- 45歳の男性。吐血のため搬入された。今朝から吐血を2回認めた。意識は清明。体温36.7℃。脈拍120/分、整。血圧76/42mmHg。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。心慮部に軽度の圧痛を認める。筋性防御を認めない。緊急で行った胃内視鏡写真を以下に示す。
- 内視鏡治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
- a. 結紮
- b. 硬化療法
- c. 粘膜切除
- d. クリッピング
- e. エタノール局注
[正答]
※国試ナビ4※ [102G055]←[国試_102]→[102G057]
★リンクテーブル★
[★]
- 68歳の女性。右片麻痺と言語障害とが突然出現したため3日前に搬入された。左中大脳動脈領域の脳梗塞と診断された。意識は清明。体温36.4℃。脈拍80/分、不整。血圧180/100mmHg。心電図モニター上や心房細動を認める。右上下肢は弛緩性で随意運動は不能。呼びかけに対し理解は可能だが、発話は困難である。嚥下反射は遅延を認める。尿意ははっきりせず、膀胱カテーテルが留置されている。この時点で開始するのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G056]←[国試_102]→[102G058]
[★]
- 65歳の男。頭痛と右片麻痺とのため搬入された。10年前に高血圧、5年前に心房細動を指摘されており、ワルファリン服用中である。頭部CTで左被殻出血と診断された。投与すべき薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102G054]←[国試_102]→[102G056]
[★]
[★]
- 英
- gastric ulcer GU, stomach ulcer
- ラ
- ulcus ventriculi UV
- 関
- 胃、十二指腸潰瘍、胃十二指腸潰瘍、消化性潰瘍
疫学
病態
- 高位潰瘍:高齢者。低酸。 ← 幽門腺(ガストリン分泌)と胃底腺(胃酸・ペプシノゲン分泌)の境界が上昇する。このため潰瘍形成部位が上昇する
- 幽門部潰瘍:若年者。高酸
- 急性潰瘍:多発性。体部
- 穿孔・穿通:潰瘍が筋層以下に進展すれば生じうるが、十二指腸潰瘍に比べで頻度は多くない。→穿通性潰瘍 →穿孔性潰瘍
症状
- 食後1時間以内の早期痛と数時間後の晩期痛がある。(QB.A-308)
- 腹痛の十二指腸潰瘍/胃潰瘍に対する陽性予測率は高くない。NSAIDによる粘膜病変をもつ患者の10%までが先行症状なくcomplication(出血、穿孔、閉塞)を来す。(HIM.1860)
- 十二指腸潰瘍/胃潰瘍では、焼けるようなあるいは差し込むような痛みと表現される。the discomfort is also described as an ill-defined, aching sensation or as hunger pain.(HIM.1861)
- 痛みのパターン:(十二指腸潰瘍)食事後30分~3時間で痛みが治まる。深夜からA.M.3時までの間に痛みで目をさます。これがとっとも鑑別する症状であり、2/3の患者にみられる。しかし、non ulcerative dyspapsia患者の1/3でもこのような症状はみられる。(胃潰瘍)痛みは食事により強まり、悪心と体重減少が起こるのが一般的である。(HIM.1861)
合併症
- 好発部位:小弯部上の巨大潰瘍
- 症状:突然現れる上腹部痛。前屈位・側臥位となる。上腹部腹壁緊張亢進、筋性防御、板状硬をみとめ、Blumberg徴候陽性となる。
検査
上部消化管内視鏡
崎田分類(ステージ分類)
- 参考1
- A1:潰瘍辺縁は浮腫状であり潰瘍底は黒苔で覆われている
- A2:辺縁の浮腫は改善し潰瘍底は白苔により被覆されている
- H1:潰瘍辺縁に再生上皮の出現を認める
- H2:白苔は薄く縮小し再生上皮の部分が拡大している
- 胃潰瘍瘢痕期:潰瘍の治癒期には再生上皮による被覆が完成し白苔は消失
消化管造影
- 胃癌との対比(RNT.191)
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良性潰瘍
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悪性潰瘍
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ニッシェ
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円形、輪郭明瞭、深い
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不整型、輪郭不明瞭、浅い
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軟膜ヒダ
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不整なく均一
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不整、不均一(先細り、肥大、融合)
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診断
治療
生活療法
- 精神的・肉体的安静
- 食事療法(刺激物摂取禁止)
- 生活習慣改善(禁煙・禁酒)
薬物療法
- 胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプインヒビター、H2受容体拮抗薬、ムスカリン受容体拮抗薬)
- Helicobacter pyloriの除菌(プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン、クラリスロマイシン)。クラリスロマイシン無効ならメトロニダゾールに変更。
interventional radiology
手術療法
- SSUR.501
- 手術適応:内科的手法で止血が得られず、また止血されても繰り返す場合。
- 幹迷走神経切離術 truncal vagotomy:腹部食道の高さで迷走神経を切離:肝枝や腹腔枝が切離され、下痢や胆石症を生じる。胃内容物停滞が起こる
- 選択的迷走神経切離術 selective gastric vagotomy:胃枝のみ切離し、肝枝、幽門枝、腹腔枝を温存:胃内容物停滞が起こる
- 選択的近位迷走神経切離術:selective proximal vagotomy, proximal gastric vagotomy, highly selective vagotomy, parietal cell vagotomy:胃の壁細胞領域に分布する胃体部枝のみを切離する。幽門洞枝が温存され、幽門洞の運動機能が保存される。
予後
参考
- 1. H19(2007)胃潰瘍GLの適用と評価に関する研究班編/医療・GL(07年)胃潰瘍GLの適用と評価に関する研究班編/医療・GL(07年)
- http://minds.jcqhc.or.jp/lo/ps/Fpastlist.aspx
国試