- 英
- tumor marker
- 同
- 生物学的腫瘍マーカー biological tumor marker、癌マーカー cancer marker、悪性腫瘍特異物質 tumor-specific antigen
肺癌の腫瘍マーカー
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陽性率(疾患があるときに陽性となる確率, 感度)
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肺癌
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備考
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扁平上皮癌
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腺癌
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小細胞癌
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その他の疾患
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CYFRA21-1
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57.5%*
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70-80%/73.1%*
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30-40%
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30-40%
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良性疾患:10-15%
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SCC
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○
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子宮頸癌、食道癌、皮膚癌
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CEA
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40-50%
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50-60%
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SLX
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70%*
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0.4
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肝硬変
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NSE
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10-30%
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70-90%
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proGRP
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70-90%/65.1%*
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NSEより上昇率が高く、特異性に優れる
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KL-6
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○
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肺腺癌、膵癌、乳癌で40-50%。間質性肺炎の補助診断
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無印:標準呼吸器病学 第1版 p.327。* 臨床検査学第32版 p.634
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臨床応用されている腫瘍マーカー (LAB.630)
肝癌関連 AFP, AFP-L3%, PIVKA-II
膵癌ならびにその他の消化器癌 CEA, CA19-9, Dupan-2, CA50, Span-1
肺癌 CEA, sialyl Lex-i (SLX), SCC, SYFRA21-1, NSE, ProGRP
婦人科悪性腫痩
子宮癌:SCC, CA125
卵巣癌:CA125, AFP, CEA, CA19-9, GAT
乳癌 :CA15-3, BCA225, CEA, NCC-ST-439
尿器科悪性腫壕
前立腺痛:PSA(γ-Sm), PAP
膀胱癌 :BTA, NMP22
神経内分泌腫療 NSE
広範な腫瘍に反応するマーカー
TPA, BFP, IAP
消化管悪性腫瘍マーカー
- CEA:胎児癌性蛋白。陽性率:(50-70%)大腸癌、胆道癌、膵癌。(40-60%)肺癌。(30-40%)胃癌。良性疾患でも上昇する(胆嚢炎、胆管炎、膵炎)。
- DU-PAN-2:2→3シアリルLec抗原を認識する抗体。陽性率:(70-80%)膵癌、(60-70%)胆道癌。Lea-b-の個体でも陽性になる。良性疾患でも上昇する(慢性肝炎、肝硬変、胆道炎症を伴う胆石症)。
- CA19-9:Leaの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(80-90%)膵癌。(70-80%)胆道癌。良性疾患でも上昇する((10-40%)閉塞性黄疸、慢性肝炎、肝硬変)。日本人の約7-10%に存在するフコース転移酵素が欠如したLea-b-の個体ではCA19-9は産生されない。
- SLX:Lexの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(高い)肺癌、卵巣癌。(50-60%)胆道癌、膵癌。
主な腫瘍マーカー CBT QB vol2 p.297
組織型別に有用な腫瘍マーカー(NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版 p.236)
上皮性腫瘍
漿液性腺癌: CA125 *1
粘液性腺癌: CA19-9 *2, CA72-4, CEA
胚細胞腫瘍
卵黄嚢腫瘍: AFP *3
絨毛癌: hCG
未分化胚細胞腫: LDH *4
悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫(扁平上皮癌) : SCC
性索間質性腫瘍(ホルモン)
顆粒膜細胞腫,莢膜細胞腫:工ストロゲン
Sertoli-間質性腫瘍, Leydig細胞腫(門細胞腫) :テストステロン
*1 上皮性腫瘍中で最も有用.類内膜腺癌,明細胞腺癌でも陽性を示す.子宮内膜症,炎症,妊娠初期も軽度-中等度上昇
*2 成熟嚢胞性奇形腫で陽性を示すことがある
*3 胎芽性癌,混合性腔細胞腫療でも陽性を示す
*4 非特異的
- also see →「生殖系チュートリアル症例2_プレゼン.ppt」
産婦人科において重要視される腫瘍マーカー
-
-
-
-
- 子宮頚部扁平上皮癌から精製された蛋白質
- 早期癌でも比較的高い陽性率を示し、経過観察にも有用である。
- 一般に扁平上皮の存在する部位に広範な重症疾患存在すれば血中のSCCは上昇しうる
- 皮膚表面、唾液中に大量に存在し、採血時に複数回穿刺する事などによるコンタミネーションの可能性があります。
腫瘍マーカー 臓器別
- OLM.372改変
(略)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/11/20 21:08:23」(JST)
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腫瘍マーカー(しゅようマーカー、英: Tumor marker)は、癌の進行とともに増加する生体因子のことで、主に血液中に遊離してくる因子を抗体を使用して検出する臨床検査のひとつである。また、生検検体や摘出された腫瘍の病理組織標本を免疫染色し、腫瘍の確定病理診断や組織型の鑑別に用いられるなど臨床検査の場で多く使われる[1]。 多くの腫瘍マーカーは健康人であっても血液中に存在するので、腫瘍マーカー単独で癌の存在を診断できるものはPSA(前立腺癌のマーカーに用いる)など少数であるといわれている。しかし、癌患者の腫瘍マーカーを定期的に検査することは、再発の有無や病勢、手術で取りきれていない癌や画像診断で見えない程度の微小な癌の存在を知る上で、確実ではないが有用な方法である。しかしながら、通常は進行した癌の動態を把握するのに使われるもので、早期診断に使える検査法ではない。
目次
- 1 応用
- 2 腫瘍マーカー値の解釈
- 3 一覧
- 4 脚注
- 5 関連人物
- 6 関連項目
応用
- 進行した癌に対して化学療法や放射線療法が行われる際に、治療効果ががどれくらい上がっているかどうかの判断に使われる[1]。
