- 73歳の女性。昨夜コップ1杯の吐血があり来院した。1年前から時々胸やけを生じている。2か月前から心房細動のためワーファリンの服用を開始しているが、それ以外の薬剤は服用していない。血液所見:赤血球412万、Hb13.8g/dl、Ht41%、白血球7,800、血小板32万。食道内視鏡写真を以下に示す。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 81歳の女性。昼食後洗面器一杯の吐血があり救急車で搬入された。2か月前から腰痛のため非ステロイド性抗炎症薬を投与されていた。4日前から心窩部痛を訴えていた。意識は清明。脈拍96/分、整。血圧100/60mmHg。皮膚は蒼白で冷たい。眼瞼結膜は貧血様。心窩部に圧痛を認める。血液所見:赤血球270万、Hb8.4g/dl、Ht23%、白血球12,300。緊急上部消化管内視鏡検査の胃角部写真を以下に示す。
- 適切でない対応はどれか。
- a. 非ステロイド性抗炎症薬中止
- b. 制酸薬投与
- c. 輸液
- d. 露出血管のクリッピング
- e. 胃全摘
[正答]
※国試ナビ4※ [097D022]←[国試_097]→[097D024]
[★]
- 60歳の女性。交通事故で前胸部を強打し、救急車で搬入された。意識清明で胸背部痛を訴えている。体温36.9℃。呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧86/64mmHg。顔面は蒼白で、眼瞼結膜は貧血様である。前胸部に皮下出血があるが腹部には異常はない。血液所見:赤血球350万、Hb11.0g/dl、Ht33%。胸部エックス線写真を以下に示す。まず行うべき検査はどれか。
[正答]
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[★]
- 英
- reflux esophagitis
- 同
- peptic esophagitis
- 関
- 胸骨下痛、食道炎、バレット食道、胃食道逆流症 GERD
概念
- 胃食道の逆流防止機構が十分に作動せず、胃・小腸内容液の逆流から粘膜傷害をきたした状態(IMD)。
- 上位の疾患概念に胃食道逆流症 GERDがある。
分類
- ロサンゼルス分類:(内視鏡的な分類)
- Savary-Miller分類
- 食道疾患研究会による分類:色調変化型、びらん型、潰瘍型、隆起肥厚型
リスク
- 肥満、妊娠(腹腔内圧上昇、エストロゲン・プロゲステロンによるLES圧低下)、過食、高カロリー食(チョコレート、和菓子、高脂肪食、餅)・刺激物、食後臥位(3時間以内)、喫煙、アルコール、薬剤(Ca拮抗薬、硝酸薬、テオフィリン)
- 滑脱型食道裂孔ヘルニア、LES機能不全、胃切除後
症状
- 食道症状:胸焼け、呑酸、嚥下困難
- 食道外症状:咳嗽、前胸部痛(胸骨後部痛)、嚥下困難、嚥下痛、つまり感
検査
- 確定診断のために、食道内24時間pHモニター、食道内圧測定、内視鏡検査が重要。特に食道内24時間pHモニターでpHの低下が証明できなければ、胃食道逆流症は否定的。(QB.A-53)
- X線造影
- 胃カメラ
- 食道内24時間pHモニター
24-hour pH monitoring
治療
- (胃酸分泌抑制)H2受容体阻害薬、プロトンポンプ阻害薬
- (胃の逆流阻害)消化管運動促進薬 ← 本当?
- 粘膜保護薬 (QB.A-53)
- 術後胃で十二指腸液の逆流があるばあいには酸分泌抑制薬は無効であり、メシル酸カモスタットが用いられる。
プロトンポンプ阻害薬
- hospitalist vol.2 no.3 2014.9 P.741
- 血液濃度が低い:腸溶コーティングされたPPIが長時間胃に留まると胃の中で溶解してしまい成分が失活して、血液中濃度が十分に上昇しない場合がある。腸管運動の運動改善薬が有効なことがある。
- rapid metabolizer:PPIはCYP2C19の代謝を受けるが、遺伝子多形により代謝の速度が異なる(homozygous extensive metabolizer, heterozygous extenstive metabolizer, poor metabolizer)。ランソプラゾールでは多型の影響をうける。エソメプラゾールやラベプラゾールは影響が少ない。
- 胃内環境が酸性でない:PPIの活性化には酸性環境が必要であるが、食後など胃内に大量の食物がある場合には胃酸が希釈されて酸性環境が得られない場合がある。これに対して腸管の運動改善薬や食前内服が等の対策が必要。
胃酸以外の逆流の可能性
国試