- 英
- diabetes insipidus DI
- 関
概念
- バソプレシンの不足または作用障害により腎集合管からの水分再吸収が低下し、多尿、口渇、多飲を来す疾患。
病型
障害部位
病因
-
- ニューロフィジンIIの遺伝子異常
- ADHレセプター異常症:V2受容体(伴性劣性遺伝)、アクアポリン2の異常(ほとんどが常染色体劣性遺伝)
- 頭蓋内占拠性病変:脳腫瘍
- 腎疾患:慢性腎不全、慢性腎盂腎炎、間質性腎炎、多発性嚢胞腎、閉塞性尿路疾患
- 電解質異常:低K血症や高Ca血症
- 薬物
- 続発性尿崩症の原因:脳腫瘍(50%)、外傷・ヒスチオサイトーシスX
疫学
- 日本の発症頻度は16人/人口10万人
- 病型:家族性2%、特発性43%、症候性55%/家族性1.6%、特発性42%、続発性56.4%(IMD)
- 性差:
- やや男子に多い。
- 家族性は女性に多く、他の型では男女比はほぼ等しい(平成5年厚生省特定疾患調査研究班報告書)
診断基準
- 参考1
症状
- 口渇
- 多飲 → 飲水量が十分でないと高ナトリウム血症、高浸透圧血症の引き金となる。
検査
- 血清ナトリウム濃度:正常高値~軽度高値
- 血清レニン濃度:正常高値~軽度高値
- 血漿浸透圧:高値
- 低張尿
負荷試験
画像検査
- [中枢性尿崩症]T1:(DI)低信号 ⇔ (健常者)高信号 ← T1で高信号になるものは脂肪、亜急性期の出血(メトヘモグロビン)、メラニン、高濃度蛋白質である。下垂体後葉が高信号を発するのは軸索中に高濃度のホルモンが存在するからなのか、軸索が集積しているためなのか、であろう。
診断(YN)
多尿 3000ml/day
|
|
|
|
|
↓
|
|
|
|
|
尿浸透圧
|
→
|
→ 290 mOsm/kg以上
|
→
|
浸透圧利尿
|
↓
|
|
|
|
|
↓水利尿
|
|
|
|
|
↓
|
|
|
|
|
血清ナトリウム濃度 血清レニン濃度
|
→
|
→ 低値
|
→
|
心因性多飲
|
↓
|
|
|
|
|
↓正常上限~軽度上昇
|
|
|
|
|
↓
|
|
|
|
|
水制限テスト バソプレシンテスト
|
→
|
→ 尿量不変、尿浸透圧不変
|
→
|
腎性尿崩症
|
↓
|
|
|
|
|
↓尿量減少、尿浸透圧上昇
|
|
|
|
|
↓
|
|
|
|
|
バソプレシン濃度(高張食塩水負荷時) MRIで基礎疾患の描出・T1で下垂体後葉の高信号の消失
|
|
|
|
|
↓
|
|
|
|
|
中枢性尿崩症
|
|
|
|
|
治療
参考
- http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance.htm
- 2. MRI left:normal right:DI
- http://www.endotext.org/neuroendo/neuroendo2/figures/figure11.jpg
-diabetes insipidus
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/23 17:42:46」(JST)
[Wiki ja表示]
尿崩症(にょうほうしょう、Diabetes insipidus; DI)とは、バソプレッシンの合成または作用の障害により水保持機構が正常に働かず、多尿となる疾患のことである。英語名は糖尿病と違って尿が無味であることが由来(Diabetes=尿、Insipidus=無味)。
目次
- 1 病態
- 2 分類
- 3 原因
- 4 鑑別疾患
- 5 症状
- 6 検査
- 7 診断
- 8 治療
- 9 予後
病態
正常腎はバソプレッシンの作用によって水の再吸収が促進されている。尿崩症ではバソプレッシンの合成または作用が低下し、水の再吸収が低下することで多尿となる疾患である。糖尿病のような浸透圧利尿と違い、尿浸透圧は通常低下する。また、多尿によって血漿浸透圧が上昇するため、口渇・多飲を引き起こす。
分類
基本的にはバソプレッシン (ADH) の作用不全を尿崩症と呼ぶ。内分泌学でホルモンの作用不全があるといえば次の2つの病態を考える。
- ホルモンが産出されない。
- ホルモンが産出されるが標的細胞に異常がある。
この2つの病態をバソプレッシンに当てはめると中枢性尿崩症と腎性尿崩症の2つの病態ができあがる。バソプレッシンは視床下部で産出され、下垂体後葉で分泌され尿細管に作用するホルモンであるからである。
- 中枢性尿崩症
- バソプレッシンを分泌する下垂体およびその上位中枢が障害を受け、バソプレッシンの分泌が低下するために起こるもの。
- 腎性尿崩症
