- 英
- thymidine, dThd
- 同
- 1-(2-デオキシ-β-D-リボフラノシル)-5-メチルウラシル 1-(2-deoxy-β-D-ribofuranosyl)-5-methyluracil、デオキシチミジン deoxythymidine dT、チミンデオキシリボシドthymine deoxyriboside]] TdR
- 関
- チミン
WordNet
- a nucleoside component of DNA; composed of thymine and deoxyribose (同)thymidine
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/07 14:32:43」(JST)
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チミジン |
|
一般情報 |
IUPAC名 |
チミジン |
別名 |
dT |
分子式 |
C10H14N2O5 |
分子量 |
242.229 g/mol |
形状 |
|
CAS登録番号 |
[50-89-5] |
SMILES |
CC1=CN(C(=O)NC1=O)C2CC(C(O2)CO)O |
性質 |
チミジン (Thymidine)[1]は化学物質の一つで、正確にはピリミジンデオキシヌクレオシドに属する。チミジンはDNAヌクレオシド(記号 dT[2] ), でありDNAの二重鎖ではデオキシアデノシン(dA)と対を形成する。細胞生物学的には細胞周期S期に同期するために使用される。
構造および性質
構造的にはチミジンはデオキシリボース (五炭糖の一種) がピリミジン塩基のチミンに接続している。
チミジンはモノ、ジ、トリリン酸化されて、対応するdTMP, dTDP そしてdTTPを生成する。.
固体の形状では白いf微細な結晶か結晶性の粉末であり、分子量は242.299、融点は185℃。常温常圧環境下ではチミジンはとても安定である。
チミジンの毒性は知られておらず、生体やDNAウイルスなど天然に存在するDNAの4つのヌクレオシドの1つである。 RNAはウリジン〈ウラシルがリボースに接続したもの〉 を代わりに使用する。ウラシルは化学的性質はチミジンにとてもよく似ているl、5-メチルウラシルもチミジンに似ている。チミジンヌクレオチドはDMA前駆体であり、RNAのそれではない、そのために前置辞のdがつけられることがある。[3]
チミジンアナログ
ヨードデオキシウリジン は放射線増感剤であり、イオン化放射線を照射したときにDNAのうけるダメージ量を増加させる。
アジドチミジン (AZT) - 抗HIV治療薬。レトロウイルスのRNAが宿主DNAに組み込まれる際の逆転写プロセスを阻止する。
トリチウム化チミジンは細胞増殖アッセイに広く使用されている。チミジンは細胞分裂時に取り込まれ、取り込み量は液体シンチレータにより測定され、カウントは細胞増殖量に比例する。
臭素化デオキシウリジン (BrdU)はチミジン[アナログ アナローグ]の一つで、生体組織での細胞増殖の検出にしはしば使用される。優れた抗BrdU抗体が利用できるようになったため、トリチウム化チミジンの場合のように放射性同位元素を使用することなく、免疫組織化学染色によって検出可能となり広く普及した。
註
- ^ デオキシリボシルチミン(deoxyribosylthymine)やチミンデオキシリボシド(thymine deoxyriboside)と命名されることもある。
- ^ Abbreviations and Symbols for Nucleic Acids, Polynucleotides and their Constituents N-1.1
- ^ "deoxy"は酸素基を取ったという意味で、デオキシリボースを意味するdとは意味がことなる。しかし、"deoxy"と"d"はよく取り違えられ、チミジンとデオキシチミジンは同一物を意味することが多い。
核酸の構成要素 |
|
核酸塩基 |
プリン (アデニン、グアニン、プリン類縁体) · ピリミジン (ウラシル、チミン、シトシン、ピリミジン類縁体)
|
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ヌクレオシド |
リボヌクレオシド
|
アデノシン · グアノシン · 5-メチルウリジン · ウリジン · シチジン
|
|
デオキシリボヌクレオシド
|
デオキシアデノシン · デオキシグアノシン · チミジン · デオキシウリジン · デオキシシチジン
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ヌクレオチド
(ヌクレオシド一リン酸) |
リボヌクレオチド
|
AMP、GMP、m5UMP、UMP、CMP
|
|
デオキシリボヌクレオチド
|
dAMP、dGMP、dTMP、dUMP、dCMP
|
|
環状ヌクレオチド
|
cAMP、cGMP、c-di-GMP、cADPR
|
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|
ヌクレオシド二リン酸 |
ADP、GDP、m5UDP、UDP、CDP · dADP、dGDP、dTDP、dUDP、dCDP
|
|
ヌクレオシド三リン酸 |
ATP、GTP、m5UTP、UTP、CTP · dATP、dGTP、dTTP、dUTP、dCTP
|
|
主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 |
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 食肉検査で牛白血病と診断された症例の血清チミジンキナーゼ活性
- 脳腫瘍の腫瘍マーカー 中枢神経系原発悪性リンパ腫の腫瘍マーカー (新時代の脳腫瘍学--診断・治療の最前線) -- (脳腫瘍の診断)
Related Links
- チミンのヌクレオシドについてデオキシチミジンのことをチミジンと呼びますよね。何故リボースのついたチミンはないのでしょうか?結合できない? 分解されて別のものになってしまう?理由が知りたいです。 そのことを不...
