- 英
- peritoneum (Z) < peritonaion < peritonos < peri-'around'+-tonos'stretched' ; perineumと勘違いしないように
- 関
- 漿膜
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/12 03:08:20」(JST)
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凡例 :
1 : 横隔膜 - 2 : 肝臓 - 3 : 胃 - 4 : 膀胱 - 5 : 恥骨 - 6 : 膣 - 7 : 膵臓 - 8 : 十二指腸 - 9 : 横行結腸 - 10 : 小腸 - 11 : 子宮 - 12 : 直腸
腹膜腔
腹膜(ふくまく、英:peritoneum)とは、胃や肝臓といった腹部の臓器の全体ないし一部をおおっている薄い半透明の膜である。腹膜は腹腔の中にあり、胸膜・心膜とともに漿膜に分類される。腹膜で囲まれた閉鎖空間を腹膜腔という。なお、腹膜腔と腹腔はもともと別のものであるが、両者が同義のものとして扱われることも多い。
目次
- 1 概要
- 2 構造
- 3 発生
- 4 腹膜透析
- 5 画像
- 6 関連項目
概要
腹膜は外表面を覆う単一の中皮細胞層(mesothelium)と結合組織である中皮下層(submesothelial layer)より構成される。また腹膜は腹壁内面の壁側腹膜(parietal peritoneum)と臓器表面の臓側腹膜(visceral peritoneum)に区別されるが両者は連続しており、腹膜面の総面積は1.7~2.0 m²に達する。これは体表の表面積にほぼ等しい。腹膜腔には少量の漿液が含まれ臓器の運動の摩擦を防いでいる。臓側腹膜と壁側腹膜の移行部が長くなって二重膜をつくっているところは間膜と呼ばれ、臓器に出入りする血管・神経の通路となっており、器官や体壁への連絡路の役割を果たしている。
構造
腹膜は数多くの間膜に区分されているが、中でも大きいのは胃の周りにある大網と小網である。
大網
胃の下側(大弯)から下方へエプロンのように腸の前に垂れ下がった腹膜を大網という。特に大網の上部は胃結腸間膜(gastrocolic ligament)と呼ばれる。大網は発生のはじめには薄く半透明であるが、次第に膜の結合組織を走る血管を中心にして脂肪組織やリンパ球、形質細胞などが集まるため黄褐色を呈するようになる。大網は移動性が豊かであるので、炎症の原因となる個所を包んで腹腔内全体への波及を防いでいる。このため、大網がまだ十分発達していない小児では虫垂炎が破裂すると腹腔内に拡がりやすい。大網は脂肪の貯蔵にも関係している。
小網
肝臓の下面を覆う腹膜を小網といい、胃の上部(小弯)と十二指腸の始部へと続いている。胃に至る方を肝胃間膜(hepatogastric ligament)、十二指腸に至る方を肝十二指腸間膜(hepatoduodenal ligament)といい、前者は肝管や固有肝動脈などの、後者は左・右胃動静脈や迷走神経の胃枝・肝枝の通路となっており、局所解剖学上重要である。
発生
腹膜は発生のはじめにおいて、心膜・胸膜とともに体腔の内側を覆う中胚葉性の膜として出現する(つまり、最初は3つの膜に区別はない)。この膜でおおわれた部分は胚内体腔と呼ばれ、やがて連結していた胚外体腔と分離して体腔が形成される。その後、体腔は心膜胸膜や横隔膜によって分けられて3つの独立した体腔、すなわち心膜腔・胸膜腔・腹膜腔となる。
腹膜透析
最近、血液透析にかわる新しい透析方法として腹膜透析が行われている。これは、ブドウ糖などを入れて浸透圧を高めた透析液を腹膜内に入れ、体内の老廃物(尿素等)をこしとるというものである。(このとき、腹膜が浸透膜の役割を果たしている。)腹膜透析の一番の利点は病院に行かずに自宅・勤務先ででき生活の質を高く保てることであるが、腹膜の機能を下げるといった欠点もある。(→人工透析の項目を参照)
画像
関連項目
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Japanese Journal
