- 英
- homocysteine
- 同
- ホモシスチン、2-アミノ-4-メルカプト酪酸
- 関
- ホモシステイン-S-メチルトランスフェラーゼ
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/04/29 07:42:24」(JST)
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ホモシステイン |
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
454-29-5 |
PubChem |
778 |
KEGG |
C00155 |
|
特性 |
化学式 |
C4H9NO2S |
モル質量 |
135.18 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ホモシステイン (homocysteine) は、必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝における中間生成物である。ホモシステインの代謝には、葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12が関与している。
医学における意義
先天性ホモシステイン尿症において、患者はシスタチオニンβシンターゼ遺伝子の欠損により、高ホモシステイン血症を来す。結果として尿中にホモシステインが排泄されるようになる。患者は若年にもかかわらず(場合によっては10代から20代であっても)、心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化を来すことがある。
先天性ホモシステイン尿症は新生児スクリーニング検査の対象疾患である。
上記の事柄からホモシステインと動脈硬化性疾患の関連が示唆され、フラミンガムスタディや本邦での前向きコホート研究が進められている。
ホモシステインの基準値については血液検査の参考基準値#アミノ酸を参照のこと。
テトラヒドロ葉酸(THF)による代謝とビタミンB12によるTHFの再生産、de:Folsäure=葉酸、DHF=ジヒドロ葉酸、THF=テトラヒドロ葉酸、Vit.B12=ビタミンB12、Methyl-Vit.B12=メチルコバラミン、Methionin=メチオニン、Methionin Syntase=5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、Homocystein=
ホモシステイン、N5-Methyl-THF=5-メチルテトラヒドロ葉酸、N5,N10-Methylene-THF=5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸、N10-Formyl-THF=10-ホルミルテトラヒドロ葉酸、dUMP=デオキシウリジン一リン酸、NADPH、DNA
関連項目
- メチオニン
- アミノ酸の代謝分解#メチオニン
- テトラヒドロ葉酸
- 5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ
外部リンク
アミノ酸代謝の代謝中間体 |
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ケト原性アミノ酸(K)
→アセチルCoA |
リシン→
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サッカロピン - アリシン - α-アミノアジピン酸 - グルタリルCoA - グルタコニルCoA - クロトニルCoA - β-ヒドロキシブチリルCoA
|
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ロイシン→
|
α-ケトイソカプロン酸 - イソバレリルCoA - 3-メチルクロトニルCoA - 3-メチルグルタコニルCoA - ヒドロキシメチルグルタリルCoA
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|
トリプトファン→アラニン→
|
N'-ホルミルキヌレニン - キヌレニン - アントラニル酸 - 3-ヒドロキシキヌレニン - 3-ヒドロキシアントラニル酸 - 2-アミノ-3-カルボキシムコン酸セミアルデヒド - 2-アミノムコン酸セミアルデヒド - 2-アミノムコン酸 - グルタリルCoA
|
|
|
糖原性アミノ酸(G) |
G→ピルビン酸→クエン酸
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グリシン→セリン→
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3-ホスホグリセリン酸
グリシン→クレアチン: グリコシアミン · クレアチンリン酸 · クレアチニン
|
|
|
G→グルタミン酸→
α-ケトグルタル酸
|
ヒスチジン→
|
ウロカニン酸 - イミダゾール-4-オン-5-プロピオン酸 - ホルムイミノグルタミン酸 - グルタミン酸-1-セミアルデヒド
|
|
プロリン→
|
1-ピロリン-5-カルボン酸
|
|
アルギニン→
|
オルニチン - プトレシン - アグマチン
