液状フェノール、酸化亜鉛、フェノール
- 関
- フェノール亜鉛華リニメント
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/12/14 15:17:24」(JST)
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フェノール・亜鉛華リニメント(英:Phenol and Zinc Oxide Liniment)とは、液状フェノール(C6H6O)および酸化亜鉛(ZnO)を有効成分とする日本薬局方収載の外用の医薬品であり、水痘による掻痒などに対して用いる。別名カチリともいう[1]。
目次
- 1 概要
- 2 効能
- 3 用法
- 4 禁忌
- 5 薬理作用
- 6 脚注
- 7 参考文献
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概要
フェノール・亜鉛華リニメントは、土肥慶蔵の創案による処方といわれ、日本において古くから用いられているが、日本以外の国の公定書には収載されていない[2]。
本剤は、以下の組成からなるリニメント剤(全量1000gの場合)[3]。
- 液状フェノール:22mL
- トラガント末:20g
- カルメロースナトリウム:30g
- グリセリン:30mL
- 酸化亜鉛:100g
- 精製水:適量
別名の「カチリ」は、ドイツ語表記:Karbol Zink Linimente(カルボール(Karbol)は、フェノール(Phenol、石炭酸という意味のCarbolic acidも同意語)の独別名を略したもの。
効能
皮膚そう痒症、汗疹、じん麻疹、小児ストロフルス、虫さされ
用法
1日1~数回、適量を患部に塗布する。
禁忌
びらん、潰瘍、結痂、損傷皮膚および粘膜
薬理作用
フェノール(2%)の防腐、消毒、鎮痒作用と酸化亜鉛の収れん作用のほか、皮膚面に塗擦すると水分が蒸発してトラガントの薄膜が残り、皮膚を保護する作用を有する[4]。
脚注
- ^ 日本薬剤師会, ed. (2008), 調剤指針 (第12改訂増補 ed.), 薬事日報社, p. 62, ISBN 9784840810517
- ^ マイラン製薬『医薬品インタビューフォーム カチリ「ホエイ」』2008年2月改訂、P1
- ^ 『第15改正日本薬局方』2006年、p923
- ^ マイラン製薬『医薬品インタビューフォーム カチリ「ホエイ」』2008年2月改訂、P8
参考文献
- 高久史麿、鴨下重彦監修『治療薬マニュアル2000』医学書院、2000年、p1286、ISBN 4-260-10532-9
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Medical and nutritional surveys in The Kingdom of Tonga; Comparison of physiological and nutritional status of adult Tongans in urbanized (Kolofo-ou) and rural (Uiha) areas.
- 小池 五郎,横野 靖,飯野 四郎,足立 巳幸,山本 妙子,プローカー チリ,鈴木 正成
- Journal of Nutritional Science and Vitaminology 30(4), 341-356, 1984
- The physiological and nutritional status of adult Tongans in rural (Uiha, 50 males and 58 females) and urbanized (Kolofo-ou, 77 males and 71 females) areas were surveyed in 1977 and 1979, respectively …
- NAID 130001371205
Related Links
- カチリとは?フェノール,亜鉛華リニメントの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も 調べられる(おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カチリ「ホエイ」
組成
成分・含量
- 1g中 日本薬局方 液状フェノール 0.022mL
