- 英
- Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs, NSAIDs, NSAID
- 同
- non-steroidal antiinflammatory drugs, non-steroidal antiinflammatory drug, non-steroidal anti-inflammatory drug, nonsteroidal antiinflammatory drug, nonsteroidal antiinflammatory drugs, nonsteroidal anti-inflammatory drugs
- nonsteroidal anti-inflammatory agent、nonsteroidal antiinflammatory agent
- エヌセイド、エヌセイズ
- 非ステロイド抗炎症薬、非ステロイド系抗炎症薬
- 非ステロイド消炎鎮痛薬、非ステロイド系消炎鎮痛薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬
- 非ステロイド系消炎薬
- 関
- ステロイド性抗炎症薬、薬理学
GOO.chapter36
概念
- 糖質コルチコイド(ステロイド性抗炎症薬)に対する用語として用いられる。
- COX阻害により抗炎症、鎮痛、解熱作用を呈する薬物群
- 炎症部位ではプロスタグランジンが産生され、痛みや発熱の閾値を下げる。ただし、プロスタグランジン自体に発痛作用はない。炎症部位からはブラジキニンとプロスタグランジンが産生されるが、プロスタグランジンが痛みの閾値を下げ、発痛はブラジキニンが痛覚受容体を刺激することで生じる。アスピリンによりプロスタグランジンの産生を押さえると痛覚の閾値が上がり、結果として鎮痛作用が生じる。
- アスピリンはCOX-1とCOX-2を阻害する。COX-1は構成的に発現しており、常在のシクロオキシゲナーゼである。発現場所は胃粘膜、血小板であり、胃粘膜ではプロスタグランジンが胃粘膜を保護するように作用しており、血小板ではトロンボキサンが血小板機能をサポートしている。COX-2は誘導型であり、非常在性のシクロオキシゲナーゼである。炎症時に炎症関連細胞などで種々の刺激に誘導される。COX-2により炎症、疼痛、発熱に関与する物質が産生される。COX-3も存在し、アセトアミノフェンに特異性のあるCOX-1遺伝子由来の蛋白?脳、心臓、大動脈に発現している。
COX-2阻害薬
Cox-2 inhibitor ○○コキシブ(-coxib)
(cyclooygenase 2 inhibitor)
胃腸障害がない。大腸疾患の予防、アルツハイマー予防というメリットがあるかもしれない(スーパーアスピリン)と期待されていた
→実際に胃腸障害は少なかった
回収の原因は心筋梗塞などの心血管系の障害発生が増加するため。これはアスピリンの作用によるものではなく、本当に増やしていた。
Cox-1:PGI2とTXA2の両方を合成
Cox-2:PGI2を合成
血小板凝集抑制作用のあるプロスタサイクリン(PGI2)がCox-2選択的に抑制されることで、PGI2とTXA2のバランスが崩れ、血小板凝集作用のあるTXA2の働きが強まる。この結果血栓傾向が高まり心血管事故が増えた。
特徴
- 鎮痛、解熱にくわえ、炎症を有する ⇔アセトアミノフェノン
- 1. 個々の薬で作用機序、薬理作用が異なる
- 2. 半減期と分部臓器が異なる
- 3. 効果の個人差が大きい
- 4. 副作用が薬剤や個人によって異なる
構造
作用機序
シクロオキシゲナーゼ経路によりアラキドン酸からプロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンが産生される。プロスタグランジンの作用は炎症には直接関与しない。注目したいのは炎症細胞の活性化作用および、血管拡張作用による、胃粘膜、心筋、腎臓の虚血からの保護である。
トロンボキサンはプロスタサイクリンと裏表の関係にある。ロイコトリエンは炎症に関与する組織に発現するBLTR1に結合することで、炎症惹起反応を引き起こす。
NSAIDsはシクロオキシゲナーゼを阻害することで、消炎解熱作用を生じる。しかし、従来のNSAIDsはCOX-1、COX-2両方を阻害するためCOX-1の持っている組織保護作用も阻害し、長期使用で胃粘膜びらん、潰瘍等を引き起こすことがある
薬理作用
- 有効:頭痛、歯痛、生理痛、関節痛、筋肉痛、骨折、捻挫
- 無効:内臓痛 (⇔ モルフィン)
適応
- 1. リウマチ、運動器疾患・・・鎮痛目的
- 2. その他の疼痛性疾患・・・鎮痛目的
- 3. 発熱を伴う疾患・・・解熱目的
- 4. 抗血栓、抗血小板作用を利用する適応症・・・脳梗塞、虚血性心疾患、一過性脳虚血発作。ワーファリンとアスピリンを使用することになる。
- 5. 未熟児、動脈管開存症 ← プロスタグランジンは動脈管開存させる作用を有する。インドメタシンなどのNSAIDによりプロスタグランジンの産生が阻害されると動脈管が閉鎖する。 ← なお、プロスタグランジンと反対に、動脈管閉鎖作用を持つのはブラジキニン。ACE阻害薬はACE(= キニナーゼ(ブラジキニン分解酵素))を阻害するが、ブラジキニンが蓄積してしまう結果、動脈管が閉鎖する。
その他
- 起立性低血圧の治療薬としてインドメタシンが用いられることがある、らしい(出典不明)。
- 多系統萎縮症や自律神経疾患による起立性低血圧の治療に用いられる(出典不明)
禁忌
- ウイルス性感染症による発熱であって、20歳以下の患者に解熱目的でNASIDを投与してはいけない (ライ症候群) (GOO.682)
副作用
- 1. 胃腸障害。頻度は3-5% → NSAID胃潰瘍。特に酸性の薬剤。塩基性は副作用が少ないが効果は小さい。
NSAIDs長期服用患者の胃粘膜傷害は1991年に1008例中156例(15.5%)が
胃潰瘍に、388例(38.5%)が胃炎に、なんらかの傷害がみられてのは627例(62.2%)という報告がある。また、2006年にはNSAIDs28日以上服用患者261例中164例(62.8%)に胃粘膜傷害を認めたと報告がある。2006年の報告では特にジクロフェナク使用例で3.4倍胃粘膜傷害がおこりやすく、潰瘍なら5.8倍であるとある
出典NSAIDs長期服用患者における胃粘膜傷害の発症状況に関する疫学調査,矢島 弘嗣 他,Therapeutic Reserch,2006,vol.27,no.6,1211-1217
-
- 3. 肝障害:2-3週間?・月?
