- 英
- enteropeptidase
- 同
- エンテロキナーゼ enterokinase
- 関
- 膵液
WordNet
- enzyme in the intestinal juice that converts inactive trypsinogen into active trypsin
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/21 05:19:26」(JST)
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エンテロキナーゼ |
阻害剤を含むエンテロキナーゼの結晶構造
|
識別子 |
EC番号 |
3.4.21.9 |
CAS登録番号 |
9014-74-8 |
データベース |
IntEnz |
IntEnz view |
BRENDA |
BRENDA entry |
ExPASy |
NiceZyme view |
KEGG |
KEGG entry |
MetaCyc |
metabolic pathway |
PRIAM |
profile |
PDB構造 |
RCSB PDB PDBe PDBj PDBsum |
遺伝子オントロジー |
AmiGO / EGO |
検索 |
PMC |
articles |
PubMed |
articles |
NCBI |
proteins |
|
protease, serine, 7 (enteropeptidase) |
識別子 |
略号 |
PRSS7 |
Entrez |
5651 |
HUGO |
9490 |
OMIM |
606635 |
RefSeq |
NM_002772 |
UniProt |
P98073 |
他のデータ |
遺伝子座 |
Chr. 21 q21 |
エンテロキナーゼ(英:enterokinase)またはエンテロペプチダーゼとは十二指腸粘膜細胞から分泌されるエンドペプチダーゼの1つ。不活性のトリプシノーゲンに作用してトリプシンを生成する。[1][2]
エンテロキナーゼはセリンプロテアーゼ(EC 3.4.21.9)である。腸刷子縁膜にエンテロキナーゼを留めておく82–140 kDaの重鎖と触媒サブユニットである35–62 kDaの軽鎖からなり、それぞれジスルフィド結合で繋がっている。[3] エンテロキナーゼはキモトリプシン様セリンプロテアーゼであり、構造的にそれらのタンパク質と類似している。[4]
目次
- 1 活性
- 2 遺伝学
- 3 利用
- 4 関連項目
- 5 参考文献
活性
その名称にも関わらず、エンテロキナーゼはタンパク質のペプチド結合の加水分解を触媒するセリンプロテアーゼである。エンテロキナーゼはトリプシン様の活性を示し、特定の切断部位(Asp-Asp-Asp-Asp-Lys)のリジンの後ろでタンパク質を切断する。[5] トリプシノーゲンのプロ領域(pro-region)にはこの配列があり、エンテロキナーゼはin vivoでその活性化を触媒する。
trypsinogen → trypsin + pro-region (Val-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys)
遺伝学
ヒトのエンテロキナーゼは第21染色体のPRSS7遺伝子(ENTKとも呼ばれる)にコードされている。この遺伝子のいくつかのナンセンス突然変異とフレームシフト突然変異によりエンテロキナーゼが欠損すると、変異が起きた幼児に深刻な成長障害の症状を示す稀な劣性の異常を引き起こす。[6]
利用
エンテロキナーゼは高い特異性を持つので、生化学で利用する際に理想的なツールとなる。C末端タグ(ポリHisのような)をつけた融合タンパク質にこの配列をつけておくと、エンテロキナーゼで切断でき、タンパク質精製の後で標的タンパク質を得ることができる。[5] あるいは、N末端にプロ配列をもつプロテアーゼでその配列が切断されないと活性化が起こらないような場合に、エンテロキナーゼによって活性化されるように変異させることができる。[7]
関連項目
参考文献
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版社 1991年 ISBN 4885006104
- 高橋迪雄監訳 『獣医生理学 第2版』 文永堂出版 2000年 ISBN 4830031824
- ^ Kunitz M (March 1939). "Formation of trypsin from crystalline trypsinogen by means of enterokinase". J. Gen. Physiol. 22 (4): 429–446. doi:10.1085/jgp.22.4.429. PMC 2141988. PMID 19873112.
- ^ Kiel B (1971). “Trypsin”. In Boyer PS. The Enzymes, 3: Hydrolysis - Peptide Bonds. Amsterdam: Elsevier. pp. 249–275. ISBN 0-12-122703-0.
- ^ Huang L, Ruan H, Gu W, Xu Z, Cen P, Fan L (2007). "Functional expression and purification of bovine enterokinase light chain in recombinant Escherichia coli". Prep. Biochem. Biotechnol. 37 (3): 205–17. doi:10.1080/10826060701386695. PMID 17516250.
- ^ Rawlings ND, Barrett AJ (February 1993). "Evolutionary families of peptidases". Biochem. J. 290 ( Pt 1): 205–18. PMC 1132403. PMID 8439290.
