- 英
- yolk sac tumor, yolk sac carcinoma
- 同
- 内胚葉洞腫瘍 endodermal sinus tumor EST、卵黄嚢癌 yolk sac carcinoma、ヨークザック腫瘍
- 関
- 胚細胞腫瘍
-
概念
- (女性)卵巣では若年者に好発し、悪性度は高い
- (男性)精巣では乳幼児に多く、予後は比較的良好
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 妊娠中に化学療法を施行した卵巣卵黄嚢腫瘍の1例
- JEB(carboplatin,etoposide,bleomycin)療法を施行した卵巣悪性胚細胞腫瘍の4例
- 横須賀 とも子,田野島 玲大,加藤 宏美,柳町 昌克,梶原 良介,薬袋 周,田中 文子,藤井 久紀,後藤 裕明,宮城 悦子,山中 正二,横田 俊平
- 小児がん : 小児悪性腫瘍研究会記録 47(1), 111-115, 2010-02-25
- 4例の小児卵巣悪性胚細胞腫瘍に対し,carboplatin,etoposide,bleomycinによるJEB療法を施行した.初発時の年齢は9歳から14歳,腫瘍の病理組織診断はyolk sac tumorが2例,dysgermiminomaがl例,mixed germ cell tumorが1例であった.初発時から45?61か月現在,全例が無病生存中である.卵巣悪性胚細胞腫瘍に対して行われてきたB …
- NAID 110007575326
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- 17歳になる娘についての相談です。先日、卵巣の腫れから手術を行い、右の卵巣と卵管を摘出しました。その結果、卵黄嚢腫瘍と診断されました。悪性腫瘍であると聞いて、とても驚きました。抗がん薬がよく効くがんであるという ...
- 卵黄嚢腫(卵黄嚢腫瘍)の概要は本ページをご確認ください。小児慢性特定疾病情報センターは、慢性疾患をお持ちのお子さまやそのご家族、またそれらの患者の治療をされる医療従事者、支援をする教育・保健関係の皆さまに向けた ...
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[★]
- 次の文を読み、28~30の問いに答えよ。
- 28歳の男性。左陰嚢の無痛性腫大を主訴に来院した。
- 現病歴 :6か月前に左陰嚢の腫れに気付き、その後徐々に増大してきた。疼痛はなかった。
- 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長176cm、体重68kg。体温36.1℃。脈拍68/分、整。血圧110/72mmHg。身体所見で胸腹部に異常を認めない。陰嚢皮膚と右陰嚢内容とに異常はない。左陰嚢内容は鶏卵大で一塊として硬く触知するが、圧痛と透光性とは認めない。
- 検査所見:尿所見:異常を認めない。
- 血液所見:赤血球456万、Hb15.1g/dl、白血球8,300、血小板26万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.9g/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST40単位、ALT38単位、LDH 410単位(基準176~353)。胸腹部CTで両肺に多発性結節影と傍大動脈リンパ節の腫脹とを認める。
- 入院後経過 : 精巣腫瘍と診断し、高位精巣摘除術を施行した。
- この患者では血清腫瘍マーカーに異常を認めなかった。精巣摘除術時の病理組織H-E染色標本を以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I028]←[国試_099]→[099I030]
[★]
- 21歳の女性。下腹部のしこりを主訴に来院した。内診で子宮は正常大で、右付属器が手拳大に腫大していた。腫瘍マーカーは CA19-9 17.5 U/ml(基準 37以下 )、CA125 56.7 U/ml(基準 35以下 )、 α -フェトプロテイン〈AFP〉960 ng/ml(基準 20以下 )。悪性卵巣腫瘍を疑い、右付属器切除術と大網切除術とを施行した。術中写真 (別冊 No.10A)と摘出腫瘍の H-E染色標本 (別冊 No.10B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A029]←[国試_108]→[108A031]
[★]
- 60歳の女性。子宮癌検診で骨盤内の腫瘤を指摘され来院した。内診では付属器に可動性良好な新生児頭大の腫瘤を触知する。腫瘍マーカーはCA19-9 650U/ml(基準37以下)、CA125 45U/ml(基準35以下)、SCC 8.6ng/ml(基準1.5以下)。経膣超音波検査では最大径12cmの嚢胞性腫瘍で、一部に充実部分と毛髪塊とを認める。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G040]←[国試_101]→[101G042]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B033]←[国試_097]→[097B035]
[★]
- 卵巣腫瘍と産生されるホルモンとの組み合わせで正しいのはどれか?