- 4. 抗血小板作用に基づく出血傾向
- 5. アスピリン喘息(これはアスピリンに限ったことではないが)
- 6. 小児のインフルエンザ脳症→起こりやすい。子供のインフルエンザには禁忌
- ジクロフェナック(ボルタレン)、メフェナム酸(ボンタール)
副作用の予防
- 1. 食直後の投与
- 2. DDS(drug delivery system)坐薬、経皮吸収剤、貼付剤
- 3. プロドラッグ→ロキソプロフェン(ロキソニン)、ナブメトン(レリフェン)、インドメタシンファルネシル(インフリー)
- 4. COX-2阻害薬
- 利点は(COX-1阻害作用が少ないために)胃粘膜障害が少ない。
- adverse cardiovascular effects limit their longterm use.心血管疾患のリスクがあがる
相互作用
種類
- 酸性と塩基性のNSAIDsがある。
- 塩基性のものはプロスタグランジン産生阻害作用が弱く、抗炎症作用より鎮痛作用が強い (SPC.362)
NSAIDsの選択性
文献
NSAIDsと血管、上部消化管疾患
メタアナリシス
- 1. Vascular and upper gastrointestinal effects of non-steroidal anti-inflammatory drugs: meta-analyses of individual participant data from randomised trials.
- Coxib and traditional NSAID Trialists' (CNT) Collaboration.AbstractBACKGROUND: The vascular and gastrointestinal effects of non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs), including selective COX-2 inhibitors (coxibs) and traditional non-steroidal anti-inflammatory drugs (tNSAIDs), are not well characterised, particularly in patients at increased risk of vascular disease. We aimed to provide such information through meta-analyses of randomised trials.
- Lancet.Lancet.2013 May 29. pii: S0140-6736(13)60900-9. doi: 10.1016/S0140-6736(13)60900-9. [Epub ahead of print]
- BACKGROUND: The vascular and gastrointestinal effects of non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs), including selective COX-2 inhibitors (coxibs) and traditional non-steroidal anti-inflammatory drugs (tNSAIDs), are not well characterised, particularly in patients at increased risk of vascular d
- PMID 23726390
NSAIDsとアルツハイマー型認知症
- Protective effects of NSAIDs on the development of Alzheimer disease.
- Vlad SC, Miller DR, Kowall NW, Felson DT.SourceBoston University School of Medicine, Clinical Epidemiology Research and Training Unit, 650 Albany St., Suite X200, Boston, MA 02118, USA. svlad@bu.edu
- Neurology.Neurology.2008 May 6;70(19):1672-7. doi: 10.1212/01.wnl.0000311269.57716.63.
- BACKGROUND: Nonsteroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) may protect against Alzheimer disease (AD), but observational studies and trials have offered contradictory results. Prior studies have also been relatively short and small. We examined the effects on AD risk of NSAID use for >5 years and
- PMID 18458226
NSAIDsの大腸腺腫予防効果
- A randomized trial of rofecoxib for the chemoprevention of colorectal adenomas.
- Baron JA, Sandler RS, Bresalier RS, Quan H, Riddell R, Lanas A, Bolognese JA, Oxenius B, Horgan K, Loftus S, Morton DG; APPROVe Trial Investigators.SourceDepartment of Medicine, the Norris Cotton Cancer Center, Dartmouth Medical School, Hanover, New Hampshire, USA. John.A.Baron@Dartmouth.edu
- Gastroenterology.Gastroenterology.2006 Dec;131(6):1674-82. Epub 2006 Sep 1.
- BACKGROUND & AIMS: In human and animal studies, nonsteroidal anti-inflammatory drugs have been associated with a reduced risk of colorectal neoplasia. Although the underlying mechanisms are unknown, inhibition of cyclooxygenase (COX), particularly COX-2, is thought to play a role. We conducted a
- PMID 17087947
参考
- http://www.watarase.ne.jp/aponet/topics/0805topics/080502.html
- http://plaza.umin.ac.jp/JPS1927/fpj/topic/topic119-4-262.htm
- http://www.nikkeibp.co.jp/archives/156/156583.html
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/18 18:03:41」(JST)
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非ステロイド性抗炎症薬(ひステロイドせいこうえんしょうやく、NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)とは、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤の総称。
目次
- 1 概要
- 2 作用機序
- 3 歴史
- 4 禁忌
- 5 副作用
- 6 NSAIDsの分類
- 7 代表的な薬物
- 8 脚注
- 9 関連項目
概要[編集]
ステロイドではない抗炎症薬すべてを含む。疼痛、発熱、炎症の治療に用いられる。NSAIDs(非ステロイド消炎物質:エヌセイド)とも呼ばれる。非ステロイド性抗炎症薬には選択性のものと非選択性のものがある。非選択性のNSAIDsの例としては、アスピリンなどのサリチル酸、ジクロフェナク(ボルタレン®)、インドメタシン(インダシン®)、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカムなどである。
様々なNSAIDsは医学的作用には大差がなく、異なるのは用量、服用方法である。NSAIDsの胃粘膜保護に関する試みで最も成功したのは、アセチル化とpHの調整、また、胃粘膜保護作用を持つ薬剤との併用である。胃酸分泌抑制効果のあるH2ブロッカー(例:ラフチジン(プロテカジン®)、ラニチジン(ザンタック®)や、ミソプロストール(サイトテック®)が、(アメリカでは)最も成功した薬剤である。例えば、ジクロフェナクとミソプロストールを合剤にしたオルソテックなどもあり、非常に効果的だが、高価である。日本では、バファリン®等の合剤がある。
一般医を受診する患者の25%は変形性関節症で、その半数から全ての例がNSAIDsを処方される。65歳以上の人口の80%にX線上有意な変形性関節症が存在するとされており、そのうち60%が疼痛などの症状を訴える。2001年には、アメリカでは7000万錠のNSAIDsが処方され、300億錠が薬局で販売された。
作用機序[編集]
