- endo metr
- 英
- endometriosis
- 同
- 異所性子宮内膜症, heterotopic endometriosis, endometriosis heteropica、骨盤内子宮内膜症, pelvic endometriosis、エンドメトリオーシス
- 関
- 子宮腺筋症
概念
- 子宮内膜組織(子宮内膜様組織)が異所性に存在するもの。
病型
-
疫学
- 婦人科で、新規外来患者の5%、開腹手術の5-15%程度、。腹腔鏡施行令では、不妊症の30%、原因不明の不妊症の50%、月経困難症の50%、腹痛・腰痛などの15%。 (NGY.195)
- 好発年齢
- 子宮腺筋症:30代後半-40代
- 骨盤子宮内膜症:20代後半-30代
病態
症状
-
- 性交時痛、排便時痛:Douglas窩周辺の病変がひどくなると癒着してDouglas窩が閉鎖するため、月経痛以外にも性交痛や排便痛を生じる。
- 症状の特徴は、以前より明らかに強くなっている痛みと不妊である。
診断
臨床的子宮内膜症
- 1. 問診:(月経困難症、性交痛、不妊、腰痛
- 2. 内診、直腸診:可動性不良(癒着性子宮後屈)、ダグラス窩の圧痛や硬結
- 3. 画像診断:超音波断層撮影、MRI
- 4. 血液検査:CA125
確定診断
治療
- (妊娠希望)保存的手術、生殖補助医療技術 ART
- (挙児希望)ホルモン療法 + 保存的手術
- (挙児希望しないor進行例)子宮全摘 + 両側付属器摘出
内科的治療
-
外科的治療
- 保存的手術:嚢胞開放切開・嚢胞壁焼灼、嚢胞摘出・病巣摘出、癒着剥離
- 根治手術:子宮摘出、両側卵巣摘出
症例
- 33歳女性。不妊と昨年よりも増強する月経痛のため来院した。最近では夫婦生活の時に痛みを感じるようになった。内診では、子宮は鶏卵大だが可動性はやや不良で、Douglas窩に圧痛を認めた。血中CA125は上昇していた。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/06 16:26:38」(JST)
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子宮内膜症(しきゅうないまくしょう、英: Endometriosis)は、子宮内膜やそれに類似した組織が子宮内腔や子宮体部以外の骨盤内で増殖する疾患。
子宮内膜症のデータ |
ICD-10 |
N80 |
統計 |
出典: |
世界の患者数 |
約890万人
(20xx年xx月xx日) |
日本の患者数 |
約12万人
(2006年) |
子宮内膜症学会 |
日本 |
日本産科婦人科学会 |
世界 |
|
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目次
- 1 概念
- 2 病態
- 3 分類
- 3.1 Beecham分類
- 3.2 Re-AFS分類
- 4 病因
- 5 症状
- 6 合併症
- 7 検査
- 8 診断
- 9 治療
- 9.1 待機療法
- 9.2 薬物療法
- 9.3 外科療法
- 10 診療科
- 11 外部リンク
|
概念
子宮内膜が子宮外で増殖する疾患である。良性の疾患ではあるが、転移や浸潤するなど悪性腫瘍のような性質も併せ持っている。子宮外にあるとはいえ子宮内膜であることに変わりはないので、エストロゲンに依存して発育していく。
病態
子宮内膜上皮細胞や間質細胞が正常な筋組織や結合組織の間に浸潤する。細胞は子宮内膜と同様の構造を持ち、ホルモンの周期にあわせて内膜の増殖や剥離が起こり、月経時には出血もする。なお、増殖のみが起こり出血しないものもある。
