- 英
- placenta (Z)
発生
- G10M.30 NGY.287
- 妊娠7週から形成が始まり、妊娠4ヶ月末(妊娠15週末,妊娠前期末)に完成。妊娠10ヶ月末まで増大し続ける。
解剖
- NGY.287
- 正期産では500g、直径20cm、厚さは中央部で2cmの扁平な円盤状構造物である。
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
機能
ガス・物質交換と代謝
単純核酸
|
酸素、二酸化炭素、遊離脂肪酸、脂溶性ビタミン、ナトリウム、カリウム、尿素、尿酸、薬剤の大部分、麻酔学
|
促進拡散
|
グルコース。GLUT1とGLUT3による
|
能動輸送
|
アミノ酸、水溶性ビタミン、カルシウム、リン酸塩、鉄、ヨード
|
エンドサイトーシス
|
IgG, LDLコレステロール
|
薬物・毒物・感染性物質の胎盤通過性
- 脂溶性・非イオン性薬剤、分子量≧600、非抱合型ステロイドホルモン、脂質
- 水溶性・イオン性薬剤、分子量<1000、血清蛋白結合能の強い薬剤、ポリペプチドホルモン、抱合型ステロイドホルモン
ホルモン産生
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/08/07 10:38:16」(JST)
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胎盤 |
母体、胎児と胎盤の位置関係
|
英語 |
Placenta |
器官 |
内分泌器
女性器 |
胎盤(たいばん)とは、有胎盤類などの雌(人間の女性も含む)の妊娠時、子宮内に形成され、母体と胎児を連絡する器官である。
胎盤を作る出産を胎生とよぶが、卵胎生(非胎盤型胎生)を胎生に含めることがあるので注意を要する。
目次
- 1 概要
- 2 胎盤を持つ動物
- 3 ヒト成熟胎盤の構造
- 4 ヒト胎盤の内分泌
- 5 産後の胎盤の利用
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
概要[編集]
胎盤は、母体由来の基底脱落膜と胎児由来の絨毛膜有毛部とから構成されている。
形態は動物種により異なり、馬、豚などにみられる散在性胎盤、反芻類にみられる多胎盤、食肉類にみられる帯状胎盤、ヒト、猿、マウスなどにみられる盤状胎盤に分類される。胎盤と胎児は臍帯で連絡されている。
胎盤の主な機能は母体側と胎児側の代謝物質交換、ガス交換や胎児側への免疫学的支援である。また、ホルモンを産生し、妊娠を維持する。 胎盤は分娩時、胎児のあとに後産として娩出される。後産として共に出てくる羊膜・臍帯などを含めて胞衣(えな)と称される。
胎盤を持つ動物[編集]
胎盤を形成することは哺乳類の特徴とされることもあるが、実際は、哺乳類の一部の系統である有胎盤類のみが胎盤を持つ。現生では単孔類と有袋類が胎盤を作らない。
胎盤は哺乳類に限るものではなく、サメの一部(ホホジロザメ、メジロザメ、オオメジロザメ、シュモクザメなど)が胎盤を作る。ただし、サメの多くは胎盤を作らない卵胎生で、さらに完全な卵生の種も少なくない。
胎盤の構造(上図の一部を拡大したもの) 上部母体側から酸素、養分に富む動脈血が赤と青の細かい点で描かれた空隙、すなわち絨毛間腔内に放出され、静脈から母体に戻る。一方、図右下にある臍帯(へその緒)から絨毛間腔側に向かって臍動脈が流れ、図中に樹木のように見える絨毛を経由するうちに、ガス交換、栄養吸収、老廃物の放出が行われ、臍静脈を経由して胎児側に戻る。
図中の用語を左上から、右下に向かって以下に示す。 絨毛 (Villus)、 海綿層 (Stratum spongiosum)、 母体血管 (Maternal vessels)、 胎盤中隔 (Placental septum)、 周縁洞 (Marginal sinus)、 絨毛膜 (Chorion)、 羊膜 (Amnion)、 栄養膜 (Trophoblast)、 2本の臍動脈 (Umbilical arteries)、 1本の臍静脈 (Umbilical vein)、 臍帯 (Umbilical cord)、いわゆる「へその緒」。なお、臍動脈と臍静脈の色は実際とは逆に描かれている。
ヒトの胎盤 出産後数分経過した時点のもの。写真上部の白い紐状の組織が臍帯。指で示している部分が胎児の頭部の位置に相当する。容器と接している面が母体側である。写真下側に胎盤を取り囲んで白く不透明に見える組織は羊膜の一部。なお、胎盤のラテン語表記 placenta は平らなケーキという意味であり、写真の形状とも合致する。
ヒト成熟胎盤の構造[編集]
胎児側では胎盤は羊膜で境され、次に絨毛膜板がある。絨毛膜板からはツリー状に絨毛が生えている。ツリーの幹にあたる部分を幹絨毛といい、そこから枝のように分枝絨毛が形成されている。ツリーの一番上の部分は基底脱落膜に付着、固定している。この絨毛を付着絨毛といい、それ以外の付着していない絨毛を浮遊絨毛という。絨毛内は胎児血管が走っている。