最も一般的な非ステロイド性抗炎症薬の多くは、すべてのシクロオキシゲナーゼ(COX-1、COX-2)活性を可逆的に競合阻害する。アラキドン酸が結合するシクロオキシゲナーゼの疎水性チャネルを封鎖することでアラキドン酸が酵素活性部位に結合することを防いでいる。例外は、アスピリンで、これはシクロオキシゲナーゼ(COX-1,2両方とも)をアセチル化することで阻害する。これは不可逆的な反応であり、核を持たず蛋白合成ができない血小板にとっては不可逆的な作用をもつ。この特性からアスピリンは冠動脈疾患や脳梗塞の既往のある者に対して投与される抗血小板薬として用いられる。アスピリンの抗血小板作用は退薬後、血小板の寿命である約10日間持続する。シクロオキシゲナーゼ1(COX-1)は恒常的に発現しており、胃壁の防御作用に関与している。胃壁が自ら分泌する、胃液に含まれる胃酸(塩酸)により溶かされないよう防ぐのに必要である。COX-1が阻害されると、胃潰瘍や消化管出血の原因となる。一方COX-2は炎症時に誘導されるプロスタグランジン合成酵素であり、NSAIDsの抗炎症作用はCOX-2阻害に基づくと近年考えられ、COX-2を選択的に阻害する新しいNSAIDsが創製されている。特に酸性NSAIDsは強いシクロオキシゲナーゼ活性阻害を有しており、COXによりアラキドン酸からプロスタグランジンが合成されるのを阻害する(最近では、COX-1、COX-2共に抑制された場合のみ消化管障害が発現し、いずれかが阻害されずに残っている場合には消化管障害は起きにくいことがCOX-1あるいはCOX-2、もしくはCOX-1とCOX-2を遺伝的に欠損させたマウスの実験から明らかとなっている)。
プロスタグランジンには、炎症、発熱作用があるため結果的にNSAIDsは抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を持つ。パラセタモール(アセトアミノフェン)もシクロオキシゲナーゼ活性阻害作用を持つため、NSAIDsに分類されることがあるが、明らかな抗炎症作用は持たず、真の意味でのNSAIDsではない。近年まではっきり解明されていなかったがこの抗炎症作用の欠落は、アセトアミノフェンのシクロオキシゲナーゼ阻害作用が中枢神経系に主に作用するからと考えられている。この中枢神経に存在するシクロオキシゲナーゼは、COX-3と呼ばれる。
歴史[編集]
1829年初頭に、鎮痛効果があるとして民間療法で用いられていたヤナギの樹皮から初めてサリチル酸が分離された。非ステロイド性抗炎症薬は、意識抑制、呼吸抑制、依存などの容認できない副作用があるにもかかわらず、少量で鎮痛効果、大量投与で抗炎症効果がある薬物として重要なものとなった。以前は処方箋が必要であったが、現在では、イブプロフェンなどは薬局で販売される様になっている。古くはリウマチなどの重篤な疾患にのみ処方されていたが、スポーツや事故による怪我の鎮痛、腰痛や手術後の鎮痛にも処方される様になって久しい。癌や、冠動脈疾患など他の適応についての研究も続けられている。
禁忌[編集]
分娩直前(妊娠末期)では、胎児の動脈管の閉鎖を引き起こすため、絶対に服用してはならない。
副作用[編集]
大量に消費されているため、副作用も多く出現する。最も多いのは胃腸炎で、軽い胃部不快感から、治療に長期間を要する、重篤な出血を伴う潰瘍までが起こりうる。
- 気管支喘息(アスピリン喘息)
- 肝障害
- 腎障害(特に降圧剤との併用には注意[1])
NSAIDsの注意点としては、消化管潰瘍の副作用、喘息患者に合併するアスピリン喘息、また各種アレルギー反応、腎障害というものがあげられる。ニューキノロン薬との併用、妊婦への投与は製剤を選べば副作用回避が可能ともいわれているが、用いない方が無難とされている。
他の副作用としては骨折の治癒を阻害する、心血管系では血小板機能を阻害し出血を止まりにくくする。また、腎機能障害や、腎のプロスタグランジンを阻害し、血圧調整機能を障害する。以上の理由で、慢性心疾患、腎機能障害、血圧異常の患者にNSAIDsは慎重に使用する必要がある。NSAIDsは、身体の障害によって産生されるプロスタグランジンの合成を阻害することにより効果を発揮するが、プロスタグランジンは、炎症と疼痛をもたらすだけではなく、胃内膜などの再生に関わるなど、必要な役割もある。
胃腸障害[編集]
NSAIDsの胃腸障害作用は用量依存性であり、多くの場合致命的となる胃穿孔や、上部消化管出血を起こす。概ねNSAIDsを処方された患者の10~20%に消化器症状が現れ、アメリカでは年間に10万人以上が入院し、1万6500人が死亡している。また、薬剤が原因の救急患者の43%をNSAIDsが占めている。このような事態の多くは本当は避けられたとする研究結果もある。ある研究によると、NSAIDsを処方された患者の42%は、実際は不必要な処方であった[2]。
連用障害[編集]
連用した場合は薬物乱用頭痛を引き起こす。英国国立医療技術評価機構CG150勧告では、アセトアミノフェン・アスピリン・NSAIDsを単独または併用の服用が月に15日以上ある状態が3ヶ月以上続く場合、薬物乱用性頭痛の可能性が疑われるとしている[3]
NSAIDsの分類[編集]
NSAIDsは様々な種類が知られている。NSAIDsの選択において重要なのは、その使い分けが治療に本質的な差を生むことはなく、副作用のコントロールのためと考えて行うことである。患者のQOLを考慮した技術にすぎない。
- サリチル酸系
- アスピリン、エテンザミド、ジフルニサルが含まれる。不可逆的な血小板抑制作用がある。アスピリン特有の合併症にはアスピリン喘息とライ症候群がある。喘息患者の10%にアスピリン過敏性があり、アスピリン過敏性がある患者は他のNSAIDsにも過敏である。
- プロピオン酸系
- 静注可能なロピオンや強力な鎮痛作用を持つロキソニン、イブプロフェンがこれに含まれる。強力な鎮痛作用に加えて白血球抑制作用も知られ、その影響から消化管への副作用もアスピリンよりは少ない。ニューキノロン薬と併用する痙攣が起こるという副作用の報告がある。
- 酢酸系
- 坐剤があるため即効性の高いジクロフェナク(ボルタレン®:フェニル酢酸、アリール酢酸系)や湿布に使用されるインドメタシン(インダシン®:インドール酢酸、アリール酢酸系)が含まれる。消化管潰瘍以外に肝炎や黄疸が生じることもある。インドメタシンは胎児において動脈管閉鎖を促進させるという効果もあるため、妊婦には危険とされていることが多い(経皮製剤においても妊婦に使用した場合胎児に動脈管閉鎖が起こるため使用禁忌である)。
- COX-2阻害薬(コキシブ)
- #COX-2参照
- オキシカム系
- フェルデン、フルカム、ロルカム、モービックといった薬が知られている。フェルデン、フルカムは血中半減期が他のNSAIDsに比べて非常に長いため1日1回投与で十分となる(多くは1日3回投与)。フェルデンは胃腸症状が強いため坐剤で用いることが多く、そのプロドラッグであるフルカムは内服で用いる。モービックはCOX-2を選択的に阻害する、物質名はメロキシカムである。
- 塩基性
- ソランタールなどが含まれる。鎮痛効果が低いがアスピリン喘息の患者にも投与可能ともいわれている。しかし喘息を誘発したという報告もあり用いない方がよいとされている。
- ピリン系(ピラゾラン系)
- 厳密にいえばNSAIDsではない。スルピリンやイソプロピルアンチピリン(総合感冒薬や頭痛薬の一部製品に配合)などが含まれる。解熱鎮痛作用はあるが消炎作用はない。
- 非ピリン系(アニリン系)
- 厳密にいえばNSAIDsではない。アセトアミノフェン、即ちピリナジンやカロナール、アンヒバ坐剤が含まれる。解熱鎮痛作用はあるが消炎作用はない。ライ症候群予防のため小児ではよく用いられる。大衆薬の小児用バファリンなど、世界的にはタイレノール(日本では2000年に市販開始)が有名。
- 総合感冒薬
- NSAIDsの他に抗ヒスタミン薬やカフェインが含まれている。PL顆粒などが含まれる。
COX-2[編集]
前述のようにCOX-1/2をともに阻害すると消化管の障害が出現するため、COX-2選択性の高い薬剤が開発された。しかし、血小板凝集抑制作用のあるプロスタサイクリンがCOX-2阻害により減り、相対的にトロンボキサンA2の働きが強まり、血栓傾向が高まり心血管事故が増えることがわかり、全米で3万件近い訴訟が起こるなど一大問題となった。メルクが開発した、rofecoxib(商品名:バイオックス®)は自主回収になった。
- エトドラク(商品名 オステラック®、ハイペン®など)
- メロキシカム(商品名 モービック®)
- セレコキシブ(商品名 セレブレックス®【日本名 セレコックス®】)
- ロフェコキシブ(日本では未発売)
COX-3[編集]
2002年にシモンズらがアセトアミノフェン(パラセタモール、タイレノール®)に関連する新たなアイソザイムを発見したと発表した。COX-3は、主に中枢神経系に存在するCOX-1の変種(スプライシングバリアント)で、アセトアミノフェンなどの鎮痛消炎剤によって阻害されるとされ、チャンドラセクハランらにより構造が決定、発表された。
ただしその後、COX-3の存在を疑問視する研究結果も発表されている[要出典]。
代表的な薬物[編集]
- アセチルサリチル酸(商品名:アスピリン®、バファリン®)
- イブプロフェン(ブルフェン®、エスタックイブ)
- ロキソプロフェン(ロキソニン®)
- ジクロフェナク(ボルタレン®)
- アセトアミノフェン(カロナール®,アンヒバ®坐剤)
脚注[編集]
- ^ [1]
- ^ "Understanding NSAIDs:from aspirin to COX-2";Gray A. Green; Clin.Cornerstone 3(5):50-59, 2001.
- ^ CG150 Headaches (Report). 英国国立医療技術評価機構. (2012-07). chapt.1.2.7. http://www.nice.org.uk/CG150.
関連項目[編集]
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)(主にM01A,M02A,N02BA) |