このとき出血した血液は組織間に貯留し、血腫を形成してブルーベリー・スポットと呼ばれる嚢胞を生じる。卵巣などではチョコレート嚢胞と呼ばれる強い癒着を引き起こす嚢胞が発生する。月経困難症はこれによるものである。
また、出血で周囲組織に血液が浸潤した結果、組織が線維化して癒着や硬結を引き起こす。その結果、凍結骨盤と呼ばれる骨盤内膿瘍が癒着のために一塊となる状態にもなる。
子宮筋層の中に生じたものは、特に子宮腺筋症と呼ばれる。子宮筋層の肥大化を起こし、子宮筋腫と見分けにくい場合もある。ただし、エストロゲンに依存する性質や身体症状・治療方法が似通っており、両者を併発しているケースも多いため、必ずしも明確な判別をつけなくても実務上の支障はさほど無い。
分類
非直視下ではBeecham分類が使用されるが、基本は直視下でのRe-AFS分類を用いる。
Beecham分類
- Stage I
- 散在性の1~2cmの内膜症小斑点。開腹時に初めて診断。
- Stage II
- 仙骨子宮靭帯、広靭帯、子宮頸部、卵巣が固着し、圧痛、硬結を生じ軽度に腫大。
- Stage III
- StageIIに加え卵巣が正常の2倍以上に腫大。
- Stage IV
- 仙骨子宮靭帯、直腸、付属器の癒合。ダグラス窩の消失。
Re-AFS分類
腹膜や卵巣の病巣の深度や大きさ、癒着の程度、ダグラス窩の閉鎖をスコア化し、合計点数によってStage I~IVの4段階に分類する。
病因
さまざまな原因が考えられているが未解明の部分が多い。
- 体腔上皮化生説
- 腹腔内の漿膜や卵巣上皮は子宮の起源であるミュラー管と同じく体腔上皮から変化したものであることから、ホルモンや炎症などによって子宮内膜に化生したとする説。しかしながら、ロキタンスキー・クスナー・ハウザー症候群などの機能性子宮内膜を欠く女性では子宮内膜症がまれであることへの説明が困難であるなどの疑問が呈されている。
- 月経血の逆流による移植説
- 月経血の排出が障害されている状態で好発し、無月経ではまれなことから、月経血の逆流によって子宮内膜細胞が腹膜や卵巣表面に生着したという説。しかし、90%以上の女性で逆流が起こるのになぜ子宮内膜症を起こすのは一部なのか、月経血内の内膜組織は変性した物なのに腹膜に生着するのかという疑問がある。
- リンパ行性進展
- 子宮内膜細胞がリンパ行性に移行することは確認されている。しかし、リンパ行性によるものは肺や大腿部など一部に限られている。
- 血行性進展
- 骨盤静脈内に子宮内膜細胞が普及していることが確認されている。皮膚、腎、肺などの子宮内膜症は血行性によるものではないかと考えられている。
- 医原性直接移植
- 帝王切開後の腹壁や会陰切開創に発生することから、手術によって移植されてしまったと考えられている。
- 免疫学的機序
- 子宮内膜症では細胞性免疫に異常があること、自己抗体が存在することから自己免疫などの免疫異常があるのではないかと考えられている。
症状
月経痛と月経困難症が主要な症状。初経時には痛みがなく、年月の経過によって徐々に増悪していくという特徴がある(後天性月経困難症)。その他、腰痛、下腹痛、仙骨部への放散痛が見られる。
合併症
20~70%の割合で不妊症を合併する。
検査
- 直腸診、膣直腸診
- 超音波断層法
- 卵巣のチョコレート嚢胞や癒着を診断する。
- CT
- 超音波エコーと差はない。全体像を見やすい。
- MRI
- 卵巣のチョコレート嚢胞はT1、T2強調画像双方で高光度を示す。
- 腫瘍マーカー