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- 英
- ovarian cancer, ovarian carcinoma, cancer of the ovary, ovary cancer
- ラ
- carcinoma ovarii
- 同
- 卵巣がん
- 関
- 産婦人科学、卵巣腫瘍、卵巣腫瘍の腫瘍マーカー
- G9M.164(進行期分類) NGY.237(進行期分類)
組織型
漿液性嚢胞腺癌
- CA125
- 症候:腹水あり(漿液性嚢胞腺癌のみ)
- 手術+化学療法(タキサン製剤とプラチナム製剤)
- 病理:卵管上皮を模倣するとされる。多房性~充実性。乳頭状増殖。砂粒小体
- 予後:悪い。進行早く、腹腔内播種しやすい。
粘液性嚢胞腺癌
- CEA, CA19-9
- 治療:手術。化学療法無効
- 病理:子宮頚管腺を模倣するとされる。単房性~多房性。胞体中に紫色の粘液貯留。
- 予後:良い。進行遅く転移しにくい。
明細胞腺癌
- リスク:卵巣チョコレート嚢胞
- 治療:手術。化学療法無効
- 病理:妊娠時の子宮内膜を模倣するとされる。充実部と伴う多房性、もしくは単純性嚢胞腫粒。グリコーゲンに富み、染色されず、胞体が透明になる。管状構造、充実構造、乳頭状増殖。ホブネイル細胞が存在。
- [show details]
・予後:治療しなければ予後不良。増殖速度は中等度でリンパ節転移しやすい。
類内膜腺癌
- リスク:卵巣チョコレート嚢胞
- 治療:手術+化学療法(プラチナム併用化学療法)
- 病理:非妊時の子宮内膜を模倣するとされる。充実性。back to back(間質が消失), cribriform(さらに間質が消失)
・予後:容易。進行遅く、転移も少ない。
転移
転移性卵巣癌
- リンパ行性が多い
- 胃癌、結腸癌、乳癌、子宮体癌。(G9M.158)
治療
- 手術療法:(基本術式)両側付属器摘出術、子宮摘出術、大網摘出術。staingのために腹腔細胞診、腹腔内組織の生検、後腹膜リンパ節郭清もしくは生検を施行。
卵巣癌の種類
- NGY.232
名称
|
卵巣癌の中の頻度
|
疫学
|
病理
|
類似性
|
予後
|
卵巣チョコレート嚢胞 との関連
|
漿液性腺癌[漿液性嚢胞腺癌]
|
50%
|
平均55歳
|
小型で細胞質に乏しい。樹枝状に分枝。乳頭状腺癌
|
卵巣表皮上皮、卵管上皮細胞
|
比較的良好
|
|
粘液性腺癌[粘液性嚢胞腺癌]
|
10-15%
|
平均44歳
|
豊富な粘液をもつ多房構造や15cmを超える巨大腫瘤
|
子宮頸部粘膜上皮 腸上皮に類似
|
抗癌剤感受性低く、進行癌は予後不良
|
|
類内膜腺癌
|
10-15%
|
|
|
非妊時子宮内膜に類似
|
|
○
|
明細胞腺癌
|
15-20%
|
子宮内膜症合併
|
胞体は明るくグリコーゲンに富む。
|
妊娠子宮内膜に類似 嚢胞乳頭状構造
|
プラチナ感受性悪く予後不良
|
○
|
卵巣癌などの腫瘍マーカー
G9M.162
参考
- 1. 卵巣がん治療ガイドライン2007年版(改訂版)
- http://www.jsgo.gr.jp/guideline/ransou.html
[★]
- 英
- tumor marker
- 同
- 生物学的腫瘍マーカー biological tumor marker、癌マーカー cancer marker、悪性腫瘍特異物質 tumor-specific antigen
肺癌の腫瘍マーカー
|
陽性率(疾患があるときに陽性となる確率, 感度)
|
|
肺癌
|
|
|
|
|
備考
|
扁平上皮癌
|
腺癌
|
小細胞癌
|
その他の疾患
|
|
CYFRA21-1
|
57.5%*
|
70-80%/73.1%*
|
30-40%