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サリチル酸 |
アセチルサリチル酸(アスピリン) Aloxiprin Benorylate Diflunisal エテンザミド サリチル酸マグネシウム サリチル酸メチル Salsalate サリシン サリチルアミド サリチル酸ナトリウム
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Arylalkanoic acids |
ジクロフェナク Aceclofenac Acemetacin Alclofenac Bromfenac Etodolac インドメタシン インドメタシンファルネシル Nabumetone Oxametacin Proglumetacin Sulindac Tolmetin
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2-Arylpropionic acids
(profens) |
イブプロフェン Alminoprofen Benoxaprofen カルプロフェン Dexibuprofen Dexketoprofen Fenbufen フェノプロフェン Flunoxaprofen フルルビプロフェン Ibuproxam Indoprofen† ケトプロフェン Ketorolac ロキソプロフェン Miroprofen ナプロキセン Oxaprozin Pirprofen Suprofen Tarenflurbil チアプロフェン酸
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N-Arylanthranilic acids
(フェナム酸) |
メフェナム酸 フルフェナム酸 メクロフェナム酸 トルフェナム酸
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ピラゾリジン誘導体 |
フェニルブタゾン アンピロン アザプロパゾン Clofezone Kebuzone Metamizole Mofebutazone Oxyphenbutazone アンチピリン スルフィンピラゾン
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オキシカム |
ピロキシカム Droxicam ロルノキシカム Meloxicam Tenoxicam Ampiroxicam
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COX-2選択的阻害薬 |
セレコキシブ Deracoxib‡ Etoricoxib Firocoxib‡ Lumiracoxib† Parecoxib Rofecoxib† Valdecoxib†
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スルホンアニリド |
ニメスリド
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局所適用製品 |
Bendazac ジクロフェナク Etofenamate フェルビナク フルルビプロフェン イブプロフェン インドメタシン ケトプロフェン ナプロキセン ピロキシカム スプロフェン
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COX-inhibiting nitric oxide donators |
Naproxcinod
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Others |
フルプロクアゾン
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太字はグループで初期に発見された薬物。†承認取消あるいは市場撤退した薬、‡動物用医薬品。
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薬理学:医薬品の分類 |
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消化器/代謝(A) |
胃酸中和剤(制酸薬、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害薬) • 制吐薬 • 瀉下薬 • 止瀉薬/止痢薬 • 抗肥満薬 • 経口血糖降下薬 • ビタミン • ミネラル
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血液、血液生成器官(B) |
抗血栓薬(抗血小板剤、抗凝固薬、血栓溶解薬) • 抗出血(血小板、凝固・線溶系、抗線維素溶解性)
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循環器系(C) |
心臓療法/狭心症治療薬(強心配糖体、抗不整脈薬、強心剤) • 高血圧治療薬 • 利尿薬 • 血管拡張薬 • 交感神経β受容体遮断薬 • カルシウム拮抗剤 • レニン-アンジオテンシン系(ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) • 脂質降下薬(スタチン、フィブラート、胆汁酸捕捉因子)
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皮膚(D) |
皮膚軟化薬 • 瘢痕形成剤 • 鎮痒薬 • 乾癬治療薬 • 他の皮膚薬
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泌尿生殖器系(G) |
ホルモン避妊薬 • 排卵誘発治療 • SERM • 性ホルモン
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内分泌器(H) |
視床下部脳下垂体ホルモン • 副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド、ミネラルコルチコイド) • 性ホルモン • 甲状腺ホルモン/抗甲状腺薬
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感染(J、P、QI) |
抗菌薬 (抗生物質) • 抗真菌薬 • 抗ウイルス薬 • 抗寄生虫薬(抗原虫薬、駆虫薬) • 外部寄生虫駆除剤 • 静注用免疫グロブリン • ワクチン
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悪性腫瘍(L01-L02) |
抗がん剤(代謝拮抗薬、抗腫瘍性アルキル化薬、紡錘体毒、抗悪性腫瘍薬、トポイソメラーゼ阻害薬)
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免疫系(L03-L04) |
免疫調節薬(免疫賦活薬、免疫抑制剤)
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筋肉、骨、関節(M) |
アナボリックステロイド • 抗炎症薬(NSAIDs) • 抗リウマチ • 副腎皮質ホルモン • 筋弛緩剤 • ビスホスホネート
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脳、神経(N) |
鎮痛剤 • 麻酔剤(一般、局所・静脈) • 食欲低下薬 • ADHD治療 • 中毒医学 • 抗てんかん薬 • アルツハイマー治療 • 抗うつ薬 • 片頭痛治療 • 抗パーキンソン病薬 • 抗精神病薬 • 抗不安薬 • 抑制剤 • エンタクトゲン • エンセオジェン • 陶酔薬 • 幻覚剤(精神展開薬、解離性麻酔薬、デリリアント) • 睡眠導入剤/鎮静薬 • 気分安定薬 • 神経保護 • スマートドラッグ • 神経毒 • 食欲促進 • セレニック • 覚醒剤 • 覚醒促進物質
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呼吸器(R) |
鬱血除去薬 • 気管支拡張薬 • 鎮咳去痰薬 • 抗ヒスタミン薬
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感覚器(S) |
眼科学 • 耳科学
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その他ATC(V) |
解毒剤 • 造影剤 • 放射性薬理学 • 湿潤療法
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 犬の骨折治療時の非ステロイド性抗炎症薬投与 : 骨折治癒とシクロオキシゲナーゼ阻害
- 奥村 正裕
- Clinic note : journal of clinical daily treatment for small animals 8(4), 61-69, 2012-04
- NAID 40019263327
- 非ステロイド性抗炎症薬点眼と眼内手術 : その過去,現在,未来
- プライマリケア医に必要な鎮痛薬の知識 : アセトアミノフェンはプライマリケアに必須の鎮痛薬
- 非ステロイド性抗炎症薬とステロイド (関節リウマチの最新治療) -- (関節リウマチの薬物療法)
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- 非ステロイド性抗炎症薬(エヌセイド) 【NSAIDs】 Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drug ステロイドホルモン以外の薬物で抗炎症作用を持つ薬剤。 同時に解熱・鎮痛作用も持つ アラキドン酸代謝で、シクロオキシゲナーゼを阻害すること ...
