- 英
- meconium aspiration syndrome MAS
- 関
- 胎便吸引、胎便
概念
- 胎便の肺内への吸引による生じる呼吸障害である。胎児が子宮内で低酸素状態に暴露されることで胎便が排泄され、またあえぎ呼吸が引き起こされ胎便を吸引して生じる。低酸素状態に対する反応性は早産児では発達していないため、正期産児、特に過期産児に多く見られる。 (SPE.102)
病因
病型
疫学
病態
- → 腸蠕動の亢進、肛門括約筋の弛緩 → 羊水内排便
- → あえぎ呼吸 → 胎便の気管内への吸引 → 胎便による肺サーファクタントの不活性化・気道の閉塞と炎症 → 無気肺・肺気腫
症状
合併症
- air leak(気胸、気縦隔など), 新生児遷延性高血圧症 PPHN
検査
胸部X線写真
呼吸窮迫症候群
|
肺胞の拡張不全、網状顆粒状陰影、気管支透亮像、すりガラス状陰影
|
一過性多呼吸
|
肺野全体の透亮像低下(呼吸窮迫症候群より軽度)、肺尖部の高透過性
|
胎便吸引症候群
|
胎便による全肺野の炎症像(斑状、まだら状の不透亮像)
|
診断
治療
予後
予防
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/04/06 15:17:55」(JST)
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胎便吸引症候群(たいべんきゅういんしょうこうぐん)は、胎便を肺に吸い込んで起こる症候群。出生後呼吸不全、肺炎の原因となる。新生児仮死に合併しやすい。
診断
吸引した便を反映した異常陰影がレントゲンに写る。
治療
酸素投与、抗生剤投与
予後
仮死を伴っていなければ一般的に良好である。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- CTによるAutopsy imagingが死因検索に有用であった新生児呼吸障害の一例
- 楊井 章紀 [他]
- 長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi 86(2), 69-74, 2011-06-25
- … 羊水混濁と呼吸障害から胎便吸引症候群を疑ったが、気管内挿管困難であった。 …
- NAID 110008620335
- サーファクタント補充療法 (周産期診療指針2010) -- (新生児編 新生児疾患の診断治療手技)
- 胎便吸引症候群 (周産期診療指針2010) -- (新生児編 新生児疾患の治療指針)
Related Links
- 胎便吸引症候群。胎便吸引症候群とはどんな病気か 胎便を肺に吸い込むことで気管支 が閉塞され、呼吸障害を起こす病気です。原因は何か 子宮内で胎児が仮死に陥ると、 腸の蠕動(ぜんどう)運動が一時的に活発になり同時に肛門括約筋 gooヘルスケア 家庭 ...
- 2011年5月8日 ... 定義] 胎便吸引症候群(MAS)は、胎内あるいは出生直後に、児が胎便により汚染され た羊水を気道内に吸引することで生じる呼吸障害である。 [症状] ・ 多くは胎児機能不全 (NRFS)、新生児仮死を伴い、羊水混濁を認める。 ・ 出生直後から ...
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[★]
- 次の文を読み、59-61の問いに答えよ。
- 39歳の初産婦。妊娠41月2週 陣痛発来のため入院した。
- 現病歴 妊娠初期から定期的に妊婦健康診査を受けている。これまでの超音波検査で子宮体部右側に直径5cm大の漿膜下筋腫を指摘されている。その他には妊娠経過に特記すべきことはない。本日午前1時から10分周期の規則的な陣痛が発来したが自宅で待機していた。午前9時に来院した。
- 既往歴 15歳で虫垂炎手術。
- 家族歴 母親が2型糖尿病。
- 月経歴 初経12歳。周期28日、整。
- 現症 意識は清明。身長162cm、体重71kg(非妊時63kg)。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧124/76mmHg。子宮底長37cm、腹囲96cm。下腿に浮腫を認めない。Leopold触診法で児背を母体の左側に触れる。陣痛周期は3分。内診所見:先進部は小泉門で母体の左後方に触れる。子宮口5cm開大、展退度60%、児頭下降度SP+1cm。子宮口の位置は中央、硬さは軟である。未破水である。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。超音波検査では羊水ポケット1cm、胎児推定体重3,500 g。胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数パターンに異常を認めない。
- 出生直後の新生児の異常として注意すべきなのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G059]←[国試_105]→[105G061]
[★]
- 28歳の初妊婦。妊娠35週に発熱と下腹部痛とを訴えて来院した。
- 2日前に多量の水様性帯下を認めたが放置していた。意識は清明。身長158cm、体重58kg。体温38.5℃。呼吸数32/分。脈拍100/分、整。血圧130/80mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。子宮に圧痛を認める。
- 内診所見:子宮口閉鎖、展退度50%、子宮口から膿性分泌液の流出を認める。血液所見:赤血球400万、Hb11.3g/dl、白血球18,000。CRP5.5mg/dl。
- 超音波検査所見:頭位で羊水腔をほとんど認めない。胎児心拍数陣痛図所見:心拍数基線180bpm、一過性頻脈なし、一過性徐脈なし、基線細変動10bpm。帝王切開術を施行した。出生体重2,400g、Apgarスコア8点(1分)、9点(5分)。この児に最も起こりやすいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A055]←[国試_099]→[099A057]
[★]
- 生後1時間の新生児。在胎32週に骨盤位で陣痛発来のため帝王切開にて出生。羊水混濁はなかった。出生体重 1,496g。Apgarスコアは6点(1分)、8点(5分)。出生後、第1呼吸を認めたが、蘇生台にて処置中に浅い呼吸を認めるようになり、NICUに入院し哺育器に収容した。体温 36.5℃。脈拍 148/分、整。呼吸数 90/分、整。SpO2 97%(哺育器内の酸素濃度 30%)。心音に異常を認めない。呼吸音は左右差なく肺胞呼吸音を聴取する。胸骨上窩と季肋下とに陥没呼吸を認める。胃液に白血球を認めず、マイクロバブルテストの結果は強陽性である。胸部エックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D021]←[国試_109]→[109D023]