|
30-40%
|
良性疾患:10-15%
|
|
SCC
|
|
○
|
|
|
子宮頸癌、食道癌、皮膚癌
|
|
CEA
|
40-50%
|
|
50-60%
|
|
|
|
SLX
|
70%*
|
|
0.4
|
|
肝硬変
|
|
NSE
|
10-30%
|
|
|
70-90%
|
|
|
proGRP
|
|
|
|
70-90%/65.1%*
|
|
NSEより上昇率が高く、特異性に優れる
|
KL-6
|
|
○
|
|
|
肺腺癌、膵癌、乳癌で40-50%。間質性肺炎の補助診断
|
|
|
|
|
|
|
|
|
無印:標準呼吸器病学 第1版 p.327。* 臨床検査学第32版 p.634
|
臨床応用されている腫瘍マーカー (LAB.630)
肝癌関連 AFP, AFP-L3%, PIVKA-II
膵癌ならびにその他の消化器癌 CEA, CA19-9, Dupan-2, CA50, Span-1
肺癌 CEA, sialyl Lex-i (SLX), SCC, SYFRA21-1, NSE, ProGRP
婦人科悪性腫痩
子宮癌:SCC, CA125
卵巣癌:CA125, AFP, CEA, CA19-9, GAT
乳癌 :CA15-3, BCA225, CEA, NCC-ST-439
尿器科悪性腫壕
前立腺痛:PSA(γ-Sm), PAP
膀胱癌 :BTA, NMP22
神経内分泌腫療 NSE
広範な腫瘍に反応するマーカー
TPA, BFP, IAP
消化管悪性腫瘍マーカー
- CEA:胎児癌性蛋白。陽性率:(50-70%)大腸癌、胆道癌、膵癌。(40-60%)肺癌。(30-40%)胃癌。良性疾患でも上昇する(胆嚢炎、胆管炎、膵炎)。
- DU-PAN-2:2→3シアリルLec抗原を認識する抗体。陽性率:(70-80%)膵癌、(60-70%)胆道癌。Lea-b-の個体でも陽性になる。良性疾患でも上昇する(慢性肝炎、肝硬変、胆道炎症を伴う胆石症)。
- CA19-9:Leaの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(80-90%)膵癌。(70-80%)胆道癌。良性疾患でも上昇する((10-40%)閉塞性黄疸、慢性肝炎、肝硬変)。日本人の約7-10%に存在するフコース転移酵素が欠如したLea-b-の個体ではCA19-9は産生されない。
- SLX:Lexの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(高い)肺癌、卵巣癌。(50-60%)胆道癌、膵癌。
主な腫瘍マーカー CBT QB vol2 p.297
組織型別に有用な腫瘍マーカー(NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版 p.236)
上皮性腫瘍
漿液性腺癌: CA125 *1
粘液性腺癌: CA19-9 *2, CA72-4, CEA
胚細胞腫瘍
卵黄嚢腫瘍: AFP *3
絨毛癌: hCG
未分化胚細胞腫: LDH *4
悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫(扁平上皮癌) : SCC
性索間質性腫瘍(ホルモン)
顆粒膜細胞腫,莢膜細胞腫:工ストロゲン
Sertoli-間質性腫瘍, Leydig細胞腫(門細胞腫) :テストステロン
*1 上皮性腫瘍中で最も有用.類内膜腺癌,明細胞腺癌でも陽性を示す.子宮内膜症,炎症,妊娠初期も軽度-中等度上昇
*2 成熟嚢胞性奇形腫で陽性を示すことがある
*3 胎芽性癌,混合性腔細胞腫療でも陽性を示す
*4 非特異的
- also see →「生殖系チュートリアル症例2_プレゼン.ppt」
産婦人科において重要視される腫瘍マーカー
-
-