- 腫瘍マーカー値が高い癌に対して手術による切除が行われた後では、多くの場合、腫瘍マーカー値は低下、改善する。癌の再発があった場合は、腫瘍マーカー値は再度上昇するため、術後の経過観察目的で使われることがある[1]。
腫瘍マーカー値の解釈
腫瘍マーカーのカットオフ値(しきい値、英語: threshold, limen)は、正常者および癌患者の多くの被験者での平均値をもって決められるが、平均値から外れた異なる動きをする者もいる。すなわち、癌がなくとも腫瘍マーカー値が上昇する場合や、癌が存在するにもかかわらず腫瘍マーカー値が上昇しないケースもある。また、腫瘍マーカー値自体の動きも、正確に癌の動きを反映しているわけではないため、腫瘍マーカー値だけで癌の状態を把握できるわけではない[1]。
一覧
代表的な腫瘍マーカーと主な陽性疾患
腫瘍マーカー |
主な陽性疾患 |
癌胎児性蛋白 |
AFP(α-フェトプロテイン) |
肝細胞癌 卵黄嚢腫瘍 など |
AFP-L3%(AFPレクチン分画) |
肝細胞癌 |
BFP(塩基性フェトプロテイン) |
各種癌 |
尿中BFP |
膀胱癌 |
CEA(癌胎児性抗原) |
大腸癌 胃癌 膵癌 胆道癌 肺癌 子宮癌 卵巣癌 乳癌 など |
乳汁中CEA |
乳癌 |
癌関連抗原(糖鎖性) |
BCA225 |
乳癌 など |
CA 15-3 |
乳癌 など |
CA 19-9 |
膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 肺癌 卵巣癌 子宮体癌 など |
CA 50 |
膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 肺癌 卵巣癌 子宮体癌 など |
CA 54/61 (CA546) |
卵巣癌 など |
CA 72-4 |
卵巣癌 胃癌 大腸癌 膵癌 胆道癌 など |
CA 125 |
卵巣癌 子宮癌 膵癌 胆道癌 など |
CA 130 |
卵巣癌 子宮癌 膵癌 胆道癌 など |
CA 602 |
卵巣癌 子宮癌 膵癌 胆道癌 など |
CSLEX(シアリルLex抗原) |
肺癌(特に腺癌) 膵癌 胆道癌 卵巣癌 大腸癌 など |
DUPAN-2(膵癌関連糖蛋白抗原) |
膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 卵巣癌 など |
KMO-1 |
膵癌 胆嚢癌 胆管癌 肝癌 など |
NCC-ST-439 |
膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 乳癌 肺腺癌 など |
SLX(シアリルLex-i抗原) |
肺癌(特に腺癌) 膵癌 胆道癌 卵巣癌 大腸癌 など |
SPan-1 |
膵癌 胆道癌 胃癌 大腸癌 肺癌 悪性リンパ腫など |
STN(シアリルTn抗原) |
卵巣癌 膵癌 胆道癌 肺癌 胃癌 大腸癌 など |
CYFRA(サイトケラチン19フラグメント) |
肺癌(特に扁平上皮癌) など |
癌関連抗原(その他) |
SCC抗原(扁平上皮癌関連抗原) |
各種扁平上皮癌(食道癌 子宮頚癌 皮膚癌 肺癌 頭頚部癌 など |
TPA(組織ポリペプチド抗原) |
各種固形癌 白血病 悪性リンパ腫 など |
IAP(免疫抑制酸性蛋白) |
各種癌 |
ICTP(I型コラーゲンC-テロペプチド) |
肺癌 前立腺癌 乳癌 などの骨転移 |
CTx(I型コラーゲン架橋C-テロペプチド) |
肺癌 前立腺癌 乳癌 などの骨転移 |
尿中BTA(膀胱腫瘍抗原) |
(再発)膀胱癌 |
尿中NMP22(核マトリックスプロテイン22) |
尿路上皮癌 |
組織産生抗原 |
PIVKA-II() |
肝細胞癌 |
PSA(前立腺特異抗原) |
前立腺癌 |
SP1(妊娠特異蛋白) |
絨毛性疾患 など |
γ-Sm(γ-セミノプロテイン) |
前立腺癌 |
フェリチン |
各種癌 各種血液疾患 |
ホルモン |
hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン) |
絨毛性疾患 卵巣癌 精巣腫瘍 など |
ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体) |
肺小細胞癌 など |
カテコールアミン |
褐色細胞腫 |
HVA(ホモバニリン酸) |
神経芽細胞腫 褐色細胞腫 悪性黒色腫 など |
VMA(バニリルマンデル酸) |
褐色細胞腫 神経芽細胞腫 |
カルシトニン (CT) |
甲状腺髄様癌 |
その他各種ホルモン |
|
酵素・アイソザイム |
ALP(アルカリフォスファターゼ) |
肝障害 など |
PL-ALP(胎盤性ALP) |
|
GAT(癌関連ガラクトース転移酵素) |
卵巣癌 など |
LDH(乳酸脱水素酵素) |
|
NSE(神経特異エノラーゼ) |
肺小細胞癌 甲状腺髄様癌 褐色細胞腫 神経芽細胞腫 など |
PAP(前立腺酸性フォスファターゼ) |
前立腺癌 |
ペプシノゲン (PG) I/II比 |
