- 英
- desmopressin
- 同
- 1-desamino-8-D-arginine vasopressin, DDAVP, 1-deamino-8-D-arginine vasopressin、デアミノアルギニンバソプレッシン デアミノアルギニンバソプレシン deamino arginine vasopressin
- 化
- 酢酸デスモプレシン desmopressin acetate
- 商
- Stimate、デスモプレシン点鼻薬、デスモプレシン注、ミニリンメルト
- 関
- バソプレシン。脳下垂体ホルモン剤
- アルギニンバソプレシン誘導体;尿崩症治療薬
- 副作用の発現がバソプレシンより少ないが、水中毒にはやはり注意する必要がある。(QB.D-257)
|
I. NATURALLY OCCURRING VASOPRESSIN-LIKE PEPTIDES?
|
??A. Vertebrates?
|
A?
|
W?
|
X?
|
Y?
|
Z?
|
????1. Mammals
|
??????? Arginine? vasopressin* (AVP) (human beings and other mammals)
|
NH2
|
Tyr
|
Phe
|
Gln
|
Arg
|
???????Lypressin* (pigs, marsupials)
|
NH2
|
Tyr
|
Phe
|
Gln
|
Lys
|
???????Phenypressin (macropodids)
|
NH2
|
Phe
|
Phe
|
Gln
|
Arg
|
????2. Nonmammalian vertebrates
|
Vasotocin
|
NH2
|
Tyr
|
Ile
|
Gln
|
Arg
|
??B. Invertebrates?
|
????1. Arginine conopressin (Conus striatus)?
|
NH2
|
Ile
|
Ile
|
Arg
|
Arg
|
????2. Lysine conopressin (Conus geographicus)?
|
NH2
|
Phe
|
Ile
|
Arg
|
Lys
|
????3. Locust subesophageal ganglia peptide
|
NH2
|
Leu
|
Ile
|
Thr
|
Arg
|
II. SYNTHETIC VASOPRESSIN PEPTIDES?
|
??A. V1-selective agonists?
|
????1. V1a-Selective Agonist [Phe2, Ile3, Orn8]AVP
|
NH2
|
Phe
|
Ile
|
Gln
|
Orn
|
????2. V1b-Selective Agonist Deamino [D-3-(3'-pyridyl)-Ala2]AVP
|
H
|
D-3-(3'-pyridyl)-Ala2
|
Phe
|
Gln
|
Arg
|
??B. V2-selective agonists?
|
????1. Desmopressin* (DDAVP)
|
H
|
Tyr
|
Phe
|
Gln
|
D-Arg?
|
????2. Deamino[Val4, D-Arg8]AVP
|
H
|
Tyr
|
Phe
|
Val
|
D-Arg?
|
III. NONPEPTIDE AGONIST?
|
A. OPC-51803?
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- デスモプレシン投与前後の哺乳量制限により血清Na値をコントロールできた中枢性尿崩症の乳児例
- 井澤 雅子,永沼 卓,有安 大典,宮本 純子,横山 哲夫,長谷川 行洋
- 日本小児科学会雑誌 114(4), 694-698, 2010-04-01
- NAID 10026277920
- マウスにおけるデスモプレシン誘発水分貯留に対する香り成分の作用
- 森元 康夫,柴田 裕次郎
- YAKUGAKU ZASSHI 130(7), 983-987, 2010
- Although fragrances are often used in aromatherapy for the treatment of edema, few studies on their diuretic and/or antiedematous activities have been performed. In this study, the effects …
- NAID 130000308764
- 血液凝固因子製剤 (vWF, fibrinogen, factor XIII)
- 鈴木 隆史
- 日本血栓止血学会誌 = The Journal of Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis 20(1), 3-5, 2009-02-01
