- 32歳の女性。月経痛と不妊とを主訴に来院した。3年前に結婚。以前から過多月経があり、健康診断で貧血を指摘されている。月経痛は著明で、非ステロイド性抗炎症薬を服用しても痛みが軽減しない。身長162cm、体重50kg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球324万、Hb8.4g/dl、Ht28%、白血球6,000、血小板18万。骨盤部単純MRI矢状断のT1強調像とT2強調像とを以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G039]←[国試_101]→[101G041]
★リンクテーブル★
[★]
- 60歳の女性。子宮癌検診で骨盤内の腫瘤を指摘され来院した。内診では付属器に可動性良好な新生児頭大の腫瘤を触知する。腫瘍マーカーはCA19-9 650U/ml(基準37以下)、CA125 45U/ml(基準35以下)、SCC 8.6ng/ml(基準1.5以下)。経膣超音波検査では最大径12cmの嚢胞性腫瘍で、一部に充実部分と毛髪塊とを認める。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G040]←[国試_101]→[101G042]
[★]
- 71歳の男性。排尿困難を主訴に来院した。直腸診で鶏卵大、石様硬の前立腺を触知する。PSA80ng/ml(基準4.0以下)。前立腺生検で高分化型の前立腺癌を認める。骨シンチグラフィで骨転移を認める。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G038]←[国試_101]→[101G040]
[★]
- 英
- adenomyosis, adenomyosis of uterus
- ラ
- adenomyosis uteri
- 同
- 腺筋症 adenomyosis、内性子宮内膜症 endometriosis interna
- 関
- 腺筋症、子宮内膜症
概念
疫学
- 30-40歳の性成熟期に多く、40歳代にピーク
- 子宮内膜症との合併が多く、子宮筋腫との合併も多い。
症状 NGY.195
検査
画像診断
超音波エコー(経膣超音波)
- 辺縁不明瞭な腫瘤を認める ⇔ 子宮筋腫:辺縁明瞭な低エコー像
MRI
- 境界不明瞭な低信号領域 ⇔ 子宮筋腫:明瞭
- 点状高信号域が認められる(出血)
[show details]
比較
子宮筋腫
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30歳代の女性で過多月経をきたし、内診で硬く腫大した子宮を触れ、超音波で子宮体部に充実性の腫瘤を認める。MRI T2では境界明瞭な低信号を認め、JZは保たれる。
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子宮腺筋症
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過多月経をきたし、内診ではびまん性に腫大した弾性の子宮を触知。エコーでは子宮筋層の肥厚。MRI T2では境界不明瞭な低信号域(筋層)の中に半流動性の出血を反映する点状の高信号を認め、JZは不明瞭化する。
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子宮体癌
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中年~高齢女性。子宮内膜(高信号)の増殖、肥厚が見られる。境界明瞭な腫瘤ではない。MRI T2ではJZが断裂している。
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子宮頚癌
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子宮体部は腫大しない。
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腫瘍マーカー
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子宮筋腫
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子宮腺筋症
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T2強調画像
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低信号
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境界
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明瞭
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不明瞭
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変性
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さまざまな高信号
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-
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異所性内膜
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-
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点状高信号
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flow void sign
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+
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-
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治療
- 症状がない場合、また軽症の場合や妊娠希望の場合は治療の必要は無し、あるいは対象治療
薬物療法
手術療法
- 妊娠希望の場合に行う
- 再発のリスクがある
- 腫瘤形成型が対象となる ← びまん性の場合、取りきれない
国試