- バソプレッシンの作用する腎臓が傷害を受け、バソプレッシンは正常に分泌されるもののその作用が低下するために起こるもの。高カルシウム血症と低カリウム血症では多飲、多尿と腎不全の合併症が知られていたが、これらは集合管のバソプレッシン感受性を低下させ、腎性尿崩症を起こすということが判明した。
原因
中枢性尿崩症では視床下部や下垂体の腫瘍、炎症、外傷などによって発生する続発性、原因不明の特発性、遺伝性に発生する家族性の3つの原因がある。特発性尿崩症は現在は自己免疫性の下垂体後葉の炎症であると理解されている。続発性では、頭蓋咽頭腫、サルコイドーシス、癌の後葉転移、ランゲルハンス細胞肉芽腫症、その他外傷やクモ膜下出血でおこす。不思議なことに下垂体腺腫では尿崩症は起こらない。あくまで下垂体前葉の疾患でありバソプレッシンの経路に異常は起こさないとされている。実際に下垂体前葉の圧迫によって障害されやすいホルモンの順番は、LH、FSH≧GH≧TSH≧ACTHという順番であり、下垂体後葉のホルモンには影響しない。なお、プロラクチンはホルモン異常をおこす背景が他の前葉ホルモンとは異なるのでここでは詳しく述べない。
腎性尿崩症では腎炎、電解質代謝異常などによって発生する続発性、遺伝性に発生する家族性の2つの原因がある。レセプター病の方は極めて稀である。
中枢性尿崩症と腎性尿崩症の区別はバソプレッシンの投与によって尿が濃縮されるかで調べる。尿が濃縮されるのが中枢性であり、反応しないのが腎性である。尿が濃縮されたかどうかは血清浸透圧≦尿浸透圧の関係式が成り立つかどうかで判断することが多い。
鑑別疾患
多飲、多尿を起こす疾患としては尿崩症以外に
を考える。
症状
中枢性尿崩症と腎性尿崩症に症状の違いはない。
- 多飲、多尿、口渇
- 夜間尿、夜尿症
- 脱水症状、急性腎前性腎不全にいたる。
検査
- 尿検査
- 1日尿量は3000ml以上、浸透圧は低下する。尿糖、尿蛋白は陰性。
- 血液検査
- 血漿浸透圧、血清Na値、血漿レニン値は軽度上昇する。
- 高張食塩水負荷試験
- 5%食塩水を0.05ml/kg/分の速度で投与する。中枢性尿崩症ではバゾプレッシンの分泌が低下、腎性尿崩症では軽度亢進する。
- デスモプレッシン負荷試験
- デスモプレッシンを負荷し、尿量が減少するか検査する。減少すれば中枢性尿崩症、減少しなければ腎性尿崩症である。
- MRI
- 中枢性尿崩症では下垂体後葉の信号が低下し、前葉とほぼ同一となる。また、続発性尿崩症では原疾患の存在を検査することも可能である。
診断
尿浸透圧を検査し、糖尿病かそうでないかを鑑別する。その後、高張食塩水負荷試験やデスモプレッシン負荷試験によって中枢性か腎性かを鑑別する。また、バゾプレッシンとは無関係に多尿を引き起こす心因性多飲症は、血清Na値や血漿レニン値が低下していることや高張食塩水負荷試験で健常人と同様の反応を示すことで鑑別できる。
治療
中枢性尿崩症ではデスモプレッシンを点鼻投与する。腎性尿崩症では水補給や原因疾患の治療で対処する。腎性尿崩症においては、尿量を減らす目的でサイアザイド系利尿薬を使用することもある。これはサイアザイドが糸球体濾過量(GFR)を減少させ、近位尿細管での水・電解質の再吸収を促進する作用があるためである。
予後
中枢性尿崩症は妊娠や脳手術に伴う一過性のものを除いて通常永続する。腎性尿崩症は続発性であれば治癒可能な場合もある。
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
- 1. 多尿および尿崩症の診断 diagnosis of polyuria and diabetes insipidus
- 2. 中枢性尿崩症の治療 treatment of central diabetes insipidus
- 3. 腎性尿崩症の臨床症状および原因 clinical manifestations and causes of nephrogenic diabetes insipidus
- 4. 腎性尿崩症の治療 treatment of nephrogenic diabetes insipidus
- 5. 中枢性尿崩症の臨床症状および原因 clinical manifestations and causes of central diabetes insipidus
Japanese Journal
- WFS1複合ヘテロ変異を認めたWolfram症候群女性の長期予後と医療管理
- 藤巻 理沙,岩崎 直子,山本 弥生,花井 豪,佐藤 麻子,谷澤 幸生,岩本 安彦
- 東京女子医科大学雑誌 81(E2), E241-E246, 2011-03-31
- … DIMOADMIM#222300)は、尿崩症、若年発症の糖尿病と視神経萎縮、感音性難聴を主徴とする常染色体劣性遺伝疾患である. … 症例は女性.7歳時に糖尿病と尿崩症と診断され、18歳時当院初診時には視神経萎縮と難聴を、また21歳時に神経因性膀胱を、さらに44歳時からは神経精神症状と中枢神経症状を認めた.経過中は毎年1回入院し、病状の評価ならびに治療内容の確認を続けた. …