- … Points(1)VWDの止血療法にはコンファクト®Fあるいはデスモプレシン注4協和®が使用される.(2)フィブリノゲン低下・異常症にはフィブリノゲンHT-Wfあるいは新鮮凍結血漿が有効である.(3)先天性第XIII因子低下・欠損症の止血にはフィブロガミン®Pが用いられ,出血予防に定期輸注が有効である.(4)第XIII因子活性が70%以下に低下した縫合不全や瘻孔,90%以下に低下したシェーンライン・ヘノッホ紫斑病にフィブ …
- NAID 10026117029
- 生体腎移植後に不完全型中枢性尿崩症と診断された1例
- 山口 邦久,岡 夏生,井崎 博文,高橋 正幸,福森 知治,金山 博臣,菅 政治
- 泌尿器科紀要 54(7), 493-496, 2008-07
- … デスモプレシン点鼻の開始により尿量は減少し, 体重, 血清クレアニチン値も安定した。 … 現在もデスモプレシンの点鼻投与を継続し, 経過順調であった。 …
- NAID 120001178085
Related Links
- デスモプレシンとは?効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり 110番:薬事典版)
- 2010年1月8日 ... 一般名はデスモプレシン酢酸塩水和物(Desmopressin acetate hydrate)と言う医薬品です 。脳の下垂体から分泌されて、尿量を調節する抗利尿ホルモン「バソプレシン」と同じ ような働きを持ちます。腎の尿細管における水の再吸収を促して尿を ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
デスモプレシン点鼻液0.01%協和
組成
- デスモプレシン点鼻液0.01%協和は、1瓶2.5mL中に次の成分を含有する。
有効成分
- デスモプレシン酢酸塩水和物※250μg
- ※旧一般的名称:酢酸デスモプレシン
添加物
- 日局クロロブタノール、日局塩化ナトリウム、pH調整剤
効能または効果
小児
- 通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回2.5μg〜5μg(0.025〜0.05mL)を1日1〜2回鼻腔内に投与する。
投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減する。
成人
- 通常デスモプレシン酢酸塩水和物として1回5μg〜10μg(0.05〜0.1mL)を1日1〜2回鼻腔内に投与する。
投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減する。
(鼻腔内投与法)
慎重投与
- 高血圧を伴う循環器疾患、高度動脈硬化症、冠動脈血栓症、狭心症の患者[血圧上昇により症状を悪化させるおそれがある。]
- 下垂体前葉不全を伴う患者[病状が不安定なため、水中毒等が発現しやすい。]
- アレルギー性鼻炎を起こしたことのある患者
- 鼻疾患を有する患者[鼻腔内投与のため吸収が安定しないおそれがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
重大な副作用
- 脳浮腫、昏睡、痙攣等を伴う重篤な水中毒があらわれることがあるので、過量な水分の摂取には十分注意し、
異常が認められた場合には投与を中止し、高張食塩水の注入、フロセミドの投与等の適切な処置を行うこと。(頻度不明:国外報告、国内自発報告に基づく)
薬効薬理
薬効薬理5)〜7)
- 腎の尿細管における水の再吸収を促進し、抗利尿ホルモン(バソプレシン)不足による尿濃縮能の低下を回復させる。また、バソプレシンと比較して次の3つの作用特性を示す。
- 抗利尿作用が、長時間持続する。
- 血管収縮作用(昇圧作用)が極めて弱く、他の平滑筋に及ぼす影響も少ない。
- 鼻腔内投与で確実な抗利尿効果を発現する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- デスモプレシン酢酸塩水和物 Desmopressin Acetate Hydrate
化学名
- 1-Deamino-8-D-arginine-vasopressin acetate trihydrate
略名
分子式
- C46H64N14O12S2・C2H4O2・3H2O=1183.31
性状
溶解性
- 水、メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 45歳の男性。全身倦怠感と頭痛とを主訴に来院した。1か月前から全身倦怠感があり、徐々に増悪してきた。2日前から頭痛が出現した。食欲は良好。下痢と嘔吐とはない。意識は清明。身長 162cm、体重 58 kg。体温36.1℃。脈拍72/分、整。血圧 126/80mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。尿所見:浸透圧 420 mOsm/kg(基準200~850)、蛋白(-)、糖(-)、Na 排泄量43mEq/日(基準220以下)。血液所見:赤血球400万、Hb 12.2g/dl、Ht 38%、白血球 6,200、血小板 23万。