- 非ステロイド性抗炎症薬(ひステロイドせいこうえんしょうやく、NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)とは、抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤の総称。
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- 次の文を読み、81~83の問いに答えよ。
- 73歳の女性。右殿部から膝の痛みを主訴に来院した。現病歴:60歳ごろから立ち上がる動作や長時間の立位や歩行をした際に右殿部から膝の痛みを自覚していた。2年前には右膝に右手を置いて歩行するようになったために自宅近くの整形外科診療所を受診し、エックス線写真で右股関節の変形を指摘されたが通院はしていなかった。3か月前から痛みが増悪して歩行がさらに困難になり、屋内の伝い歩きは可能なものの外出ができなくなったため受診した。
- 既往歴:18年前から高血圧症のため自宅近くの内科診療所で内服治療中。同診療所で、慢性の便秘症に対し整腸薬と睡眠障害に対する睡眠薬とを処方されている。また眼科診療所で、軽度の白内障に対して点眼薬の処方を受けている。2か月前からは、右殿部から膝の痛みに対して市販の湿布薬貼付と鎮痛薬の内服とを続けている。
- 生活歴:夫、長男夫婦および孫2人との6人暮らし。兼業農家で長男夫婦は共働き。孫は短大生と高校生。3か月前まで患者が家事の多くを担当していた。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長 156cm、体重 53kg。体温 36.3℃。脈拍 64/分、整。血圧 130/72mmHg。呼吸数 14/分。SpO2 98%(room air)。頸部リンパ節を触知しない。胸腹部に異常を認めない。右殿部から膝の痛みのために立ち上がる際に介助が必要で、独歩は不能である。
- 検査所見(外来受診時):尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 390万、Hb 12.0g/dL、Ht 38%、白血球 5,800、血小板 24万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.8g/dL、総ビリルビン 0.7mg/dL、AST 15U/L、ALT 17U/L、LD 220U/L(基準 176~353)、ALP 153U/L(基準 115~359)、γ-GTP 28U/L(基準 8~50)、アミラーゼ 76U/L(基準 37~160)、CK 40U/L(基準 30~140)、尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、血糖 84mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 109mEq/L。CRP 0.2mg/dL。
- その後の経過:外来で精査した結果、右股関節を人工関節に置き換える手術が予定された。入院時のシステムレビューで、夜間のトイレ歩行時に軽いふらつきを自覚していることが分かった。神経学的所見では、右下肢の筋力低下以外に、ふらつきの原因となる異常は認めなかった。
- 処方されている薬剤で、ふらつきの原因となる可能性があるのはどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [112F081]←[国試_112]→[112F083]
[★]
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 48歳の男性。腹部膨満感、咳、腰痛および腹痛を主訴に来院した。
- 現病歴:2年前に胃癌で胃全摘術を受け、その後外来で約6か月間の抗癌化学療法を受け外来通院で経過観察となった。1年前に腫瘍マーカーの上昇と肝転移とを指摘され、再度抗癌化学療法を受けたが、食欲不振が高度となり、治療効果が認められず中止となった。4か月前から上腹部の膨満、咳および腰痛を自覚していた。画像診断で軽度の腹水貯留と肝、肺および腰椎への多発転移が認められた。利尿薬、鎮咳薬および非ステロイド性抗炎症薬の処方にて落ち着いていたが、3日前から新たに腹部の鈍痛が出現したため受診した。経口摂取は可能である。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴はない。飲酒は日本酒1合/日を20年間。
- 家族歴:父親が肺癌のため70歳で死亡。
- 現症:意識は清明。身長165cm、体重56kg。2年間で10kgの体重減少。体温36.2℃。脈拍84/分、整。血圧134/80mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96%。眼球結膜に黄染を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左背部で減弱している。腹部はやや膨隆しているが軟で、心窩部に圧痛がある。心窩部に肝を触知し、両下肢に軽度の浮腫を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球364万、Hb 10.3g/dl、Ht 32%、白血球6,400、血小板14万。血液生化学所見:血糖78mg/dl、総蛋白5.9g/dl、アルブミン2.4g/dl、尿素窒素10mg/dl、クレアチニン0.4mg/dl、尿酸4.9mg/dl、総コレステロール187mg/dl、トリグリセリド143mg/dl、総ビリルビン0.8mg/dl、AST 32IU/l、ALT 18IU/l、LD 387IU/l(基準176~353)、ALP 644IU/l(基準115~359)、γ-GTP 32IU/l(基準8~50)、アミラーゼ124IU/l(基準37~160)、Na 134mEq/l、K 4.4mEq/l、Cl 97mEq/l、Ca 6.5mg/dl。CEA 28.7ng/ml(基準5以下)、CA19-9 336U/ml(基準37以下)。CRP 3.4mg/dl。動脈血ガス分析(room air):pH 7.32、PaCO2 38Torr、PaO2 94Torr、HCO3- 19mEq/l。
- その後治療が奏効し、家族と共に有意義な日々を過ごしていたが、病状の進行に伴い、なぜ自分だけがこのような目に遭うのだろうかと深く悩み不眠をきたすようになった。睡眠薬の内服投与を受けたが十分な睡眠が得られず、5日前から食欲不振と無気力さとが増強してきたため家族とともに受診した。患者と家族とに対する提案として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107C030]←[国試_107]→[107D001]
[★]
- 72歳の女性。発熱と皮疹とを主訴に娘に伴われて来院した。現病歴: 1か月前から上半身の皮疹と発熱とがみられるようになった。発熱とともに皮疹が出現し、解熱とともに皮疹が消失するということが連日繰り返された。2週前から起床時に膝の痛みがあった。一昨日から発熱のピークが39℃を超えるようになったため受診した。
- 既往歴: 18歳時に虫垂炎で手術。 45歳時に子宮筋腫を指摘された。
- 生活歴:夫と娘との3人暮らし。
- 家族歴:母親が心筋梗塞のため75歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長155cm、体重58kg。体温39.1℃。脈拍60/分、整。血圧162/70mmHg。呼吸数18/分。 SpO2 96%(room air)。皮膚は湿潤である。咽頭に発赤を認めない。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。前頸部から前胸部にかけて淡い紅斑を認める。右後頸部で無痛性のリンパ節腫脹を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を3cm触知する。両側の膝関節に腫脹を認めない。
