- 英
- alkaline phosphatase ALP AlP AP
- 関
- アルカリホスファターゼアイソザイム
局在
- 腎(近位尿細管)、小腸(粘膜上皮)、骨芽細胞、胎盤、肝(毛細胆管)、乳腺
- 細胞膜に局在し、膜を通してのリン酸の転送に関与しているらしい
基準値
- 260IU/L以下(流れが分かる実践検査マニュアル上巻 p.13)
- ALP1、ALP2:肝臓由来
- ALP3:骨由来(骨芽細胞) ← 成長ホルモンの分泌、体重負荷増大→骨芽細胞増殖→ALP3↑
- ALP4:胎盤由来 ← 妊娠
- ALP5:小腸粘膜。B型・O型の人が脂肪食を摂取すると上昇する
-アルカリフォスファターゼ
PrepTutorEJDIC
- antipersonnel / (またA.P.)Associated Press
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/29 12:18:25」(JST)
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アルカリホスファターゼ(Alkaline Phosphatase、略号:ALP ; EC 3.1.3.1)はアルカリ性条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する酵素である。最適pHは10.2である。
肝臓、腎臓、骨芽細胞、胎盤、小腸をはじめ、広く全身に分布するが、その大部分は細胞膜上に局在しており、その一部が血清中に放出されて、わずかに存在している。血清中に存在するALPのほとんどは肝臓型または骨型のALPである。血清中のALP濃度が上昇する場合には、これらの臓器の壊死や破壊に伴う修復活動として細胞再生が行われており、これに伴ってALPの合成亢進が行われ、血中への放出が進んだものと考えられる。前述の臓器に損傷があった場合いずれの場合もALP値の上昇を招きうるが、臨床検査ではALPは主として肝機能の指標の一つとして扱われることが多い。
遺伝子工学では、組み換え効率を高めるために制限酵素で切断したベクター末端をアルカリホスファターゼで処理する。
臨床検査[編集]
測定法[編集]
ALPの測定方法には、主なものでKind-King法、Bessey-Lowry法、GSCC法、SSCC法、JSCC法の5種類がある。自動分析装置の測定にはGSCC法以下の測定方法が適しているため、現在ではこれらの3つの方法の内のいずれかが用いられることが多い。
基準値[編集]
健常成人の通常の基準値は以下の通り。
- Kind-King法:3~10 KAU
- Bessey-Lowry法:0.8~2.9 BLU
- GSCC法:90~280 U/L
- SSCC法:70~260 U/L
- JSCC法:100~350 U/L
いずれも測定機関により変動があるので注意。 ALPは上述の通り、骨芽細胞にも多く存在するため、その活動が活発化している骨格形成期にあたる乳幼児~思春期にかけては基準値が大きく異なっている。骨折時にもALP値が上昇することが知られている。また、胎盤にも多く存在し、妊娠後期~分娩後数週間の血中濃度は基準値の数倍程度の高値を示す。
異常値[編集]
ALP異常値の場合、多くは肝障害が疑われる。特にASTやALTの上昇があまり見られないにもかかわらずALP値が上昇している場合には胆汁の鬱滞の可能性が高く、黄疸などを発症する場合が多い。また、肝臓や骨に癌がある場合もALPは上昇する。ALPが高値を示した場合、電気泳動などの方法でアイソザイムを特定することにより由来臓器を推定し、診断に役立てることも可能である。
異常低値の場合は亜鉛の欠乏も鑑別に上がる。
出典[編集]
- IUBMB entry for 3.1.3.1(英語)
- BRENDA references for 3.1.3.1 (英語)
- PubMed references for 3.1.3.1(英語)
- PubMed Central references for 3.1.3.1(英語)
- Google Scholar references for 3.1.3.1(英語)
外部リンク[編集]
- IUBMB entry for 3.1.3.1(英語)
- KEGG entry for 3.1.3.1(英語)
- BRENDA entry for 3.1.3.1(英語)
- NiceZyme view of 3.1.3.1(英語)
- EC2PDB: PDB structures for 3.1.3.1(英語)
- PRIAM entry for 3.1.3.1(英語)
- PUMA2 entry for 3.1.3.1(英語)
- IntEnz: Integrated Enzyme entry for 3.1.3.1(英語)
- MetaCyc entry for 3.1.3.1(英語)
- Atomic-resolution structures of enzymes belonging to this class(英語)