母体側では基底脱落膜から母体血管が開口し、母体血が噴出している。絨毛はこの血液の中をただよっている。基底脱落膜の一部は、絨毛膜板に向かって隆起し、区画分けしている。この隆起を胎盤中隔と呼ぶ。胎盤中隔は、絨毛膜板には付着しておらず、全ての区画は開通している。
注意すべきことは、母体の血液と胎児の血液とは直接混合していないことである。酸素・栄養分・老廃物などの物質交換は血漿を介して行われている。このため、母体と胎児の血液型が異なっていても、異型輸血のような凝血は起こらない構造になっている。この構造をプラセンタルバリア (placental barrier) という。このことから、胎児から見ると胎盤は羊膜の外側にあるが、胎児側の臓器とも言える。
ヒト胎盤の内分泌[編集]
主に産生される蛋白質ホルモンは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG) およびヒト胎盤性ラクトゲン (hPL) がある。ステロイドホルモンは、プロゲステロン、エストロゲンがある。
- ヒト絨毛性ゴナドトロピン (hCG) - 黄体を維持する
- ヒト胎盤性ラクトゲン (hPL) - 乳腺を刺激する
- プロゲステロン - 妊娠を維持する
- エストロゲン - 子宮や乳腺を刺激する
産後の胎盤の利用[編集]
胎盤は、娩出後臓器として役割を終え不要になるため、脱落する。
産後に羊膜等と一緒に胎盤を食べる動物は多い。 単に栄養補給としての他、血の臭いを消して捕食者に狙われにくくする効果があるのではないかと考えられている。
ヒトの場合でも、健康によいと考えて、産婦自身や家族が産後に胎盤を食べる胎盤食の文化が世界各地で見られる[要出典]。生食であったり簡単な調理をしたり様々である。
一方、胎盤食はカニバリズムだとして敬遠する動きも強い。
医薬品等への転用[編集]
また、ブタやウマ、ヒト等の胎盤が、医薬品・化粧品・健康食品等に利用されている(漢方薬の紫荷車(しかしゃ)など)。嫌悪感を緩和するためか、日本語で「胎盤」ではなく英語読みの片仮名表記でプラセンタと表示されていることが多い。
また、現在でもヒト胎盤を原料としてエキス化して注射剤にしたものが、肝臓病(慢性肝疾患における肝機能の改善)や、婦人科疾患(母乳分泌促進)、更年期障害の治療を目的として数種類、医薬品として認可されている。ただし、実際にはアンチ・エイジングというような美容目的や健康目的でこれらを使用するケースも多いといわれる(この場合、健康保険による3割負担は利かずに自由診療となる)。なお、この薬剤は医師の処方箋が必要である。
現在[いつ?]、ヒト胎盤原料の医薬品に関しては、クロイツフェルト・ヤコブ病、HIV、肝炎ウイルス、リンゴ病などに関する検査(ウイルスに対する核酸増幅検査など)および安全対策(高温加熱処理など)が行われているものの、未知の病原体の存在を完全に否定することは不可能なことから、『特定生物由来製品・処方せん医薬品』の指定を受けており、使用する際には医師からのインフォームド・コンセントと使用同意書への署名・捺印が必要となる。さらに、使用者のカルテ保存(最低20年間)や、使用後の追跡調査などが厚生労働省から義務付けられている。
- また、街頭などでの献血をする際は、日本赤十字社から問診票や献血要件において、予め尋ねられており、献血を患者に対して輸血することから、上記クロイツフェルト・ヤコブ病、HIV、肝炎ウイルスなどに感染することを防止する目的で、プラセンタ注射を受けた患者が、日本赤十字社が実施している献血に参加することはできない。
- このため、市販の一般用医薬品へのヒト胎盤の使用は、事実上不可能となっており、ドリンク剤や健康食品、サプリメントに用いる胎盤は、ヒトからブタや馬などに転換されている。
関連項目[編集]
- 前置胎盤
- 臍帯
- 胎生
- 胞衣壺
- 血液胎盤関門
- 半胎盤
- 真胎盤
外部リンク[編集]
- プラセンタ、胎盤 - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- 株式会社 日本生物製剤 - ラエンネック
- ラエンネック (PDF) - 株式会社日本生物製剤の解説
- ラエンネック・インタビューフォーム (PDF) - 同上
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
|
視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
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GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
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脳下垂体後葉
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バソプレッシン - OXT
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脳下垂体中葉
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インテルメジン