血液生化学所見:空腹時血糖 124mg/dl、総蛋白 7.2g/dl、クレアチニン 0.3mg/dl、AST 20 IU/l、ALT 32 IU/l、LD<LDH> 230IU/l(基準176~353)、ALP 220 IU/l(基準115~359)、Na 118 mEq/l、K 4.3 mEq/l、Cl 82 mEq/l、Ca 9.2 mg/dl、P 3.0 mg/dl、TSH 2.4μU/ml(基準0.2~4.0)、ACTH 62 pg/ml(基準60以下)、FT3 3.2 pg/ml(基準2.5~4.5)、FT4 1.6 ng/dl(基準0.8~2.2)、コルチゾール 8.5 μg/dl(基準5.2~12.6)。血漿レニン活性<PRA> 1.5 ng/ml/時(基準1.2~2.5)。血漿浸透圧 258 mOsm/kg(基準275~290)、抗利尿ホルモン<バソプレシン> 1.2 pg/ml(基準0.3~3.5)。
- 対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103I066]←[国試_103]→[103I068]
[★]
- 42歳の女性。多尿と易疲労感とを主訴に来院した。1年前の離婚を契機に、頻回に飲水を行うようになった。夜間の排尿は1回軽度、日中は30分から1時間ごとである。意識は清明。身長165cm、体重46kg。脈拍64/分、整。血圧96/62mmHg。胸部と腹部とに異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。尿浸透圧検査:来院時 120mOsm/kgH20、水制限試験後 650mOsm/kgH20、バソプレシン5単位皮下注射後 680mOsm/kgH20。
- 治療として適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D033]←[国試_104]→[104D035]
[★]
- 5歳の男児。半年前から鼻出血を繰り返すため来院した。他部位に出血傾向は認めない。体温36.6℃。脈拍88/分、整。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常はない。心雑音はなく、呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触れない。血液所見:赤血球380万、Hb10.4g/dl、白血球8,000、血小板15万、出血時間10分(基準7分以下)、プロトロンビン時間12秒(基準10~14)、APTT56.4秒(基準対照32.2)、血小板粘着能に軽度の低下がみられる。
- 止血療法に最も適しているのはどれか
[正答]
※国試ナビ4※ [100F037]←[国試_100]→[100F039]
[★]
- 英
- vasopressin VP
- 同
- バゾプレッシン, arginine vasopressin AVP、抗利尿ホルモン antidiuretic hormon ADH
- 商
- ピトレシン Pitressin
- 関
- デスモプレシン、尿細管
[show details]
分類
性状
産生組織
- PED. 1328
標的組織
- 腎臓の集合管
- 腎臓の細い上行脚、太い上行脚、接合尿細管にも作用する (SP.816)
生理作用
- 血管平滑筋の収縮(V1受容体)
- V1受容体は抗利尿作用を示すより大用量で動作(SAN.189) ← 生理的な量では血管収縮による血圧上昇はない。
- 髄質内層集合管で尿素の再吸収を高める(SP.817)
作用機序
抗利尿作用
|
集合管上皮細胞
|
V2R
|
血管平滑筋収縮(昇圧作用)
|
血管内皮
|
V1R
|
分泌調節
- 血漿浸透圧↑、循環血漿量↓→分泌↑ ( 出血 )
- 血漿浸透圧↓、循環血漿量↑→分泌↓ ( 水の大量摂取 )
ADH分泌促進/作用増強する薬物
- QB.D-331
ADHの作用を修飾する物質
- 糖質コルチコイド:水代謝作用(水利尿):GFR↑させたりADHに拮抗することで細胞内への水移動を抑制する
癌患者とADH
- 日腎会誌 2012:54(7):1016-1022
- Ellison DH, Berl T. Clinical practice. The syndrome of inappropriate antidiuresis. NEJM. 2007;356:2064-2072. PMID 17507705
- 異所性ADH産生腫瘍、抗悪性腫瘍薬の副作用、手術侵襲、嘔気・嘔吐、疼痛
分子機構
ここまで、2007後期生理学授業プリント&想像 でまとめた
- 集合管の上皮の基底側に発現していると思われるV(75%){2};Rを介して、アクアポリン2(AQP2)が発現して尿細管腔側に局在、アクアポリン2から水を細胞内に取り込み、アクアポリン3を介して細胞基底側(血管腔)に水が移動する (2007後期生理学授業プリント, SP.817 図12-63)
- 以下の記述と矛盾する気がする・・・
- 水輸送体apuaporin1(AQP1)に作用して集合管における水透過性を高める(SP.817)。