1g中 日本薬局方 酸化亜鉛 100mg
添加物
禁忌
- (次の部位には使用しないこと)
- び爛・潰瘍・結痂・損傷皮膚および粘膜
効能または効果
- 皮膚そう痒症、汗疹、じん麻疹、小児ストロフルス、虫さされ
- 通常1日1〜数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。
重大な副作用
過敏症注)
(頻度不明)
皮膚注)
(頻度不明)
薬効薬理
- 皮膚炎に防腐、消毒、鎮痒の各作用を有するリニメントとして繁用される。フェノール(2%)の防腐、消毒、鎮痒作用と酸化亜鉛の収れん作用のほか、皮膚面に塗擦すると水分が蒸発してトラガントの薄膜が残り、皮膚を保護する作用を有する。
有効成分に関する理化学的知見
液状フェノール
- 本品はフェノールに、その10%に相当する常水又は精製水を加えて液状にしたものである。
一般名
- 〔日局〕液状フェノール(Liquefied Phenol)
〔日局別名〕液状石炭酸
性状
- 本品は無色又はわずかに赤色を帯びた液で、特異なにおいがある。
本品はエタノール(95)、ジエチルエーテル又はグリセリンと混和する。
本品とグリセリンの等容量混液は水と混和する。
本品は光又は空気によって徐々に暗赤色となる。
本品は皮膚を侵して白くする。
比重 d2020:約1.065
フェノール
一般名
- 〔日局〕フェノール(Phenol)
〔日局別名〕石炭酸
化学名
分子式
分子量
性状
- 本品は無色〜わずかに赤色の結晶又は結晶性の塊で、特異なにおいがある。
本品はエタノール(95)又はジエチルエーテルに極めて溶けやすく、水にやや溶けやすい。
本品10gに水1mLを加えるとき、液状となる。
本品は光又は空気によって徐々に赤色を経て暗赤色となる。
本品は皮膚を侵して白くする。*凝固点:約40℃
酸化亜鉛
一般名
- 〔日局〕酸化亜鉛(Zinc Oxide)
〔日局別名〕亜鉛華
分子式
分子量
性状
- 本品は白色の無晶性の粉末で、におい及び味はない。
本品は水、エタノール(95)、酢酸(100)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
本品は空気中で徐々に二酸化炭素を吸収する。
★リンクテーブル★
[★]
商品
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[★]
- 英
- phenol
- ラ
- phenolum
- 同
- 石炭酸 carbolic acid、ヒドロキシベンゼン hydroxybenzene
- 商
- ウインタミン、エキザルベ 、カチリ、キャンフェニック、セルセプト、パオスクレー、フェノール・カンフル歯科用消毒液、フェノール・亜鉛華リニメント 、フェノール水、ポステリザン、ポステリザンF、メトコール、ラニチジン、ルゴール、レトン、レプチラーゼ、一般診断用精製ツベルクリン、液状フェノール 、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン、強力ポステリザン、歯科用フェノール・カンフル 、治療用アレルゲンエキス、診断用アレルゲン皮内エキス、組織培養不活化狂犬病ワクチン 、複方ヨード・グリセリン 、複方ヨード・グリセリンFM 、複方ヨードグリセリン
- 関
- 消毒薬
- 消毒薬としては、最近に有効であるが、芽胞、ウイルスには無効。
- 大腸菌とかのプラスミド抽出するときに、蛋白成分を変性凝固させて遠沈させるために用いる。
[★]
- 英
- zinc oxide、zinc white
- 同
- チンク
- 商
- ウイルソン、ウイルソン軟膏、カチリ、カラミン、サージカルパック口腔用、サトウザルベ、チンク油、ネオダイン、パルパックV、フェノール・亜鉛華リニメント、ヘルミチンS、亜デンプン、亜鉛華、亜鉛華デンプン、亜鉛華単軟膏、亜鉛華軟膏、酸化亜鉛
- 関
- その他の歯科口腔用薬
[★]
- 英
- liquefied phenol
- 商
- ルゴール 、カチリ、フェノール・亜鉛華リニメント 、フェノール水 、複方ヨード・グリセリン 、複方ヨード・グリセリンFM 、複方ヨードグリセリン
- 関
- フェノール
[★]
- 英
- zinc oxide、zinc white
- 商
- カチリ、フェノール・亜鉛華リニメント、ボチシート、亜デンプン、亜鉛華・サリチル酸、亜鉛華デンプン、酸化亜鉛
- 関
- 酸化亜鉛