-
-
- 子宮頚部扁平上皮癌から精製された蛋白質
- 早期癌でも比較的高い陽性率を示し、経過観察にも有用である。
- 一般に扁平上皮の存在する部位に広範な重症疾患存在すれば血中のSCCは上昇しうる
- 皮膚表面、唾液中に大量に存在し、採血時に複数回穿刺する事などによるコンタミネーションの可能性があります。
腫瘍マーカー 臓器別
- OLM.372改変
(略)
[★]
- 英
- ovarian tumor
- 関
- 産婦人科学、腫瘍、卵巣奇形腫、卵巣腫瘍の腫瘍マーカー、卵巣癌
概念
- 卵巣に発生する腫瘍であり、80%が良性といわれる。良性のものは嚢胞性腫瘍が多く、悪性の腫瘍は充実性のものが大半である。
分類
疫学
- 悪性の卵巣腫瘍は漿液性腫瘍、類内膜癌、粘液性腫瘍が多い。
- 若いころの卵巣腫瘍は奇形腫、腺腫が多い
- 50-69歳の女性で多発
- 顆粒膜細胞腫は卵巣腫瘍中4.6%でホルモン産生腫瘍のなかで最多(QB.Q-302)
好発年齢
卵巣腫瘍の組織分類
- 1)表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
- 2)性索間質性腫瘍 Sex cord/stromal tumors
- 未分化幹細胞腫瘍
- 卵黄嚢腫瘍
- 胎芽性癌
- 絨毛癌
- 奇形腫(成熟型、未熟型)
|
良性腫瘍
|
境界悪性腫瘍
|
悪性腫瘍
|
表層上皮性 ・ 間質性腫瘍
|
漿液性嚢胞腺腫
|
漿液性嚢胞性腫瘍,境界悪性[低悪性度腫瘍]
|
漿液性腺癌[漿液性嚢胞腺癌]
|
粘液性嚢胞腺腫
|
粘液性嚢胞性腫瘍(同上)
|
粘液性腺癌[粘液性嚢胞腺癌]
|
明細胞腺腫
|
類内膜腫瘍(同上)
|
類内膜腺癌
|
類内膜腺腫
|
明細胞腫瘍(同上)
|
明細胞腺癌
|
腺線維腫(上記の各型)
|
腺線維腫(上記の各型)
|
腺癌線維腫(上記の各型)
|
表在性乳頭腫
|
表在性乳頭状腫瘍,境界悪性[低悪性度腫瘍]
|
腺肉腫
|
|
|
中胚芽性混合腫瘍 [Muller管混合腫瘍] [癌肉腫]
|
Brenner腫瘍
|
Brenner腫瘍,境界悪性[増殖性]
|
悪性Brenner腫瘍
|
|
|
移行上皮癌
|
未分化癌
|
性索間質性腫瘍
|
莢膜細胞腫
|
顆粒膜細胞腫
|
線維肉腫
|
線維腫
|
Sertoli-間質細胞腫瘍(中分化型)
|
Sertoli-間質細胞腫瘍(低分化型)
|
硬化性間質性腫瘍
|
ステロイド[脂質]細胞腫瘍(分類不能型)
|
|
Sertoli-間質細胞腫瘍(高分化型)
|
ギナンドロブラス卜ーマ
|
Leydig細胞腫 [門細胞腫]
|
|
輪状細管を伴う性索腫瘍
|
胚細胞腫瘍
|
成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢胞腫)
|
未熟奇形腫(G1,G2)
|
未分化胚細胞腫
|
成熟充実性奇形腫
|
力ルチノイド
|
卵黄嚢腫瘍(内胚葉洞腫瘍)
|
卵巣甲状腺腫
|
甲状腺腫性力ルチノイド
|
胎芽性癌(胎児性癌)
|
|
|
多胎芽腫
|
悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫
|
未熟奇形腫(G3)
|
その他
|
非特異的軟部腫瘍
|
性腺芽腫(純粋型)
|
癌腫
|
腺腫様腫瘍
|
|
肉腫
|
|
悪性リンパ腫(原発性)
|
二次性[転移性]腫瘍
|
(日本産科婦人科学会・日本病理学会編‥卵巣腫瘍取扱い規約.全原出版,1990より)
|
妊娠に合併した卵巣腫瘍
- G10M.154
- 発生率:全妊娠中の0.5%
- 病理組織:悪性腫瘍は5%未満で成熟嚢胞性奇形腫が最も多い。
- 管理:
- 妊娠10-12週までは胎児の器官形成期であるため手術を施行しない