- ^ a b Terpe K (2003). "Overview of tag protein fusions: from molecular and biochemical fundamentals to commercial systems". Appl Microbiol and Biotechnol 60 (5): 523–33. doi:10.1007/s00253-002-1158-6. PMID 12536251.
- ^ Holzinger A, Maier EM, Bück C, Mayerhofer PU, Kappler M, Haworth JC, Moroz SP, Hadorn HB, Sadler JE, Roscher AA (January 2002). "Mutations in the proenteropeptidase gene are the molecular cause of congenital enteropeptidase deficiency". Am. J. Hum. Genet. 70 (1): 20–5. doi:10.1086/338456. PMC 384888. PMID 11719902.
- ^ Wang ZM, Rubin H, Schechter NM (Nov 1995). "Production of active recombinant human chymase from a construct containing the enterokinase cleavage site of trypsinogen in place of the native propeptide sequence". Biol Chem Hoppe Seyler 376 (11): 681–84. PMID 8962677.
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Japanese Journal
- メダカエンテロペプチダーゼの発見 : バイオツールとしての利用
- 荻原 克益,高橋 孝行
- バイオサイエンスとインダストリー = Bioscience & industry 65(9), 458-459, 2007-09-01
- NAID 10019750053
- 矢作 直久,一瀬 雅夫,塚田 真子,松原 康朗,岡 政志,清水 靖仁,鈴木 雄久,辻 正弘,城戸 正開,小俣 政男,木村 哲,三木 一正
- 消化と吸収 21(2), 28-31, 1999-01-30
- NAID 10016050715
- エンテロペプチダーゼのクローニングとその遺伝子発現調節の検討
- 矢作 直久,一瀬 雅夫,松原 康朗,鈴木 雄久,岡 政志,清水 靖仁,塚田 真子,三木 一正
- 消化と吸収 20(1), 70-73, 1997-11-30
- NAID 10016050406
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- 栄養・生化学辞典 エンテロペプチダーゼの用語解説 - [EC3.4.21.9].エンテロキナーゼ は旧称.十二指腸粘膜や膵臓にあるペプチダーゼで,トリプシノーゲンのN末端から6 番目のリシンと7番目のイソロイシンの間のペプチド結合を切断して活性のある トリプシン ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- small intestine (Z)
- ラ
- intestinum tenue
- 関
- 管腔内消化
- 小腸は3大栄養素の消化、吸収を行う重要な部位である
- 腸液を分泌する
解剖学
定義
組織学
- →腸腺
生理学
運動の型
- a.分節運動 segmentation
- b.蠕動運動 peristalsis
- 蠕動ラッシュperistalic rush:急速移動。感染性下痢など腸粘膜の異常刺激による。
- 消化間欠期伝播性収縮
運動の発生機構
- 腸平滑筋固有リズムによる。ペースメーカーとなる細胞により発生する。
- 徐波 slow wave、基本的電気リズム basic electric thythm (BER)
- 外来神経系
- 副交感性:促進
- 交感性 :抑制
- 内在神経系
- 胃小腸反射により食後期運動誘発
- なお、IMCの調節には外来、内在神経系のいずれも関係する
- ガストリン、コレシストキニン、インスリン
- 食後期運動増大
- ガストリン
- IMC抑制
- モチリン
- IMC誘発
- セクレチン、グルカゴン
- 運動抑制
炭水化物の吸収
- 食物中の3大炭水化物.