- チョコレート嚢胞を持つ場合、CA125が上昇する。しかし悪性腫瘍ほど上昇することはなく、高くても200に達することはほとんどない。ただし卵巣チョコレート嚢腫の破裂や感染など炎症を伴うと高値を示すことがある。
- 腹腔鏡検査
- 確定診断に用いられる。
診断
後天性月経困難症が見られたらまず子宮内膜症を疑う。その後CTやMRIなどで病巣を確認した後、腹腔鏡検査で確定診断する。
治療
大まかに分けて待機療法、薬物療法、外科療法の3種の治療法がある。
待機療法
Re-AFS分類でStage I、IIで無症状の患者が対象。不妊との関係は明らかではないため、しばらくは治療せずに経過を観察する。約50%の患者が妊娠したとの報告あり。補助療法として腹腔鏡下でブルーベリー・スポットの焼灼などを行う。
薬物療法
あくまで病変の退縮を目的とするもので、根絶は不可能。子宮内膜はホルモンの影響を受けることから、薬物療法もホルモン療法が基本である。
- プロスタグランジン合成阻害剤
- 子宮内膜症の疼痛は局所的なプロスタグランジン濃度の変化が考えられているため。長期の低エストロゲン療法を避けたい就学中の学生や不妊患者が主な対象。
- ゲスターゲン療法
- エストロゲン+プロゲステロン剤を投与する偽妊娠療法。いわゆるピルが用いられる。但し保健適応を受けた製剤は一種類(ルナベル配合錠:販売-日本新薬)だけで、それ以外の製剤は自由診療(全額自己負担)となる。
- 低エストロゲン療法
- ダナゾール療法とGnRH療法の2種類ある。低エストロゲン状態により骨量の低下が起こり、骨粗鬆症の危険があるので注意が必要。
-
- ダナゾール療法
- ダナゾールはテストステロン誘導体であるためアンドロゲン作用を持ち、抗エストロゲン作用と免疫系双方に作用して病変を退縮させる。
- GnRHアナログ療法
- 下垂体のGnRHに対する感受性を低下させ、ゴナドトロピンの産生、分泌を抑制することでエストロゲンの分泌を低下させる。
外科療法
- 腹腔鏡下手術
- ブルーベリー・スポットの焼灼、癒着の剥離、卵巣嚢腫の摘出や固定のほか疼痛に対して仙骨子宮靭帯切断術などを施行する手術。
- 卵巣チョコレート嚢胞アルコール固定術
- 嚢胞内容を吸引後生理食塩水で洗浄し、100%エタノールを注入して固定する。これを繰り返す手術。
- 卵巣チョコレート嚢胞摘出術
- 根治手術
- 異所性子宮内膜を切除するとともに、子宮全摘出術と付属器切除術を施行する手術。治療の対象は40歳以上で挙児希望がない重症例に限られる。
診療科
外部リンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 今月の症例 周期的な右季肋部痛を呈した肝子宮内膜症の1例
- 知って得する!(新)名医の最新治療(Vol.250)適切な手術を受ければ、不妊解消にもつながる 子宮内膜症
- 腹腔鏡下子宮内膜症性胞摘出術による卵巣予備能および妊孕性への影響 : 片側および両側胞摘出術について
Related Links
- さて、最初にお話ししましたように子宮内膜症というのは「子宮内腔以外の場所に子宮内 膜が生育している病気」ですから、身体のどこかに子宮内膜が生育している場所がある ことになります。すると、その場所でも子宮内腔で起こるのと同様に、毎月内膜が増殖と ...
- 大きくなると卵巣髄質内まで拡大し、時には卵巣のほぼ全体を占めるほどまでに腫大し ます。卵巣の表面の内膜症組織は周囲の組織と癒着することも多く、その多くは子宮・卵 管・大腸(S状結腸、直腸)そして対側の卵巣であり、癒着がひどくなって一塊になると ...