- 長野県立こども病院における腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術(Laparoscopic percutaneous extraperitoneal closure : LPEC法)
- 河野 充,南村 和宏,藤川 敦,澤田 卓人,太田 純一,森山 正敏
- 泌尿器科紀要 59(6), 359-361, 2013-06-00
- A 51-year-old woman was referred to our hospital because of continuing back pain for 2 weeks. Computed tomography revealed a mass 30x40 mm in diameter adjacent to the left adrenal gland. We performed …
- NAID 120005298148
- 濱田 真輔,伊藤 敬一,高橋 正博,磯野 誠,田崎 新資,吉井 秀彦,黒田 健司,佐藤 全伯,朝隈 純一,瀬口 健至,堀口 明男,住友 誠,浅野 友彦
- 泌尿器科紀要 59(4), 217-223, 2013-04-00
- We evaluated the efficacy of laparoscopic radical nephroureterectomy (LNUx) by comparing the clinical results in 55 patients undergoing LNUx at the National Defense Medical College since 2001 with tho …
- NAID 120005244620
Related Links
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- 胃がんや大腸がん、卵巣がんなどさまざまな臓器からがん細胞がこぼれ落ちて腹膜に 転移してしまうのが腹膜播種だ。 これは進行しないと見つけにくい、やっかいな転移がん の1つだ。ひと昔前では、抗がん剤の全身投与では腹膜播種は治せない、といわれてい ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
- 本剤は,大室液と小室液の2液からなる腹膜透析液であり,使用時には2液を混合し,1液として使用する.
大室
小室
混合後
〈成分・分量〉
ブドウ糖(C6H12O6) 1.35 w/v%
塩化ナトリウム(NaCl) 0.555 w/v%
L-乳酸ナトリウム(C3H5NaO3) 0.448 w/v%
塩化カルシウム水和物(CaCl2・2H2O) 0.0183 w/v%
塩化マグネシウム(MgCl2・6H2O) 0.00508 w/v%
〈電解質濃度〉
Na+ 135.0 mEq/L
Ca2+ 2.5 mEq/L
Mg2+ 0.5 mEq/L
Cl- 98.0 mEq/L
L-Lactate- 40.0 mEq/L
禁忌
[胸腔へ移行し呼吸困難が誘発されるおそれがある.]
[挫滅傷又は熱傷の治癒を妨げるおそれがある.]
[腹膜の透析効率が低下しているため.]
[出血により蛋白喪失が亢進し全身状態が悪化するおそれがある.]
[乳酸アシドーシスが誘発されるおそれがある.]
効能または効果
- 慢性腎不全患者における腹膜透析(高マグネシウム血症や代謝性アシドーシスの改善が不十分で,かつ炭酸カルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤の投与により高カルシウム血症をきたすおそれのある場合に用いる.)
- 本剤を使用中に活性型ビタミンD製剤又は炭酸カルシウム製剤の使用量を増加させた場合,血清カルシウム濃度が上昇し,場合によっては,正常域上限を越えることがあるため,併用に際しては血清カルシウム濃度に注意すること.
- ミッドペリック135腹膜透析液,ミッドペリック250腹膜透析液,ミッドペリック400腹膜透析液及びミッドペリックL135腹膜透析液,ミッドペリックL250腹膜透析液,ミッドペリックL400腹膜透析液は,おのおの次のような場合に使用すること.