- 1. 二糖類disaccharides
- スクロース(グルコース+フルクトース)
- マルトース(グルコース+グルコース)
- ラクトース(グルコース+ガラクトース)
- 植物性でん粉
- アミロース :グルコースが直鎖状に重合
- アミロペクチン:グルコースが樹枝状に重合
- 直鎖部はα1,4結合
- 分枝部はα1,6結合
- 動物性でん粉
- グリコーーゲン
- グルコースのβ1,4結合(消化不可)
炭水化物の消化
- 管内消化は、主に口腔、十二指腸で起こる
- 唾液αアミラーゼと膵αアミラーゼにより、直鎖状に2~9分子重合したグルコースまで分解される
- αアミラーゼは直鎖部分(α1,4結合)を加水分解する
- 唾液αアミラーゼは作用が弱く、また胃で失活する
- マルトース(グルコース2分子)
- マルトリオース(グルコース3分子)
- α1,4結合マルトオリゴ糖(グルコース4-9分子)
- α限界デキストリン(グルコース5-9分子、分岐したオリゴ糖)
- 2. 膜消化 membrane digestion (終末消化terminal digestion)
- 膜消化は小腸の刷子縁で起こる。
- 刷子縁にはオリゴ糖消化酵素が存在する。
- ラクターゼ:ラクトース→グルコース+ガラクトース
- スクラーゼ:スクロース→グルコース+フルクトース
- マルターゼ:マルトース→グルコース+グルコース
- トレハラーゼ:トレハロース→グルコース+グルコース
- αデキストリナーゼ:α1,4結合,α1,6結合の分解(=isomaltase)
- グルコアミラーゼ:マルトオリゴ糖(α1,4結合)→グルコース
- 3. 吸収(炭水化物の90-95%が小腸で吸収される。)
-
- 刷子縁膜
- Na依存性能動輸送を介して細胞内に取り込まれる。Na+とグルコース(ガラクトース)の共輸送体であるSGLT1が、Na+の濃度勾配を利用して細胞内に取り込む(2次的能動輸送)
- 外側基底膜
- GLUT2による促進拡散により細胞外に拡散する
- 刷子縁膜
- GLUT5によるNa非依存的促進拡散により細胞内に取り込まれる。
- 細胞内
- フルクトース+Pi→グルコース+乳酸
- 外側基底膜
- GLUT2による促進拡散により細胞外に拡散する
炭水化物の吸収傷害
- 腸内炭水化物濃度↑→腸内浸透圧↑ →下痢
- →腸内フローラ(細菌叢) →腸内ガス発生
- 乳糖不耐症
- 小腸上皮細胞刷子縁におけるラクターゼ産生不能
タンパク質の吸収
- 胃や膵臓でタンパク質を分解してオリゴペプチド(アミノ酸4個以上)を生成
- 1-1. 消化酵素の活性化
- ペプシン
- 胃液ペプシノーゲン → (H+が触媒:::) → ペプシン
- 胃液ペプシノーゲン → (ペプシンが触媒) → ペプシン
- トリプシン
- 膵液トリプシノーゲン → (エンテロペプチダーゼ) → トリプシン
- 膵液トリプシノーゲン → (トリプシンが触媒::) → トリプシン
- その他のタンパク質分解酵素(カルボキシペプチダーゼA,B)
- トリプシンが活性化
- 刷子縁でオリゴペプチドの分解がおき、そのための酵素ペプチド分解酵素が存在する。
- アミノペプチダーゼ
- N末から加水分解してアミノ酸を遊離
- ジペプチダーゼ
- ジペプチドを2個のアミノ酸に分解
- ジペプチジルアミノペプチダーゼ
- N末よりジペプチドを遊離する
- 刷子縁膜
- Na+依存性能動的輸送
- 中性アミノ酸、イミノ酸(プロリン、水酸化プロリン)、酸性アミノ酸:::::::::::Na+非依存性促進拡散
- 塩基性アミノ酸、中性アミノ酸(疎水基を有するもの)
- 外側基底膜
- Na+依存性能動的輸送、Na+非依存性促進拡散、単純拡散(外側基底膜はアミノ酸透過性高い)
- 刷子縁膜
- Na+/H+ antiporter
- 2H+/ペプチド synporter
- 細胞内
- プロリダーゼ、ジペプチダーゼ、トリペプチダーゼによる分解
- 外側基底膜
- Na+-K+-ATPase
脂質の吸収
- トリグリセリド(中性脂肪):C14~C18
- コレステロール
- コレステロールエステル
- リン脂質:::::::::主にレシチン
-
- 乳化は脂肪水解を速める
- 胆汁酸、レシチンなどにより1μm以下の脂肪滴形成
- 膵リパーゼ
- トリグリセリド → 2分子の遊離脂肪酸(FFA) + 2-モノグリセリド
- コレステロールエステラーゼ
- コレステロールエステル → FFA + コレステロール
- ホスホリパーゼA2
- レシチン → FFA + リゾレシチン
- 脂肪分解産物(モノグリセリド,リゾレシチン,FFA,コレステロール,脂溶性ビタミン)
- 胆汁酸、レシチンとミセル形成
- ミセルが微絨毛周囲の非撹拝層に侵入→単純拡散により吸収(脂肪の消化・吸収過程の律速過程)
- ミセルにより細胞内に脂肪分解産物が運ばれ、滑面小胞体内で脂肪分解産物から脂質が再合成される。その後、リポ蛋白にと結合してカイロミクロンとなり、ゴルジ装置に入りエキソサイトーシスにより絨毛リンパ管に入る。
栄養の吸収部位
[★]
- 英
- enterokinase
- 関
- エンテロペプチダーゼ
SP. 697,738
- 至適pH 6-9 (SP.697)
- 十二指腸の粘膜から分泌される、らしい
[★]
エンテロペプチダーゼ
- 関
- enterokinase