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- 63歳の女性。腹部膨隆と尿失禁とを主訴に来院した。
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- 既往歴:30歳時に子宮内膜症。
- 生活歴:幼少期に両親が離婚して母親と2人で暮らしていたが、母親が死亡したため3年前からは一人暮らし。
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- 現症:意識は清明。身長 157cm、体重 55kg。体温 36.5℃。脈拍 84/分、整。血圧 166/90mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は著明に膨隆し、腫大した肝と腫瘤とを腹部全体に触知する。腸雑音に異常を認めない。四肢に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体1+、潜血1+、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 406万、Hb 12.3g/dL、Ht 41%、白血球 6,130、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.8g/dL、アルブミン 4.5g/dL、総ビリルビン 0.4mg/dL、AST 18IU/L、ALT 9IU/L、LD 157IU/L(基準 176~353)、ALP 288IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 44IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 95IU/L(基準 37~160)、尿素窒素 24mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、尿酸 6.3mg/dL、血糖 98mg/dL、総コレステロール 195mg/dL、トリグリセリド 152mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 103mEq/L。腹部単純CTの冠状断像(別冊No. 12)を別に示す。
- 3か月後に発熱と腰背部痛とに加えて尿量が減少したため再度来院した。左腰背部に叩打痛を認め腎嚢胞の感染を疑った。
- 正しいのはどれか。
- a 尿培養検査が高率に陽性となる。
- b Gram陰性菌が原因である可能性が高い。
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- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体1+、潜血1+、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 406万、Hb 12.3g/dL、Ht 41%、白血球 6,130、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.8g/dL、アルブミン 4.5g/dL、総ビリルビン 0.4mg/dL、AST 18IU/L、ALT 9IU/L、LD 157IU/L(基準 176~353)、ALP 288IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 44IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 95IU/L(基準 37~160)、尿素窒素 24mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、尿酸 6.3mg/dL、血糖 98mg/dL、総コレステロール 195mg/dL、トリグリセリド 152mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 103mEq/L。腹部単純CTの冠状断像(別冊No. 12)を別に示す。
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- 現病歴:2年前から腹部膨満感を認めるようになった。次第に腹部膨隆が目立つようになり、食欲はあるが食事をとるのがつらく、時々尿失禁を認めるようになったため受診した。
- 既往歴:30歳時に子宮内膜症。
- 生活歴:幼少期に両親が離婚して母親と2人で暮らしていたが、母親が死亡したため3年前からは一人暮らし。
- 家族歴:父親は詳細不明。母親が肺炎のため85歳で死亡。