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Japanese Journal
- 26 ダイズ菌根共生における感染率とアルカリホスファターゼ活性の変動(関東支部講演会,2009年度各支部会)
- 血清アルカリホスファターゼ高値を認め, 頭痛, 胸痛, 左肩違和感を訴えた67歳の男性
- 高木 良介,宮下 知幸
- Memoirs of the Faculty of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (25), 17-24, 2010-3
- Departmental Bulletin Paper貝殻形成に関与するタンパク質の多くはカルシウム結合能を持ち、加えて様々な結合様式を呈する。その中で、翻訳後修飾が関与する機構は重要であり、主に2つの機構が考えられる。1つは糖鎖に結合した硫酸基を介するもので、もう1つはリン酸基を介するものである。これらの修飾を受けた部位は負電荷を持つためにカルシウムイオンを引き寄せる。本研究では、カルシウム結合 …
- NAID 120002187971
Related Links
- ALPとは、リン酸化合物を分解する酵素のことで、肝臓や骨、小腸などに含まれ、特に肝臓や胆道に障害があると、血液中に増加します。γ-GTP、LAPと同様に胆道系酵素と呼ばれ、肝・胆道疾患の指標とされています。
- γ-GTPとともに胆道系酵素と呼ばれ、肝臓や胆道系の障害時、骨病変で上昇します。ALTとも略されます。 ... 健康診断でアルカリホスファターゼを測る場合、γ-GTPと同様に血液検査で測定します。 アルカリホスファターゼは多く臓器の細胞の中 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、33、34の問いに答えよ。
- 62歳の女性。意識障害のため家族とともに来院した。
- 現病歴 : このところ忙しく便秘気味であった。昨夕から食事中に箸を落としたり、しばらくボーッとするなど、少し様子がおかしいことに家族が気付いた。
- 既往歴 : 30歳時分娩の際に大量出血をきたし輸血を受けた。病院に行くのが嫌いなため、その後血液検査を受けたことがない。
- 現症 : 意識はやや低下している。身長157cm、体重56kg。体温35.8℃。脈拍80/分、整。血圧146/82mmHg。眼球結膜に軽度の黄染を認める。胸部にくも状血管腫を認める。腹部は平坦、軟で、心窩部に肝を8cm触知する。脾は触知しないが、脾濁音界は拡大している。下肢に浮腫は認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [098F032]←[国試_098]→[098F034]
[★]
- 2歳6か月の女児。歩行障害と下肢の変形とを主訴に受診した。
- 母親の妊娠・出産歴に特記すべきことはない。7か月までは母乳で育てられ順調に成長していた。母親は患児を祖父に預けて農作業をしていた。祖父は病弱でほとんど外出することがなく、家の中で生活していた。
- 患児は1歳ころから肘をついて這っていた。1歳6か月ころから背部が突出する変形がみられ、さらに下肢の変形を伴い、歩行できないため受診した。
- 下肢の写真と手根骨エックス線写真とを以下に示す。
- この疾患の血清で低値が予想されるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [098D051]←[国試_098]→[098D053]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096G093]←[国試_096]→[096G095]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B036]←[国試_096]→[096B038]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B015]←[国試_096]→[096B017]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H035]←[国試_098]→[098H037]
[★]
- 食事摂取の影響を最も受ける血清生化学検査項目はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095E028]←[国試_095]→[095E030]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099B029]←[国試_099]→[099B031]
[★]
- 英
- laboratory data
- 関
- 臨床検査
変動要因
食事
- 影響ほとんどなし:総コレステロール( 肝臓で産生されるコレステロール >> 腸管から吸収されるコレステロール
