- 英
- atonic bleeding, atonic postpartum hemorrhage
- 同
- 子宮弛緩症 uterine atony, Uterusatonie, atonia uteri
疫学
- 全分娩の約10%(他の文献では5%)に起こる。
- 経産婦に多い。
- 妊産婦死亡の20.4%を占める
原因
徴候
身体所見
治療
- 0. 子宮内容物の除去、子宮底の輪状マッサージ
- 1. 全身の管理:輸液・輸血、抗ショック療法
- 2. 子宮収縮薬の投与
- 3. 双手圧迫法
- 4. 子宮・膣強圧タンポン
- 5. 内腸骨動脈結紮術、子宮摘出
UpToDate Contents
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- 1. 周産期出血患者への麻酔anesthesia for the patient with peripartum hemorrhage [show details]
… Volatile inhalation anesthetics produce dose-dependent uterine relaxation , which can contribute to uterine atony and hemorrhage. We administer midazolam 2 mg IV, and nitrous oxide (N2O) 50 to …
- 2. 小児や思春期の女性に生じる外陰部出血の評価evaluation of vulvovaginal bleeding in children and adolescents [show details]
…vaginal bleeding must be differentiated from menstruation; and menstrual bleeding must be categorized as either normal or excessive. This topic offers an approach to the evaluation of vaginal bleeding in children …
- 3. 陣痛のマネージメントに対する非薬理学的アプローチnonpharmacologic approaches to management of labor pain [show details]
… on childbirth present relaxation techniques, including a variety of rhythmic breathing patterns intended to complement and promote relaxation or to provide distraction… suspected infection, abnormal fetal heart rate tracing, nonprogressing labor, excessive vaginal bleeding, and any condition requiring continuous electronic fetal monitoring. To avoid elevating the woman…
- 4. 癌に対する補完代替療法complementary and alternative therapies for cancer [show details]
… either regular relaxation training and imagery or standard care only . The experimental group experienced better quality of life than the control group. Another trial of relaxation therapy in… adulteration and toxicity (an acquired bleeding diathesis) forced a recall of this compound by the…
- 5. 気管領域の手術を行う際の麻酔管理anesthesia for tracheal surgery [show details]
… is not connected to the patient. Also, an NMBA is often administered to induce complete muscle relaxation. During general anesthesia with these techniques, precautions are taken to avoid awareness with … Development of airway obstruction is more likely in a patient who had intraoperative airway bleeding or excessive secretions since even a small clot…
Japanese Journal
- 分娩中 弛緩出血 (特集 妊娠・分娩・産褥期の出血 時期別アプローチ : ドクターコール? 経過観察? 問題に答えてアセスメント力アップ)
- 三浦 彩子
- Perinatal care = ペリネイタルケア : 周産期医療の安全・安心をリードする専門誌 38(6), 552-555, 2019-06
- NAID 40021944015
- 当院における予定日超過のため分娩誘発した症例の分娩転帰の検討
- 武永 智,秋葉 靖雄,田口 圭祐,水戸 裕二朗,吉田 卓功
- 日本農村医学会雑誌 68(2), 120-126, 2019
- … 当院では妊娠41週の妊婦に対して症例によって分娩誘発を行なっているが,分娩転帰として緊急帝王切開に至る症例,分娩後に弛緩出血で治療を要する症例や児がNICUに入室する症例を経験する。 …
- NAID 130007715855
- 症例報告 産科危機的出血に対するトラネキサム酸投与後に無症候性の卵巣静脈血栓が発見された1例
- 宮武 里沙,橋本 彩子,芥川 香奈,細川 さつき,有馬 香織,渡邊 理子,山田 学,笠井 靖代,木戸 道子,宮内 彰人,安藤 一道
- 東京産科婦人科学会会誌 67(4), 696-700, 2018-10
- NAID 40021738404
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- 概要 弛緩出血 (しかんしゅっけつ) とは、赤ちゃんを分娩したあとに良好な子宮収縮が起こらず、子宮から大量の出血をきたす状態を指します。 母体は、出血性ショックや播種性血管内凝固症(disseminated intravascular coagulation:DIC)に陥る危険もあります。
- 弛緩出血の基礎知識 POINT 弛緩出血とは 分娩後に「子宮の筋肉が十分に収縮しないこと」「胎盤が剥がれた部分や子宮静脈洞からの出血」が原因で大量出血を起こすことを弛緩出血といいます。分娩に時間がかかった場合や、急速に分娩となった場合、また子宮の中に胎盤の一部や血塊などの ...