- DNAの構成因子であるチミジンは、"チミジンホスホリラーゼ(TP)"と呼ばれる酵素によって分解される。この反応は、ピリミジンヌクレオシドであるチミジンをチミン(塩基)と2-デオキシ-D-リボース1-リン酸(DR1P)(糖)に分解(異化 ...
- デジタル大辞泉 - チミジンキナーゼの用語解説 - デオキシチミジン(DNAの構成成分)を燐酸化する酵素。癌(がん)細胞ではこの酵素の活性が高い。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
レトロビルカプセル100mg
組成
- 本剤は、1カプセル中にジドブジン100mgを含有する。
- 添加物としてトウモロコシデンプン、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、酸化チタンを含有する。
禁忌
- 好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いものを除く)(「重要な基本的注意 3.」の項参照)[好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- イブプロフェン投与中の患者[出血傾向が増強したとの報告がある(「相互作用」の項参照)。]
効能または効果
HIV感染症
- 無症候性HIV感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドライン1)〜3)を確認すること。
- ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用すること。
- 通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、ジドブジンとして1日量500〜600mgを2〜6回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜減量する。
- 本剤投与中特に著しい好中球減少(750/mm3未満又は投与前値からの50%以上の減少)又は著しい貧血(ヘモグロビン値が7.5g/dL未満又は投与前値からの25%以上の減少)が認められた場合は、骨髄機能が回復するまで休薬する。これより軽度の貧血(ヘモグロビン値が7.5〜9.5g/dL)及び好中球減少(750〜1000/mm3)の場合は、減量する。著しい貧血がみられた場合、休薬及び減量を行っても輸血の必要な場合がある。休薬又は減量後、骨髄機能が回復した場合には、血液学的所見及び患者の耐容性に応じて徐々に通常の投与量に増量する。
- 本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。
- ジドブジンとして1日量が400mg(1回100mg、1日4回投与)による有効性及び安全性が認められたとの報告はあるが4)、1日量が400mg未満の用量による有効性は確認されていない。
慎重投与
- 好中球数1000/mm3未満又はヘモグロビン値が9.5g/dL未満の患者[好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。]
- 腎又は肝機能障害のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。]
- ビタミンB12欠乏患者[貧血が発現するおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
- 次のような症状があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重篤な血液障害
- 再生不良性貧血(頻度不明注))、赤芽球癆(頻度不明注))、汎血球減少(頻度不明注))、貧血(24.84%)、白血球減少(17.83%)、好中球減少(8.28%)、血小板減少(5.10%)
うっ血性心不全(頻度不明注))
乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(いずれも頻度不明注))
てんかん様発作(頻度不明注))
膵炎(頻度不明注))
薬効薬理
作用機序28)
- ジドブジン(AZT)はHIV感染細胞内でリン酸化され、活性型の三リン酸化体(AZTTP)となる。AZTTPはHIV逆転写酵素を競合的に阻害し、またデオキシチミジン三リン酸の代りにウイルスDNA中に取り込まれて、DNA鎖伸長を停止することによりウイルスの増殖を阻害する。AZTTPのHIV逆転写酵素に対する親和性は、正常細胞のDNAポリメラーゼに比べて約100倍強いので、選択性の高い抗ウイルス作用を示す(ヒトリンパ球系H9細胞増殖に対するin vitroでのID50値は267μg/mL(1000μM))。
抗ウイルス作用
- ジドブジンのHIVに対するin vitroにおけるID50値は、CD4リンパ球系細胞を用いた系では0.13μg/mL(0.49μM)以下であった29)。
- マウスにマウスレトロウイルス(Rauscherマウス白血病ウイルス)を接種し、接種4時間目より、ジドブジンを1.0mg/mLの割合で飲用水に混入して投与した実験では、平均脾臓重量、脾臓細胞感染率、及び血中ウイルス力価が対照群に比し著しく低下した。また感染後生存日数も延長した30)。
