卵巣子宮内膜症
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Japanese Journal
- 卵巣子宮内膜症性(チョコレート)嚢胞合併患者における生殖補助医療成績および卵巣予備能への影響
- 黒田 泰史,片岡 信彦,橋本 洋美,水澤 友利,千葉 誠,十倉 陽子,緒方 誠司,山田 聡,松本 由紀子,岡本 恵理,苔口 昭次,塩谷 雅英
- Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 29(2), 47, 2012-04-01
- NAID 10030590955
- 2)症例2 40歳 既婚経産女性 片側5cmのチョコレート嚢胞(こんな症例,手術するかしかないか,1)腫瘍,クリニカルカンファランス,第63回日本産科婦人科学会第63回学術講演会生涯研修プログラム,研修コーナー)
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- チョコレート嚢胞。チョコレート嚢胞とはどんな病気か 子宮内膜症性卵巣嚢胞(しきゅう ないまくしょうせいらんそうのうほう)ともいいます。子宮内膜症は、本来子宮の内面を おおっている子宮内膜と同様の組織が、子宮の内面以外の部位 gooヘルスケア 家庭の ...
- 一般的にはチョコレート嚢腫ともいわれますが、正式には「チョコレート嚢胞」というのが 正しい呼び方です。嚢腫と嚢胞とは本来は異なるもので、一言でいうと前者は腫瘍性 病変、後者は非腫瘍性病変という相違があります。嚢胞は「ただ液状成分が貯留した だけ ...
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★リンクテーブル★
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- 58歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。3か月前から下腹部膨隆を自覚し、衣服がきつくなった。30歳時にチョコレート嚢胞と診断された。50歳で閉経。内診で、左付属器領域に10cmの可動性のない腫瘤を触知する。血液所見:赤血球 360万、Hb 10.1g/dL、Ht 32%、白血球 6,800、血小板 26万。血液生化学所見:CEA 3.8ng/mL(基準 5以下)、CA19-9 38U/mL(基準 37以下)、CA125 280U/mL(基準 35以下)。子宮頸部と内膜の細胞診は陰性。上部および下部消化管内視鏡検査で異常を認めなかった。手術のため入院し開腹したところ、左付属器に腫瘤を認めた。腹水はなく、腹腔洗浄細胞診は陰性であった。腫瘤と腸管との癒着はなかった。腹膜播種はなく、大網やリンパ節に異常を認めなかった。左卵巣を切除して迅速病理診断で明細胞癌と診断された。
- 左付属器、子宮および大網に加えて切除すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D015]←[国試_114]→[114D017]
[★]
- 51歳の女性。下腹部の違和感と腹満感とを主訴に来院した。48歳で閉経。閉経まで月経痛が強く、子宮内膜症と診断されたことがある。身長 161cm、体重 58kg。体温 36.5℃。脈拍 76/分、整。血圧 124/84mmHg。下腹部に恥骨上8cmに達する可動性のない腫瘤を触知し、軽度の圧痛を認める。血液生化学所見:CEA 1.6ng/mL(基準 5以下)、CA19-9 34U/mL(基準 37以下)、CA125 116U/mL(基準 35以下)。CRP 0.7mg/dL。開腹手術を施行した。術前の骨盤部MRIのT2強調水平断像(別冊No. 20A)、矢状断像(別冊No. 20B)及び手術で摘出した組織の充実部分のH-E染色標本(別冊No. 20C)を別に示す。
- 最終的な診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I066]←[国試_111]→[111I068]
[★]
