- 英
- Babinski's reflex (SP), Babinski reflex
- 同
- バビンスキー徴候 Babinski sign、足指背屈型足底反射 dorsiflexor type of plantar reflex、バビンスキー現象、伸展性足底反射 extensor plantar reflex extensor plantar response
- 関
- 反射、運動麻痺、錐体路徴候
概念
- 乳幼児や錐体路障害を来した成人で見られ、足裏外側をなぞった際に起こる足指を反らしながら開く反射(足底刺激に対して母指が背屈する(PT.123))である。健常な人では母指が底屈する。乳幼児の場合、抑制系ニューロンの未発達により生じ、成人では上位運動ニューロンの障害により生じる。生後から見られおよそ1歳(8ヶ月~2歳)(G10M.339)で消失する。
国試
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-バビンスキー徴候
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/03 18:52:26」(JST)
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バビンスキー反射(英: Babinski reflex)は、脊髄を反射弓とする脊髄反射の1つだが、正常時には現れない病的反射である。錐体路障害を示唆するものとして信頼度が高い。バビンスキー反射の変法としてチャドック反射、オッペンハイム反射、ゴードン反射、シェーファー反射、ゴンダ反射、ストランスキー反射、マリー・フォア反射、マイヤー反射、ルリー徴候などがある。
フランスの医師ジョゼフ・ババンスキー(Joseph Jules François Félix Babinski、1857年 - 1932年)によって発見された現象であり、「ババンスキー反射」とすべきところだが、日本では「バビンスキー反射」と呼ばれることが多い。
なお、バビンスキー反射が現れうるような刺激を与えたときの反応を総称して足底反射(plantar reflex)と言う。バビンスキー反射は異常な足底反射である。バビンスキー反射が現れる、つまりバビンスキー反射陽性のことをバビンスキー現象、バビンスキー徴候とも言う。
反射の概要
- 足の裏をとがったもので踵から爪先にむけてゆっくりとこする。
- 足の親指が足の甲(足背)の方にゆっくり曲がる(拇指現象)。
- 他の4本の指は外側に開く(開扇現象)。
この一連の反射をバビンスキー反射といい、2歳未満の幼児には普通に見られる。年齢を重ねるにつれ足の指が足の裏側(足底)に曲がる(屈曲)反応になる、もしくは現れなくなるが、成長後もこの反射が見られると錐体路障害が疑われる。新生児の神経系異常を発見する検査としてこの反射の確認が幅広く行われている。また交通事故などにより後天的な錐体路障害が疑われる場合にもこの反射を確認する。
誤用・誤解
- 医療関係者の間でも足の指が開くことがバビンスキー反射であると誤解・誤用されている場合がある。あくまで足の裏への刺激に対して起こる反射がバビンスキー反射である。
関連項目
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Babinski 徴候と著明な中枢運動神経伝導遅延を伴った抗GM1抗体陽性ギラン・バレー症候群の一例
- 冨田 稔,両角 佐織,川頭 祐一,飯島 正博,小池 春樹,渡辺 宏久,服部 直樹,平山 正昭,祖父江 元
- 末梢神経 = Peripheral nerve 19(2), 516-518, 2008-12-01
- NAID 10025625944
- ミトフシン2(MFN2)遺伝子異常による Charcot-Marie-Tooth 病2A型の1例
- 川並 透,阿部 暁子,鹿間 幸弘,片桐 忠,栗田 啓司,早坂 清,加藤 丈夫
- 末梢神経 = Peripheral nerve 19(2), 382-383, 2008-12-01
- NAID 10025625649
- 保崎 秀夫
- 心身医学 39(2), 111-117, 1999-02-01