- 現症:意識は清明。身長 157cm、体重 55kg。体温 36.5℃。脈拍 84/分、整。血圧 166/90mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は著明に膨隆し、腫大した肝と腫瘤とを腹部全体に触知する。腸雑音に異常を認めない。四肢に異常を認めない。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体1+、潜血1+、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 406万、Hb 12.3g/dL、Ht 41%、白血球 6,130、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.8g/dL、アルブミン 4.5g/dL、総ビリルビン 0.4mg/dL、AST 18IU/L、ALT 9IU/L、LD 157IU/L(基準 176~353)、ALP 288IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 44IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 95IU/L(基準 37~160)、尿素窒素 24mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、尿酸 6.3mg/dL、血糖 98mg/dL、総コレステロール 195mg/dL、トリグリセリド 152mg/dL、Na 140mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 103mEq/L。腹部単純CTの冠状断像(別冊No. 12)を別に示す。
- この時点での対応として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109E060]←[国試_109]→[109E062]
[★]
- 24歳の女性。月経1日目の下腹部痛を主訴に来院した。5年前から月経時に腹痛がある。痛みの程度と持続日数は月経ごとに異なっている。本日朝から月経が始まり、通勤中の電車内でこれまでになく下腹部痛が強くなったので途中下車して来院した。月経周期は28日型、整。下痢や嘔吐は認めない。意識は清明。身長 160cm、体重 52kg。体温 36.6℃。脈拍 72/分、整。血圧 118/72mmHg。呼吸数 20/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。内診で子宮に腫大を認めない。Douglas窩に硬結を触知しない。血液所見:赤血球 362万、Hb 11.2g/dL、Ht 37%、白血球 5,600、血小板 21万。CRP 0.1mg/dL。妊娠反応 陰性。超音波検査で卵巣に異常を認めず、Douglas窩に液体貯留を認めない。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113D046]←[国試_113]→[113D048]
[★]
- 35歳の女性。月経血量が減少したので来院した。結婚後2回の人工妊娠中絶と1回の自然流産の既往がある。月経は28日型、整であるが、月経持続日数は1日である。最近2年間の不妊も訴えている。子宮卵管造影写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [095G041]←[国試_095]→[095G043]
[★]
- 28歳の女性。月経痛と性交痛とを主訴に来院した。最近、月経時以外にも下腹部痛と腰痛とが持続している。内診で子宮は正常大で可動性が制限されている。左卵巣は鵞卵大に触れる。
- 診断に有用なのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G057]←[国試_105]→[105G059]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B033]←[国試_097]→[097B035]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B047]←[国試_095]→[095B049]
[★]
- a 漿液性腺癌が最も多い。
- b 放射線療法が標準的治療である。
- c 進行癌で発見されることは少ない。
- d 子宮内膜症は発生母地とならない。
- e 最近10年で我が国の罹患率は低下した。
[正答]
※国試ナビ4※ [110A005]←[国試_110]→[110A007]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F047]←[国試_101]→[101F049]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
[★]
- 長期間無月経をきたした女性で注意すべき続発症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113E024]←[国試_113]→[113E026]
[★]
- クラミジア感染症が原因となるのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106A016]←[国試_106]→[106A018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F003]←[国試_101]→[101F005]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104H007]←[国試_104]→[104H009]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [112F030]←[国試_112]→[112F032]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095A119]←[国試_095]→[095B001]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H001]←[国試_098]→[098H003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103D013]←[国試_103]→[103D015]