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他
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システイン+グルタミン酸→グルタチオン: γ-グルタミルシステイン
|
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G→プロピオニルCoA→
スクシニルCoA
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バリン→
|
α-ケトイソ吉草酸 - イソブチリルCoA - メタクリリルCoA - 3-ヒドロキシイソブチリルCoA - 3-ヒドロキシイソ酪酸 - 2-メチル-3-オキソプロパン酸
|
|
イソロイシン→
|
2,3-ジヒドロキシ-3-メチルペンタン酸 - 2-メチルブチリルCoA - チグリルCoA - 2-メチルアセトアセチルCoA
|
|
メチオニン→
|
S-アデノシルメチオニン - S-アデノシル-L-ホモシステイン - ホモシステイン - シスタチオニン - α-ケト酪酸
|
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トレオニン→
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α-ケト酪酸
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プロピオニルCoA→
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メチルマロニルCoA
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G→フマル酸
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フェニルアラニン→チロシン→
|
4-ヒドロキシフェニルピルビン酸 - ホモゲンチジン酸 - 4-マレイルアセト酢酸 - 4-フマリルアセト酢酸
|
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|
G→オキサロ酢酸
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尿素回路を参照
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その他 |
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Japanese Journal
- 2-IV-28 ホモシステイン代謝系における新規NF-κB制御因子ヌクリングの関与(一般演題要旨,日本ビタミン学会第64回大会講演要旨)
- 佐古 有季哉,鄭 丞弼,金 善美,Huy Dang Van,中田 理恵子,坂井 隆志,福井 清
- ビタミン 86(4), 284, 2012-04-25
- NAID 110009437306
- 2-IV-24 赤血球葉酸と血清総ホモシステイン値による葉酸必要量の推定(一般演題要旨,日本ビタミン学会第64回大会講演要旨)
- 平岡 真実,金胎 芳子,影山 光代,百合本 真弓,堀江 修一,香川 靖雄,安田 和人
- ビタミン 86(4), 282, 2012-04-25
- NAID 110009437302
Related Links
- ホモシステインは新たな動脈硬化の危険因子. 高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満 などの動脈硬化の危険因子に加え、ホモシステインが新たな動脈硬化性疾患の危険 因子として注目されています。 虚血性心疾患である心筋梗塞の発作を起こした人の2割 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- folic acid folate FA
- 同
- プテロイルグルタミン酸 pteroylglutamic acid PteGlu, PGA、フォラシン folacin
- ラ
- acidum folicum
- 商
- M.V.I.-12、M.V.I.-3、アミノレバンEN配合、エルネオパ1号輸液、エレンタールP、エレンタール配合、エンシュア・リキッド 、オーツカMV、ダイメジン・マルチ、ツインラインNF配合、ツインライン配合、ネオパレン1号輸液、ネオラミン・マルチV、パンビタン末、ビタジェクト、フェニルアラニン除去ミルク配合、フォリアミン(単剤)、フルカリック1号輸液、ヘパンED配合、マルタミン、ラコールNF配合、ラコール配合、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合
- 関
- テトラヒドロ葉酸(THF)。プテリン、パラアミノ安息香酸
概念
- 様々な酸化状態のC1基を転移する
吸収
機能
C1単位の調達
- セリン→グリシン (FB.421)
- グリシン開裂系 (FB.421)
- ヒスチジン代謝 (FB.423)
- THF=H4PteGlu
C1単位の転移
- 5,10-CH2H4PteGlu
臨床検査
- 全血もしくは血清で定量する。
- HPLC法により測定する
