- 英
- amniotic fluid (Z)
- ラ
- liquor amnii
- 同
- 胎水
- 関
- [[]]
性状
成分
- 種々の成長因子、電解質、低濃度の蛋白質、アミノ酸、糖質、α-フェトプロテイン、リン脂質、酵素、プロラクチン、性ステロイドホルモン
産生
- 妊娠初期:羊膜
- 妊娠中期:胎児腎臓(胎児尿)、胎児肺(肺胞液)
腎による羊水の産生
- 尿細管は妊娠7週で形成され、妊娠10週には腎は尿を排泄するようになる。妊娠5ヶ月頃から腎盂、膀胱に尿が貯留し、随意的排尿が見られるようになる。(NGY.283)
羊水量
- 胎盤完成期から急増して、妊娠7-8ヶ月でピーク(700ml)となり、妊娠末期に減少して50-500mlとなる。
吸収
- 妊娠初期:羊膜
- 妊娠中期:嚥下→腸管から吸収→胎盤→母胎
機能
- MGY.292 G10M34
- 胎児の保護(物理的衝撃、体温保持)
- 運動空間の確保
- 胚の成熟
臨床関連
量的な異常
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/02/25 21:18:47」(JST)
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羊水(ようすい)は、羊膜上皮から分泌され、羊膜腔を満たす液体で、爬虫類、鳥類、哺乳類といった有羊膜類の胚、胎児は、羊水に浮かんで発育する。また、尿膜水と一括して胎水とも呼ばれる。
魚類や両生類といった羊膜を形成しない脊椎動物の胚は、外界の水が胚の周囲を循環することで胚の排泄する排泄物の除去やガス交換を行い発生の行われる空間の環境を維持しているが、有羊膜類の胚は羊膜腔に保持されpHや浸透圧などの諸性質の変動を一定に抑え、恒常性を保った羊水を作り出す事により胚発生の行われる空間の環境を胚にとって良好に維持している。
卵や子宮の中には最初から羊水があるわけではなく胚に漿膜や羊膜といった胚膜が形成され、胚の本体が羊膜腔に包まれると、その中に羊水が満たされる。発生の進んだ胚では羊水を嚥下する運動が観察される。
哺乳類では、出産の直前に羊膜が破れ、羊水が体外に出る。これを破水(はすい)という。
なお、高齢出産や遺伝病の保因者などの場合、出生前診断として胎児の染色体異常や先天性異常を調べるべく羊水中に浮遊する遊離細胞などを調べる羊水検査を行う事がある。
この検査で重篤な異常が見つかった場合、胎児を産み育てるか、もしくは人工妊娠中絶に踏み切るかなどについて妊婦およびその周囲が決断を迫られる事になる。胎児の人権の侵害であり、倫理的に許されざる行為であるとの意見と、先天性の障害をもつ子供を育てることは生活上大きな負担であり、堕胎についての妊婦の選択権を認めるべきであるとの対立する意見とがあり、倫理上の問題が生じている。
加齢などの要因により羊水が腐るという事はないが、出産予定日を過ぎての出産時など胎児の排便により羊水が濁る事はあるという。
参考文献[編集]
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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- 1. 羊水量調節の生理学 physiology of amniotic fluid volume regulation
- 2. 羊水量の評価 assessment of amniotic fluid volume
- 3. 羊水塞栓症候群 amniotic fluid embolism syndrome
- 4. 羊水過少 oligohydramnios
- 5. 羊水過多 polyhydramnios
Japanese Journal
- 羊水過少シークエンスを呈した非モザイク型4倍体の1例
- 鈴村 宏,宮本 健志,栗林 良多,渡部 功之,坪井 弥生,新田 晃久,多田 和美,渡辺 博,有阪 治
- 日本周産期・新生児医学会雑誌 = Journal of Japan Society of Perinatal and Neonatal Medicine 47(3), 702-706, 2011-08-30
- NAID 10029552274
- CTによるAutopsy imagingが死因検索に有用であった新生児呼吸障害の一例
- 楊井 章紀 [他]
- 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 86(2), 69-74, 2011-06-25
- … 羊水混濁と呼吸障害から胎便吸引症候群を疑ったが、気管内挿管困難であった。 …
- NAID 110008620335
- 2010年羊水塞栓症登録事業のまとめ : 心肺虚脱初発群と出血DIC初発群の血清マーカーおよび患者背景の比較検討
- 木村 聡,内田 季之,鈴木 一有,伊東 宏晃,金山 尚裕
- 日本産婦人科・新生児血液学会誌 = The Japanese journal of obstetrical, gynecological & neonatal hematology 21(1), 45, 2011-06-01
- NAID 10029378108
- 病理解剖により羊水塞栓症と診断しえた血中Zn-CP、STN陰性産婦の1例
- 中山 真人,鈴木 元晴,岡垣 竜吾,板倉 敦夫,石原 理,金山 尚裕
- 日本産婦人科・新生児血液学会誌 = The Japanese journal of obstetrical, gynecological & neonatal hematology 21(1), 43, 2011-06-01
- NAID 10029378100
Related Links
- 羊水(ようすい)は、羊膜上皮から分泌され、羊膜腔を満たす液体で、爬虫類、鳥類、 哺乳類といった有羊膜類の胚、胎児は、羊水に浮かんで発育する。羊水は尿膜水と一括 して胎水と呼ばれる。 魚類や両生類といった羊膜を形成しない脊椎動物の胚は、外界の ...