- 32歳の女性。月経痛と不妊とを主訴に来院した。3年前に結婚。以前から過多月経があり、健康診断で貧血を指摘されている。月経痛は著明で、非ステロイド性抗炎症薬を服用しても痛みが軽減しない。身長162cm、体重50kg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球324万、Hb8.4g/dl、Ht28%、白血球6,000、血小板18万。骨盤部単純MRI矢状断のT1強調像とT2強調像とを以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101G039]←[国試_101]→[101G041]
[★]
- 月経28日型、整。月経痛はない。内診で下腹部に新生児頭大の可動性のある腫瘤を触知する。
- CA125 24単位(基準35以下)、CA19-9 98U/l(基準37以下)、SCC1.2ng/ml (基準1.5以下)。骨盤部単純MRIのT1強調像と脂肪抑制T1強調像とを以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D039]←[国試_096]→[096D041]
[★]
- 28歳の女性。突然の下腹部痛を主訴に来院した。月経周期28日型、整。月経痛はない。内診で骨盤内に新生児頭大の可動性のある腫瘤を触知する。免疫学所見:CA125 24 IU/ml(基準35以下)、CA19-9 98 IU/ml(基準37以下)、SCC 1.2 ng/ml(基準1.5以下)。骨盤部単純MRIのT1強調像とを以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A037]←[国試_103]→[103A039]
[★]
[正答]
E
- 卵巣子宮内膜症:ゴナドトロピン分泌抑制を狙ってGnRHアゴニストが用いられる。
[★]
- 卵巣腫瘤の超音波断層所見で誤っているのはどれ。全て選べ
- a. 腫瘤内部に隔壁以外のエコーがなければ良性と考えられる
- b. 単純嚢腫では腫瘤後壁は不明瞭なことが多い
- c. チョコレート嚢胞では腫瘤内部に微細なエコーがみられる
- d. 線維腫は悪性腫瘍と診断されることは少ない
- e. 卵巣癌では腫瘤内部に充実性エコーがみられる
[★]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- 英
- mature cystic teratoma
- 同
- 皮様嚢胞腫
- 関
- 卵巣腫瘍、未熟奇形腫
概念
- 良性の胚細胞腫瘍である。
- 妊娠時に合併する卵巣腫瘍の中で最も多い
- 大きくなっても可動性は保たれており、頚捻転を来しうる。。
- チョコレート嚢胞との鑑別が必要になることがある。
疫学
検査
- NGY.99
- 超音波検査:様々な像を認める(皮脂、毛髪、歯などが混在するため。
- MRI:脂肪はT1で高信号、T2で中等度の高信号を呈する
- T1:高信号
- T2:中等度の信号
- 脂肪抑制画像:低信号 ⇔ チョコレート嚢胞では抑制されて低信号にならないので鑑別に有用(T1,T2では信号強度の振る舞いは同じ)
[show details]
合併症
- 卵巣茎捻転(卵巣嚢腫茎捻転):急性腹症の原因。卵巣腫瘍の中で成熟嚢胞性奇形腫や線維腫(最も重い)は重く周囲の癒着がないために茎捻転を起こしやすい。卵巣茎捻転でみられる最多の原因が成熟嚢胞性奇形腫である。(G9M.177)
治療
- 治療方針:病理組織的に確定診断を行うため、また卵巣頚捻転、破裂、あるいは悪性転化のリスクを下げるために手術による摘出を行う。
- 卵巣嚢胞摘出術
- 卵管卵巣摘出術:妊容性温存が必要ない場合
予後
- 35歳以上で約1%の確率で悪性転化する。ほとんどが扁平上皮癌である。(G9M.176)
- 0.2-2%の例で悪性転化(malignant transformation)する。悪性転化した奇形腫は全悪性胚細胞腫の2.9%を占める。(参考1)
参考
- 1. [charged] Ovarian germ cell tumors: Pathology, clinical manifestations, and diagnosis - uptodate [1]