- 妊娠14週まで経過観察し消退するようであれば、ルテイン嚢胞であり手術の必要はない。
- 妊娠14週以降には卵巣を摘出を行う。
- 以下の場合には、週数によらず手術の適応となる:茎捻転、腫瘍破裂。悪性が疑われる場合。
参考
- 1. C.産婦人科検査法 9.婦人科疾患のMRI 診断 - 日産婦誌59巻5号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5905-113.pdf
- 2. E.婦人科疾患の診断・治療・管理 8.腫瘍と類腫瘍 - 日産婦誌61巻5号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6105-165.pdf
[★]
;英:α-fetoprotein AFP, alpha fetoprotein, alpha-fetoprotein
- 同
- αフェトプロテイン、α胎児性タンパク
- 関
- トリプルマーカーテスト。腟分泌液中α-フェトプロテイン、AFP-L3分画
産生部位
- 出生後の産生はほとんどみられない。
- 肝細胞癌、肝細胞の再生局面で再び産生されるようになることがある
- 妊娠初期の異常高値は、胎児の中枢神経系異常を疑わせる所見となる。
- 本蛋白質は胎生期初期には卵黄嚢で、その後は内胚葉、肝臓で産生された後血清中に放出される。
意義
- 肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍、肝芽腫の腫瘍マーカー、炎症性肝疾患における肝再生の指標
先天異常の診断
破水の診断
- 羊水中に多量に存在するため、膣分泌物のAFPを同定することで破水の診断に利用される
腫瘍マーカー
- 腫瘍径:腫瘍径とAFP値との間に相関はない。3cmの以下の早期肝癌では陽性率は25%。
- 組織型:(高分化・未分化)産生能低い、(中分化)産生能高い。
QB.Q-14
基準値
- 高値
- 臨床検査データブック
AFPの分画
- レクチンとの親和性により、L1,L2,L3の分画に分けられる。
- L1分画上昇:肝硬変
- L3分画上昇:肝細胞癌
AFP-L3分画、PIVKA-IIとの関係
- AFP-L3分画、PIVKA-IIと相関関係は見られない。
- 肝細胞癌において、AFPとPIVKA-IIとの間に相関関係が見られないため、併用により診断率の向上が期待できる(LAB.631)
- AFP, AFP-L3分画, PIVKA-IIが高い例では予後不良である。(参考1,2)
妊婦の生理的な変動
- 妊娠3ヶ月以降上昇、8ヶ月でピーク(300-800ng/ml)。
乳児の生理的な変動
参考
- 1. AFP・AFP-L3・PIVKA-IIの3因子陽性例は脈管浸潤が多く予後不良【肝癌研究会2011】
- http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201107/520980.html&cnavi=1
- 3マーカーがいずれも陽性の場合、組織学的に脈管浸潤が多く認められ、Edmondson分類グレードIII、IVの頻度が高い
- 2. Triple Positive Tumor Markers for Hepatocellular Carcinoma Are Useful Predictors of a Poor Survival.
- Kiriyama S, Uchiyama K, Ueno M, Ozawa S, Hayami S, Tani M, Yamaue H.SourceFrom the Second Department of Surgery, Wakayama Medical University, School of Medicine, Wakayama, Japan.
