- 英
- pancreatic juice
- 関
- 膵臓
概念
分泌量
構造
- 腺房細胞
- 消化酵素分泌、チモーゲン顆粒(+)
- 腺房細胞は隣接する細胞とGap junctionを形成
- →cAMP,Ca2+などは隣接細胞に拡散
- →腺房が分泌の機能単位
- 介在導管intercalated duct
- 一部は中心腺房細胞として腺房内に入り込んでいる。チモーゲン顆粒(-)
- 小葉内導管intralobular duct
- 小葉外導管extralobular duct
成分
- 陽イオン:Na+,K+(ほぼ血漿濃度)、Ca2+,Mg2+(濃度低い)
- 陰イオン:HCO3-(血漿濃度の4倍),
- Cl-,SO42-,HPO42-(濃度低い)
- なお、HCO3-とCl-は分泌速度依存的
- 膵液の分泌速度が速いとき、HCO3-↑、Cl-↓
- 膵液の分泌速度が遅いとき、HCO3-↓、Cl-↑
-
- 膵αアミラーゼ
- トリプシノーゲン
- キモトリプシノーゲン
- プロカルポキシペプチダーゼA,B
- プロエラスターゼ
- 膵リパーゼ(ステアプシン)
- コレステロールエステルヒドロラーゼ
- プロホスホリパーゼA2
- リボヌクレアーゼ
- デオキシリボヌクレアーゼ
生理的分泌調節機構
- 全食事中の約20%分泌
- 味覚・嗅覚(無条件性)、聴覚・視覚(条件性)→迷走神経(ACh作動性)→膵腺房→膵液分泌↑→胃G細胞→ガストリン↑
- 2-1. 胃壁伸展→迷走神経局所反射(Ach作動性)
- →膵腺房→膵液分泌↑ →胃G細胞→ガストリン↑
- 2-2. 食物ペプチド,アミノ酸→胃G細胞→ガストリン↑→膵液分泌↑
- 全食事中の約80%分泌
- 3-1. フェニールアラニン・脂肪酸,モノグリセリド→小腸I細胞→CCK↑→膵腺房→膵液分泌↑
- 3-2. 腸pH<4.5→小腸S細胞→セクレチン↑→導管→Na+,HCO3-分泌↑
- 3-3. アミノ酸,脂肪酸,→十二指腸粘膜→迷走神経反射→ACh↑→膵腺房→膵液分泌↑
電解質の分泌調節
- ACh(迷走神経),CCK→[Ca2+]i↑→K+,Cl-チャンネル活性化→血漿成分に近い電解質および酵素を分泌。すなわちCl-のみ分泌されるため、細胞間隙からNa+,H2Oが移動する結果等張となる。
- セクレチン→cAMP↑→Cl-チャンネル活性化→HCO3-/Cl-交換輸送→HCO3-分泌→電気的勾配に従ってNaが分泌される。
消化器ホルモンによる分泌調節
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/05/01 01:16:10」(JST)
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膵液(すいえき)は、膵臓で分泌される体液(消化液)である。三大栄養素の全てを消化できる。
食後、膵管から十二指腸へと出る。
消化酵素
- アミロプシン(アミラーゼ) - デンプンをマルトースに分解する。
- マルターゼ - マルトースをグルコースに分解する。
- ステアプシン(リパーゼ) - 胆汁で乳化された脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解する。
- トリプシン・キモトリプシン - タンパク質(ペプトン)を消化する。トリプシノーゲン、キモトリプシノーゲンの形で分泌され、腸液のエンテロキナーゼの作用で活性化する。カルボキシペプチダーゼとも呼ばれる。
- ヌクレアーゼ - 核酸を分解する。
UpToDate Contents
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- 1. 膵臓ステント留置術およびその合併症の概要 overview of pancreatic stenting and its complications
- 2. 膵管癒合不全の治療 treatment of pancreas divisum
- 3. 膵液瘻:臨床的特徴および診断 pancreatic fistulas clinical manifestations and diagnosis
- 4. 膵管内乳頭粘液性腫瘍の診断および治療 diagnosis and treatment of intraductal papillary mucinous neoplasm of the pancreas
- 5. 膵外分泌癌の治療における外科手術の概要 overview of surgery in the treatment of exocrine pancreatic cancer and prognosis
Japanese Journal
- 膵頭十二指腸切除術 (がん患者の周術期管理のすべて) -- (周術期管理の実際)
- 臨床と研究 膵頭十二指腸切除術後膵液瘻に対する血清アルブミン値とアルブミン製剤投与の意義
- ENPDチューブ留置での連続膵液採取による細胞診の小膵癌診断への有用性の検討
- 木村 公一,古川 善也,山崎 総一郎,香川 幸一,坂野 文香,花ノ木 睦巳,久留島 仁,松本 能里,山本 昌弘,辻田 英司,山下 洋市,藤原 恵
- 日本消化器病学会雑誌 108(6), 928-936, 2011
- … 置での膵液細胞診の有用性の検討を行った.対象は2005年5月から2009年2月に膵液細胞診目的にENPDを留置した157例.細胞診は原則3回行った.回数別感度は1回目0.35,3回目まで0.59で,3回目までで有意に感度が高かった(p<0.01).膵癌腫瘍サイズ別感度は,Tis・TS1 0.77,TS2 0.76,TS3 0.56,TS4 0で,4群間でp=0.01の有意差を認め,小膵癌で有意に感度が高かった.ENPD留置での膵液細胞診 …
- NAID 130000897177
- 胆石症の手術入院を契機として診断されたインスリノーマの1例
- 高橋 憲史,大矢 敏裕,松本 広志,多胡 賢一,清水 尚,沼賀 有紀,家里 裕,横森 忠紘,竹吉 泉
- 北関東医学 61(1), 63-68, 2011
- … 術後は難治性の膵液漏となり, 退院まで6か月を要したが保存的に治癒し, 現在外来で経過観察中である. …
- NAID 130000677719
Related Links
- 膵液. 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』. 移動: 案内, 検索. 膵液(すい えき)は、膵臓で分泌される体液(消化液)である。三大栄養素の全てを消化できる。 食後、膵管から十二指腸へと出る。 ...