萎縮性胃炎(分化型胃癌ハイリスク群) |
癌関連遺伝子産生物 |
erbB-2 |
乳癌(低分化型腺癌) |
脚注
- ^ a b c d がん情報サービス 国立がん研究センターがん対策情報センター
関連人物
関連項目
|
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Japanese Journal
- 山本 純,服部 有俊,島内 正起,橋詰 寿律,梅津 泰洋,田中 徹,蛸井 浩行,谷田貝 洋平,林 士元,関根 朗雅,林原 賢治,斎藤 武文,水渡 哲史
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 33(2), 124-128, 2011-03-25
- 背景.健常者に発症する原発性肺クリプトコッカス症は臨床所見上,肺癌との鑑別が困難なことがあり,胸腔鏡下肺生検により初めて診断に至ることがしばしばある.症例.51歳男性.人間ドックで右肺に異常陰影を指摘され前医を受診した.胸部X線写真で右肺尖部2か所に異常陰影が認められ,当院を紹介受診した.血清クリプトコッカス・ネオフォルマンス抗原で抗体とも陰性で,腫瘍マーカーもすべて正常範囲内であった.胸部CTで …
- NAID 110008609505
- PP-334 stage1精巣癌のフォローアップにおける腫瘍マーカー測定の有用性の検討(一般演題ポスター発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- PP-332 血清DUPAN2値の胎児性癌腫瘍マーカーとしての有用性(一般演題ポスター発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
- 藤田 和彦,家田 健史,今泉 健太郎,清水 史孝,水野 太起,藤目 真
- 日本泌尿器科學會雜誌 102(2), 459, 2011-03-20
- NAID 110008612705
- OP-218 プロテオミクスの手法を用いた腎癌新規腫瘍マーカーの探索と多検体比較試験(腎腫瘍/診断,一般演題口演,第99回日本泌尿器科学会総会)
- 南田 諭,岩村 正嗣,小寺 義男,川島 祐介,西 盛宏,黒坂 眞二,藤田 哲夫,前田 忠計,馬場 志郎
- 日本泌尿器科學會雜誌 102(2), 377, 2011-03-20
- NAID 110008612254
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- 2006年3月8日 ... がんには多くの種類がありますが、中には腫瘍マーカーと呼ばれる、そのがんに特徴的 な物質を産生するものがあります。そのような物質のうち、体液中(主として血液中)で 測定可能なものが、いわゆる「腫瘍マーカー」として臨床検査の場で使 ...
- がんの診断や治療後の経過観察、再発や転移の発見に有効な腫瘍マーカーの基準値 や種類、その特徴を解説しています。
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★リンクテーブル★
[★]
- 65歳の男性。胸部異常陰影を指摘され来院した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙は 30本/日を 30年間。意識は清明。身長 170 cm、体重 62 kg。体温 36.8 ℃。脈拍 92/分、整。血圧 130/84 mmHg。呼吸数 16/分。 SpO2 98% ( room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 517万、 Hb 17.0 g/dl、Ht 50%、白血球 6,200、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.0 g/dl、アルブミン 4.6 g/dl、総ビリルビン 1.1 mg/dl、AST 18 IU/l、ALT 6 IU/l、LD 410 IU/l(基準 176~ 353)、クレアチニン 1.0 mg/dl、Na 145 mEq/l、K 4.2 mEq/l、Cl 108 mEq/l。CRP 0.1 mg/dl。呼吸機能検査所見:% VC 93%、 FEV1% 73%。心電図に異常を認めない。初診時の胸部エックス線写真 (別冊 No. 7)を別に示す。気管支内視鏡検査を行い左 B 3から肺生検で腺癌の診断を得た。
- この患者の手術適応を決定する上で有用でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D022]←[国試_108]→[108D024]
[★]