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脳下垂体前葉
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αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - MSH - エンドルフィン - リポトロピン)
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|
|
副腎 |
副腎髄質
|
副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
|
|
副腎皮質
|
副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
|
|
|
甲状腺 |
甲状腺
|
甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
|
|
副甲状腺
|
PTH
|
|
|
生殖腺 |
精巣
|
テストステロン - AMH - インヒビン
|
|
卵巣
|
エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
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|
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その他の内分泌器 |
膵臓
|
グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
|
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松果体
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メラトニン
|
|
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内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 妊娠高血圧症候群の病態形成における絨毛細胞分化の役割とその調節メカニズム
- 福嶋 恒太郎,和氣 徳夫,Fukushima Kotaro,Wake Norio,フクシマ コウタロウ,ワケ ノリオ
- 福岡医学雑誌 102, 223-228, 2011-07-25
- … る.胎盤発生の過程で原始栄養膜細胞層は,機能的にも形態的にも異なる2種類の細胞に分化していく.ひとつはExtravillous trophoblast(EVT)で,この細胞は母体脱落膜から筋層へ浸潤し一部は母体のらせん動脈をはじめとする血管の内皮や壁を置換する.もうひとつは絨毛性栄養膜合胞体Villous syncytiotrophoblast(SVT)であり,これは絨毛間腔を裏打ちしガスや栄養の母児交換を担う.EVTの分化は胎盤血流 …
- NAID 120003242897
- TT ウイルス母子感染の後方視的,前方視的研究 ─特に母子感染様式と周産期における臨床的意義について─
- 稲葉 未知世,大島 教子,林田 志峯,西川 正能,岡嶋 祐子,北澤 正文,深澤 一雄,渡辺 博,高見澤 裕吉,稻葉 憲之
- Dokkyo journal of medical sciences 38(1), 41-47, 2011-03-25
- … ャリアでもあった.TTV DNA 陽転化した総数17 名の出生児は全員生後18 ヶ月時点までTTV DNA 陽性が持続しており,脱キャリア化は認められていない.また,キャリア化児におけるTTV DNA 出現時期および哺育方法より経胎盤感染,経産道感染および経唾液感染は否定的であり,経母乳感染の可能性が強く示唆される結果であった.また,キャリア妊婦及びキャリア化児における肝機能異常は母子共々TTV 単独キャリアでは認められず,TTV …
- NAID 110008427642
- P2-19-6 胎児母体間輸血症候群が診断の契機となった胎盤内絨毛癌の一例(Group109 子宮頸部腫瘍・絨毛性疾患症例,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
- 齋藤 文誉,宮原 陽,本田 律生,田代 浩徳,大場 隆,片渕 秀隆
- 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 822, 2011-02-01
- NAID 110008509886
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- でも30週頃を過ぎても、胎盤の位置が変わらないようであれば「前置胎盤」の診断がつき ます。特に全前置胎盤の場合は比較的早いうちに診断がつきます。この先胎盤が上に あがっても完全に内子宮口からはずれることは難しく、辺縁前置胎盤や部分前置胎盤に ...