- NAID 110008441475
- 今月の症例 食道アカラシア手術後に著明な高ナトリウム血症を呈し顕在化した尿崩症の1例
- 電解質異常(低カリウム血症,高カルシウム血症) (特集 腎障害をきたす全身性疾患--最近の進歩)
- 今月の症例 IgG4関連硬化性疾患による下垂体炎から中枢性副腎不全,中枢性尿崩症を発症した1型糖尿病の1例
Related Links
- 尿崩症(にょうほうしょう、Diabetes insipidus; DI)とは、バソプレッシンの合成または 作用の障害により水保持機構が正常に働かず、多尿となる疾患のことである。英語は 糖尿病と違って尿が無味であることから名前がつけられた(Diabetes=尿、Insipidus= 無味) ...
- 家庭医学館 尿崩症の用語解説 - [どんな病気か] 体内の水分が、どんどん尿として排泄 (はいせつ)されてしまう病気が尿崩症です。 このため脱水(だっすい)状態となり、のど が渇いて頻繁(ひんぱん)に飲料を飲むようになります(多飲(たいん))。 しかし、 ...
- 尿崩症とは尿量を調節してからだの水分バランスを保つ抗利尿ホルモンの分泌低下 または作用障害で体内への水分の再吸収が低下し、多尿となる病気です。喉の乾き、多 飲、多尿[1日3リットル以上]が主な症状です。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 35歳の男性。口渇を主訴に来院した。生来健康であったが、1か月前から口が異常に渇き、お茶やジュースなどを1日約5リットル飲むようになった。尿量も多く、夜間に3回以上排尿のために覚醒するので睡眠も障害されるようになった。意識は清明。身長172cm。体温36.7℃。脈拍80/分、整。血圧120/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。尿量4,500mg/dl。血液所見:赤血球520万、Hb14.5g/dl、Ht48%、血小板25万。血液生化学所見:血糖85mg/dl、HbA1c 5.2%(基準4.3~5.8)、総蛋白7.2g/dl、アルブミン5.2g/dl、尿素窒素24.0mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、尿酸7.5mg/dl、総コレステロール215mg/dl、AST32IU/l、ALT28IU/l、LDH220IU/l(基準176~353)、Na147mEq/l、K4.2mEq/l、Cl1O5mEq/l、Ca9.2mg/dl、P4.0mg/dl、尿浸透圧:デスモプレシン(DDAVP)5μg点鼻投与前160mOsm/l、投与後460mOsm/l。
- この患者にみられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102I055]←[国試_102]→[102I057]
[★]
- 19歳の女性。半年前から出現した右眼の視力低下と1週前から続く易疲労感とを主訴に来院した。意識レベルはJCS I-3。身長162cm、体重47kg。体温36.2℃。脈拍72/分、整。血圧 100/64mmHg。頭部造影MRIのT1強調冠状断像と矢状断像とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A027]←[国試_103]→[103A029]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103I034]←[国試_103]→[103I036]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [098H018]←[国試_098]→[098H020]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097G085]←[国試_097]→[097G087]
[★]
- 下垂体視交叉部に発生する腫瘍とその症候について適切な組み合わせはどれか
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107B027]←[国試_107]→[107B029]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [114C033]←[国試_114]→[114C035]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [109I026]←[国試_109]→[109I028]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108C004]←[国試_108]→[108C006]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105F013]←[国試_105]→[105F015]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 英