- 60歳の女性。健康診断の胸部エックス線写真で異常を指摘され来院した。自覚症状はない。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。身長153cm、体重55kg。体温36.8℃。脈拍60/分、整。血圧118/64mmHg。呼吸数16/分。 SpO2 99%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球380万、Hb13.2g/dl、 Ht33%、白血球5,600、血小板23万。 CRP 0.3mg/dl。胸部エックス線写真(別冊No. 7A)と胸部単純CT(別冊No. 7B)とを別に示す。
- 診断のために行うべき検査として最も有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106D022]←[国試_106]→[106D024]
[★]
- 55歳の男性。2か月前からの全身疲労感、湿性咳嗽、息切れ及び顔面のむくみを主訴に来院した。既往歴に特記すべきことはない。身長158cm、体重46kg。呼吸数18/分。脈拍72/分、整。血圧144/88mmHg。心音に異常を認めない。両側背部にfine cracklesを聴取する。腹部に異常を認めない。入院時の胸部エックス線写真(別冊No.14A)と経気管支肺生検組織のH-E染色標本(別冊No.14B)とを別に示す。
- この患者で異常が予測される腫瘍マーカーはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E057]←[国試_104]→[104E059]
[★]
- 21歳の女性。下腹部のしこりを主訴に来院した。内診で子宮は正常大で、右付属器が手拳大に腫大していた。腫瘍マーカーは CA19-9 17.5 U/ml(基準 37以下 )、CA125 56.7 U/ml(基準 35以下 )、 α -フェトプロテイン〈AFP〉960 ng/ml(基準 20以下 )。悪性卵巣腫瘍を疑い、右付属器切除術と大網切除術とを施行した。術中写真 (別冊 No.10A)と摘出腫瘍の H-E染色標本 (別冊 No.10B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108A029]←[国試_108]→[108A031]
[★]
- 73歳の男性。健診で胸部エックス線写真の異常陰影を指摘されて受診した。65歳から高血圧症で内服治療中。喫煙歴は20本/日を50年間。気管支内視鏡下擦過細胞診で腺癌と診断された。FDG-PETでは腫瘤に一致して集積を認める。他の部位には異常集積を認めない。胸部エックス線写真 正面(別冊No. 9A)及び胸部CT(別冊No. 9B)を別に示す。
- 治療方針を決定するために行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113A028]←[国試_113]→[113A030]
[★]
- 58歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。2か月前から断続的に出現していた心窩部痛が、最近毎食後出現するようになった。この2か月で体重が3kg減少した。発熱はない。心窩部に圧痛を認めるが、腫瘤は触知しない。血液所見と血清生化学所見とに異常は認めない。腹部超音波写真を以下に示す。
- 予想される疾患で最も感度の高い腫瘍マーカーはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D027]←[国試_097]→[097D029]
[★]
- 65歳の女性。検診のマンモグラフィで異常陰影を指摘され来院した。右乳房に長径2cmの腫瘤を触知する。腫瘤は円形、弾性硬で、可動性は良好で圧痛を認めない。乳頭からの分泌物を認めない。マンモグラム(別冊No. 23)を別に示す。乳房超音波検査で辺縁不整な低エコー腫瘤像を認める。
- 次に行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113A053]←[国試_113]→[113A055]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097B033]←[国試_097]→[097B035]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H034]←[国試_098]→[098H036]
[★]
- 人間ドックで撮影された右眼底写真と左眼底写真とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [099E011]←[国試_099]→[099E013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105A009]←[国試_105]→[105A011]
[★]
- 英
- carcinoembryonic antigen, CEA
- 同
- 癌胎児性蛋白抗原
- 関
- 腫瘍マーカー、広域腫瘍マーカー
概念
- M.W. 180 kDa
- 大腸粘膜で発現している糖タンパク質。癌患者の血清中の他に、胎児の消化管粘膜にも見いだされたことから命名された。消化器癌の腫瘍マーカーとして使われている。臓器特異性、疾患特異性は高くない。早期癌の診断には役立たない。補助診断、治療のモニターとして使われる。
