 大腸癌:30-40%
- 胃癌:20-40%
肺転移の頻度(内科診断学第2版 p.755)
肺転移する場所(内科診断学第2版 p.755)