- 70歳の女性。山菜探りに出かけ、約30分前に多数のスズメバチに刺され、家族に伴われて来院した。スズメバチに刺された既往がある。意識レベルはJCS I-1。呼吸困難を訴える。全身の皮膚が紅潮し、頭部と四肢とに多数の刺傷がある。呼吸数30/分。脈拍120/分、整。血圧60/40mmHg。心音に異常を認めない。全肺野にwheezesを聴取する。動脈血ガス分析(自発呼吸, room air) : pH 7.45, PaO2 68Torr、PaCO2 36Torr、HCO3- 24 mEq/l。
- 処置として適切でないのはどれか。
[正答]
D
- イソプロテレノールのβ2受容体に対する作用により末梢血管(骨格筋など)の平滑筋が弛緩し、結果として血圧低下を招く。
- アドレナリンはα1, α2, β1 β2受容体に対する作用を有するが、特にα1, α2受容体に対する作用が強く、血管弛緩はそれほどでもない。
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、50-52の問いに答えよ。
- 34歳の1回経産婦。妊娠31週5日に周産期管理目的で紹介され来院した。
- 現病歴: 半年前に無月経を主訴として自宅近くの診療所を受診し、妊娠7週と診断された。診療所で健診を受けていたが、妊娠10週時に胎児頭殿長 CRLから分娩予定日が補正された。補正後の妊娠16週ころから尿糖陽性が時々認められていたが、27週時から尿糖強陽性(定性試験で3+)が出現したため29週時に75g経口ブドウ糖負荷試験 OGTTが施行された。負荷前値: 110mg/dl、1時間値: 204mg/dl、2時間値 168mg/dlであった。
- 既往歴: 特記すべきことはない。耐糖能低下を指摘されたことはない。
- 月経歴: 初経11歳。月経周期28日、整。持続5-6日。月経障害なし。
- 妊娠・分娩歴: 25歳時に正常経腟分娩(妊娠39週、3,790g)。
- 家族歴: 母が糖尿病。
- 現 症: 意識は清明。身長156cm、体重76kg(妊娠前体重62.5kg、BMI 25.7)。体温37℃。脈拍88/分、整。血圧136/86mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿浮腫を認めない。内診で胎児先進部は児頭で子宮口は閉鎖。超音波検査で子宮頚管長は4.2cmで胎児推定体重は2,200g(+1.8SD)、明らかな奇形は認めない。Biophysical profile scoreは10点である。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖2+、ケトン体(-)。血液所見:赤血球 305万、Hb 10.2 g/dl、Ht 31%、白血球 6,900、血小板 11万。血液生化学所見:血糖 148mg/dl、HbA1c 6.8%、総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 4.2g/dl、尿素窒素 16mg/dl、クレアチニン 0.6mg/dl、尿酸 7.8mg/dl、総コレステロール 240mg/dl、トリグリセリド 130mg/dl、総ビリルビン 0.8mg/dl、直接ビリルビン 0.5 mg/dl、AST 40IU/l、ALT 48IU/l、LD 320IU/l(基準176-353)、ALP 270IU/l(基準115-359)。
[正答]
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[★]
- 60歳の女性。テレビのニュースを見て、35歳時の帝王切開分娩に伴う医原病を心配して来院した。
- 確認すべき情報はどれか。2つ選べ。
[正答]
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[★]
- 英
- anaphylactic shock
- 関
- アナフィラキシー
症状出現までの時間
- 研修医当直御法度 第5版 p.73
- 症状発現までの時間に影響を及ぼすファクターとして、アレルゲンの暴露経路(経口か?非経口か?)、アレルゲンの量、個体の感作状態によって異なる。(参考1)
- 例えば、経口の場合、消化されてアレルゲンとなる物は30分以上かかる。
- 注射の場合は30秒から10分以内に始まる。症状の発現まで30分以上かかることはまれである。(参考1)
症状と治療
- 研修医当直御法度 第5版 p.73
治療
- アドレナリン皮下注射
- アミノフィリン静注
- 副腎皮質ステロイド静注 遅発性のアナフィラキシー予防
- グルカゴン ← β遮断薬の長期投与患者に適す。cAMPの増加による陽性変力作用・陽性変時作用を有する。
参考
- http://health.goo.ne.jp/medical/search/10S11500.html
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