基準値
- 5 ng/ml以下
- 0.0-3.0 ng/ml(nonsmokers), 0.0-5.0 ng/ml(smokers) (HIM.A-4)
注意
- 類似構造を持つNCA, NCA-2, NFAなどの関連抗原が存在 → 異なるモノクローナル抗体を使っているので、検査キットにより異なるカットオフ値をとる (臨床検査法提要第32版 p.632)
疾患との関連
- 大腸癌、膵癌で50-60%の陽性率だが、ほとんど進行例で早期発見には有用ではない (臨床検査法提要第32版 p.632)
- 消化器癌(*大腸癌、胃癌、膵癌) (臨床検査法提要第32版 p.632)
- 非消化器癌(肺癌、甲状腺髄様癌、乳癌、胚細胞腫瘍)。局所再発、肝臓転移で陽性 (臨床検査法提要第32版 p.632)
- 喫煙者や良性疾患(肺結核など)、慢性肝炎、肝硬変、胆道障害、腎不全、糖尿病などでも上昇しうる (臨床検査法提要第32版 p.633) ← 特異度が低い
- 消化管粘膜や白血球中にも存在。
- 正常人の大腸粘膜で産生され、糞便中に検出される
- 正常人の血中には検出されない
婦人科領域での意義
-carcinoembryonic antigen
- 同
- CEA
[★]
- 同
- 糖鎖抗原125 carbohydrateantigen 125, CA-125
- 関
- 肺癌、腫瘍マーカー
概念
- 肺の腺癌で陽性率が約50%。CA125は漿膜細胞からも産生されるので、漿水診断で良性・悪性を判断できない (SPU.327)
- 子宮内膜症で陽性となることがある。Re-AFS分類による陽性率は1-2期:30%, 3期:50%, 4期:約75%。(NGY.196)
- CA125:卵巣癌(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌)、子宮頚癌、子宮体癌
-
- 卵巣癌の腫瘍マーカーとして用いられる(陽性率60-80%)
- 組織型によって陽性率が異なる(漿液性嚢胞腺癌 > 粘液性嚢胞腺癌)
CA125が陽性となりうる疾患
基準値
HIM.A-4
基準値の本
- 男性、閉経後女性:<25 U/ml
- 閉経前女性:<40 U/ml
[★]
- 英
- immunosuppressive acidic protein, IAP
- 関
- 腫瘍マーカー、広域腫瘍マーカー
- M.W. = 約50 kDa
- pI = 3.0
- 糖タンパク
- 癌患者の血清から細胞性免疫と液性免疫の抑制因子が同定された (臨床検査法提要第32版 p.642)
- α1-酸性糖蛋白に関連した物質 (臨床検査法提要第32版 p.642)
- 癌患者ではマクロファージから産生
- 腫瘍マーカーとしての特異性は低い
- 悪性腫瘍で上昇するが、炎症性疾患、感染症などでも高値となる。
- 適当な腫瘍マーカーがない腎癌(腎細胞癌)で有用性が期待される (臨床検査法提要第32版 p.642)
[★]
- 英
- elastase 1
- 同
- 膵陰イオンエラスターゼ pancreaticanionic elastase
- 関
- 腫瘍マーカー、エラスチン
- 膵臓の外分泌液に含まれる酵素。エラスチン分解作用を有する。
- 膵炎(急性、慢性)や膵癌において血症エラスターゼ1が上昇する。また腎不全でも上昇する。
参考
- http://data.medience.co.jp/compendium/main.asp?field=04&m_class=01&s_class=0013
- http://www.srl.info/srlinfo/kensa_ref_CD/KENSA/SRL0599.htm
[★]
- 同
- 糖鎖抗原15-3 carbohydrate antigen 15-3
- 関
- 腫瘍マーカー
[★]
- 様々な臓器癌に広く陽性となるマーカー (OLM.376)
[★]
- 英
- biological tumor marker
- 関
- 腫瘍マーカー
[★]
- 英
- tumor
- 同
- 新生物 neoplasm new growth NG
- 関
分類(EPT.65)
悪性度
細胞と間質の割合
発生学的由来
組織学的分類
上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
非上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
-
臓器別分類
外陰部(女性)
子宮
卵巣
- 表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
- 性索間質性腫瘍 Sex cord/stromal tumors
- 胚細胞腫瘍 Germ cell tumors
腫瘍と関連する疾患 first aid step1 2006 p.294
[★]
- 英
- marker
- 関
- 標識、標識形質、目印