- 弛緩出血の原因は? 弛緩出血の主な原因は、次に挙げる2つです(※1)。 子宮筋が疲労している 子宮の筋肉が疲れ切ると収縮できなくなります。子宮筋は、お産が長引いたり、巨大児や多胎妊娠(双子や三つ子)、羊水過多などで子宮が伸びすぎたりすることで、疲労を起こします。
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[★]
- 次の文を読み、10~12の問いに答えよ。
- 30歳の1経妊未産婦。陣痛発来のため来院した。
- 現病歴: 妊娠初期から定期的に妊婦健康診査を受けており、妊娠経過は母児ともに順調であった。妊娠39週5日午前2時に自然陣痛が発来し、次第に増強したので午前4時に来院し、入院となった。]]
- 既往歴: 特記すべきことはない。
- 月経歴: 初経12歳。周期28日、整。
- 妊娠分娩歴: 4年前に妊娠7週で自然流産。
- 現 症: 意識は清明。身長162cm、体重63kg(妊娠前50kg)。体温36.4℃。脈拍88/分、整。血圧112/76mmHg。子宮底長35cm、腹囲98mm。下腿浮腫はない。Leopold触診法で児は頭位、第2胎向で、胎児心拍数144/分。胎児超音波検査では児頭大横径95mm、児の推定体重は3,500gである。内診所見では矢状縫合は骨盤横径に一致し、子宮口開大3cm、展退度60%、児頭下降度SP-2cm、子宮口の位置は中央、硬さは軟である。破水は認めない。
- 陣痛は次第に増強し、午後2時に自然破水した。午後3時の陣痛の間隔は2分、持続時間は60秒。内診所見では子宮口開大6cm、展退度80%、児頭下降度SP+1cm、子宮口の位置は前方、硬さは軟であった。午後6時に陣痛間隔は5~7分、持続時間は20~30秒となった。小泉門を10時に触知、子宮口開大8cm、展退度90%、児頭下降度SP+2cmであった。その後、陣痛の間隔と持続時間とは変わらず、午後9時の内診所見は不変である。胎児心拍数パターンに異常は認めない。
- 3,800gの男児を分娩した。10分後に胎盤が自然娩出したが、その直後から持続的な性器出血がみられ、子宮底は臍窩上に触知する。出血の原因として考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101E011]←[国試_101]→[101E013]
[★]
- 次の文を読み、59-61の問いに答えよ。
- 39歳の初産婦。妊娠41月2週 陣痛発来のため入院した。
- 現病歴 妊娠初期から定期的に妊婦健康診査を受けている。これまでの超音波検査で子宮体部右側に直径5cm大の漿膜下筋腫を指摘されている。その他には妊娠経過に特記すべきことはない。本日午前1時から10分周期の規則的な陣痛が発来したが自宅で待機していた。午前9時に来院した。
- 既往歴 15歳で虫垂炎手術。
- 家族歴 母親が2型糖尿病。
- 月経歴 初経12歳。周期28日、整。
- 現症 意識は清明。身長162cm、体重71kg(非妊時63kg)。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧124/76mmHg。子宮底長37cm、腹囲96cm。下腿に浮腫を認めない。Leopold触診法で児背を母体の左側に触れる。陣痛周期は3分。内診所見:先進部は小泉門で母体の左後方に触れる。子宮口5cm開大、展退度60%、児頭下降度SP+1cm。子宮口の位置は中央、硬さは軟である。未破水である。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。超音波検査では羊水ポケット1cm、胎児推定体重3,500 g。胎児心拍数陣痛図で胎児心拍数パターンに異常を認めない。
- 胎盤娩出直後から持続的な出血を認めている。原因として考えにくいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G060]←[国試_105]→[105G062]
[★]
- 24歳の初妊婦。妊娠 38週3日に陣痛発来のため入院した。これまでの妊娠経過は順調であった。入院後、陣痛は次第に増強し、陣痛発来後8時間で 2,960gの女児を分娩した。Apgarスコアは10点(5分)であった。児娩出後30分が経過したが、胎盤が娩出されず、用手剥離で娩出させた。処置中に性器出血が増量し、胎盤娩出までの出血量は1,200mLとなった。意識は清明。心拍数 72/分、整。血圧80/40mmHg。性器出血が持続し強い下腹部痛を訴えている。腹部の触診で子宮底を触知せず、腟鏡診では外子宮口が不明で暗赤色の腫瘤を認める。
- 性器出血の原因として疑う疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G045]←[国試_111]→[111G047]