[★]
- 生後24日の新生児。在胎27週、968gで出生。Apgarスコア6点(1分)、7点(5分)。
- 出生後からチアノーゼとうめき声とがあり、陥没呼吸を認めた。呼吸数54回/分。ただちに気管内挿管し、人工換気を開始した。生後1日の血清IgM値は50mg/dl(基準0~20)。20日目で人工換気を中止し、酸素投与のみで経過をみた。
- 抜管後、症状は4日間は落ちついていたが、次第に喘鳴が聴取されるようになった。
- 生後24日の白血球12,000、CRP0.1mg/dl(基準0.3以下)。胸部エックス線写真を以下に示す。
- 生後24日の状態で考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A002]←[国試_098]→[098A004]
[★]
- 出生直後の新生児。早産児のためにNICUに入院した。母親は前期破水のため2日前から入院していた。在胎26週、出生体重 980gで経腟分娩で出生した。Apgarスコアは4点(1分)。体温 37.3℃。心拍数 160/分、整。呼吸数 50/分。SpO2 90%(哺育器内の酸素濃度 30%)。大泉門は平坦。呻吟と肋間腔の陥没とを認める。
- 考えられる疾患はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I074]←[国試_111]→[111I076]
[★]
- 33歳の初産婦。妊娠30週に妊娠糖尿病の疑いで産科診療所から紹介され受診した。妊娠34週からインスリン治療を開始した。現在、妊娠39過で推定胎児体重4,000g。
- 経腟分娩を行う場合、新生児合併症として起こりにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105I052]←[国試_105]→[105I054]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G084]←[国試_098]→[098G086]
[★]
- 在胎32過、頭位分娩で出生した新生児に合併しやすいのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A012]←[国試_104]→[104A014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105C031]←[国試_105]→[105D002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H002]←[国試_098]→[098H004]
[★]
- 新生児の呼吸困難で一ヶ月以上持続するもの。あてはまる物いくつでも
[★]
- 英
- neonate
- 同
- 新産児 newborn
- 関
- 胎児 fetus,乳児 infant
- neonatal, newborn, newborn animal, newborn infant
定義
- 早期新生児期:出生後1週未満
- 後期新生児期:7日から28日未満
出生後にみとめられるもの
- 098G051
- 吸啜反射:出生時より
- 胎便:出生直後-3日頃
- 生理的黄疸:出生後2-3日に出現。出生後4-6日にピーク ← 出生時~出生後24時間内の黄疸は病的
- 生理的体重減少:出生後3-4日で最大。
- 臍帯の脱落:出生後5-7日
解剖
生理
腎機能
免疫
- 細胞性免疫>液性免疫
- 在胎26-33週に移行した母体のIgGによる受動免疫で感染から防御している。
- 出生後5ヶ月で消失
血液
- Ht:50-55%:生後細胞外液の喪失に伴い上昇、8日で生後の値にもどり、3ヶ月に最も低くなる。
- Hb:17-19g/dL
- 白血球:9,000-30,000/mm3
- 血小板:10-28万/mm3 (SPE.74)
身体所見
身体の大きさ
- QB.P-329
- 前後径、肩幅:11cm
- 大横径、小斜径、殿幅:9cm
- 体重:3300g
- 頭囲:33cm
- 胸囲:33cm
呼吸器
- SPE.78
- 腹式呼吸
- 呼吸数:40-50/分 (早産児ではこれより早く、5-10秒の呼吸停止を挟む呼吸)
- 聴診:呼吸音は胸壁が薄いためよく聴取され、高調である。
経過観察できる所見
- QB.O-76改変
診察箇所と疑われる疾患
- SPE.77
出生体重による分類
- 高出生体重児 high birth weight infant
- 巨大児 giant baby : 4000g以上
- 超巨大児 exceptionally large baby : 4500g以上
- 正出生体重児 normal birth weight infant :2500g以上、4000g未満
- 低出生体重児 low birth weight infant : 2500g未満
- 極低出生体重児 very low birth weight infant : 1500g未満
- 超低出生体重児 extremely low birth weight infant : 1000g未満
身長、体重による区分
- SPE.48
- 日本での定義/体重のみで評価
- light for gestational age infant / light for dates infant : 体重が10パーセンタイル未満の児
- apropriate for gestational age infant AGA infant : 体重が10パーセンタイル以上の児 かつ 体重が90パーセンタイル未満の児
- heavy for gestational age infant :体重が90パーセンタイル以上の児
- 参考1
- 体重による評価
- light for date LFD
- appropriate for date AFD
- hearve for date
- 参考1
- 身長と体重による評価
- small for date SFD / small for gestational age SGA
- large for date? LFD? / large for gestational age? LGA?