- 検査所見:赤沈120mm/1時間。血液所見:赤血球368万、 Hb10.1g/dl、 Ht38%、白血球14,260、血小板41万。血液生化学所見:総蛋白6.5g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素7.0mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、尿酸7.2mg/dl、総コレステロール226mg/dl、トリグリセリド130mg/dl、総ビリルビン0.9mg/dl、AST 120IU/l、 ALT74IU/l、 LD776IU/l(基準176-353)、 ALP630IU/l(基準115-359)、 γ-GTP108IU/l(基準8-50)、 CK21IU/l(基準30-140)、 Nal37mEq/l、 K4.4mEq/l、 Cl97mEq/l。フェリチン50,800ng/ml(基準20-120)。
- 免疫学所見: CRP 12mg/dl。 HTLV-1抗体陰性、 HIV抗体陰性、 HA抗体陰性、HBs抗原・抗体陰性、 HCV抗体陰性、 EBV抗体陰性。リウマトイド因子(RF)陰性、抗核抗体20倍(基準20以下)、可溶性IL-2受容体基準範囲内。胸部エックス線写真で心胸郭比50%。骨髄血塗沫染色標本で異常所見を認めない。胸腹部造影CTで頸部、鎖骨上、縦隔、傍大動脈領域および骨盤腔内に多数のリンパ節腫脹を認める。頸部リンパ節生検で悪性所見を認めない。
- 現時点の対応として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106B053]←[国試_106]→[106B055]
[★]
- 次の文を読み、7~9の問いに答えよ。
- 2歳3か月の男児。発熱、意識障害およびけいれんを主訴に救急車で搬送された。
- 現病歴 : 3日前から発熱、不機嫌および食思不振を認めた。昨日夕方から本日にかけて頻回に嘔吐があった。次第に意識が低下し、母親の呼びかけに対してやっと開眼する程度であったが、本日昼からけいれんが頻発し、刺激に反応しなくなった。
- 出生・発達歴:在胎40週、出生体重3,200g。首の坐りは3か月。寝返りは6か月。坐位は7か月。つかまり立ちは9か月、歩行は13か月。
- 既往歴 : 生後7か月のとき、発熱と同時に強直性けいれんを認めた。けいれんの持続は2分で、自然に止まった。脳波検査を受けたが異常は指摘されず、治療も受けていない。
- 現症 : 身長86cm、体重12.5kg。体温39.2℃。呼吸数30/分。脈拍128/分、整。血圧106/68mmHg。顔つきは無表情。けいれんは認めない。外表奇形は認めない。皮膚は湿潤しており、皮疹を認めない。大泉門は閉鎖し眼瞼結膜に貧血はなく、眼球結膜に黄疸を認めない。仰臥位で頭部を持ち上げると抵抗がある。咽頭は軽度発赤。表在リンパ節は触知しない。呼吸音は正常である。不整脈と心雑音とは認めない。腹部は平坦、軟で、腫瘤は触知しない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球420万、Hb11.8g/dl、Ht39%、白血球24,000(好中球72%、好酸球1%、単球6%、リンパ球21%)、血小板18万。
- 血清生化学所見:総蛋白7.1g/dl、アルブミン4.6g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6 mg/dl、アンモニア28μg/dl(基準18?048)、AST28単位、ALT12単位、LDH365単位(基準176?0353)、アルカリホスファターゼ120単位(基準260以下)、Na134mEq/l、K4.2mEq/l、Cl 98mEq/l。CRP13.6mg/dl。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099I008]←[国試_099]→[099I010]
[★]
次の文を読み、 30、 31の問いに答えよ。
- 62歳の女性。持続性の腹痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 6か月前に食欲不振と全身倦怠感とを主訴に受診し、精査の結果、肺癌とその肝転移であると診断された。抗癌化学療法などの積極的な治療を希望せず、外来通院することとなった。 2週前から右上腹部に持続性の疼痛が出現し、次第に増強した。疼痛は体動によって増悪した。外来で非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が投与され、一時的に疼痛は軽減したが、 1週前から再び増悪したため来院した。
- 2週前までは日中は車椅子で生活できていたが、最近は疼痛のために室内の移動も困難となり、 1日中ベッドに横になっていることが多かったという。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:娘夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が大腸癌のため72歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重42kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧118/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を鎖骨中線上で6cm触知する。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。
- 血液所見:赤血球382万、 Hb10.6g/dl、 Ht36%、白血球5,300、血小板17万。
- 血液生化学所見:血糖98mg/dl、総蛋白6.1g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素32mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、 AST78IU/l、 ALT66IU/l、 LD 477IU/l(基準176-353)、 ALP483IU/l(基準115-359)、 γ-GTP 132IU/l(基準8-50)、 Na139mEq/l、 K4.4mEq/l、 Cl97mEq/l。
- 入院後2週が経過し、疼痛コントロールが安定した。患者は退院して自宅で生活することを希望している。
- 在宅ケアを導入するにあたり、医師が病状観察と服薬管理とを依頼する職種として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C030]←[国試_106]→[106D001]
[★]
- 次の文を読み、 30、 31の問いに答えよ。
- 62歳の女性。持続性の腹痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 6か月前に食欲不振と全身倦怠感とを主訴に受診し、精査の結果、肺癌とその肝転移であると診断された。抗癌化学療法などの積極的な治療を希望せず、外来通院することとなった。 2週前から右上腹部に持続性の疼痛が出現し、次第に増強した。疼痛は体動によって増悪した。外来で非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が投与され、一時的に疼痛は軽減したが、 1週前から再び増悪したため来院した。
- 2週前までは日中は車椅子で生活できていたが、最近は疼痛のために室内の移動も困難となり、 1日中ベッドに横になっていることが多かったという。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:娘夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が大腸癌のため72歳で死亡。
- 現 症:意識は清明。身長152cm、体重42kg。体温36.2℃。脈拍76/分、整。血圧118/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を鎖骨中線上で6cm触知する。
- 検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。
