ペプシノゲン
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ペプシンとその阻害剤であるペプスタチンとの複合体の立体構造(結晶X線解析による)
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ペプシン (pepsin,EC.3.4.23.1-3) は動物の胃で働くタンパク質分解酵素の一つ。アスパラギン酸プロテアーゼの一つ。
目次
- 1 性質
- 2 基質特異性
- 3 阻害剤
- 4 関連項目
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性質[編集]
遺伝子翻訳産物は不活性型な前駆体であるペプシノーゲンとして胃底腺の主細胞で作られる。これが塩酸を含む胃液中に分泌されるとpHの低下で立体構造が変化し、N末端側のプロ配列を二段階のプロセッシングで切り落とすことによって、活性型のペプシンとなる。また活性化されたペプシン自身もペプシノーゲンに作用し、これを活性化する。強酸性であるpH2.0付近が最適条件である。一度活性化されたペプシンは中性・アルカリ性条件にすると不可逆的に立体構造が変性し活性を失う。十二指腸の粘膜は重炭酸イオンにより胃酸を中和するとともにペプシンを不活性化している。
基質特異性[編集]
タンパク質・ペプチド鎖の酸性アミノ酸残基-芳香族アミノ酸残基と続く配列のC末端側を切断することができる。
阻害剤[編集]
ペプスタチンAなどによって阻害される。
関連項目[編集]
- 消化
- 消化酵素
- プロテアーゼ
- ペプシコーラ(社名・商品名の由来。現在は含まれていない)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Helicobacter pylori慢性胃炎における血清学的診断の臨床的意義-内視鏡検査所見との比較検討-
- 春山 浩美/中村 真一/岸野 真衣子/小西 洋之/白鳥(立元) 敬子
- 東京女子医科大学雑誌 81(4), 253-258, 2011-08-25
- … 血清H.pylori抗体価と血清ペプシノゲン(PG)値による血清学的診断の有用性について検討した。 …
- NAID 110008604390
- 造影レントゲン検査,ペプシノゲン法および内視鏡検査による胃癌検診効果の比較 (特集 胃内視鏡検診--適正な受診間隔と対象年齢)
Related Links
- ペプシノーゲンとは、胃粘膜から分泌されるペプシンの前駆物質で、血清中に含まれ ています。ペプシノーゲンの検査は、胃粘膜の萎縮の広がりや胃粘膜の炎症の有無が 分かるほか、胃がんのスクリーニングとしても有用です。
- 栄養・生化学辞典 ペプシノーゲンの用語解説 - 胃の胃小か(窩)にある主細胞から分泌 されるプロテアーゼの前駆体で,胃酸によって活性型のペプシンに変換される....
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- small intestine (Z)
- ラ
- intestinum tenue
- 関
- 管腔内消化
- 小腸は3大栄養素の消化、吸収を行う重要な部位である
- 腸液を分泌する
解剖学
定義
組織学
- →腸腺
生理学
運動の型
- a.分節運動 segmentation
- b.蠕動運動 peristalsis
- 蠕動ラッシュperistalic rush:急速移動。感染性下痢など腸粘膜の異常刺激による。
- 消化間欠期伝播性収縮
運動の発生機構
- 腸平滑筋固有リズムによる。ペースメーカーとなる細胞により発生する。
- 徐波 slow wave、基本的電気リズム basic electric thythm (BER)
- 外来神経系
- 副交感性:促進
- 交感性 :抑制
- 内在神経系
- 胃小腸反射により食後期運動誘発
- なお、IMCの調節には外来、内在神経系のいずれも関係する
- ガストリン、コレシストキニン、インスリン
- 食後期運動増大
- ガストリン
- IMC抑制
- モチリン
- IMC誘発
- セクレチン、グルカゴン
- 運動抑制
炭水化物の吸収
- 食物中の3大炭水化物.