- 膵臓(すいぞう、英: pancreas)は、脊椎動物の器官のひとつで、膵液と呼ばれる消化 酵素を ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 58歳の男性。3か月前から続く背部痛と左上腹部痛とを主訴に来院した。
- 20歳過ぎからアルコールを多飲している。
- 意識は清明。身長165cm、体重52kg。脈拍76/分、整。血圧112/78mmHg。腹部は平坦で、肝・脾は触知しない。背部の皮膚に異常を認めない。
- 血液所見:赤血球385万、Hb12.5g/dl、Ht36%、白血球5,800、血小板23万。
- 血清生化学所見:空腹時血糖112mg/dl、総蛋白7.2g/dl、アルブミン4.3g/dl、総ビリルビン0.7mg/dl、AST23単位(基準40以下)、ALT18単位(基準35以下)、アルカリホスファターゼ295単位(基準260以下)、γ-GTP120単位(基準8~50)、血清アミラーゼ232単位(基準37~160)。CA19-9 32U/ml(基準37以下)。
- この疾患でみられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [098I034]←[国試_098]→[098I036]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G041]←[国試_100]→[100G043]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [096B041]←[国試_096]→[096B043]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103E001]←[国試_103]→[103E003]
[★]
- 英
- hypercalcemia
- 同
- 高Ca血症
- 関
- カルシウム、低カルシウム血症
- 研修医当直御法度 症例帳 p.32
- 組織へのカルシウム蓄積を引き起こしうる (BPT.27)
病因
- 肉芽の構成成分であるマクロファージがビタミンD3を産生?
-
- チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
- チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → ループ利尿薬と違ってチアジド系利尿薬ははCaを排泄しない!! see.利尿薬
- 5. 家族性低Ca尿性高Ca血症
- 6. その他(リチウム???? (ICU.558))
- ECGP.223
USMLEより
- Caused by calcium ingestion (milk-alkali syndrome), hyperparathyroid, hyperthyroid, iatrogenic (thiazides), multiple myeloma, Paget's disease, Addison's disease, Neoplasms, Zollinger-Ellison syndrome, Excess vitamin D, Excess vitamin A, sarcoidosis.
- Calcium ingestion
- Hyperparathyroid/Hyperthyroid
- Iatrogenic
- Multiplemyeloma
- Paget's disease
- Addison's disease
- Neoplasms
- Zollinger-Ellison syndrome: ZES単独ではなく、MEN Iによるparathyroid tumorに続発した病態
- Excessive vitamin D
- Excessive vitamin A
- Sarcoidosis
定義
- 疑い:常に≧10.3 mg/dl
- 確実:≧10.5 mg/dl
↑
基準値
- 血清総Ca 8.6-10.1 mg/dl(臨床検査法提要第32版)
- 血清Caイオン 1.15-1.30 mmmol/l(臨床検査法提要第32版), 4.6-5.1 mg/dl
症候
- 軽度(11-11.5 mg/dL):通常は無症状。(HIM.285)
- 重度(>12-13 mg/dL):傾眠、昏迷、昏睡、消化器症状が出現。(HIM.285)
- 精神・神経症状:錯乱、昏迷、昏睡。イライラ感、うつ傾向(QB.D-339)
- 消化器:食欲不振、悪心・嘔吐、便秘。膵炎、消化性潰瘍。腹部膨満(腸管運動抑制による(QB.D-339))
- 消化性潰瘍:高カルシウム血症は胃酸分泌を促進する
- 急性膵炎:高カルシウム血症は膵液の分泌を亢進する。(YN.B-78) ← 過剰に出ちゃうと炎症が起こってしまうらしい
- 泌尿器:多尿、腎結石(血清Ca 12mg/dLでできやすくなるらしい) ← 多尿は浸透圧利尿による(ICU.558)
-
- 腎不全は一般的に低カルシウム血症となるが、高カルシウム血症に起因する腎不全は例外。
- →高カルシウム血症性腎症 hypercalcemic nephropathy
- 腎の石灰化→髄質に蓄積→尿細管圧迫→尿濃縮力障害 ← 続発性尿崩症の原因???
