出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/04/23 08:34:42」(JST)
脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)とは、頭部や顔面にフケ様の付着物を伴う湿疹である。脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)と同義である。乳児・高齢者に多発する。なお、乳児に出現するものを乳児脂漏性湿疹と特別にいうこともある。
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皮脂中に含まれるトリグリセリドが、真菌(主に癜風菌というマラセチア属真菌)によって分解されて遊離脂肪酸が生じるが、それが皮膚を刺激して接触性皮膚炎を生じるのが一番の原因と考えられている。 また、HIV感染の初期症状として発症する事がある。それは、免疫によって増殖が抑制されていた真菌類が、AIDSによる免疫機能の低下によって増殖の抑制が出来なくなり、皮膚が大量の真菌に侵された結果であると考えられる。この他、皮脂中の過酸化脂質により刺激、ビタミン欠乏(B2・B6)・アルコール依存・ストレス・糖尿病・肝疾患が挙げられるが、原因が多岐にわたるため分からないことが多い。 また、外見的に清潔感を欠くことや、真菌=カビとのイメージから、患者当人の生活環境の清潔さに原因があるかのような誤解を招きやすいが、医学的には何らの関連も無い。
頭部・顔面に落屑を伴う紅斑で、左右対称性はない。掻痒はあっても軽度である。この3点が重要な特徴といえるが、乳児と高齢者では、出現の仕方が異なることがある。
前額部から頭部に強い発疹が出現する。乳児を過ぎると自然に軽快することがほとんどであるが、一部ではアトピー性皮膚炎に移行するものもある。
眉毛部・鼻翼部・口囲に発疹が出現し、冬に悪化しやすいのが特徴といえる。一般的には根本的な治癒は望めないため、常に外用剤などでコントロールが必要となる場合が多い。
癜風菌がKOH検査(皮膚真菌検査)で検出される。
外用剤としてステロイド外用薬・抗真菌薬が使われる。その他、補助的に抗アレルギー薬・ビタミン剤の内服を行う。また、抗真菌薬のシャンプーが奏功する場合もある。
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国試過去問 | 「111A006」 |
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関連記事 | 「皮膚」「炎」「皮膚炎」「脂漏」「脂漏性」 |
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性状 | ビタミン名 | 化合物名 | 機能 | 補酵素名 | 欠乏症 | 過剰症 | ||
アミノ酸代謝 | 補酵素前駆体 | |||||||
水溶性ビタミン | ビタミンB1 | チアミン | 糖代謝 | ○ | チアミン二リン酸 | 脚気 (多発性神経炎、脚気心による動悸・息切れ) ウェルニッケ脳症 コルサコフ症候群 |
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ビタミンB2 | リボフラビン | 酸化還元反応 | アミノ酸オキシダーゼ | ○ | フラビンアデニンジヌクレオチド | 口角炎、舌炎、結膜炎、角膜炎、脂漏性皮膚炎 | ||
ビタミンB6 | ピリドキシン | 転移反応、脱炭酸反応、離脱反応、ラセミ化 | 多くのアミノ酸 | ○ | ピリドキサルリン酸 | 末梢神経障害(INHの副作用) | ||
ビタミンB12 | シアノコバラミン | C1転移 | メチオニン、分岐アミノ酸 | ○ | コバルト補酵素 | 巨赤芽球性貧血 | ||
ビタミンC | アスコルビン酸 | 抗酸化 | ○ | 壊血病 易出血性、骨・筋の脆弱化 |
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ビタミンB5 | パントテン酸 | CoAの骨格 | ||||||
ビタミンB9 | 葉酸 | C1転移 | グリシン、セリン | ○ | 巨赤芽球性貧血 | |||
ビタミンB3 | ナイアシン ニコチン酸 |
酸化還元反応 | ○ | ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド | ペラグラ (1)光過敏性皮膚炎、(2)下痢、(3)認知症 |
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ビタミンB7 | ビオチン | 炭素固定反応 | ○ | ビオチン酵素 | 脂漏性皮膚炎、鱗屑状皮膚炎 | |||
脂溶性ビタミン | ビタミンA | レチノイド | 転写因子、視覚 | 夜盲症 眼球乾燥症・角膜軟化症(Bitot斑)・毛孔性角化症 |
脳圧亢進、四肢疼痛性腫脹、肝性皮膚落屑、悪心・嘔吐、食欲不振、催奇形性 | |||
ビタミンD | コレカルシフェロール等 | 骨形成 | くる病、骨軟化症 |
腎臓・血管壁への石灰沈着、多尿、↑尿Ca、高Ca血症、高P血症 | ||||
ビタミンE | トコフェロール | 抗酸化 | 未熟児の溶血性貧血 | |||||
ビタミンK | フィロキノン、メナキノン等 | 血液凝固因子やオステオカルシンの成熟 | ○ | 出血傾向 | 溶血、核黄疸 |
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