- ラ
- spina bifida
- 同
- 脊椎披裂、脊椎閉鎖不全症 脊椎癒合不全 spinal dysraphism
- 関
- 神経管閉鎖障害
疫学
- 生存出生児1000人に対して0.5人 (PED.1416)
リスクファクター
分類
- SCN.274
病態
- 脊髄髄膜瘤の場合、開存している神経管からAFPが流出し羊水AFPが上昇する。また、キアリ奇形II型、水頭症、脳梁形成不全などを合併しやすい。
治療・管理
- 分娩 :経腟分娩により瘤の破裂、髄膜炎などの感染が考えられるため、帝王切開とする。
- 新生児:脊髄髄膜瘤の場合、感染の危険が高いために緊急に手術を行う。
予防
- 妊娠1ヶ月から妊娠3ヶ月までの葉酸摂取(YN.J-218) 妊娠初期(妊娠7週まで)(G10M.74)
- 一日0.4mg/dayの摂取が推奨される
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/07/16 22:01:59」(JST)
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二分脊椎症 |
分類及び外部参照情報 |
|
ICD-10 |
Q05., Q76.0 |
ICD-9 |
741, 756.17 |
OMIM |
182940 |
DiseasesDB |
12306 |
eMedicine |
orthoped/557 |
MeSH |
C10.500.680.800 |
二分脊椎症(にぶんせきついしょう)とは、先天的に脊椎骨が形成不全となって起きる神経管閉鎖障害の一つ。母胎内で胎児が脊椎骨を形成する時に何らかの理由で形成不全を起こし症状の軽いものは気付くことなく終わるが時に本来、脊椎の管の中にあるべき脊髄が脊椎の外に出て、癒着や損傷をしていることがある。このように二分脊椎症には症状の重い開放性の二分脊椎症と症状の軽い潜在性の二分脊椎症があり、通常は開放性の二分脊椎症のことを指す場合が多い。脊髄髄膜瘤ともいう。下肢の麻痺や変形、膀胱・直腸障害に因る排泄障害などが症状として見られる。
目次
- 1 症状
- 2 治療法
- 3 参考書籍
- 4 関連項目
- 5 外部リンク
|
症状
主に仙椎、腰椎に発生するが、稀に胸椎、頚椎にも生じ、その発生部位から下の運動機能と知覚が麻痺し、内臓の機能にも大きく影響を及ぼす。
原因と有用とされる対処法
二分脊椎の原因はバルプロ酸(抗てんかん薬、抗躁薬として用いられる)、ビタミンAの過剰摂取をはじめ多くの催奇形因子によって誘発される[1]。厚生労働省は成長に欠かせないビタミンB群の一種である葉酸の摂取を十分に取ることにより発症リスクを70%減らす事ができるとし注意を呼びかけている[2]。女性が日量400μgを受胎3ヶ月前から妊娠中ずっと摂取すると70%の障害が予防できる[1]。全妊娠の50%は計画的なものではないため、妊娠可能年齢の女性全員が400μgの葉酸を毎日摂取する事が推奨される[1]。しかしながら、これらの対策はあくまでもリスクを減少させることが出来るというのみで、完全に無くすことは出来ていない。まして両親にその責を問うものでもないことが言及される。
合併症
二分脊椎の半数以上が水頭症を合併する。脳や脊髄は脳脊髄液が満たされた骨の中にあるが、この脳脊髄液の循環器機能が阻害されて脳圧が上がってしまうと脳神経に重大な障害を引き起こすため、脳圧を一定に保てる様に「シャント」という管で脳室と心臓または腹腔を短絡し、脳脊髄液を逃がす手術をする。
また、幼少期より手術時にゴム手袋などのラテックス製品に触れる機会が多くラテックスアレルギーを発症するケースもある。
治療法
- 出生後速やかに脳神経外科か小児外科によって手術をする。
- 膀胱・直腸障害により、排泄が困難となるため、排尿の場合はカテーテルと呼ばれる管を排尿時に使用する。排便の場合は、便秘になることが多いので、摘便(洗腸)や下剤を使用する。
- 脳神経外科、小児外科、泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科を中心に眼科、皮膚科、内科等を含め、トータルなケアが必要とされている。また、様々な障害の程度があり、各々に合わせた適切な医療、教育、就職、結婚の問題までケースワークが求められている。
参考書籍
- ^ a b c ラングマン人体発生学第10版 ISBN 978-4-89592-650-8
- ^ 厚生省の神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための報道発表資料
関連項目
外部リンク
- 厚生労働省の二分脊椎症ウェブサイト
- (百科事典)「Spina_Bifida」 - Medpediaにある「二分脊椎症」についての項目。(英語)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 下肢痛を主訴とした低位脊髄円錐を伴う脊髄係留症候群の2 例
- 二分脊椎者の歩容改善を目的とした底背屈制動機能つき短下肢装具の検討
Related Links