ミッドペリック135腹膜透析液,ミッドペリック250腹膜透析液,ミッドペリック400腹膜透析液
- 血清マグネシウム値が正常域下限以下の場合や代謝性アシドーシスの過度の是正が認められる場合
- 糖代謝障害や肝障害のある場合
ミッドペリックL135腹膜透析液,ミッドペリックL250腹膜透析液,ミッドペリックL400腹膜透析液
- 高マグネシウム血症や代謝性アシドーシスの改善が不十分で,かつ炭酸カルシウム製剤や活性型ビタミンD製剤の投与により高カルシウム血症をきたすおそれのある場合
- 透析治療を目的とし,腹腔内に注入して使用する.通常成人では1回1.5〜2Lを腹腔内に注入し,4〜8時間滞液し,効果期待後に排液除去する.以上の操作を1回とし,ミッドペリックL135腹膜透析液,ミッドペリックL250腹膜透析液及びミッドペリックL400腹膜透析液を適宜組み合せるか又は単独使用して,通常1日当たり4回の連続操作を継続して行う.なお,注入量,滞液時間,操作回数は,症状,血液生化学値及び体液の平衡異常,年齢,体重等により適宜増減する.注入及び排液速度は通常300mL/分以下とする.
- 本剤は隔壁を開通し,大室液と小室液を混合した後,使用する.なお混合は以下に示す方法にて行う.
混合方法
開封
バッグを外袋より取り出す.
確認
隔壁に開通がないことを確認する.
注意
- 隔壁に開通が認められる場合は使用しないでください.
開通
大室側を強くつかみ隔壁側へ押し出すように圧力をかけ,隔壁を開通する.
注意
- 机にぶつけたりして,隔壁を開通させないでください.バッグが破損することがあります.
混合
両手で交互に押し,十分混合する.
注入量及び交換回数
- 注入量(容量設定)は,下記を目安とし,また交換回数は通常1日4回とする.
体重50kg未満: 1.5L容量を使用する
体重50kg以上: 2L容量を使用する
なお,2L貯留を行っている患者で透析不足による全身倦怠感,食欲不振,不眠等の尿毒症症状が認められる場合,又は1日5回以上の透析交換に不都合を感じている場合に,患者の腹腔内容積や肺活量に応じて(体重60kg以上を目安とする) 2Lに代え2.5L容量を適用する.
組合せ処方
- ミッドペリックL135腹膜透析液,ミッドペリックL250腹膜透析液及びミッドペリックL400腹膜透析液の1日の組合せ処方は,次表の推定除水量を参考とすること.
なお,ミッドペリックL400腹膜透析液は高張液であり,これのみを投与すると脱水症状を起こすことがあるので,適宜ミッドペリックL135腹膜透析液又はミッドペリックL250腹膜透析液を組み合わせて投与すること.
慎重投与
- 腹膜炎,腹膜損傷,腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患の疑いのある患者
[腹膜炎,腹膜損傷,腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[手術部位の治癒を妨げるおそれがある.]
[糖代謝異常が悪化又は誘発されるおそれがある.]
[ジギタリス中毒が誘発されるおそれがある.]
[栄養状態が悪化するおそれがある.]
[腹部ヘルニアが悪化するおそれがある.]
[腰椎障害が悪化するおそれがある.]
[憩室に水が貯留するおそれがある.]
[細菌感染を起こすおそれがある.]
[水及び電解質異常が誘発されるおそれがある.]
[肺に水が貯留するおそれがある.]
[高コレステロール血症,高トリグリセライド血症が悪化するおそれがある.]
[肥満を増長させるおそれがある.]
[低蛋白血症が悪化するおそれがある.]
- ステロイド服用者,免疫不全患者,抗生物質アレルギー体質をもつ患者
[感染症発生時に抗生物質が使用できないおそれがある.]
[高齢者への投与の項参照]
重大な副作用
循環器障害
- 急激な除水による循環血液量の減少,低血圧,ショック等があらわれることがあるので,このような場合には投与を中止し,輸血,生理食塩液,昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと.
高血糖
- 糖尿病患者では高血糖があらわれることがあるので,インスリンの投与等適切な処置を行うこと.