- Annals of surgery.Ann Surg.2011 May 20. [Epub ahead of print]
- OBJECTIVE: To determine the importance of the expression pattern of multiple tumor markers for hepatocellular carcinoma (HCC) with regard to the tumor malignancy and patient survival.BACKGROUND: Several studies have indicated that HCC tumor markers, including alpha-fetoprotein (AFP), Lens culinaris
- PMID 21606837
[★]
- 英
- testicular neoplasm, testicular tumor, testicular cancer
- 同
- 睾丸腫瘍、精巣新生物
- 関
- 精巣癌
疫学
好発年齢
- 幼児 0-4歳
- 青年荘期 25-34歳:卵黄嚢腫瘍、カルチノーマ
- 45-59歳:セミノーマ、悪性リンパ腫
国別発生率 人口10万人あたり
- 英国 4.4-5.7
- 10万人当りの年間発生率はわが国では0.7~1.8人、米国系白人では4.8~8.7人で欧米人に多く発生。
分類
-
-
-
- 莢膜細胞腫/線維腫群腫瘍
- 不完全分化型政策/性腺間質腫瘍
- 混合型
- 分類不能型
|
疫学
|
病理
|
腫瘍マーカー
|
予後
|
特徴的な症状
|
頻度
|
年齢
|
β-hCG
|
AFP
|
セミノーマ
|
精巣腫瘍の50%
|
25-55歳に多い
|
柔らかい灰白色の腫瘍で、胚細胞に似た大型類円形でクロマチンの粗い核と淡明な細胞質を有する
|
○ 7-18%
|
|
良好 5年生存率90%以上
|
|
胎児性癌
|
精巣腫瘍の10% 奇形腫との混合型に多い
|
15-35歳に多い
|
柔らかい灰白色充実性腫瘍で、広範に出血及び壊死を認める。大型でクロマチンの少ない核小体の明瞭な核と未熟な明るい大きな細胞を持つ上皮細胞からなる。
|
○ 60%
|
○
|
|
早期もで血行性転移
|
卵黄嚢腫
|
小児: 単一組織型 成人: 胎児性癌や奇形腫との混合型
|
小児
|
腎糸球体に類似した血管を軸とし、内外二層の上皮細胞層からなる
|
|
○
|
|
|
絨毛癌
|
混合腫瘍がほとんど
|
15-30歳
|
出血性の腫瘍。合法性、細胞性栄養細胞に類似する
|
○ 100%
|
|
リンパ行性、血行性転移、高浸潤傾向
|
早期もで血行性転移。女性化乳房
|
奇形腫
|
|
|
3つの胚葉成分からなる。
|
|
|
小児:良好 成人:転移。化学治療に無反応
|
|
奇形癌
|
|
|
胎児性癌+奇形腫
|
|
|
|
|
治療
- SURO.271 参考3
- まず、手術により精巣を摘除(高位精巣摘除術)した後、病期に応じて治療を追加する
-
予後
参考
- 1. 精巣腫瘍診療ガイドライン - 香川県立中央病院 (2010年)
- http://www.chp-kagawa.jp/docs/seisou.pdf
- 3. 精巣がんの標準治療:がんサポート情報センター
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/01.html
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/02.html
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/03.html
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/04.html
[★]
- 英
- tumor
- 同
- 新生物 neoplasm new growth NG
- 関
分類(EPT.65)
悪性度
細胞と間質の割合
発生学的由来
組織学的分類
上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
非上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
-
臓器別分類
外陰部(女性)
子宮
卵巣
- 表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
- 性索間質性腫瘍 Sex cord/stromal tumors
- 胚細胞腫瘍 Germ cell tumors
腫瘍と関連する疾患 first aid step1 2006 p.294
[★]
- 英
- cystoma
- 同
- 嚢胞性腫瘍 cystic tumor
- 関
- シスト、嚢胞、被覆体、水滑性嚢腫、嚢胞性リンパ管腫、水滑性嚢胞、滑液嚢水腫、腫瘍性嚢胞
[★]
- 英
- yolk, yolk of eggs, egg yolk, vitellus, vitelline
- 関
- 卵黄膜
[★]
- 英
- yolk sac
- ラ
- saccus vitellinus
- 同
- 卵黄包