- 1. 二糖類disaccharides
- スクロース(グルコース+フルクトース)
- マルトース(グルコース+グルコース)
- ラクトース(グルコース+ガラクトース)
- 植物性でん粉
- アミロース :グルコースが直鎖状に重合
- アミロペクチン:グルコースが樹枝状に重合
- 直鎖部はα1,4結合
- 分枝部はα1,6結合
- 動物性でん粉
- グリコーーゲン
- グルコースのβ1,4結合(消化不可)
炭水化物の消化
- 管内消化は、主に口腔、十二指腸で起こる
- 唾液αアミラーゼと膵αアミラーゼにより、直鎖状に2~9分子重合したグルコースまで分解される
- αアミラーゼは直鎖部分(α1,4結合)を加水分解する
- 唾液αアミラーゼは作用が弱く、また胃で失活する
- マルトース(グルコース2分子)
- マルトリオース(グルコース3分子)
- α1,4結合マルトオリゴ糖(グルコース4-9分子)
- α限界デキストリン(グルコース5-9分子、分岐したオリゴ糖)
- 2. 膜消化 membrane digestion (終末消化terminal digestion)
- 膜消化は小腸の刷子縁で起こる。
- 刷子縁にはオリゴ糖消化酵素が存在する。
- ラクターゼ:ラクトース→グルコース+ガラクトース
- スクラーゼ:スクロース→グルコース+フルクトース
- マルターゼ:マルトース→グルコース+グルコース
- トレハラーゼ:トレハロース→グルコース+グルコース
- αデキストリナーゼ:α1,4結合,α1,6結合の分解(=isomaltase)
- グルコアミラーゼ:マルトオリゴ糖(α1,4結合)→グルコース
- 3. 吸収(炭水化物の90-95%が小腸で吸収される。)
-
- 刷子縁膜
- Na依存性能動輸送を介して細胞内に取り込まれる。Na+とグルコース(ガラクトース)の共輸送体であるSGLT1が、Na+の濃度勾配を利用して細胞内に取り込む(2次的能動輸送)
- 外側基底膜
- GLUT2による促進拡散により細胞外に拡散する
- 刷子縁膜
- GLUT5によるNa非依存的促進拡散により細胞内に取り込まれる。
- 細胞内
- フルクトース+Pi→グルコース+乳酸
- 外側基底膜
- GLUT2による促進拡散により細胞外に拡散する
炭水化物の吸収傷害
- 腸内炭水化物濃度↑→腸内浸透圧↑ →下痢
- →腸内フローラ(細菌叢) →腸内ガス発生
- 乳糖不耐症
- 小腸上皮細胞刷子縁におけるラクターゼ産生不能
タンパク質の吸収
- 胃や膵臓でタンパク質を分解してオリゴペプチド(アミノ酸4個以上)を生成
- 1-1. 消化酵素の活性化
- ペプシン
- 胃液ペプシノーゲン → (H+が触媒:::) → ペプシン
- 胃液ペプシノーゲン → (ペプシンが触媒) → ペプシン
- トリプシン
- 膵液トリプシノーゲン → (エンテロペプチダーゼ) → トリプシン
- 膵液トリプシノーゲン → (トリプシンが触媒::) → トリプシン
- その他のタンパク質分解酵素(カルボキシペプチダーゼA,B)
- トリプシンが活性化
- 刷子縁でオリゴペプチドの分解がおき、そのための酵素ペプチド分解酵素が存在する。
- アミノペプチダーゼ
- N末から加水分解してアミノ酸を遊離
- ジペプチダーゼ
- ジペプチドを2個のアミノ酸に分解
- ジペプチジルアミノペプチダーゼ
- N末よりジペプチドを遊離する
- 刷子縁膜
- Na+依存性能動的輸送
- 中性アミノ酸、イミノ酸(プロリン、水酸化プロリン)、酸性アミノ酸:::::::::::Na+非依存性促進拡散
- 塩基性アミノ酸、中性アミノ酸(疎水基を有するもの)
- 外側基底膜
- Na+依存性能動的輸送、Na+非依存性促進拡散、単純拡散(外側基底膜はアミノ酸透過性高い)
- 刷子縁膜
- Na+/H+ antiporter
- 2H+/ペプチド synporter
- 細胞内
- プロリダーゼ、ジペプチダーゼ、トリペプチダーゼによる分解
- 外側基底膜
- Na+-K+-ATPase
脂質の吸収
- トリグリセリド(中性脂肪):C14~C18
- コレステロール
- コレステロールエステル
- リン脂質:::::::::主にレシチン
-
- 乳化は脂肪水解を速める
- 胆汁酸、レシチンなどにより1μm以下の脂肪滴形成
- 膵リパーゼ
- トリグリセリド → 2分子の遊離脂肪酸(FFA) + 2-モノグリセリド
- コレステロールエステラーゼ
- コレステロールエステル → FFA + コレステロール
- ホスホリパーゼA2
- レシチン → FFA + リゾレシチン
- 脂肪分解産物(モノグリセリド,リゾレシチン,FFA,コレステロール,脂溶性ビタミン)
- 胆汁酸、レシチンとミセル形成
- ミセルが微絨毛周囲の非撹拝層に侵入→単純拡散により吸収(脂肪の消化・吸収過程の律速過程)
- ミセルにより細胞内に脂肪分解産物が運ばれ、滑面小胞体内で脂肪分解産物から脂質が再合成される。その後、リポ蛋白にと結合してカイロミクロンとなり、ゴルジ装置に入りエキソサイトーシスにより絨毛リンパ管に入る。
栄養の吸収部位
[★]
- 英
- pepsinogen
- 同
- ペプシノーゲン
- 関
- 主細胞
分泌細胞
分泌刺激 (Q book p.107)
分類
- 主に胃酸分泌と相関し、消化性潰瘍の高リスク群で上昇する。
- →ペプシノゲンI/II比
- ペプシノゲンI(PG I) 低下(≦70ng/mL)、PG I/II比低下(≦3)で胃癌リスク陽性
[★]
- 英
- gastric acid
- 関
- 胃、消化管ホルモン
産生細胞
機能
- タンパク質の変性
調節
[★]
- 英
- pepsin
- ラ
- pepsinum
分泌細胞
- 胃の主細胞からペプシノーゲンが分泌される
- ペプシノーゲンから「H+」または「ペプシン」の触媒によりペプシンに転換される
性質
- 至適pH1.0-3.0
- pH4-4.5以上になると不活化 (SPC.299)
機能
分泌調節