- 高カルシウム血症は腎の濃縮力を低下させる(HIM.286) ← 腎集合管におけるADHの作用を阻害(QB.D-339)
- 心血管:血管収縮による高血圧(出典不明!!)。徐脈、房室ブロック、QT短縮(HIM.284)。 ← YN.D-147には血圧上昇、ICU.558には低血圧とある。
- 筋 :筋力低下、筋痛
- 全身:易疲労感
- 異所性石灰化 red eye 強膜にカルシウムが沈着
- 多尿による脱水、高血圧、徐脈
心電図
- EAB.114 SP.94,524
- QT短縮、ST短縮 ← 活動電位持続時間が短縮したことを示す。QRS幅については延長する場合もある(EAB.114)
- ↑細胞外カルシウム濃度→↑内向きカルシウム電流(↑流入速度)→さらに脱分極するように思えるが↑外向きカリウム電流により打ち消される→正味、カルシウムの移動が無くなるまでの時間が早まる→↓活動電位持続時間
- 高カルシウム血症→QT短縮: ←高カリウム血症
- 低カルシウム血症→QT延長: ←低カリウム血症 低マグネシウム血症
治療
- 症状が出たときか、症状無く血清Ca 14mg/dL以上の場合(ICU.558)
- 1. 細胞外液の補充
- 2. ナトリウム利尿によるカルシウム排泄の促進
血液透析
高カルシウム血症の鑑別
尿中のCa排泄 PTH PTHrP 1,25(OH)2D3
原発性甲状腺機能亢進症 ↑ ↑ ↓ → or ↑
腫瘍のPTH関連蛋白分泌 ↑ ↓ ↑ ↓
腫瘍の骨破壊 ↑ ↓ ↓ ↓
肉芽腫症 ↓ ↓ ↓ → or ↑
参考
国試
[★]
- 英
- secretin
- 商
- セクレパン
- 関
- 消化管ホルモン、セクレチン誘発試験
- SP.696-(膵液), 747-(消化管ホルモン)
- WIL. chapter38
分類
性状
- グルカゴン、GLP, VIPに似た27残基のアミノ酸
産生組織
標的組織
受容体
作用
食道
胃
膵臓
- (胆汁の分泌に関して?)セクレチンはコレシストキニンに拮抗する作用がある (SP.706)
- 十二指腸管腔をアルカリ性にすることで十二指腸の酵素が機能できるようにする。
胃と十二指腸の粘液細胞
- HCO3-分泌亢進 (First Aid step 1 2006 p.268)
肝?胆?
- 胆汁の産生促進(CBT QB vol2 p.295)
分泌の調整
- 分泌促進:十二指腸や上部空腸粘膜に蛋白質消化物や酸が触れたとき (SP.748)
- 分泌抑制:ソマトスタチン
分子機構
生合成
血清中セクレチンの意義
高値
-
- 「慢性膵炎の存在下でセクレチンレベルが上昇する」(QB.A-293)に関して教科書レベルでの記載はない。病態生理的には理解できるが。
低値
臨床関連
[★]
- 英
- pancreas (Z)
体表解剖
- 左前方からみると、前腋窩線が前縁となり第9-11肋骨に見える (2007年度後期授業プリント)
- 前面より見ると第6-8肋骨に位置するように見える? (M.157 N.278)
発生
- 腹側膵芽:肝芽、胆嚢の近位に連なる。将来の主膵管、膵管胆管合流部、膵頭となる。十二指腸のまわりを背側から回り込んで後方から背側膵芽と融合する
- 背側膵芽:将来の膵体部、膵尾部、副膵管となる。
組織
内分泌
外分泌
- HIS.353
機能
- ランゲルハンス島のα、β、δ細胞からそれぞれ、インスリン、グルカゴン、ソマトスタチンが分泌される。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
検査
超音波エコー
- 加齢につれて脂肪置換により、高エコーとなる。(SRA.507-509)
- 急性膵炎、腫瘤形成型膵炎では膵臓は肥大し、エコーレベルが低下。(SRA.507-509)
- 膵腫瘍:一般的に低エコー(SRA.507-509)
- 漿液性嚢胞腺腫:多数の小さな嚢胞とその間の間質からなるために、嚢胞性腫瘍でありながら肝臓の血管腫と同様に高エコーを呈する。(SRA.507-509)
臨床関連
[★]
- 英
- enteropeptidase
- 同
- エンテロキナーゼ enterokinase
- 関
- 膵液
[★]
- 関
- 膵液
- 英
- pancreatic enzyme
- 関
- 膵酵素
[★]
- 英
- leakage of pancreatic juice, pancreatic juice leak, pancreatic leak
- 関
- 膵液
[★]
- 英
- secretion of pancreatic juice
- 関
- 膵液、膵臓
[★]
- 英
- pancreatic fistula
- 関
- 膵瘻