- autoimmune hepatitis AIHA, AIH
- 関
- 類狼瘡肝炎(ルポイド肝炎)、難病
まとめ
- 中年の女性に好発する慢性経過の肝炎であり、自己免疫機序が関与していると考えられる。HLA-DR4陽性例に多いといわれている。診断は除外診断であり、ウイルス性肝炎や原発性胆汁性肝硬変などをを除外する。
概念
疫学
- 男女比=1:7で女性に多く、発症は10-30歳での発症もみられるが、多くは40歳以降。
病型
病型と病態
- LAB.894
- II型は抗LKM-1抗体の存在で特徴づけられる
- IIa型は女性に多く、高力価を示し、肝硬変への進展が早い
- IIb型は中年男性に多く、力価はそれほど高くない
病態生理
- 自己免疫機序により肝細胞が障害されるらしいが、詳細は不明である。
病理
症状
- 自覚症状に乏しく、血液検査で偶然発見される
- 肝障害:黄疸、全身倦怠感、食欲不振。重症例では腹水、肝性脳症、肝不全。
検査
- AST, ALT:高値
- γ-グロブリン:高値(2g/dl以上)
- 免疫グロブリンG:高値(2g/dl以上)
- ウイルスマーカー:陰性 (除外診断)
- 抗核抗体:I型で陽性
- 抗平滑筋抗体:I,IV型で陽性
- 抗LKM-1抗体:II型で陽性
- 抗SLA抗体:III型で陽性
- 肝生検:piecemeal necrosisの所見をもつ慢性肝炎の像
診断基準
- 参考3
診断
- 病歴により、アルコール性肝炎、薬物性肝障害、超音波検査にて脂肪肝を除外。
- 免疫血清学検査を行いウイルス性肝炎を除外。自己抗体や免疫グロブリンの変動、サブタイプの変動をみて絞り込み、病理組織学検査で確定診断する。
鑑別疾患
治療
- 副腎皮質ステロイドが著効する
- ステロイド:十分量の後、維持量を継続する
- ウルソデオキシコール酸:ステロイドの減量に有効。また、軽症例での経過観察に用いられる(IMD)。
- 免疫抑制薬:(ステロイド抵抗性例に対して)アザチオプリン
- インターフェロンは自己免疫を賦活化させる方向に作用するので不適
合併症
肝癌:ウイルス性肝炎よりも発癌リスクが少なく、肝細胞癌のリスクへの影響はあるとはいえない。
- 自己免疫疾患:ウイルス肝炎でもありうるが、自己免疫性肝炎の方がより高頻度で起こる(ウイルス性肝炎(22%)vs自己免疫性肝炎(38%)(参考1))
参考
- 1. [charged] Extrahepatic manifestations of autoimmune hepatitis - uptodate [1]
- 2. 自己免疫性肝炎 - 難病情報センター
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/268
- http://jpma-nanbyou.com/Category.aspx?view=c&oid=10&sid=3&kid=1
- http://www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-b5.html
[★]
- 英
- hypercalcemia
- 同
- 高Ca血症
- 関
- カルシウム、低カルシウム血症
- 研修医当直御法度 症例帳 p.32
- 組織へのカルシウム蓄積を引き起こしうる (BPT.27)
病因
- 肉芽の構成成分であるマクロファージがビタミンD3を産生?
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → ループ利尿薬と違ってチアジド系利尿薬ははCaを排泄しない!! see.利尿薬
- 5. 家族性低Ca尿性高Ca血症
- 6. その他(リチウム???? (ICU.558))
- ECGP.223
USMLEより
- Caused by calcium ingestion (milk-alkali syndrome), hyperparathyroid, hyperthyroid, iatrogenic (thiazides), multiple myeloma, Paget's disease, Addison's disease, Neoplasms, Zollinger-Ellison syndrome, Excess vitamin D, Excess vitamin A, sarcoidosis.