- ヒステリーという病名は, 用語の不適切さと概念のあいまいさによって, 用語集から姿を消す運命にある.ここではシャルコー当時のヒステリーの状況と, 当時のパピンスキーなどのピチアチスムの立場からの反論などを中心に, 第二次大戦後われわれが体験した典型的症例を示しながら考えてみたい.今やヒステリーは形を変えて心身医字領域の中に, また人格障害の中にちりばめられてしまったが, 名前は消えても今後の活発な …
- NAID 110001122185
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- 足底伸筋反射。 足の裏の外縁を踵からつま先に向かってこすると、親指が反り(背屈し) 他の4趾が開く(開扇現象)反射。 通常は抑制されており、現れることはありません。 バビンスキー反射が見られる場合は、脊髄と脳を結ぶ神経伝導路(錐体路)に障害が生じ ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 73歳の男性。歩行障害のため搬入された。半年前に大腸癌と胸椎への転移とを指摘され、大腸の手術を受けた。最近は背部痛があるが、鎮痛薬を服用して元気にしていた。2週前から両側下肢に力が入らず、今朝から歩行できなくなった。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D008]←[国試_101]→[101D010]
[★]
- 英
- primitive reflex
- 関
- 反射
- 新生児期にみられ、中枢神経系の発達と共にやがて消失する反射
- 中枢神経系の発達の指標となる
- 原始反射の欠如は中枢神経系の障害を示す。
- 左右非対称性な原始反射は末梢性運動神経障害を示す。
- 原始反射消失の遅延は中枢性の運動神経の発達障害を意味する。
原始反射 (出典不明)
[★]
- 英
- superficial reflexes
- 関
- 皮膚反射
- 皮膚あるいは粘膜受容器を刺激することにより生ずる反射性筋収縮であり、多シナプス反射である。
- 錐体路徴候の一つあり、錐体路が傷害されると表在反射が消失する
分類
- 睾挙筋反射:L1,2。大腿内面を軽くこすると同側の睾丸が挙上する。
- 手掌反射
- 肩甲反射
- 肩甲間反射
- 腹壁表在反射/腹皮反射
- 腹壁皮膚反射/腹壁反射:上部(T6-T9)、中部(T9-T11)、下部(T11-L1)で腹壁の外側より正中に向かってこすると、正中線が刺激側に移動する。
- 殿部反射
- 足底反射:(バビンスキー反射)L5-S2。
- 肛門表在反射
- 肛門反射:S4,5。肛門又はその周囲の痛覚刺激、あるいは肛門に指を挿入すると肛門八ツ役筋の収縮が見られる。
[★]
- 英
- pathologic reflex
- 正常成人では出現せず、錐体路(皮質脊髄路、上位運動ニューロン)が障害されたときに誘発される反射
病的反射 BET.80
[★]
- 英
- plantar reflex (M), sole reflex
- 関
- 屈曲性足底反射、伸展性足底反射。手掌把握反射
関与する神経
検査方法
消失時期
臨床関連
[★]
- 英
- Gordon reflex
- 同
- Gordon反射、ゴードン現象 Gordon phenomenon
- 関
- 錐体路障害、バビンスキー反射
- ふくらはぎを把持して母趾が背屈する場合に錐体路障害をありとする反射。
[★]
- 英
- reflex
- 関
- 反射の一覧
反射中枢の存在レベルによる分類
構成要素からの分類
- cf.原始反射
原始反射
- 生命維持のためにする反射
- 正常な新生児において特徴的に観察される反射的行動を総称してこう呼ぶ。
原始反射の例
- 乳さがし反射: 口の片側を触られると、赤ん坊の頭がそちらのほうを向くという反射。
- 吸啜反射: 赤ん坊の口の中にものを入れると、すぐにそれを吸い始めるという反射。
- モロー反射: 赤ん坊の背中と頭を支えて仰向けにした状態で、上体を数cm上方に起こし、手で支えながら急に頭部を落下させると、両手と両足を左右対称的に外側に伸ばし、それに続いてゆっくりと抱き込むような上肢の運動が見られる反射。大きな音などで驚いたときにも見られる。
- バビンスキー反射: 足の裏の外縁をゆっくりと踵からつま先に向かってこすることにより、母趾(おやゆび)が背屈し他の4趾が開く(開扇現象)反射。
参考(読んでおく)
[反射]
[★]
- 英
- key
- 関
- 鍵、重要、手がかり
[★]
- 英
- bottle
- 関
- ビンづめ