- 2008年2月8日 ... 倖田來未さんの羊水発言が問題になりました。本当は、年齢に関係なく、羊水は きれいな透明です。ちょっとイメージをリフレッシュしましょう。
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[★]
- 次の文を読み、59-61の問いに答えよ。
- 39歳の初産婦。妊娠41月2週 陣痛発来のため入院した。
- 現病歴 妊娠初期から定期的に妊婦健康診査を受けている。これまでの超音波検査で子宮体部右側に直径5cm大の漿膜下筋腫を指摘されている。その他には妊娠経過に特記すべきことはない。本日午前1時から10分周期の規則的な陣痛が発来したが自宅で待機していた。午前9時に来院した。
- 既往歴 15歳で虫垂炎手術。
- 家族歴 母親が2型糖尿病。
- 月経歴 初経12歳。周期28日、整。
- 現症 意識は清明。身長162cm、体重71kg(非妊時63kg)。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧124/76mmHg。子宮底長37cm、腹囲96cm。下腿に浮腫を認めない。Leopold触診法で児背を母体の左側に触れる。陣痛周期は3分。内診所見:先進部は小泉門で母体の左後方に触れる。子宮口5cm開大、展退度60%、児頭下降度SP+1cm。子宮口の位置は中央、硬さは軟である。未破水である。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。超音波検査では羊水ポケット1cm、胎児推定体重3,500 g。胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数パターンに異常を認めない。
- 出生直後の新生児の異常として注意すべきなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G059]←[国試_105]→[105G061]
[★]
- 28歳の1回経産婦。妊娠25週時に少量の性器出血と下腹部痛とを主訴に来院した。1週前の診察では子宮頸管長は40mmで、母児共に異常を認めなかった。昨夜から不規則な子宮収縮を自覚し、明け方排尿時に少量の性器出血に気付いた。4年前に子宮頚部上皮内痕で子宮頸管円錐切除術を牽け、2年前の初回妊娠は妊娠32週や早産となり、今回は妊娠14週時にShirodkar頸管縫縮術を受けている。体温37.3℃。脈拍96/分、整。血圧120/72mmHg。膣鏡診で置下は血性、子宮口は閉鎖し羊水の流出は認めない。内診では子宮口は中央で硬く展退度は50%、先進部は胎児殿部で下降度Sp-3である。腹部超音波検査では、胎児の推定体重は662g、羊水量に異常を認めない。子宮頸管長20mm。胎児心拍数陣痛図では10~15分間隔の子宮収縮を認めるが、心拍数パターンに異常を認めない。1週前の外来での膣分泌物培養検査では、Enterococcus faecalis2+.Streptococcus agalacticae2+、Lactobacillus species(-)で、頸管粘液中の好中球エラスターゼは陽性である。尿所見:蛋白1+、糖(-)。血液所見:赤血球345万、Hb11.7g/dl、白血球10,200、血小板20万。CRP1.3mg/dl。
- まず行うのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I069]←[国試_102]→[102I071]
[★]
- 35歳の1回経産婦。妊娠40週に陣痛発来し入院した。5年前に回旋異常のため妊娠38週で2, 700gの女児を帝王切開で分娩した。今回の妊娠経過は良好であった。身長158cm、体重62kg、脈拍84/分、整。血圧120/84mmHg。児は第1頭位。腟鏡診で外子宮口から少量の羊水流出を認めた。超音波検査では胎児推定体重は3,400g、胎盤は子宮底部を中心に存在し異常所見を認めなかった。入院時の内診所見で先進部の下降度 SP-1cm、子宮口3cm開大。胎児心拍数陣痛図で子宮収縮は3分間隔。胎児心拍数パターンに異常を認めなかった。その後陣痛は増強し頻回となり入院後2時間には2分間隔となった。内診では子宮口は全開大し、児頭下降度はSP+2cmであった。この時点から産婦は陣痛に合わせて努責を開始した。30分経過したころ気分不快を訴えた。呼吸困難はない。意識は清明、呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧80/52mmHg。顔面は蒼白。少量の性器出血を認める。再度の内診では、児頭下降度はSP-3cmである。胎児心拍数陣痛図では陣痛は微弱となり、遷延性徐脈を認める。
- 治療として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I059]←[国試_105]→[105I061]