効能又は効果
- ピトレシン注射液20
薬効薬理
- ピトレシン注射液20
- 遠位尿細管における水の再吸収を促進することにより、抗利尿作用を発揮する1)。
- 腹部内臓の細動脈を収縮させ、門脈血流を減少させるので、一時的に門脈圧が下降するため、門脈圧亢進による食道出血時に止血作用を発揮する。
副作用
- ピトレシン注射液20
- 血管収縮による血圧上昇、狭心症、腹痛がありうる。(QB.D-357)
- 重大な副作用:ショック、横紋筋融解症、心不全・心拍動停止、精神錯乱・昏睡、水中毒、中枢神経障害(中心性橋脱髄症)、無償、心室頻拍
禁忌
- ピトレシン注射液20
- 1. 本剤の成分に対しアナフィラキシー又は過敏症の既往歴のある患者
- 2. 冠動脈硬化症 (心筋梗塞症、狭心症等) の患者[心筋虚血を延長させることがある。]
- 3. 急速な細胞外水分の増加が危険となるような病態 (心不全、喘息、妊娠中毒症、片頭痛、てんかん等) のある患者[水中毒を起こすことにより、それらの病態を悪化させるおそれがある。]
- 4. 血中窒素貯留のある慢性腎炎の患者[水分貯留を起こすことにより、血中窒素の排泄が抑制されるおそれがある。]
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2414402A1035_1_02/2414402A1035_1_02?view=body
臨床検査
基準値
- 0.3-4.2pg/ml (RIA2抗体法) (検査の本)
- 0.3-4.0pg/ml (RIA2抗体法) (LAB.695)
[★]
- 英
- syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone, (国試)SIADH
- syndrome of inappropriate secretion of antidiuresis, SIAD
- 同
- 抗利尿ホルモン不適合分泌、ADH不適合分泌症候群 inappropriate antidiuretic hormone secretion inappropriate secretion of antidiuretic hormone syndrome inappropriate ADH syndrome IADHS、シュワルツ・バーター症候群 Schwartz-Bartter syndrome。抗利尿ホルモン分泌異常症。不適切ADH分泌症候群
- syndrome of inappropriate ADH、syndrome of inappropriate ADH secretion、syndrome of inappropriate antidiuretic hormone、syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion、syndrome of inappropriate diuresis、syndrome of inappropriate secretion of ADH、syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone
- 関
- バソプレシン AVP
病因
- 1. 抗利尿ホルモンが分泌される血漿浸透圧の閾値が異常となっている ← セットポイントの異常
- 2. 何らかの原因によって、恒常的に抗利尿ホルモンが分泌されている
HIM.2222改変
- 癌腫:肺、十二指腸、膵臓、卵巣、膀胱・尿路系
- その他:胸腺腫、中皮腫、気管支腺腫、カルチノイド、gangliocytoma、ユーイング肉腫
- 頭部外傷
- 感染症
- 血管障害
- 神経疾患
- 先天奇形
- 代謝異常
- 薬剤性
病態生理
- なぜ、waterのreabsorptionが増えるにもかかわらず、血圧が上昇しないの?
- HIM.2222
- 何らかの原因による不適切な抗利尿ホルモンの分泌 → 水の過剰な保持 →
- 1. → 細胞外液の増加 → (1)糸球体濾過量の増加と心房性利尿ペプチドの分泌、(2)レニン活性の抑制(supresses plasma renin activity)、(3)尿ナトリウム排泄の増加
- 細胞外液の増加を相殺しているが、その代償としてナトリウムを喪失し、低ナトリウム血症の増悪に繋がっている。 ← このために血圧は正常で、浮腫も起きないし、体液量も増えないと。
- 2. → 低ナトリウム血症 → 脳を含めた全身の細胞内液の増加 → 頭蓋内圧が亢進 → 急性水中毒症状
- 2-3日で脳の組織から水が排除されて症状が寛解する。
- 上記メカニズムに追加。
- 3. 1.の通り、循環血漿量の増加を招き、RAA系抑制などが起こる → 近位尿細管でのNa、水吸収低下(近位尿細管でのNa再吸収にはアンジオテンシンIIが関与) → 尿酸の再吸収低下、尿排泄増加(近位尿細管での挙動はNa、水と同じ、らしい) → 低尿酸血症
症状
- 低ナトリウム血症に基づくもの
- 尿量は変化がない ← 水の再吸収が亢進しているため??