[★]
- 英
- uterine myoma, hysteromyoma, myoma of the uterus
- ラ
- myomacorporis uteri, myoma uteri
- 同
- 子宮線維筋腫 fibromyoma of uterus
- 関
概念
疫学
- 30-40歳の女性。
- 20%の婦人に認められる (NGY.209)
病理
- 筋腫内は血行障害があるために充血しており、硝子化、嚢胞化、石灰化、脂肪変性、壊死などの変性を来す。
(G9M.128)
症状
- NGY.211
- 無症状が50% ← 多くの女性は腫瘤を触知するまで無症状
- 1. 月経過多
- 2. 不正性器出血:有茎性粘膜下筋腫の場合に多い。
- 3. 圧迫症状:腫瘤による骨盤内臓の圧迫や充血による
- 4. 疼痛:月経困難症、腫瘤圧迫痛、牽引痛、有茎筋腫捻転痛
- 5. 不妊:筋腫患者の不妊率は一般女性の3-4倍
- 6. 筋腫合併妊娠では早流産をきたしやすい。
- 7. 筋腫変性による諸症状:肉様変性・赤色変性による急性の疼痛を来す。疼痛には軽度の発熱、子宮の圧痛、白血球の増多、腹膜刺激徴候を伴う事がある。(参考3)
- 参考1
自覚症状
|
例数(全92例中の%)
|
腹痛・腰痛・腹部緊満
|
53(57.6)
|
巨大腫瘤・腫瘤増大
|
39(42.4)
|
性器出血
|
27(29.3)
|
筋腫による流産既往
|
3(3.3)
|
多発筋腫で胎嚢変形
|
3(3.3)
|
筋腫変性による疼痛反復
|
2(2.2)
|
水腎症
|
1(1.1)
|
計
|
128
|
子宮筋腫と子宮腺筋症の共通点・類似点
- 過多月経、月経痛(月経困難症)、不正性器出血をみとめる。
- 子宮筋腫は40歳に最多、子宮腺筋症は20歳代から始まり、30-40歳代に最多。
合併症
検査
画像診断
- 筋腫内の血流乏しく、T1強調画像はやや低信号・T2強調画像は低信号 (G9M.131)
- T1強調画像:
- 境界明瞭な低信号領域。flow void signが認められる ← 子宮筋腫の周りには血管が豊富なため
- 内部に変性があれば高信号が散在する
- 子宮は(高信号)子宮内膜>子宮筋層>(低信号)junctional zoneで、子宮筋腫はjunctional zoneと同程度の信号強度、らしい(NGY.97)
比較
子宮筋腫
|
30歳代の女性で過多月経をきたし、内診で硬く腫大した子宮を触れ、超音波で子宮体部に充実性の腫瘤を認める。MRI T2では境界明瞭な低信号を認め、JZは保たれる。
|
子宮腺筋症
|
過多月経をきたし、内診ではびまん性に腫大した弾性の子宮を触知。エコーでは子宮筋層の肥厚。MRI T2では境界不明瞭な低信号域(筋層)の中に半流動性の出血を反映する点状の高信号を認め、JZは不明瞭化する。
|
子宮体癌
|
中年~高齢女性。子宮内膜(高信号)の増殖、肥厚が見られる。境界明瞭な腫瘤ではない。MRI T2ではJZが断裂している。
|
子宮頚癌
|
子宮体部は腫大しない。
|
治療
- 超手拳大以上の大きさ、疼痛、圧迫症状、出血が多いことによる強い貧血などの症状がなければ定期診断のみで経過を見る。
1. 手術療法
2. 薬物療法
- 2. ダナゾール(抗ゴナドトロピン作用(FSH,LHの分泌を抑制)) → すたれつつある
- 下垂体ゴナドトロピン分泌抑制と卵巣直接作用でエストロゲン分泌を抑制する
- 4ヶ月までしか使えない
|
子宮筋腫
|
子宮腺筋症
|
T2強調画像
|
低信号
|
境界
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明瞭
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不明瞭
|
変性
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さまざまな高信号
|
-
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異所性内膜
|
-
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点状高信号
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flow void sign
|
+
|
-
|
参考
- 1. クリニカルカンファレンス(一般診療・その他);5.婦人科腫瘍合併妊婦の取り扱い 1)子宮筋腫 - 日産婦誌59巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5909-545.pdf
- 2. 研修コーナー E.婦人科疾患の診断・治療・管理 7.婦人科感染症 5)性感染症 8.腫瘍と類腫瘍 3)子宮の腫瘍・類腫瘍 子宮筋腫 子宮腺筋症 子宮肉腫 4)卵巣の腫瘍・類腫瘍 悪性卵巣腫瘍 悪性腫瘍 - 日産婦誌61巻5号
- http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kenshu_61-5.pdf
- 3. [charged] Epidemiology, clinical manifestations, diagnosis, and natural history of uterine leiomyomas (fibroids) - uptodate [1]