- Calcium ingestion
- Hyperparathyroid/Hyperthyroid
- Iatrogenic
- Multiplemyeloma
- Paget's disease
- Addison's disease
- Neoplasms
- Zollinger-Ellison syndrome: ZES単独ではなく、MEN Iによるparathyroid tumorに続発した病態
- Excessive vitamin D
- Excessive vitamin A
- Sarcoidosis
定義
- 疑い:常に≧10.3 mg/dl
- 確実:≧10.5 mg/dl
↑
基準値
- 血清総Ca 8.6-10.1 mg/dl(臨床検査法提要第32版)
- 血清Caイオン 1.15-1.30 mmmol/l(臨床検査法提要第32版), 4.6-5.1 mg/dl
症候
- 軽度(11-11.5 mg/dL):通常は無症状。(HIM.285)
- 重度(>12-13 mg/dL):傾眠、昏迷、昏睡、消化器症状が出現。(HIM.285)
- 精神・神経症状:錯乱、昏迷、昏睡。イライラ感、うつ傾向(QB.D-339)
- 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐、便秘。膵炎、消化性潰瘍。腹部膨満(腸管運動抑制による(QB.D-339))
- 消化性潰瘍:高カルシウム血症は胃酸分泌を促進する
- 急性膵炎:高カルシウム血症は膵液の分泌を亢進する。(YN.B-78) ← 過剰に出ちゃうと炎症が起こってしまうらしい
- 泌尿器:多尿、腎結石(血清Ca 12mg/dLでできやすくなるらしい) ← 多尿は浸透圧利尿による(ICU.558)
-
- 腎不全は一般的に低カルシウム血症となるが、高カルシウム血症に起因する腎不全は例外。
- →高カルシウム血症性腎症 hypercalcemic nephropathy
- 腎の石灰化→髄質に蓄積→尿細管圧迫→尿濃縮力障害 ← 続発性尿崩症の原因???
- 高カルシウム血症は腎の濃縮力を低下させる(HIM.286) ← 腎集合管におけるADHの作用を阻害(QB.D-339)
- 心血管:血管収縮による高血圧(出典不明!!)。徐脈、房室ブロック、QT短縮(HIM.284)。 ← YN.D-147には血圧上昇、ICU.558には低血圧とある。
- 筋 :筋力低下、筋痛
- 全身:易疲労感
- 異所性石灰化 red eye 強膜にカルシウムが沈着
- 多尿による脱水、高血圧、徐脈
心電図
- EAB.114 SP.94,524
- QT短縮、ST短縮 ← 活動電位持続時間が短縮したことを示す。QRS幅については延長する場合もある(EAB.114)
- ↑細胞外カルシウム濃度→↑内向きカルシウム電流(↑流入速度)→さらに脱分極するように思えるが↑外向きカリウム電流により打ち消される→正味、カルシウムの移動が無くなるまでの時間が早まる→↓活動電位持続時間
- 高カルシウム血症→QT短縮: ←高カリウム血症
- 低カルシウム血症→QT延長: ←低カリウム血症 低マグネシウム血症
治療
- 症状が出たときか、症状無く血清Ca 14mg/dL以上の場合(ICU.558)
- 1. 細胞外液の補充
- 2. ナトリウム利尿によるカルシウム排泄の促進
血液透析
高カルシウム血症の鑑別
尿中のCa排泄 PTH PTHrP 1,25(OH)2D3
原発性甲状腺機能亢進症 ↑ ↑ ↓ → or ↑
腫瘍のPTH関連蛋白分泌 ↑ ↓ ↑ ↓
腫瘍の骨破壊 ↑ ↓ ↓ ↓
肉芽腫症 ↓ ↓ ↓ → or ↑
参考
国試
[★]
- 英
- hereditary disease
- 関
- 先天性疾患
- 世代を通じて配偶子に伝えられる疾患。家族性発生をみる。
- 遺伝性疾患は必ずしも先天性疾患ではない。
- 例:Huntington病
遺伝性疾患
常染色体優性遺伝
常染色体劣性遺伝
伴性劣性遺伝
伴性優性遺伝
[★]
- 英
- hyperuricemia
- 同
- 尿酸過剰血症