[★]
- 34歳の初産婦(1妊0産)。妊娠37週6日の午前0時に破水感があり、午前時に受診した。妊婦健康診査は妊娠8週から受けており、特に異常は指摘されていない。来院時、羊水の流出を認め、混濁はなかった。内診で子宮口は3cm開大していた。その後の分娩経過記録を以下に示す。
- 午前3時:子宮収縮は10分間隔、子宮口は5cm開大。
- 午前10時:子宮口は全開大。
- 午前11時:2,850gの女児を娩出。児娩出後、子宮収縮は不良で子宮底マッサージとオキシトシンの点滴投与を行ったが胎盤は自然娩出されず。
- 午前11時30分:胎盤用手剥離術により胎盤娩出。胎盤娩出後には子宮収縮は良好となり止血。分娩時の出血量は1,200mL。
- 正しいのはどれか。
- a 分娩の開始は午前0時である。
- b 適時破水である。
- c 分娩第1期は11時間である。
- d 分娩第3期は30分間である。
- e 分娩時出血量は正常範囲である。
[正答]
※国試ナビ4※ [113F048]←[国試_113]→[113F050]
[★]
- 30歳の初妊婦。妊婦健康診査のため来院した。 3週前に自宅近くの診療所を受診した際、最終月経から妊娠7週と診断された。超音波検査で子宮内に心拍を有する胎児を認めるが、妊娠週数に比して小さい。
- 対応として適切なのはどれか。
- a 自宅安静とする。
- b 食事療法を指導する。
- c 妊娠週数を修正する。
- d 母体の血糖値を測定する。
- e 羊水採取の必要性を説明する。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E039]←[国試_106]→[106E041]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102E012]←[国試_102]→[102E014]
[★]
- 正常な胎児付属物について正しいのはどれか。2つ選べ。
- a 羊水は淡黄色透明である。
- b 臍帯内の静脈は2本である。
- c 妊娠末期の胎盤重量は約200gである。
- d 分娩時臍帯動脈血Hは7.00未満である。
- e 卵膜の3層構造で最も内側の層は羊膜である。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B036]←[国試_110]→[110B038]
[★]
- a. 巨大児が多い。
- b. 羊水過少が多い。
- c. 児は猫のように泣く。
- d. 表現型は女児である。
- e. 生後6か月の生存率は低い。
[正答]
※国試ナビ4※ [100B004]←[国試_100]→[100B006]
[★]
- 妊娠20週で自然破水し、羊水流出が持続しながら妊娠36週まで妊娠が継続した。胎児に起こりうる障害はどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095A045]←[国試_095]→[095A047]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104E015]←[国試_104]→[104E017]
[★]
- a 羊水は弱酸性である。
- b 臍帯動脈は1本である。
- c 臍帯表面は絨毛膜で覆われる。
- d 羊膜はWharton膠質からなる。
- e 臍帯静脈の血液は胎児側に向かって流れる。
[正答]
※国試ナビ4※ [114B016]←[国試_114]→[114B018]
[★]
- a. 子宮内膜から胎盤が発生する。
- b. 薬物は胎盤を通過しない。
- c. 胎児尿は羊水の主成分となる。
- d. 臍帯には1本の動脈と2本の静脈がある。
- e. 卵膜は単層で構成される。
[正答]
※国試ナビ4※ [097G046]←[国試_097]→[097G048]
[★]
- 28歳の女性。妊娠30週。子宮底長は22cmで、腹部超音波検査で羊水はほとんど認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I030]←[国試_100]→[100A002]
[★]
- a 暗緑色である。
- b 大腸菌が含まれている。
- c 羊水中に含まれている。
- d 胎児の肺にとって有害である。
- e 生後3日を過ぎてから排泄される。
[正答]
※国試ナビ4※ [104B028]←[国試_104]→[104B030]
[★]
- (1) 中枢神経系は外胚葉から誘導される
- (2) 器官形成期は、環境要因による奇形発生のリスクが最も高い
- (3) 肺表面活性物質の酸性のは妊娠24週までにほぼ消失する
- (4) 胎児副腎の胎児層は出生にほぼ消失する
- (5) 正常胎児の脳脊髄液は羊水の生成に関与する
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[★]
[★]
- a. 胎児皮膚