検査
診断基準
- 1.低ナトリウム血症:血清ナトリウム濃度は135mEq/Lを下回る。
- 2.血漿バゾプレシン値:血清ナトリウムが135mEq/L未満で、血漿バゾプレシソ値が測定感度以上である。
- 3.低浸透圧血症:血漿浸透圧は280mOsm/kgを下回る。 ← 基準値:275-295 mOsmol/kg serum water(HIM.A)
- 4.高張尿:尿浸透圧は300mOsm/kgを上回る。 ← 基準値:50-1200 mOsm/l (QB) , 500-800 mOsmol/kg water(HIM.A)
- 5.ナトリウム利尿の持続:尿中ナトリウム濃度は20mEq/L以上である。
- 6.腎機能正常:血清クレアチニンは1.2mg/dl以下である。
- 7.副腎皮質機能正常:早朝空腹時の血清コルチゾールは6μg/dl以上である。
鑑別診断
治療
- 参考1
- 1.根治療 : 原疾患の治療を行う。
- 2.水分摂取制限: 1日の総水分摂取量を体重1 kg当り15~20 mlに制限する。
- 3.Na摂取 :食塩を経口的または非経口的に1日200 mEq以上投与する。
- 4. 自由水排泄 :重症低ナトリウム血症(120 mEq/L以下)で中枢神経系症状を伴うなど速やかな治療を必要とする場合はフロセミドを随時10~20 mg静脈内に投与し、尿中ナトリウム排泄量に相当する3%食塩水を投与する。その際、橋中心髄鞘崩壊を防止するために1日の血清ナトリウム濃度上昇は10 mEq/L以下とする。
- 5.ADH拮抗阻害薬:異所性バゾプレシン産生腫瘍に原因し、既存の治療で効果不十分な場合に限り、成人にはモザバプタン塩酸塩錠(30 mg)を1日1回1錠食後に経口投与する。投与開始3日間で有効性が認められた場合に限り、引き続き7日間まで継続投与することができる。
- 6.ADH拮抗阻害薬:デメクロサイクリンを1日600~1,200 mg経口投与する。
- 注意:急速な低Na血症の補正は橋中心髄鞘崩壊 CPMをきたす。
- ADH拮抗薬としては抗菌薬のデメクロサイクリン(レダマイシン)や抗てんかん薬のジフェニルヒダントイン(フェニトイン)が使われることがあった
参考
- http://square.umin.ac.jp/endocrine/tebiki/001/001008.pdf
国試
- 同
- 不適切ADH分泌症候群
[★]
- 英
- diabetes insipidus DI
- 関
概念
- バソプレシンの不足または作用障害により腎集合管からの水分再吸収が低下し、多尿、口渇、多飲を来す疾患。
病型
障害部位
病因
-
- ニューロフィジンIIの遺伝子異常
- ADHレセプター異常症:V2受容体(伴性劣性遺伝)、アクアポリン2の異常(ほとんどが常染色体劣性遺伝)
- 頭蓋内占拠性病変:脳腫瘍
- 腎疾患:慢性腎不全、慢性腎盂腎炎、間質性腎炎、多発性嚢胞腎、閉塞性尿路疾患
- 電解質異常:低K血症や高Ca血症
- 薬物
- 続発性尿崩症の原因:脳腫瘍(50%)、外傷・ヒスチオサイトーシスX
疫学
- 日本の発症頻度は16人/人口10万人
- 病型:家族性2%、特発性43%、症候性55%/家族性1.6%、特発性42%、続発性56.4%(IMD)
- 性差:
- やや男子に多い。
- 家族性は女性に多く、他の型では男女比はほぼ等しい(平成5年厚生省特定疾患調査研究班報告書)
診断基準
- 参考1
症状
- 口渇
- 多飲 → 飲水量が十分でないと高ナトリウム血症、高浸透圧血症の引き金となる。
検査
- 血清ナトリウム濃度:正常高値~軽度高値
- 血清レニン濃度:正常高値~軽度高値
- 血漿浸透圧:高値
- 低張尿
負荷試験
画像検査
- [中枢性尿崩症]T1:(DI)低信号 ⇔ (健常者)高信号 ← T1で高信号になるものは脂肪、亜急性期の出血(メトヘモグロビン)、メラニン、高濃度蛋白質である。下垂体後葉が高信号を発するのは軸索中に高濃度のホルモンが存在するからなのか、軸索が集積しているためなのか、であろう。
診断(YN)
多尿 3000ml/day
|
|
|
|
|
↓
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|
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尿浸透圧
|
→
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→ 290 mOsm/kg以上
|
→
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浸透圧利尿
|
↓
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|
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|
↓水利尿
|
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|
|
|
↓
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|