- 関
- 尿酸 uric acid、血清尿酸、痛風
概念
- 尿酸の血漿中溶解度を考慮し、男女を問わず血清尿酸値7.0mg/dlを超える状態(医学事典)
病因
-
- von Gierke病
- 多血症、慢性骨髄性白血病 ← 乳酸過多による尿酸クリアランスの低下???、核酸分解産物の増加
- 続発性:利尿薬(サイアザイド系利尿薬、ループ利尿薬(フロセミド))
HIM.2445
-
ガイドライン
- http://www.tukaku.jp/tufu-GL2.pdf
治療
治療開始基準
- 腫瘍崩壊症候群の予防
- 無症候性持続性高尿酸血症(9mg/dl) ← これをトリガーにして治療するのは、ないわー、と言われている。
生活食事療法
回避すべき食習慣
- 肉(レバー、ホルモン、砂肝など)、魚類(エビ、カツオなど)、菓子パンの過剰摂取
- ビール、紹興酒など酒類: (禁酒週に2回。1日ビール500ml以下、日本酒1合以下、ウイスキー60ml以下
- 果糖/ジュースの採りすぎ
- カロリーの過剰摂取
尿酸を下げる食事
参考
- http://www.nmt.ne.jp/~nagioo/gout.htm
[★]
- 63歳 女性
- 主訴:口渇と頻尿
- 来院のきっかけ:(GPから)多尿の精査のために泌尿器科医に紹介された。
- 症状:
- (主訴にまつわる症状)
- ・多尿:(発症時期)4週間前。(発症様式)突然。(頻度)一晩に5回排尿
- (主訴以外の症状)
- ・全身倦怠感:3ヶ月間体中調子悪い。
- ・背部痛:
- ・体重減少:3ヶ月前から3kg体重減少。
- ・頭痛、悪心:朝に悪心と持続する前頭部の頭痛。(増悪因子)臥床、咳嗽。
- 既往症:8年前、乳癌のために乳房切断術と放射線照射をうけた。
- 職業歴:市に公務員に勤めていたが、現在は退職している。
- 嗜好歴:喫煙歴無し。飲酒は10 units/week
- 服薬歴:なし
- 身体所見 examination
- 全身:やせている。筋肉は萎縮(muscles are wasted)。
- 循環器系:脈拍 72 /分、血圧 120/84 mmHg、頚静脈怒張なし。I, II音に亢進減弱無く、過剰心音、雑音を認めない。
- 四肢:浮腫なし
- 呼吸器系、腹部、神経系に異常所見なし。
- 眼:眼底に乳頭浮腫を認める。
- 検査所見 investigations
- 高値:Ca(軽度高値)、アルカリホスファターゼ
- 尿検査:蛋白(-)、血尿(-)
- frequency n.頻尿
- pass urine 排尿する
- servant n. 公務員
- mastectomy 乳房切断術
- 乳癌が脳に転移し、視床下部に浸潤・圧迫し尿崩症を来している。頭痛・悪心は頭蓋内圧によるもので、眼底の乳頭浮腫はこれを指示している。また、朝の頭痛は頭蓋内圧亢進症に特徴的らしい。また、咳や体位により増悪するのも頭蓋内圧の亢進によるものということを支持している。背部痛があるので、胸椎から腰椎に骨転移しており、骨破壊によりCa, AlP上昇を来していると理解される。
- 尿崩症:尿比重、血液検査、
- 頭蓋内圧亢進症:頭部MRI。利尿剤によって頭痛が軽快するか検査。
- 骨転移:胸部or腰部MRI。ガリウムシンチグラフィーで全身の転移巣を精査。
[★]
- 英
- masked diabetes insipidus, masked DI
- 関
- 尿崩症
[★]
- 英
- antidiuretic hormone-resistant diabetes insipidus, ADH-resistant diabetes insipidus
- 関
- 抗利尿ホルモン
[★]
- 英
- neurogenic diabetes insipidus
- 関
- 中枢性尿崩症、神経原性尿崩症
[★]
- 英
- neurogenic diabetes insipidus
- 関
- 中枢性尿崩症、神経性尿崩症
[★]
- 英
- drug-induced diabetes insipidus
[★]
- 英
- sis, pathy