- 血液所見:赤血球382万、 Hb10.6g/dl、 Ht36%、白血球5,300、血小板17万。
- 血液生化学所見:血糖98mg/dl、総蛋白6.1g/dl、アルブミン2.9g/dl、尿素窒素32mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、 AST78IU/l、 ALT66IU/l、 LD 477IU/l(基準176-353)、 ALP483IU/l(基準115-359)、 γ-GTP 132IU/l(基準8-50)、 Na139mEq/l、 K4.4mEq/l、 Cl97mEq/l。
- a 直ちに非経口薬を用いる。
- b NSAIDsの投与を中止する。
- c 疹痛時の追加投与は行わない。
- d 投与開始から制吐薬を併用する。
- e 便秘が出現した場合は中止する。
[正答]
※国試ナビ4※ [106C029]←[国試_106]→[106C031]
[★]
- 次の文を読み、61~63の問いに答えよ。
- 72才の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。
- 現病歴:7日前に自宅を出たところでつまずいて転倒し、腰痛が生じたため自宅近くの診療所にて鎮痛薬を処方されて頻回に服用していた。3日前から全身倦怠感と食欲低下とを自覚していたが、今朝になり食事がとれなくなったため家族に付き添われて受診した。
- 既往歴:中学生時に虫垂炎。高血圧症、糖尿病および脂質異常症で内服治療中。
- 生活歴:喫煙は60歳まで20本/日を40年間。12年前から禁煙している。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:父親が肺癌で死亡。母親が脳卒中で死亡。
- 現症:意識レベルはJCS I-1。身長 160cm、体重 66kg。体温 36.4℃。脈拍 52/分、整。血圧 120/60mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。
- 検査所見:血液所見:赤血球 383万、Hb 11.0g/dL、Ht 34%、白血球 8,400、血小板 22万。血液生化学所見:総蛋白 7.0g/dL、アルブミン 3.5g/dL、総ビリルビン 0.9mg/dL、AST 34IU/L、ALT 42IU/L、LD 341IU/L(基準 176~353)、ALP 281IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 48IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 74IU/L(基準 37~160)、CK 162IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 32mg/dL、クレアチニン 1.6mg/dL、尿酸 8.4mg/dL、血糖 124mg/dL、HbA1c 6.8%(基準 4.6~6.2)、Na 138mEq/L、K 7.8mEq/L、Cl 108mEq/L。CRP 0.3mg/dL。
- 今回対応した病態に関連する内服薬として推測されるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [109G062]←[国試_109]→[109G064]
[★]
- 55歳の女性。意識障害のため搬入された。4か月前から時々右腹関節部の痛みを感じていた。10日前から発熱と食欲低下とがあったが放置していた。本日急に意識障害が生じ、家族が救急車を要請した。15年前から関節リウマチの診断で非ステロイド性抗炎症薬とプレドニゾロン5mg/日とを服用している。糖尿病とアルコール依存とを指摘されているが放置していた。意識レベルはJCS II-30。身長 155cm、体重 42kg。体温 34.0℃。呼吸数 24/分。脈拍 112/分、整。血圧 90/40mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。皮膚は冷たく湿潤し、右中腹部~大腿に握雪感がある。尿所見: 尿道カテーテルから10ml採取、著しく混濁している。血液所見: 赤血球 305万、Hb 8.6g/dl、Ht 25%、白血球 37,100(桿状核好中球33%、分業核好中球55%、好酸球0%、好塩基球0%、単球3%、リンパ球9%)、血小板 8.2万、PT 22.9秒(基準10-14)。血液生化学所見:血糖 272mg/dl、総蛋白 4.8g/dl、アルブミン 1.9g/dl、尿素窒素 101mg/dl、クレアチニン 4.2mg/dl、総ビリルビン 0.3mg/dl、AST 87IU/l、ALT 20IU/l、LD 945IU/l(基準176-353)、CK 585IU/l(基準30-140)、Na 116mEq/l、K 6.0mEq/l、Cl 87mEq/l、CRP 14.3mg/dl。大腿部の写真(別冊No.17A)、大腿部エックス線写真(別冊No.17B)及び腹部エックス線写真(別冊No.17C)を別に示す。保温を図るとともに静脈路を確保し、必要な薬物療法を開始した。
- 次に行う処置として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104I064]←[国試_104]→[104I066]
[★]
- 41歳の女性。尿路感染症の治療のため入院中である。5日前に38.3℃の発熱で外来を受診した。左の肋骨脊柱角に叩打痛があり、尿検査で白血球が増加しGram陰性桿菌を認めた。即日入院となり、セフェム系抗菌薬の静脈内投与を開始した。入院3日目に一旦解熱したが、入院4日目から再び38.5℃の発熱が出現した。このときは肋骨脊柱角に叩打痛を認めなかった。尿沈渣に白血球を認めず、血液検査にも異常を認めなかった。入院5日目に38.2℃、入院6日目の本日も38.6℃の発熱を認めている。体温は一旦37℃前後に下がるが抗菌薬投与後に38℃以上に上昇することを繰り返している。比較的元気な様子で食欲も良好である。意識は清明。体温 38.5℃。脈拍 72/分、整。血圧 122/76mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。皮疹を認めない。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤や滲出液を認めない。項部硬直を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。左右の肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。血液所見:赤血球 460万、Hb 13.8g/dL、Ht 39%、白血球 8,600(桿状核好中球 21%、分葉核好中球 45%、好酸球 12%、好塩基球 1%、単球 5%、リンパ球 16%)、血小板 20万。血液培養は陰性。胸部エックス線写真で異常を認めない。腹部超音波検査で肝膿瘍などの異常を認めない。
- 現時点の対応として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110E041]←[国試_110]→[110E043]
[★]
- 次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
- 55歳の女性。右下腹部痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 5日前から毎日就寝前に右下腹部痛が出現したが、中途覚醒はせず、起床時には軽快するため放置していた。本日朝は腹痛が軽快しないため来院した。経過中発熱はない。便通1回/日。
- 既往歴: 18歳時に卵巣嚢腫で右卵巣摘出術、28歳時に帝王切開で出産、37歳時に急性虫垂炎で虫垂切除術。
- 生活歴: 特記すべきことはない。
- 家族歴: 特記すべきことはない。
- 現 症: 意識は清明。体温36.8℃。脈拍80/分、整。血圧102/68mmHg。頭頚部と胸部とに異常を認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない McBurney点の約4cm頭側を中心に圧痛があり、同部位に限局して筋性防御と反跳痛とを認める。かかと落としにて腹痛は増強する。