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- 35歳の1回経産婦。妊娠40週に陣痛発来し入院した。5年前に回旋異常のため妊娠38週で2, 700gの女児を帝王切開で分娩した。今回の妊娠経過は良好であった。身長158cm、体重62kg、脈拍84/分、整。血圧120/84mmHg。児は第1頭位。腟鏡診で外子宮口から少量の羊水流出を認めた。超音波検査では胎児推定体重は3,400g、胎盤は子宮底部を中心に存在し異常所見を認めなかった。入院時の内診所見で先進部の下降度 SP-1cm、子宮口3cm開大。胎児心拍数陣痛図で子宮収縮は3分間隔。胎児心拍数パターンに異常を認めなかった。その後陣痛は増強し頻回となり入院後2時間には2分間隔となった。内診では子宮口は全開大し、児頭下降度はSP+2cmであった。この時点から産婦は陣痛に合わせて努責を開始した。30分経過したころ気分不快を訴えた。呼吸困難はない。意識は清明、呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧80/52mmHg。顔面は蒼白。少量の性器出血を認める。再度の内診では、児頭下降度はSP-3cmである。胎児心拍数陣痛図では陣痛は微弱となり、遷延性徐脈を認める。
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- 33歳の初産婦。妊娠41週0日。陣痛発来のため入院した。入院後、陣痛は次第に増強し、陣痛発来後16時間で2,630gの女児を正常経腟分娩した。児娩出後15分で胎盤を自然娩出した。第2度会陰裂傷に対し縫合を行った。産褥1日、周期的に下腹部痛があり排尿時に裂傷部に違和感があるという。また分娩後から排便がなく心配だという。意識は清明。体温 37.2℃。脈拍 80/分、整。血圧100/76mmHg。子宮底は臍下1cmで硬である。両下肢に浮腫を認めるが、発赤や圧痛はない。乳房緊満感を認めない。内診で子宮に圧痛はなく、悪露は赤色である。会陰裂傷の創部はやや浮腫状だが、圧痛はない。
- 説明として正しいのはどれか。
- a 「排尿の異常があるので調べましょう」
- b 「足の静脈の血栓症の疑いがあるので調べましょう」
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- 次に行う対応として適切なのはどれか。
[正答]
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[★]
- 37歳の1回経妊0回経産婦。妊娠35週0日。昨夜から胎動の減少を自覚し来院した。これまでの妊娠経過は順調であった。身長160cm、体重56kg(非妊時52kg)。血圧110/68mmHg。尿検査:蛋白(-)、糖(-)。子宮底長28cm、腹囲85cm。Leopold診察法では、第1頭位であった。胎児心拍は136/分であった。両下肢に浮腫を認めない。超音波検査を行うことにした。
- 注意して観察すべき項目はどれか。2つ選べ。
- a 羊水量
- b 胎盤の位置
- c 胎児推定体重
- d 子宮壁の厚さ
- e 胎児後頸部浮腫
[正答]
※国試ナビ4※ [107B046]←[国試_107]→[107B048]
[★]
- 出生直後の新生児。41週5日、3,200gで出生した。分娩時間第I期14時間、第II期1時間40分。羊水混濁があり、胎盤は黄染していた。臍帯動脈血pH 7.25。Apgarスコア5点(1分)、7点(5分)。鳴き声が弱く、軽度のチアノーゼを認めた。口腔内を吸引し、酸素を再び投与たところ、チアノーゼは改善し泣き声も強くなった。約10分後、再びチアノーゼと多呼吸とが出現した。、聴診上、心雑音はないが、呼吸音は両側とも減弱している。
- まず行うべき処置はどれか。
[★]
- 36歳の1回経妊1回経産婦。妊娠32週。昨夜からの少量の性器出血を主訴に来院した。自宅近くの医療機関で胎盤位置異常の可能性を指摘されたため、紹介されて受診した。 32歳時に自然経腟分娩で第1子を出産している。腹部MRIのT2強調矢状断像(別冊No. 7)を別に示す。
- 胎盤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E049]←[国試_106]→[106E051]
[★]
- 在胎28週の胎児。1絨毛膜2羊膜性双胎と診断されている。妊娠初期には2児の大きさにほとんど差を認めなかったが、次第に差を認めるようになり、大きい方の児に羊水過多と胎児水腫とを認めるようになった。
- 異常があると考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100F001]←[国試_100]→[100F003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102E012]←[国試_102]→[102E014]
[★]
- a 脱落膜は胎児由来の組織である。
- b 受精後8週ころ形態的に完成する。
- c 絨毛間腔は母体血液で満たされている。
- d hCGは合胞体栄養膜細胞から分泌される。
- e 妊娠末期の厚さは中央部で6cmを超える。
[正答]
※国試ナビ4※ [109B033]←[国試_109]→[109B035]
[★]
- (1) 胎盤は多くの分葉からなる。
- (2) 卵膜は2層構造である。
- (3) 臍帯動脈は1本である。
- (4) 臍帯付着部位は胎盤中央に限られる。
- (5) 羊水量は超音波検査で推定できる。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099D054]←[国試_099]→[099D056]
[★]
- a. 絨毛間腔は母体血が循環する。