- ジドブジンを、ラミブジン、ジダノシン等の抗HIV薬あるいはインターフェロンαと併用することで、in vitroの抗ウイルス作用は、相加的あるいは相乗的に増大した31),32)。
薬剤耐性
- ジドブジンを含むチミジンアナログに対する耐性は、HIV逆転写酵素の41、67、70、210、215及び219番目のアミノ酸の変異によって生じ、これらのうち41番目と215番目の変異あるいは4個以上の変異によってウイルスは表現型として耐性を示す33),34)。
なお、これらチミジンアナログの変異を有するウイルスは高度の交差耐性を示さない35)。
また、62、75、77、116及び151番目のアミノ酸の変異、並びに69番目のアミノ酸のスレオニンからセリンへの変異とそれに加えて同じ個所への6塩基対の挿入により、ウイルスはジドブジンを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬に対し多剤耐性を示す36)〜38)。
なお、in vitroで、ジドブジン耐性ウイルスはジドブジン及びラミブジンの投与によりラミブジンに対して耐性を獲得すると、ジドブジンに対して感受性は回復する。また、抗HIV薬の治療経験のない患者にジドブジンとラミブジンを併用することによりジドブジン耐性ウイルスの出現が遅延する39)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
分子式
分子量
性状
- 白色〜微黄白色の粉末で、においはない。
エタノール(95)にやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。
光によって分解する。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- folic acid folate FA
- 同
- プテロイルグルタミン酸 pteroylglutamic acid PteGlu, PGA、フォラシン folacin
- ラ
- acidum folicum
- 商
- M.V.I.-12、M.V.I.-3、アミノレバンEN配合、エルネオパ1号輸液、エレンタールP、エレンタール配合、エンシュア・リキッド 、オーツカMV、ダイメジン・マルチ、ツインラインNF配合、ツインライン配合、ネオパレン1号輸液、ネオラミン・マルチV、パンビタン末、ビタジェクト、フェニルアラニン除去ミルク配合、フォリアミン(単剤)、フルカリック1号輸液、ヘパンED配合、マルタミン、ラコールNF配合、ラコール配合、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合
- 関
- テトラヒドロ葉酸(THF)。プテリン、パラアミノ安息香酸
概念
- 様々な酸化状態のC1基を転移する
吸収
機能
C1単位の調達
- セリン→グリシン (FB.421)
- グリシン開裂系 (FB.421)
- ヒスチジン代謝 (FB.423)
- THF=H4PteGlu
C1単位の転移
- 5,10-CH2H4PteGlu
臨床検査
- 全血もしくは血清で定量する。
- HPLC法により測定する
- 単位:ng/ml x 2.266 = nmol/L
基準範囲
年齢
|
平均(範囲)ng/mL
|
血清
|
全血
|
新生児
|
24.5
|
(3-59)
|
315
|
(100-960)
|
3-4月
|
12.2
|
(5-30)
|
99
|
(20-318)
|
6-8月
|
7.7
|
(3.5-16)
|
77
|
(32-176)
|
1歳
|
9.3
|
(3-35)
|
86
|
(31-400)
|
成人
|
13.1
|
(7-20)
|
195
|
(24-400)
|
臨床関連
[★]
- 英
- sanilvudine
- 同
- スタブジン stavudine(←洋書ではこちらが一般的),didehydrodeoxythymidine d4T
- 商
- ゼリット Zerit、チミジン
- 関
- 核酸系逆転写酵素阻害薬
[★]
チミジン、デオキシチミジン
- 関
- dT、thymidine
[★]
- 英
- 1-(2-deoxy-β-D-ribofuranosyl)-5-methyluracil
- 関
- チミジン
[★]
- 英
- thymidine
- 関
- チミジン、デオキシチミジン
[★]
- 英
- azidothymidine, AZT
- 同
- ジドブジン zidovudine
- 商
- レトロビル
- 関
- 抗ウイルス薬
[★]
- 英
- thymidine triphosphate、、TTP
- 関
- デオキシチミジン三リン酸 deoxythymidine triphosphate dTTP
[★]
- 英
- deoxythymidine triphosphate
- 関
- チミジン三リン酸
[★]
- 英
- (n
- 関
- ・リT
[★]
- 英
- thymidine kinase、TK