- 二分脊椎は、生まれつき脊椎の癒合が完全に行われず一部開いたままの状態にあることを いいます。そのなかには、脳からの命令を伝える神経の束(脊髄)が、形成不全を起こし 様々な神経の障害を生じる病気もあります。主に腰椎、仙椎に発生しますが、その ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 2歳2か月の男児。仙骨部の皮下腫瘤を主訴に来院した。腰痛は出生時から認められ定期的に受診している。ひとり歩き1歳3か月。身長80cm、体重11 kg。頭囲48cm。言語発達に異常を認めない。腫瘤は径5cmの半球状で、正常な皮膚に
- 覆われている。腰仙部MRIのT1強調正中矢状断像を以下に示す。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A002]←[国試_099]→[099A004]
[★]
- 4歳の男児。3日前から発熱、排尿痛および頻尿がみられた。今までにも同様の症状が3回あったが、感冒に伴う膀胱炎として近医で治療を受けていた。今回は尿が赤いことに気づき来院した。体温38.5°。眼瞼と下肢とに浮腫を認めない。尿所見1+、糖(-)、沈渣に赤血球無数/1視野、白血球15-20/1視野。
- 基礎疾患として考えられないものは
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101E030]←[国試_101]→[101F002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101B075]←[国試_101]→[101B077]
[★]
- 英
- pregnancy, gravidity, gestation
- 関
- 妊娠週数、妊娠期間、(妊娠週数・妊娠月数の推定)子宮#子宮の大きさ、trimester。妊婦
- 妊娠x週
- x weeks of gestation
妊娠期間 (L.107)
- 最終月経の開始から280日(40週)
- 受精後266日(38週)
妊娠に伴う自覚、検査所見
- QB必修
- 尿検査による妊娠反応陽性:4週
- つわり症状 :6週
- 胎動の自覚 :18-20週
検査
超音波検査
- QB必修
- 妊娠4週:胎囊
- 妊娠5週:胎児
- 妊娠6週:胎児心拍
- 妊娠10-12週:ドップラーによる胎児心拍
尿妊娠反応
妊娠による変化
- G10M.38 NGY.293-303
- 循環血液量増加 → 血漿量の増加が血球成分の増加より著しい → 血液希釈(赤血球数↓、Hb↓、Ht↓)
- 白血球増加(5000~12000 /ul)。多核白血球優位に増加。
- 凝固能:凝固系亢進、線溶系抑制
- 血液凝固因子:第XI因子、第XIII因子を除き、血液凝固因子の濃度が上昇
- 胃:緊張度と運動性低下。食道括約筋圧低下、妊娠子宮による胃の変異により胃食道逆流が生じやすい(→麻酔管理では妊婦はfull stomach扱い)。
- 胸郭弛緩、横隔膜挙上、気道拡張(プロゲステロンによる気管平滑筋弛緩)
- →[一回換気量]増加、[予備呼気量]減少、[残気量]減少 → 残気量が減少し、一回換気量が増加 → 分時換気量増加
-
- 食後血糖は上昇。空腹時血糖は低下する。また、食後に高インスリン血症が持続する。 (NGY.293)
- FSH, LH:非妊娠時の基礎値
- hCG:10週前後にピークとなり以降、減少。
- PRL:妊娠末期に向かって増加
妊娠によるエネルギー付加量
- NGY.324
- 日本人成人女子の生活活動強度別の栄養所要量(kcal/day)
- 妊婦 +350
- G10M.72
- 妊娠初期:50kcal
- 妊娠中期:250kcal
- 妊娠末期:500kcal
- 授乳中:450kcal
妊娠と服用薬
- 妊娠と薬情報センター - 独立行政法人 国立成育医療研究センター
- http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html
服用薬の影響
- 4週から7週末までは器官形成期であり、催奇形性が確認されているものはワルファリン(鼻奇形、骨形成不全)、メトトレキセート(種々の奇形)、抗てんかん薬(種々の奇形)がある。(参考1)
臨床関連
届出
参考
- http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/FUJ-FULL.pdf
[★]
;英:α-fetoprotein AFP, alpha fetoprotein, alpha-fetoprotein
- 同
- αフェトプロテイン、α胎児性タンパク
- 関
- トリプルマーカーテスト。腟分泌液中α-フェトプロテイン、AFP-L3分画
産生部位
- 出生後の産生はほとんどみられない。
- 肝細胞癌、肝細胞の再生局面で再び産生されるようになることがある
- 妊娠初期の異常高値は、胎児の中枢神経系異常を疑わせる所見となる。
- 本蛋白質は胎生期初期には卵黄嚢で、その後は内胚葉、肝臓で産生された後血清中に放出される。
意義
- 肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍、肝芽腫の腫瘍マーカー、炎症性肝疾患における肝再生の指標
先天異常の診断
破水の診断
- 羊水中に多量に存在するため、膣分泌物のAFPを同定することで破水の診断に利用される
腫瘍マーカー
- 腫瘍径:腫瘍径とAFP値との間に相関はない。3cmの以下の早期肝癌では陽性率は25%。