[★]
- 42歳の初産婦(1妊O産)。陣痛発来のため入院した。既往歴は35歳で腹腔鏡下子宮筋腫核出術、38歳で子宮鏡下子宮内膜ポリープ摘出術を受けた。入院後8時間で3,450gの男児を経腟分娩し、児娩出の5分後に胎盤はスムーズに娩出された。分娩時出血量は100mLであり、会陰裂傷に対して縫合術を行った。産後20分の時点で軽度の意識混濁が出現した。この時点で脈拍 120/分、整。血圧 72/40mmHg。呼吸数 24/分であり、腹部の疹痛を訴えている。外出血(性器出血)は少量で、腟鏡診でも子宮口からのわずかな血液流出を認めるのみである。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114D016]←[国試_114]→[114D018]
[★]
- 30歳の初産婦。妊娠中の異常は指摘されていない。分娩第2期は30分で経過し、3,050 g の女児を経膣分娩した。胎盤は自然剥離して5分後に娩出され欠損はない。膣内から新鮮な血液が20分で900g流出した。疼痛はなく顔色は蒼白である。脈拍90/分、整。血圧96/64mmHg。子宮底は臍下5cmで体部の収縮は良好である。考えられるのはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095C050]←[国試_095]→[095D002]
[★]
- 28歳の3回経産婦。自然経膣分娩で3,540gの男児を出産した。胎盤を牽引して娩出させた。直後から性器出血が持続し、その後下腹部痛を訴え始めた。意識は清明であるが表情は苦悶様。脈拍96/分、整。血圧132/88mmHg。触診で子宮底を触れず、膣鏡診で膣内に腫瘤様のものを認める。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A001]←[国試_098]→[098A003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [111I022]←[国試_111]→[111I024]
[★]
- 40歳の初産婦。児の娩出までの経過は正常であった。胎盤娩出直後から多量の出血を認めるとともに下腹部に激しい痛みを訴えた。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A021]←[国試_102]→[102A023]
[★]
- 周産期異常と発症時期の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [105D016]←[国試_105]→[105D018]
[★]
- 妊娠末期の経腟分娩において、子宮収縮は良好であるものの胎盤娩出後も多量の性器出血が持続する場合、最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110B029]←[国試_110]→[110B031]
[★]
- 陣痛発来前に行われた選択的帝王切開術後に持続する性器出血がある。考えられる原因はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095A077]←[国試_095]→[095A079]
[★]
[正答]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107H038]←[国試_107]→[107I002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097G109]←[国試_097]→[097G111]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [100G108]←[国試_100]→[100G110]
[★]
- 英
- Sheehan syndrome, Sheehan's syndrome
- 同
- 分娩後下垂体機能低下症 postpartum hypopituitarism
- 下垂体梗塞 pituitary necrosis
- 関
- 下垂体機能低下症、ホルモン
概念
- 分娩時の大出血またはショックにより、下垂体血管に攣縮および二次的血栓が生じて下垂体の梗塞、壊死が起こり、これにより下垂体前葉機能低下症を呈した病態。
症状
- (軽症)乳汁分泌不全、腋毛・恥毛の脱落、無月経 (NGY.157)
- (重症例)甲状腺・副腎機能の障害による無気力・易疲労感 (NGY.157)
- 低血糖(GH低値による)
- G9M.34
- 第2度無月経、性器・乳腺萎縮、やせ、乳汁分泌低下、恥毛・腋毛の脱落、無力感、低血糖症状
ACTH↓
|
易疲労感、低血糖、低ナトリウム血症、低血圧、恥毛・腋毛の脱落
|
PRL↓
|
乳汁分泌低下