[★]
- 英
- lower abdominal pain
- 関
- 下腹痛。腹痛
診療エッセンシャルズ.271 改変
産婦人科疾患
- NGY.138
急性かつ重篤な下腹痛
中等度の下腹痛
- 1. 鎖陰
- 2. 卵巣嚢腫破裂
- 3. 子宮内膜症
- 4. 月経困難症
- 5. 子宮筋腫
- 6. 急性付属器炎、子宮内膜炎:子宮内膜炎は子宮内操作や流産後などに起こり、ほとんどが上行性感染と考えられ、発熱や不正出血などの随伴症状を伴うことが多い。卵管に炎症が波及し付属器炎になると下腹痛も増悪し、骨盤腹膜炎を来すことがある。起因菌はクラミジアの頻度が増加している。(参考1)
- 7. 流産
産婦人科の下腹部痛の鑑別疾患
- 参考1
病みえ産婦人科
- 引用p.212
妊娠の有無による鑑別
参考
- 1. (12)日本産婦人科医会研修プログラム;痛みの診断と治療
3)急性腹症,がん性疼痛への対応 - 日産婦誌58巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/58/5809-395.pdf
[★]
- 英
- adenomyosis, adenomyosis of uterus
- ラ
- adenomyosis uteri
- 同
- 腺筋症 adenomyosis、内性子宮内膜症 endometriosis interna
- 関
- 腺筋症、子宮内膜症
概念
疫学
- 30-40歳の性成熟期に多く、40歳代にピーク
- 子宮内膜症との合併が多く、子宮筋腫との合併も多い。
症状 NGY.195
検査
画像診断
超音波エコー(経膣超音波)
- 辺縁不明瞭な腫瘤を認める ⇔ 子宮筋腫:辺縁明瞭な低エコー像
MRI
- 境界不明瞭な低信号領域 ⇔ 子宮筋腫:明瞭
- 点状高信号域が認められる(出血)
[show details]
比較
子宮筋腫
|
30歳代の女性で過多月経をきたし、内診で硬く腫大した子宮を触れ、超音波で子宮体部に充実性の腫瘤を認める。MRI T2では境界明瞭な低信号を認め、JZは保たれる。
|
子宮腺筋症
|
過多月経をきたし、内診ではびまん性に腫大した弾性の子宮を触知。エコーでは子宮筋層の肥厚。MRI T2では境界不明瞭な低信号域(筋層)の中に半流動性の出血を反映する点状の高信号を認め、JZは不明瞭化する。
|
子宮体癌
|
中年~高齢女性。子宮内膜(高信号)の増殖、肥厚が見られる。境界明瞭な腫瘤ではない。MRI T2ではJZが断裂している。
|
子宮頚癌
|
子宮体部は腫大しない。
|
腫瘍マーカー
|
子宮筋腫
|
子宮腺筋症
|
T2強調画像
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低信号
|
境界
|
明瞭
|
不明瞭
|
変性
|
さまざまな高信号
|
-
|
異所性内膜
|
-
|
点状高信号
|
flow void sign
|
+
|
-
|
治療
- 症状がない場合、また軽症の場合や妊娠希望の場合は治療の必要は無し、あるいは対象治療
薬物療法
手術療法
- 妊娠希望の場合に行う
- 再発のリスクがある
- 腫瘤形成型が対象となる ← びまん性の場合、取りきれない
国試
[★]
- 英
- melena
- ラ
- melaena
- 同
- タール便 tarry stool
- 関
- 消化管出血(上部消化管出血、下部消化管出血)、黒色便、赤色便。吐血
定義
- (広義)便の中に血液が含まれている状態:黒色便、タール便、粘血便、鮮血便 (ただし潜血便は含まれない)
- (狭義)タール便
狭義
下血
分類
頻度
- IMD.566
出血部位と便の性状
- IMD.567
[★]
- 同
- 糖鎖抗原125 carbohydrateantigen 125, CA-125
- 関
- 肺癌、腫瘍マーカー
概念
- 肺の腺癌で陽性率が約50%。CA125は漿膜細胞からも産生されるので、漿水診断で良性・悪性を判断できない (SPU.327)
- 子宮内膜症で陽性となることがある。Re-AFS分類による陽性率は1-2期:30%, 3期:50%, 4期:約75%。(NGY.196)
- CA125:卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌)、子宮頚癌、子宮体癌
-
- 卵巣癌の腫瘍マーカーとして用いられる(陽性率60-80%)
- 組織型によって陽性率が異なる(漿液性嚢胞腺癌 > 粘液性嚢胞腺癌)
CA125が陽性となりうる疾患
基準値
HIM.A-4
基準値の本
- 男性、閉経後女性:<25 U/ml
- 閉経前女性:<40 U/ml
[★]
- 英
- ovarian endometriosis
- 同
- 卵巣チョコレート嚢胞 chocolate cyst of the ovary、(国試)チョコレート嚢胞 chocolate cyst、卵巣タール嚢胞 tarry cyst of the ovary、子宮内膜症性嚢胞 endometriotic cyst 子宮内膜腫 endometrioma
- 関
- 子宮内膜症
検査
- NGY.196 SRA.578(写真)
- MRI ⇔ 子宮腺筋症:T2で辺縁不明瞭な低信号で、斑点状に高信号を認め、junctional zoneは不明瞭化。ちなみに子宮筋腫でもT2で低信号だが、境界明瞭。
- T1強調:高信号
- T2強調:高信号。嚢胞内部にshadingと呼ばれる明瞭な低信号が出現することがある
鑑別診断
予後
- 卵巣チョコレート嚢胞からの癌発生率は0.7% ⇔ 通常は人口10万人あたり6-7人程度