- 組織型:(高分化・未分化)産生能低い、(中分化)産生能高い。
QB.Q-14
基準値
- 高値
- 臨床検査データブック
AFPの分画
- レクチンとの親和性により、L1,L2,L3の分画に分けられる。
- L1分画上昇:肝硬変
- L3分画上昇:肝細胞癌
AFP-L3分画、PIVKA-IIとの関係
- AFP-L3分画、PIVKA-IIと相関関係は見られない。
- 肝細胞癌において、AFPとPIVKA-IIとの間に相関関係が見られないため、併用により診断率の向上が期待できる(LAB.631)
- AFP, AFP-L3分画, PIVKA-IIが高い例では予後不良である。(参考1,2)
妊婦の生理的な変動
- 妊娠3ヶ月以降上昇、8ヶ月でピーク(300-800ng/ml)。
乳児の生理的な変動
参考
- 1. AFP・AFP-L3・PIVKA-IIの3因子陽性例は脈管浸潤が多く予後不良【肝癌研究会2011】
- http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201107/520980.html&cnavi=1
- 3マーカーがいずれも陽性の場合、組織学的に脈管浸潤が多く認められ、Edmondson分類グレードIII、IVの頻度が高い
- 2. Triple Positive Tumor Markers for Hepatocellular Carcinoma Are Useful Predictors of a Poor Survival.
- Kiriyama S, Uchiyama K, Ueno M, Ozawa S, Hayami S, Tani M, Yamaue H.SourceFrom the Second Department of Surgery, Wakayama Medical University, School of Medicine, Wakayama, Japan.
- Annals of surgery.Ann Surg.2011 May 20. [Epub ahead of print]
- OBJECTIVE: To determine the importance of the expression pattern of multiple tumor markers for hepatocellular carcinoma (HCC) with regard to the tumor malignancy and patient survival.BACKGROUND: Several studies have indicated that HCC tumor markers, including alpha-fetoprotein (AFP), Lens culinaris
- PMID 21606837
[★]
- myelo meningo cele
- 英
- myelomeningocele
- 同
- 髄膜脊髄瘤 meningomyelocele、脊髄瘤 myelocele,Rachischisis neurospinal dysrhaphism
- 関
- 二分脊椎
概念
- 胎生期に脊柱管が閉鎖しないことにより、脊椎の椎弓が無形成・皮膚が欠損し、脊髄が背部に露出したもの。
- 原因として葉酸欠乏、染色体異常、環境因子などの多因子が関与していると考えられている。
- 露出した脊髄は感染のリスクが高いため、緊急手術の適応となる。
疫学
- 1000出生に0.2-0.3例 (SCN.273)
検査
- 妊娠15-18週に母体血清中のAFPを測定、異常値であれば1-2週間後に再検、異常であれば羊水検査を行う。画像検査は超音波検査、MRIを施行する。
- 母体血清AFP:高値 ← 開放性神経管閉鎖障害のために、神経管の(非閉鎖部位)開放部位からAFPが羊水中に漏出し、胎盤を介して母体血清中に移行する。
[★]
- 英
- hydramnios, polyhydramnios
- 同
- 羊水過多(自覚症状を伴わない。自覚症状を伴うものが羊水過多症)
- 関
- 羊水
概念
原因
胎児側の原因
- 無脳症では妊娠末期は髄液の貯留や嚥下障害により羊水過多を来しやすい
母体側の原因
国試
[★]
- 英
- neural tube defect, NTD
- 同
- 神経管欠損
分類
障害部位で分類
外部との交通性で分類
- SCN.274
[★]
- 英
- occult spinal dysraphism
- 同
- 潜在性脊椎閉鎖不全症 潜在性脊椎癒合不全、潜在性二分脊椎症
- ラ
- spina bifida occulta
- 関
- 二分脊椎、occult spinal dysraphism
[★]
- 英
- open spina bifida、spina bifida aperta
- 関
- 開放性二分脊椎症、嚢胞性二分脊椎
[★]
- 英
- closed spina bifida
- 関
- 潜在性二分脊椎
[★]
- 英
- spina bifida occulta
- 関
- 二分脊椎
[★]
- 英
- bisection、bisect、bipartite、dichotomous、bifid、dichotic
- 関
- 二連
[★]
- 英
- vertebra、vertebrae
- 関
- 椎骨