|
TSH↓
|
耐寒性の低下、不活発、便秘、皮膚の乾燥
|
GH↓
|
筋力低下、体脂肪増加
|
FSH・LH↓
|
エストロゲン↓
|
第2度無月経、性欲低下、乳房・内外性器の萎縮、骨粗鬆症
|
プロゲステロン↓
|
基礎体温:低温1相
|
検査
MRI
- G9M.34
治療
鑑別疾患
症例
- 35歳女性。無月経を主訴に来院した。1回経産婦で、分娩時弛緩出血のためショックとなり緊急輸血を施行した。妊娠前の月経周期は28日型の整手有り、分娩後5年が経過したが月経の発来はなかった。軽度のるいそうを認める。
- 48歳女性。易疲労感の増悪を訴え来院。30歳の時、第2子分娩後、大量出血し、その後月経が消失していた。数年前より、易疲労感、耐寒性の低下を自覚し、近医を受診。甲状腺機能低下症と診断され、甲状腺ホルモン薬が処方され、服用していたが改善せず、むしろ増悪傾向にあった。
[★]
- 英
- obstetrical shock, obstetric shock
- ラ
- shock obstetricus
- 同
- 分娩時ショック
- 関
- ショック
分類
- G10M.274改変 QB.P316
[★]
- 英
- twin pregnancy
- 関
- 双胎、膜性診断
分類
診断
- 妊娠10週までに1絨毛膜双胎と2絨毛膜双胎の診断を行うことが望ましい。1絨毛膜双胎と診断された場合、妊娠14週までに1絨毛膜2羊膜双胎か1絨毛膜1羊膜双胎の診断を行う。(参考1)
合併症
- G10M.121 NGY.413
- 貧血:循環血漿量の増加が優位になるため
- 妊娠高血圧症候群:循環血液量の増加による。双胎妊娠により頻度は2-3倍上昇。
分娩
- G10M.123
- 頭位-頭位 :45%:経腟分娩
- 頭位-骨盤位:25%:経腟分娩 or 帝王切開
- 骨盤位-頭位:10%:帝王切開(懸鉤のリスクあり)
参考
- 1. 卒後研修プログラム4 産婦人科診療ガイドライン(産科編)の注意点 4)双胎管理について - 日産婦誌60巻9号
- http://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=to63/60/9/KJ00005041867.pdf
国試
[★]
- 英
- monochorionic diamniotic twin, MD twin, monochorionic diamniotic twins, MD twins
- 同
- MD双胎
- 関
- 双胎、双胎妊娠
概念
- 子宮内に1つの絨毛膜(胎盤)と2つの羊膜が存在する妊娠状態
- 周産期死亡率や神経学的後遺症は二絨毛膜二羊膜双胎より悪く、一絨毛膜一羊膜双胎よりは良好である。
原因
- 一つの卵子が受精後4-7日後ごろに二つの内細胞塊に分かれる事による。これより遅ければ一絨毛膜一羊膜双胎、早ければ二絨毛膜二羊膜双胎となる。
診断
- 妊娠初期に行う経腹/経腟超音波検査による膜性診断を行う。妊娠11週までにおこなう。
合併症
- G10M.121
治療
参考
- 1. クリニカル・カンファレンス 2.多胎妊娠の管理―最近の知見 3)疾病双胎の管理~双胎間輸血症候群の病態と治療~ - 日産婦誌55巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/55/5509-216.pdf
- 2. 〔多胎妊娠の管理シリーズ〕 多胎妊娠はいつ分娩を終了させたらよいか? - 日産婦誌52巻1号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/52/5201-011.pdf
[★]
- 英
- genital bleeding
- 関
- 不正性器出血。新生女児性器出血
妊娠初期に見られる性器出血
妊娠後期に見られる性器出血
- 前置胎盤:下腹部痛なし
頚管無力症 ← 妊娠の中期以降に性器出血や腹痛を伴わずに頚管が短縮・開大し、胎児が娩出される(NGY.402)。なので性器出血の鑑別に入らないのでは?
- 切迫早産:下腹部痛(+)(←陣痛)、子宮口やや開大
- 常位胎盤早期剥離:下腹部痛(++)。板状硬
分娩後に見られる性器出血
- 弛緩出血
- 子宮破裂:病的収縮輪を認め、激痛を訴える。胎児ジストレス~胎児心拍の消失。母体の突然のショック。
- 子宮内反症:臍帯の用手的牽引による。激痛と出血によるショックに陥ることがある。
- 癒着胎盤
- 産道裂傷(頚管裂傷):
[★]
- 英
- relaxation、relax
- 関
- 緩和、ほどける、リラクゼーション
[★]
- 英
- blood, (漢方)blood and body fluid energy
- 関
- 血液、血中
[★]
- 英
- hemorrhage, bleeding
- 関
- 出血量