血清ナトリウム濃度 血清レニン濃度
|
→
|
→ 低値
|
→
|
心因性多飲
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↓
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|
|
|
|
↓正常上限~軽度上昇
|
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|
|
↓
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|
水制限テスト バソプレシンテスト
|
→
|
→ 尿量不変、尿浸透圧不変
|
→
|
腎性尿崩症
|
↓
|
|
|
|
|
↓尿量減少、尿浸透圧上昇
|
|
|
|
|
↓
|
|
|
|
|
バソプレシン濃度(高張食塩水負荷時) MRIで基礎疾患の描出・T1で下垂体後葉の高信号の消失
|
|
|
|
|
↓
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|
|
|
|
中枢性尿崩症
|
|
|
|
|
治療
参考
- http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance.htm
- 2. MRI left:normal right:DI
- http://www.endotext.org/neuroendo/neuroendo2/figures/figure11.jpg
-diabetes insipidus
[★]
- 英
- von Willebrand disease, von Willebrand's disease, vWD, Willebrand's disease
- 同
- フォンヴィルブランド病、von Willebrand病、フォンウィルブラント病、フォンヴィルブラント病、フォンビルブランド病
- 関
- 血友病, フォンウィルブランド因子 vWF、血小板、FVIII
[show details]
- first aid step1 2006 p.300,301
概念
- フォンウィルブランド因子は血管内皮などから血漿に放出され、コラーゲン等の上に結合して血小板が凝集できるような足場を形成する。このため、血小板凝集に必須の補助因子である。また、血漿中で第VIII因子と結合しており、同因子の安定化に寄与している。
- フォンウィルブランド病では、フォンウィルブランド因子の量的減少、または質的異常により血小板の粘着が妨げられて、止血障害をきたす出血性の疾患である。
疫学
分類
- 自己免疫性:抗フォンウィルブランド因子抗体の出現により血中のフォンウィルブランド因子が減少することによる(後天性フォンウィルブランド病)。
遺伝形式
症状
- 幼児期から出現する。
- 鼻出血、紫斑、歯肉出血、消化管出血などの皮膚・粘膜出血。
- 関節や筋肉内の深部出血は通常みられない ⇔ 血友病
- その他、外傷後の止血遷延、血尿、女性では月経過多、分娩後異常出血。
検査
血液検査
血液凝固検査
- 出血時間:延長
- APTT:延長 第VIII因子活性が低下するため ←VWF は血中で第VIII因子と複合体をつくり、第VIII因子を安定化する作用をもつ
- PT:正常
血小板機能検査
- ADP凝集: 正常
- コラーゲン凝集:
- リストセチン凝集:低下
確定診断のための検査
治療
- VIII因子製剤:凝固能の回復
- デスモプレシン:I,II型に有効であり、血管内皮細胞からのフォンウィルブランド因子の放出を促す。
- ×血小板輸血 → 本質的な治療ではないから
- 新鮮凍結血漿は使われなくなっている、らしい。
参考
- http://grj.umin.jp/grj/von-willebrand.htm
- 2. 血友病とvon Willebrand 病の治療プロトコール - Haemophilia(2000), 6, (Suppl.1),84-93
- http://www.hemophiliagalaxy.org/professional/academic_article/haemophilia/pdf/H_02_supp_1_32.pdf
OMIM
- VON WILLEBRAND DISEASE, TYPE 1; VWD1 - OMIM
- Gene map locus 12p13.3
- http://us-east.omim.org/entry/193400
- VON WILLEBRAND DISEASE, TYPE 2; VWD2 - OMIM
- Gene map locus 12p13.3
- http://us-east.omim.org/entry/613554
- VON WILLEBRAND DISEASE, TYPE 3; VWD3 - OMIM
- Gene map locus 12p13.3
- http://us-east.omim.org/entry/277480
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