- 単位:ng/ml x 2.266 = nmol/L
基準範囲
年齢
|
平均(範囲)ng/mL
|
血清
|
全血
|
新生児
|
24.5
|
(3-59)
|
315
|
(100-960)
|
3-4月
|
12.2
|
(5-30)
|
99
|
(20-318)
|
6-8月
|
7.7
|
(3.5-16)
|
77
|
(32-176)
|
1歳
|
9.3
|
(3-35)
|
86
|
(31-400)
|
成人
|
13.1
|
(7-20)
|
195
|
(24-400)
|
臨床関連
[★]
- 英
- homocystinuria
- 同
- シスタチオニン合成酵素欠損症 cystathionine synthase deficiency、シスタチオニン合成酵素異常症
- 関
- 新生児マススクリーニング、遺伝性代謝性疾患、アミノ酸代謝異常症
[show details]
概念
病型
- シスタチオニン合成酵素欠損症:I型
- メチルコバラミン合成障害:II型
- メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素欠損症:III型
病因
- 新生児マススクリーニングでスクリーニングされるタイプ。最も多い。
- ホモシステインがシスタチオニンβ-シンターゼ(補酵素:VB6)によりシスタチオニンに変換されないために、ホモシステインとメチオニンが蓄積する。
- 新生児マススクリーニングでスクリーニングされるタイプ。まれ。
- ホモシステインがメチオニン合成酵素によりメチオニンに変換されないために、ホモシステインが蓄積する一方でメチオニンは蓄積しない(このために新生児マススクリーニングでスクリーニングされない)。
疫学
遺伝形式
症状
- 微小血栓症→梗塞→臓器障害
- 知能障害、痙攣、精神症状、水晶体の亜脱臼、くも状指、骨粗鬆症、血栓塞栓症など
- 精神発達遅滞、マルファン症候群患者に類似した症状(眼球異常(レンズの亜脱臼)、細長い手足、血栓形成、大動脈中膜障害)などが特徴的である。
診断
- 新生児マススクリーニングによりスクリーニングされる。
検査
治療
- シスチン添加低メチオニン食。ベタインの併用もありうる。
- ビタミンB6大量療法が有効な場合がある
- 葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12。ベタインの併用もありうる
予後
予防
[★]
- 英
- Alzheimer disease, Alzheimer's disease
- 同
- (国試)Alzheimer病、(以下、厳密には同義ではない)→アルツハイマー型認知症、アルツハイマー型痴呆 dementia of the Alzheimer type DAT, Alzheimer-type dementia Alzheimer type dementia ATD
- Alzheimer型痴呆、Alzheimer型認知症
- 関
- ドネペジル、認知症
概念
進行性痴呆のなかで脳血管障害による痴呆に次いで多い (EPT.257)
- 大脳皮質のびまん性萎縮が見られる (EPT.257)
- 前脳基底野コリン作動性ニューロンの選択的な変性が見られ、アセチルコリンの産生が低下
- 病理学的には、老人斑とアルツハイマー神経線維変化が見られる (EPT.257)
疫学
- 有病率:65歳以上5-10%。65~69歳:1.5%、85歳~:27.3%。
- 認知症の半数がアルツハイマー病
- アルツハイマー病の5-10%が家族性
アルツハイマーのリスクファクター
- 高コレステロール
- 血圧
- ホモシステイン
- 糖尿病。内臓脂肪(メタボリックシンドローム)
- 喫煙
病理
- 老人斑:細胞外にβアミロイドが沈着。
- 神経原線維変化:細胞内にリン酸化されたタウ蛋白が凝集し、らせん構造をとる
症状
1. 中核症状
- 1. 健忘(記銘力、記憶力)
- 2. 見当識障害
- 3. 思考力障害
- 4. 計算力障害
2. 周辺症状
- 不安、抑うつ、徘徊、不眠、妄想、せん妄、幻覚、暴行、焦燥感
他疾患との比較
未分類
- 空間視の障害:例えば立方体の模写ができない。頭頂葉の障害とされる。
- 着衣失行
検査
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国試
[★]
- 英
- methionine, Met, M
- 関
- アデノシルメチオニン、アミノ酸
概念
-CH2-CH2-S-CH3
分解
臨床関連
[★]
- 英
- tetrahydrofolate THF, tetrahydrofolic acid THFA H4FA
- 関
- メチルTHF、活性C1単位、葉酸、プテリジン
- dUMP→dTMP
- IMPの合成(IMPからはAMP, GMPができる)
[★]
- 英
- adenosylhomocysteinase
- 関
- アデノシルホモシステイナーゼ
[★]
- 英
- hyperhomocysteinemia
- 関
- メチオニンシンターゼ
[★]
メチオニンシンターゼ
[★]
- 英
- cysteine, Cys, C
- 同
- チオセリン thioserine、2-アミノ-3-メルカプトプロピオン酸 2-amino-3-mercaptopropionic acid
- 関
- アミノ酸