- b. 胎児肺
- c. 胎児腸管
- d. 胎児腎臓
- e. 羊膜
[正答]
※国試ナビ4※ [099D056]←[国試_099]→[099D058]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
;英:α-fetoprotein AFP, alpha fetoprotein, alpha-fetoprotein
- 同
- αフェトプロテイン、α胎児性タンパク
- 関
- トリプルマーカーテスト。腟分泌液中α-フェトプロテイン、AFP-L3分画
産生部位
- 出生後の産生はほとんどみられない。
- 肝細胞癌、肝細胞の再生局面で再び産生されるようになることがある
- 妊娠初期の異常高値は、胎児の中枢神経系異常を疑わせる所見となる。
- 本蛋白質は胎生期初期には卵黄嚢で、その後は内胚葉、肝臓で産生された後血清中に放出される。
意義
- 肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍、肝芽腫の腫瘍マーカー、炎症性肝疾患における肝再生の指標
先天異常の診断
破水の診断
- 羊水中に多量に存在するため、膣分泌物のAFPを同定することで破水の診断に利用される
腫瘍マーカー
- 腫瘍径:腫瘍径とAFP値との間に相関はない。3cmの以下の早期肝癌では陽性率は25%。
- 組織型:(高分化・未分化)産生能低い、(中分化)産生能高い。
QB.Q-14
基準値
- 高値
- 臨床検査データブック
AFPの分画
- レクチンとの親和性により、L1,L2,L3の分画に分けられる。
- L1分画上昇:肝硬変
- L3分画上昇:肝細胞癌
AFP-L3分画、PIVKA-IIとの関係
- AFP-L3分画、PIVKA-IIと相関関係は見られない。
- 肝細胞癌において、AFPとPIVKA-IIとの間に相関関係が見られないため、併用により診断率の向上が期待できる(LAB.631)
- AFP, AFP-L3分画, PIVKA-IIが高い例では予後不良である。(参考1,2)
妊婦の生理的な変動
- 妊娠3ヶ月以降上昇、8ヶ月でピーク(300-800ng/ml)。
乳児の生理的な変動
参考
- 1. AFP・AFP-L3・PIVKA-IIの3因子陽性例は脈管浸潤が多く予後不良【肝癌研究会2011】
- http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201107/520980.html&cnavi=1
- 3マーカーがいずれも陽性の場合、組織学的に脈管浸潤が多く認められ、Edmondson分類グレードIII、IVの頻度が高い
- 2. Triple Positive Tumor Markers for Hepatocellular Carcinoma Are Useful Predictors of a Poor Survival.
- Kiriyama S, Uchiyama K, Ueno M, Ozawa S, Hayami S, Tani M, Yamaue H.SourceFrom the Second Department of Surgery, Wakayama Medical University, School of Medicine, Wakayama, Japan.
- Annals of surgery.Ann Surg.2011 May 20. [Epub ahead of print]
- OBJECTIVE: To determine the importance of the expression pattern of multiple tumor markers for hepatocellular carcinoma (HCC) with regard to the tumor malignancy and patient survival.BACKGROUND: Several studies have indicated that HCC tumor markers, including alpha-fetoprotein (AFP), Lens culinaris
- PMID 21606837
[★]
- 英
- oligoamnios, oligohydramnios
- 同
- 羊水過少(臨床所見を認めないもの。臨床所見を認めるものが羊水過少症)
- 関
- 羊水
概念
原因
胎児合併症
母体合併症
治療
- 特にない
- 分娩時に臍帯圧迫などによる変動一過性徐脈が認められたら人口羊水の注入をすることがある。
参考
- 1. 〔よりよい妊娠管理を目指して(その1)〕羊水過多(症),羊水過少(症)の管理 - 日産婦誌51巻1号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/51/5101-009.pdf
- http://www.jsog.or.jp/PDF/54/5403-039.pdf