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、25~27の問いに答えよ。
- 38歳の初妊婦。腹部膨満と呼吸困難とを訴えて来院した。
- 現病歴 : 33歳で結婚。3年間不妊のため検査と治療とを受けていたが、最終的には排卵誘発薬を用いた体外受精・胚移植法によって妊娠した。妊娠6週3日、両側下腹部に軽い痛みがあり、左右の卵巣が鶏卵大に増大しているのを指摘されたが、他に特に異常はなく、外来通院を指示されていた。妊娠7週2日になって腹部膨満と息苦しさとを自覚するようになったので救急来院した。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 身長160 cm、体重50kg。体温36.7℃。呼吸数28/分。脈拍72/分、整。血圧112/56 mmHg。意識は清明。チアノーゼはない。腹部は中等度に膨隆し、下腹部全体に圧痛がある。子宮は驚卵大で両側卵巣は超鶏卵大に触知する。超音波検査で腹水を認める。
[正答]
※国試ナビ4※ [095H024]←[国試_095]→[095H026]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106E015]←[国試_106]→[106E017]
[★]
- 英
- uterus (Z), womb, metra
- 関
- 内性器
発生学的由来
解剖
支持構造
組織
子宮
子宮の大きさ
- 鶏卵大。(非妊娠時)逆位の前後にやや扁平な西洋梨状で長さ約7cm、幅約4cm、厚さ約2.5cm、重さ30~40g。
妊娠と子宮の大きさ、子宮底の高さ、恥骨結合上縁から子宮底までの長さ
妊娠月数
|
子宮の大きさ
|
子宮底の高さ
|
恥骨結合上縁から子宮底までの長さ
|
第1月末
|
鶏卵大
|
|
|
|
第2月末
|
鵞卵大
|
|
|
|
第3月末
|
手拳大
|
|
|
|
第4月末
|
小児頭大
|
恥骨結合上2-3横指
|
12cm
|
(妊娠月数x3)
|
第5月末
|
成人頭大
|
恥骨結合と臍との中央
|
15cm
|
第6月末
|
|
臍高
|
21cm
|
(妊娠月数x3+3)
|
第7月末
|
|
臍上2-3横指
|
24cm
|
第8月末
|
|
剣状突起と臍との中央
|
27cm
|
第9月末
|
|
剣状突起下2-3横指
|
30cm
|
第10月末
|
|
剣状突起と臍との中央
|
33cm
|
|
産褥0日分娩直後
|
|
臍下3横指
|
11cm
|
|
産褥0日12時間後
|
|
臍高(右に傾く)
|
15cm
|
|
産褥1-2日
|
|
臍下1-2横指
|
12cm
|
|
産褥3日
|
|
臍下3横指
|
10cm
|
|
産褥5日
|
|
臍高と恥骨結合上縁との中間
|
9cm
|
|
産褥7日(産褥1週)
|
手拳大
|
恥骨結合上縁
|
|
|
産褥10日
|
|
腹壁から触れない
|
|
|
(産褥6週)
|
鶏卵大
|
|
|
|
臨床関連
-
[★]
- 英
- phrenic nerve (KH)
- ラ
- nervus phrenicus
- 関
- [[]]
由来
- 頚神経叢由来
- 主にC4(C3-C5)の前枝(KL.657)
支配
走行
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- inferior epigastric artery (KH)
- 関
- 鼠径三角
由来
走行
分布
枝
臨床関連
[★]
- 英
- scrotum (M,Z)
- 関
- 外性器
- 平滑筋と皮膚からなる袋で2層からなる (M.127)
- 女性の外生殖器では大陰唇に相当 (KH.254,KL.482)
解剖
血管 (M.127)
動脈
静脈
神経 (M.127)
臨床関連
[★]
- 英
- peritonitis
- 関
- 腹膜
|
sensitivity(%)
|
specificity(%)
|
positive likehood ratio
|
garding
|
13~69
|
56~97
|
2.6
|
rigidity
|
6~31
|
96~100
|
5.1
|
rebound tenderness
|
40~95
|
20~89
|
2.1
|
rectal tenderness
|
20~53
|
41~96
|
n.s.
|
positive abdominal wall tenderness test
|
1~5
|
32~72
|
0.1
|
国試
[★]
- 英
- intraperitoneal organ
- 関
- 後腹膜器官
[★]
- 英
- extraperitoneal rupture
[★]
- 英
- membrane
- 関
- メンブラン、メンブレン