成熟新生児の身体所見
- 参考2 G10.M235 SPE.78 など
- 大泉門は開存(4x4cm)しており、小泉門は小さい
- 産瘤(経腟分娩による場合)
- 頭頂部方向に長く変形(児が後頭位であって、経腟分娩により出生した典型的な場合)
- 骨重積(産瘤、頭部変形、骨重積は2日程度で戻る)(経腟分娩による場合)
- 頭髪の長さは2cm前後
- 耳介の巻き込み
- 面疱は鼻に限局
- うぶ毛は背中、肩甲部に限局 ← 未成熟の場合、うぶ毛は多い
- 皮膚は厚く、血管は透けない
- 足底にしわを認める ← 未成熟の場合、しわは少ない
- 四肢に浮腫を認めない
- 関節屈曲部に胎脂が残る
新生児と疾患
在胎週数と疾患
参考
- 1. C.産婦人科検査法 14.胎児発育・児体重推定 - 日産婦誌59巻6号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5906-168.pdf
- http://www.hogarakana.jp/study/index.php?ID=55
国試
[★]
- 英
- respiratory distress syndrome, RDS
- 同
- 呼吸促迫症候群
- 同
- 新生児呼吸窮迫症候群 infantile neonatal respiratory distress syndrome, IRDS
- 関
- [[]]
概念
- 出産直後から進行性の呼吸不全を起こす代表的疾患。
- 胎児の未熟性(在胎34未満)による肺サーファクタントの産生障害により、肺胞の虚脱および硝子膜形成に基づく換気障害である。肺胞の拡張不全によりアシドーシスを来たし、肺血管の収縮により低酸素血症が悪化する。また、アシドーシス・肺血流減少、肺サーファクタント不足により肺胞上皮が障害をうけ、透過性の亢進により肺硝子膜が形成される。結果として呼吸不全となる。(SPE.99 NGY.503)
疫学
症状
- 1-4が呼吸窮迫症候群の四徴とされる
検査
胸部単純X線写真
- SPE.101
- Bomsel分類:I~IV度で判定。IV度は真っ白で無気肺が認められる
- 肺胞の拡張不全
- 網状顆粒状陰影:空気の入っていない肺胞が黒く見える
- 気管支透亮像
- すりガラス状陰影
呼吸窮迫症候群
|
肺胞の拡張不全、網状顆粒状陰影、気管支透亮像、すりガラス状陰影
|
一過性多呼吸
|
肺野全体の透亮像低下(呼吸窮迫症候群より軽度)、肺尖部の高透過性
|
胎便吸引症候群
|
胎便による全肺野の炎症像(斑状、まだら状の不透亮像)
|
肺サーファクタント
診断
治療
[★]
- 英
- transient tachypnea of the newborn, TTN
- 関
- 新生児一過性頻呼吸
病因
- 通常、分娩により羊水の産生が低下する。正常例では生後30分に75%の例で羊水の残存が認められるが、6時間後には肺胞より吸収され認められなくなる。
疫学
症状
診断
- 生後6時間以内に発症し、症状が12時間以上持続する。呼吸数は60回/分以上。
検査
治療
[★]
[★]
胎便吸引症候群 MAS
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- meconium
概念
- 胎児や出生後まもない新生児から排泄される便。
- ほとんどの場合、出生12時間以内に見られる。
胎便に含まれるもの
- NGY.283
- 嚥下した羊水中のうぶ毛、胎脂、上皮細胞などの未消化物、消化管分泌物、胆汁
消化器の発生との関連
- 妊娠3ヶ月末から羊水嚥下運動が見られ、妊娠8ヶ月頃には消化器機能はほぼ完成。(NGY.283)
- 妊娠10週には消化管の蠕動が開始され、妊娠20週頃には胎便を生成する。(QB.P-190)
臨床関連
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候
[★]
- 英
- suction, vacuum, aspiration, inhalation