- b. 脱落膜は胎児由来の組織である。
- c. 羊水量は胎児腎機能と関連する。
- d. 胎盤の構造は妊娠24週で完成する。
- e. 胎盤重量は妊娠末期で平均800gである。
[正答]
※国試ナビ4※ [101B048]←[国試_101]→[101B050]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G043]←[国試_098]→[098G045]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G050]←[国試_100]→[100G052]
[★]
- a. 子宮内膜から胎盤が発生する。
- b. 薬物は胎盤を通過しない。
- c. 胎児尿は羊水の主成分となる。
- d. 臍帯には1本の動脈と2本の静脈がある。
- e. 卵膜は単層で構成される。
[正答]
※国試ナビ4※ [097G046]←[国試_097]→[097G048]
[★]
- 30歳の初産婦。妊娠33週。腹痛と少量の性器出血津を主訴として来院した。妊娠高血圧症候群の所見はないが、子宮壁の圧痛が増強してきている。
- 治療方針決定のために最も必要な情報はどれか。
- (1) 血清FDP値
- (2) 胎児肺成熟度
- (3) 超音波検査による推定児体重
- (4) 超音波検査による胎盤所見
- (5) 胎児心拍数陣痛図
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [113F019]←[国試_113]→[113F021]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105G005]←[国試_105]→[105G007]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [096G053]←[国試_096]→[096G055]
[★]
- 英
- progesterone (Z), P4
- 同
- 黄体ホルモン corpus luteum hormone、プロジェステロン
- 商
- プロゲホルモン ルテウム プロゲストン, Crinone, Prochieve, Progestasert
- 関
- エストロゲン、月経周期、ホルモン
分類
性状
産生組織
- G10M.37
標的組織
生理作用
- 子宮内膜:プロスタグランジンの合成を制御(増殖期には低値、月経期には高値) → 月経前症候群・月経困難症との関連
- 妊娠中には下垂体前葉に作用してLHの分泌を抑制し、排卵を抑制する。(G10M.37)
- 乳腺組織のPRL受容体を減少させ、乳汁分泌を抑制する。(G10M.37)
作用機序
分泌調節
性周期・月経・妊娠との関連
非妊時
- 卵胞期:低値
- 排卵期~黄体期:高値
- 黄体期後期:漸減
妊娠時
- 妊娠時には0-10週にかけてなだらかに上昇してから下降するが、以降漸増する。(NGY.47)
- 妊娠時には10週までなだらかに増加し、以降増加。(G10M.37)
LAB.724
|
エストロゲン
|
プロゲステロン
|
エストロン
|
エストラジオール
|
エストリオール
|
|
(pg/ml)
|
(pg/ml)
|
(pg/ml)
|
(ng/ml)
|
女性
|
卵胞期
|
10~60
|
10~150
|
0~20
|
0.5~1.5
|
排卵期
|
25~100
|
50~380
|
5~40
|
1.5~6.8
|
黄体期
|
25~80
|
30~300
|
5~40
|
5.0~28.0
|
更年期
|
20~80
|
10~50
|
0~20
|
0.3~0.4
|
男性
|
30~60
|
10~60
|
0~15
|
0.2~0.4
|
[★]
- 英
- collagen
- 同
- 膠原
- 関
- first aid step1 2006 p.85,86,114,288,291,292,301,306,319,321,385,427
遺伝子
- COL1A1 17q22
- COL1A2 7q22.1
- COL2A1 12q13
- COL11A2 6p21.3
- これらの遺伝子の変異による結合組織疾患はdominant negative mutationである。
臨床関連
コラーゲンの種類
生合成
[★]
- 英
- thiamazole
- ラ
- thiamazolum
- 同
- メチマゾール methimazole、メルカプトメチルイミダゾール mercaptomethylimidazole MMI
- 商
- メルカゾール、Tapazole
- 関
- 薬理学、甲状腺機能亢進症。プロピルチオウラシル propylthiouracil PTU
作用機序
薬理作用
- ペルオキシダーゼは濾胞内でO2からH2O2を生成し、H2O2によりI-がI・となりサイログロブリン上のチロシンの3位or5位につく
動態
- 胎盤を通過
- 乳汁中に分泌 → 妊婦には投与しない方がよい
適応
注意
禁忌
副作用
[★]
- 関
- 妊娠
- QB.Q-4, G10M.46
- 尿中hCG定量:妊娠4週から。予定月経を数日経過してから
- 超音波検査法:胞状奇胎、子宮外妊娠、流産の識別、黄体嚢胞の有無、妊娠週数の推定(GS, CRL)
[★]
- 英
- placental separation sign
- 関
- 胎盤、胎盤剥離、癒着胎盤
[★]
- 英
- couvelaire uterus
- 同
- クブレール子宮
- 関
- 常位胎盤早期剥離、クブレール徴候
[★]
- 英
- placenta hydrolysate
- 商
- ラエンネック
[★]
- 英
- placental transportability
- 関
- 胎盤
[★]
- 英
- placentome
- 関
- 胎盤