国試
[★]
- 英
- clear cell adenocarcinoma
- 関
病理
- →[show details]
卵巣腫瘍
- 妊娠時の子宮内膜を模倣
- 卵巣腫瘍の25%を占める(漿液性腺癌45%に次いで多い)
- 子宮内膜症(チョコレート嚢胞)の1%の例で明細胞腺癌や類内膜腺癌が見られる。
- 進行速度は中間であり、リンパ節転移すること多く、化学療法抵抗性のために手術で根治できなければ予後不良である。
- CA724(ムチン母核糖鎖を認識)が上昇 (G9M.171)
- CA125が上昇しにくいらしい。
参考
- http://www.gfmer.ch/selected_images_v2/detail_list.php?cat1=5&cat3=316&stype=d
- http://www.bioscience.org/atlases/tumpath/freprod/uterus/3/micro.htm
- http://www.byouri.com/case/entry-100.html
- 4. Clear Cell Adenocarcinoma of Vagina: many hobnail-shaped cells, some of which have dark atypical nuclei. Differential diagnosis is with microglandular adenosis and Arias-Stella reaction
- http://www.webpathology.com/image.asp?n=17&Case=543
国試
[★]
- 英
- ovarian endometriosis
- 同
- 卵巣チョコレート嚢胞 chocolate cyst of the ovary、(国試)チョコレート嚢胞 chocolate cyst、卵巣タール嚢胞 tarry cyst of the ovary、子宮内膜症性嚢胞 endometriotic cyst 子宮内膜腫 endometrioma
- 関
- 子宮内膜症
検査
- NGY.196 SRA.578(写真)
- MRI ⇔ 子宮腺筋症:T2で辺縁不明瞭な低信号で、斑点状に高信号を認め、junctional zoneは不明瞭化。ちなみに子宮筋腫でもT2で低信号だが、境界明瞭。
- T1強調:高信号
- T2強調:高信号。嚢胞内部にshadingと呼ばれる明瞭な低信号が出現することがある
鑑別診断
予後
- 卵巣チョコレート嚢胞からの癌発生率は0.7% ⇔ 通常は人口10万人あたり6-7人程度
- 癌化のリスクは40歳以上常、嚢胞径5cm以上。(G9M.121)
[★]
- 英
- ovary
- ラ
- ovarium
- 関
- 子宮
解剖
卵巣の固定
- 卵巣提索:卵巣の上端と骨盤側壁を結ぶ。卵巣動脈、卵巣静脈、リンパ管、腹大動脈自律神経叢からの自律神経が通る
- 固有卵巣索
卵巣の上皮
- 腹膜には覆われず、胚上皮(表層上皮)に覆われている。
血管
重量
疾患 (NGY.201)
発生 L.307
[★]
- 英
- cyst
- 関
概念
- 内腔に液体や泥状物を含む袋状の構造物をいう。
- 上皮細胞に囲まれた体内にできた異常な腔で、水や泥状の物を含む
種類
総胆管嚢胞、胆管嚢胞、内膜症性嚢胞、出血嚢胞、前立腺小室嚢胞、単純腎嚢胞、卵巣内膜症性嚢胞、卵巣嚢胞性腺腫、卵巣嚢胞腺腫、卵巣機能性嚢胞、外傷後嚢胞、多嚢胞症、多発嚢胞性腎、多発性嚢胞、射精管嚢胞、汎発性嚢胞状線維性骨炎、深在嚢胞性大腸炎、肝嚢胞腺癌、腸管気腫性嚢胞症、膵嚢胞性病変、虫垂粘液嚢胞腹膜、軟骨下嚢胞、先天性肺嚢胞症、単独嚢胞腎、Nabothian嚢胞、ミュラー管嚢胞、膵嚢胞性腺癌、先天性総胆管嚢胞、寄生虫性嚢胞、巨大嚢胞、嚢胞体、血液嚢胞、嚢胞性膵疾患、多発性肝嚢胞、漿液性嚢胞腫瘍、多嚢胞化萎縮腎、後天性嚢胞性腎疾患、成人型多発性嚢胞腎、胸膜下肺胞性肺嚢胞、腎嚢胞性疾患の鑑別、線維嚢胞性変化、乳頭状嚢胞腺腫、孤立性腎嚢胞、肺嚢胞、鰓原性嚢胞、膵嚢胞症、ナボット嚢胞、甲状舌管嚢胞、単純性腎嚢胞
産婦人科
[★]
- 英
- chocolate
- 関
- カカオ、ココア