国試
[★]
- 英
- hydramnios, polyhydramnios
- 同
- 羊水過多(自覚症状を伴わない。自覚症状を伴うものが羊水過多症)
- 関
- 羊水
概念
原因
胎児側の原因
- 無脳症では妊娠末期は髄液の貯留や嚥下障害により羊水過多を来しやすい
母体側の原因
国試
[★]
- 英
- amniocentesis
- 関
- 羊水検査、羊水
概念
- 検査(羊水検査)あるいは治療目的に施行される手技。
手順
- NGY.116
- 1. 仰臥位とし、腹壁を消毒
- 2. 腹壁超音波にて胎児、胎盤位置を確認
- 3. 穿刺部位に局所麻酔を行う
- 4. 超音波ガイド下に穿刺
- 5. 数ml吸引して廃棄し、約20mlの羊水を吸引する
- 6. 針を抜去後、圧迫し、2時間ベット上安静とする
合併症
- 破水、層流算、子宮内感染、胎児損傷、胎盤・臍帯損傷、胎盤早期剥離、母児間輸血 (NGY.116)
- 羊水漏出(1%)、流早産(0.3%)、子宮内感染(0.1%) (NGY.116) 流産率は0.1%で自然流産と同程度(QB.P-215)
適応
- 通常、妊娠15週以降に行う。
- 早期に羊膜を穿刺すると羊膜腔の緊満性が失われて羊膜が胎児に付着し羊膜索症候群を引きおこしうる。
[★]
- 英
- amniotic fluid analysis
- 関
- 羊水、羊水穿刺
目的
- 妊娠22週未満:先天性異常や代謝異常の検査
- 妊娠22週以降:胎児の成熟性、感染症、治療
検出する対象
染色体分析
- NGY.116
- 適応:高齢妊娠(最多)、両親のいずれかが転座保因者、染色体異常の児出産既往、母体血清マーカー陽性、超音波異常
- 時期:妊娠15-18週:中期羊水穿刺(羊水の採取が容易で胎児への影響が少ない) ⇔ 妊娠12-14週:早期羊水穿刺(羊水漏出が2.9倍、早流産率が3.3倍、細胞培養失敗率が26倍)
[★]
- 英
- amniotic embolism, amniotic fluid embolism
- ラ
- embolia liquolis amnii
- 関
- 産科ショック。肺塞栓症
概念
- 妊婦の破水後、特に分娩開始後に、羊水成分が母体内に流入して引きおこされる急性呼吸循環不全および播種性血管内凝固症候群(DIC)を呈する重篤な病態である。
- 発症頻度は6-8万分娩に1例であるが、母体の死亡率は60-80%と著しく高い。
- 歴史的には1941年SteinerとLushbauchの報告が最初とされている(PMID 3514978 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3514978/)。
- 病態生理は明らかではないころが多い。
- 診断が難しく、死亡率が高いために医療過誤を疑われることが多い。
病態生理
- 羊水成分・胎児成分(胎児扁平上皮、ムチン、胎便など)が母体の静脈に入り、肺血管に塞栓を生じる。急性肺循環不全や急性右心不全、また羊水成分によりDICを起こし、性器出血にて死亡に至る。
- 病態としては肺血管閉塞→肺高血圧→呼吸循環不全、播種性血管内凝固、SIRSの流れで起こる。
- 羊水成分の血液内の流入は、卵膜破綻した後に、子宮筋層断裂部や子宮内腔に露出する欠陥破綻部から起こるとされている
- 胎児成分による物理的な閉塞、ないし血管攣縮性物質による肺血管攣縮により肺血管抵抗が上昇して肺高血圧を来たし、左室の機能低下、低酸素血症を来す
- 羊水中の組織因子やプロテアーゼなどの血管内への流入により血管内血液凝固が引きおこされ、血管内皮障害を来すとされる。
リスク因子
- 経産婦
- 高齢妊娠
- 過強陣痛
- 陣痛促進剤
- 潜在性子宮破裂
- 羊水混濁
症状
- 分娩中ないし分娩直後に多く、経腟分娩が殆どである。
- 初発症状は胸部苦満、呼吸困難(呼吸促進、気管支収縮)、不穏状態、血圧低下がありうる。産道出血や痙攣発作が初発症状となる場合もある。
- 発症後は急激に呼吸・循環不全、DICによる出血症状、ショックが出現するが、次第にARDSを呈し予後不良の経過を辿ることが多い。
診断
- 緊急で施行できる確定診断法は乏しい。
- 中心静脈圧測定用のカテーテルから右心血を採取し、遠心した沈渣の塗沫標本により胎児性分を証明することである。酸性粘液多糖類染色法(コロイド鉄、トルイジンブルー、アルシアンブルーなど)で胎便成分のムチンを染色する。
治療
- 確立した予防方法も治療方法もない。
- 呼吸循環管理
- DICに対する支持的治療
国試
[★]
- 英
- amniotic infection
- ラ
- infectio cavii amnii
- 関
- 羊水感染
[★]
- 英
- amniotic fluid embolism
- 関
- 羊水塞栓症
[★]
- 英
- absorption curve of amniotic fluid?