- 影響有り
運動
体位
個体間の変動
- LAB.464
生活リズムによる変動
- LAB.464
[★]
- 英
- neutrophil (Z),neutrophile ,neutrophils
- 関
- 血液、血球、白血球
特徴
- マクロファージより貪食能が高い
- 非特異的感染防御に関与
- 寿命:1週間。(他の資料:1週間以内。血中で6-7時間,活性化時1-2日。)
- 好中球比率(対白血球):50-60%。文献によっては50-70%
- ケモカインによって走化能を示し、異物を貪食する
- 貪食→食胞形成→proteolysis (lysosome: 約30種類)
分化・成熟
骨髄芽球:顆粒なし
↓
前骨髄球:アズール顆粒出現
↓
骨髄球:好中球に特異な顆粒(ALP、リゾチーム)が出現
↓
後骨髄球:核が分葉。細胞分裂(-)
↓
桿状核球:末梢血中に現れる� ↓
↓
分葉核球:成熟細胞
顆粒
成長とリンパ球・好中球数
- PED.703
- リンパ球数は生後1ヶ月以降に増加して6ヶ月~1年でピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- これに対して好中球は生下時にピークとなり、以降減少して成人と同程度となる。
- 生後一ヶ月までは好中球優位であり、1ヶ月~2-6歳まではリンパ球優位となり、以降好中球優位となる。
臨床関連
- 末梢血好中球数1500/μl以下 、特に500/μl以下 (定義:[1])
- 末梢血好中球数7500/μ以上
- 慢性肉芽腫症:NADPH酸化酵素の異常による好中球の活性酸素産生障害をきたす疾患。常染色体劣性遺伝。
- チェディアック・東症候群:細胞内輸送蛋白(CHS1)の調節の異常により巨大顆粒の形成、殺菌性蛋白・溶菌性酵素の食胞内放出が障害され、また好中球の遊走能が低下する疾患。常染色体劣性遺伝。
[★]
- 63歳 女性
- 主訴:口渇と頻尿
- 来院のきっかけ:(GPから)多尿の精査のために泌尿器科医に紹介された。
- 症状:
- (主訴にまつわる症状)
- ・多尿:(発症時期)4週間前。(発症様式)突然。(頻度)一晩に5回排尿
- (主訴以外の症状)
- ・全身倦怠感:3ヶ月間体中調子悪い。
- ・背部痛:
- ・体重減少:3ヶ月前から3kg体重減少。
- ・頭痛、悪心:朝に悪心と持続する前頭部の頭痛。(増悪因子)臥床、咳嗽。
- 既往症:8年前、乳癌のために乳房切断術と放射線照射をうけた。
- 職業歴:市に公務員に勤めていたが、現在は退職している。
- 嗜好歴:喫煙歴無し。飲酒は10 units/week
- 服薬歴:なし
- 身体所見 examination
- 全身:やせている。筋肉は萎縮(muscles are wasted)。
- 循環器系:脈拍 72 /分、血圧 120/84 mmHg、頚静脈怒張なし。I, II音に亢進減弱無く、過剰心音、雑音を認めない。
- 四肢:浮腫なし
- 呼吸器系、腹部、神経系に異常所見なし。
- 眼:眼底に乳頭浮腫を認める。
- 検査所見 investigations
- 高値:Ca(軽度高値)、アルカリホスファターゼ
- 尿検査:蛋白(-)、血尿(-)
- frequency n.頻尿
- pass urine 排尿する
- servant n. 公務員
- mastectomy 乳房切断術
- 乳癌が脳に転移し、視床下部に浸潤・圧迫し尿崩症を来している。頭痛・悪心は頭蓋内圧によるもので、眼底の乳頭浮腫はこれを指示している。また、朝の頭痛は頭蓋内圧亢進症に特徴的らしい。また、咳や体位により増悪するのも頭蓋内圧の亢進によるものということを支持している。背部痛があるので、胸椎から腰椎に骨転移しており、骨破壊によりCa, AlP上昇を来していると理解される。
- 尿崩症:尿比重、血液検査、
- 頭蓋内圧亢進症:頭部MRI。利尿剤によって頭痛が軽快するか検査。
- 骨転移:胸部or腰部MRI。ガリウムシンチグラフィーで全身の転移巣を精査。
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- 英
- alkaline phosphatase isozyme ALP isozyme ALP iso
- 同
- ALPアイソザイム
- 関
- アルカリホスファターゼ
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- 英
- alkaline phosphatase reaction
- 同
- alkaline phosphatase反応
- 関
- アルカリホスファターゼ
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好中球アルカリホスファターゼスコア
[★]
好中球アルカリホスファターゼスコア
[★]
- 英
- alkali、alkaline
- 関
- アルカリ性、アルカリ属