- 癌化のリスクは40歳以上常、嚢胞径5cm以上。(G9M.121)
[★]
- ラ
- endometriosis interna
- 同
- 子宮腺筋症
- 関
- 子宮内膜症
[★]
- 英
- heterotopic endometriosis
- 関
- 子宮内膜症
[★]
- 英
- ovarian endometriosis cyst
[★]
- 英
- uterus (Z), womb, metra
- 関
- 内性器
発生学的由来
解剖
支持構造
組織
子宮
子宮の大きさ
- 鶏卵大。(非妊娠時)逆位の前後にやや扁平な西洋梨状で長さ約7cm、幅約4cm、厚さ約2.5cm、重さ30~40g。
妊娠と子宮の大きさ、子宮底の高さ、恥骨結合上縁から子宮底までの長さ
妊娠月数
|
子宮の大きさ
|
子宮底の高さ
|
恥骨結合上縁から子宮底までの長さ
|
第1月末
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鶏卵大
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|
|
|
第2月末
|
鵞卵大
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|
|
|
第3月末
|
手拳大
|
|
|
|
第4月末
|
小児頭大
|
恥骨結合上2-3横指
|
12cm
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(妊娠月数x3)
|
第5月末
|
成人頭大
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恥骨結合と臍との中央
|
15cm
|
第6月末
|
|
臍高
|
21cm
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(妊娠月数x3+3)
|
第7月末
|
|
臍上2-3横指
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24cm
|
第8月末
|
|
剣状突起と臍との中央
|
27cm
|
第9月末
|
|
剣状突起下2-3横指
|
30cm
|
第10月末
|
|
剣状突起と臍との中央
|
33cm
|
|
産褥0日分娩直後
|
|
臍下3横指
|
11cm
|
|
産褥0日12時間後
|
|
臍高(右に傾く)
|
15cm
|
|
産褥1-2日
|
|
臍下1-2横指
|
12cm
|
|
産褥3日
|
|
臍下3横指
|
10cm
|
|
産褥5日
|
|
臍高と恥骨結合上縁との中間
|
9cm
|
|
産褥7日(産褥1週)
|
手拳大
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恥骨結合上縁
|
|
|
産褥10日
|
|
腹壁から触れない
|
|
|
(産褥6週)
|
鶏卵大
|
|
|
|
臨床関連
-
[★]
- 英
- endometrium (Z,HIS)
- ラ
- tunica mucosa uteri
- 同
- 子宮粘膜
- 関
- 子宮、子宮内膜肥厚
- 子宮の内面を覆う粘膜の別名。厚さや性状は月経周期の時期により大差がある。
- 子宮腺を有する
組織
- 単層円柱上皮
- 上皮は無線毛分泌細胞と線毛細胞からなる
- 上皮が粘膜固有層に落ち込み単一管状腺の形態を取る子宮腺を形成
- 機能層:月経が起こるとはげ落ちる。ラセン動脈を有する
厚さ
- 閉経後の患者において内膜細胞診を行うcut-off値は4-6mm。これ以下であれば、子宮内膜癌は除外診断できる。肥厚が認められた場合、子宮内膜癌、子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫を鑑別する(エコーでは区別しづらい)。ただし、辺縁が明瞭な結節があれば、子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫が疑われる。subendometrial haloの中断があれば、子宮内膜癌の筋膜浸潤が示唆される。(SRA.573)
超音波エコー所見
- QB.Q-15 SRA.573 G9M.17(写真)
- 増殖期:早期では薄く高輝度。中期では中央に線状エコーを伴う低輝度「木の葉状」、後期では厚さを増し7-14mmとなる。排卵が近くなると壁側が幾分高輝度。筋層よりも低輝度である。排卵直前には厚さは10mm程度となる。
- 排卵 :内腔エコー消失
- 分泌期:(子宮内膜の輪郭は楕円形となり、)子宮内膜全体が均一な高輝度
MRI所見
- 水と同じようなかんじ。みずみずしい?
臨床関連
[★]
- 英
- intima, intimal (adj.), inner membrane, internal tunic
- ラ
- tunica intima (Z)
- 関
- 中膜、血管
組織
病理
血管の損傷
粥状硬化症
- 内皮下結合組織に粥腫ができる。
- necroticcenterはfibrous capにかこまれる
- fibrous cap
- 平滑筋、マクロファージ、泡沫細胞、リンパ球、コラーゲン、エラスチン、プロテオグリカン、血管新生
- necrotic center
- 壊死組織、コレステロールの血漿、泡沫細胞、カルシウム
梗塞
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- in utero、intrauterine、in utero