- 検査所見: 尿所見: 潜血(-)、白血球反応(-)。血液所見: 赤血球 421万、Hb 12.2g/dl、Ht 38%、白血球 13,000(桿状核+分葉核好中球71%、好酸球2%、好塩基球0%、単球5%、リンパ球22%)、血小板 26万。血液生化学所見:血糖 107mg/dl、アルブミン 3.9g/dl、尿素窒素 8.6mg/dl、クレアチニン 0.8mg/dl、総ビリルビン 0.6mg/dl、AST 13IU/l、ALT 12IU/l、LD 196IU/l(基準176-353)、ALP 289IU/l(基準115-359)、Na 136mEq/l、K 4.6mEq/l、Cl 106mEq/l。CRP 4.8mg/dl。腹部造影CT(別冊No.2)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [104C028]←[国試_104]→[104C030]
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 82歳の男性。意識消失のため搬入された。
- 現病歴:本日、ビールを飲みながら夕食をとった後、入浴のため食卓から立ち上がり歩き始めたところ、突然意識を消失し倒れた。驚いた妻が駆けつけ大声で呼びかけたところ、すぐに意識は清明となった。明らかな外傷やけいれんはなかったという。最近、椅子から立ち上がる時にふわっとすることがよくあったという。
- 既往歴:高血圧症のためカルシウム拮抗薬を内服している。1か月前から持病の腰痛症悪化のため非ステロイド性抗炎症薬を内服している。
- 生活歴:長男夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧132/68mmHg。呼吸数18/分。SpO2 95%(room air)。瞳孔径は両側3mmで対光反射は正常である。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。口腔内に出血を認めない。舌と粘膜とに損傷を認めない。項部硬直を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。咽頭に腫脹と発赤とを認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部に圧痛を認めない。四肢に浮腫、チアノーゼ、ばち指および皮疹を認めない。
- 検査所見:心電図に異常を認めない。
- 追加した診察では異常を認めなかった。意識消失の原因を診断するためにまず行うべき検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G061]←[国試_107]→[107G063]
[★]
- 70歳の男性。腎機能悪化を指摘されたため来院した。2か月前から発熱、咳嗽および全身倦怠感が出現し次第に体重が減少してきた。心配になり自宅近くの診療所を受診し、血清クレアチニンの上昇が認められたため紹介されて受診した。喫煙は20本/日を50年間。飲酒は日本酒1合/日を50年間。意識は清明。身長 153cm、体重 48kg。体温 37.2℃。脈拍 76/分、整。血圧 150/76mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜は貧血様である。心音に異常を認めない。両側の背下部でfine cracklesを聴取する。顔面と下腿とに浮腫を認める。尿所見:蛋白1+、蛋白定量 0.87g/日、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球 多数/1視野、白血球 1~5/1視野。血液所見:赤血球 352万、Hb 10.2g/dL、Ht 32%、白血球 10,700(桿状核好中球 2%、分葉核好中球 87%、好酸球 1%、単球 1%、リンパ球 9%)、血小板 36万。血液生化学所見:総蛋白 6.3g/dL、アルブミン 3.1g/dL、尿素窒素 34mg/dL、クレアチニン 2.5mg/dL、尿酸 7.6mg/dL、Na 138mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 106mEq/L。免疫血清学所見:CRP 4.5mg/dL、HBs抗原陰性、HCV抗体陰性、MPO-ANCA 160EU/mL(基準 20未満)、抗核抗体 陰性。腎生検のPAS染色標本(別冊No. 17)を別に示す。蛍光抗体法で糸球体に免疫グロブリンの沈着を認めない。
- 直ちに行うべき治療はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D037]←[国試_109]→[109D039]
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 82歳の男性。意識消失のため搬入された。
- 現病歴:本日、ビールを飲みながら夕食をとった後、入浴のため食卓から立ち上がり歩き始めたところ、突然意識を消失し倒れた。驚いた妻が駆けつけ大声で呼びかけたところ、すぐに意識は清明となった。明らかな外傷やけいれんはなかったという。最近、椅子から立ち上がる時にふわっとすることがよくあったという。
- 既往歴:高血圧症のためカルシウム拮抗薬を内服している。1か月前から持病の腰痛症悪化のため非ステロイド性抗炎症薬を内服している。
- 生活歴:長男夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧132/68mmHg。呼吸数18/分。SpO2 95%(room air)。瞳孔径は両側3mmで対光反射は正常である。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。口腔内に出血を認めない。舌と粘膜とに損傷を認めない。項部硬直を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。咽頭に腫脹と発赤とを認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部に圧痛を認めない。四肢に浮腫、チアノーゼ、ばち指および皮疹を認めない。
- 検査所見:心電図に異常を認めない。
- 意識消失の原因として最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G059]←[国試_107]→[107G061]
[★]
- 42歳の女性。発熱と乏尿とを主訴に来院した。半年前から右示指と中指の中手指節関節、左示指の近位指節間関節および左環指の中手指節関節に腫脹と疼痛とを自覚していた。 1か月前からは両側手関節にも腫脹と疼痛とを自覚した。 2週前に受診し非ステロイド性抗炎症薬が処方され著効したが、 3日前から発熱と乏尿とが出現した。意識は清明。体温 38.0 ℃。脈拍 84/分、整。血圧 144/88 mmHg。呼吸数18/分。 2週前と比べ 5 kgの体重増加を認める。両側の下腿に浮腫を認める。尿所見:蛋白 1+、糖 (-)、潜血 1+、沈渣に白血球円柱 1~ 4 / 1視野。血液所見:赤血球 408万、 Hb 10.9 g/dl、Ht 32%、白血球 12,300(桿状核好中球 6%、分葉核好中球 63%、好酸球 4%、好塩基球 1%、単球 6%、リンパ球 20% )、血小板 38万。血液生化学所見:総蛋白 6.8 g/dl、アルブミン 3.0 g/dl、尿素窒素 86 mg/dl、クレアチニン 6.6 mg/dl、尿酸 10.2 mg/dl、Na 132 mEq/l、K 5.2 mEq/l、Cl 104 mEq/l。免疫血清学所見: CRP 10 mg/dl、リウマトイド因子〈RF〉80 IU/ml(基準 20未満 )、抗CCP抗体 245 U/ml(基準 4.5未満 )。手の単純エックス線撮影で関節にびらんを認めた。入院後、非ステロイド性抗炎症薬を中止したところ解熱した。入院 6日目にクレアチニンは 3.0 mg/dlに低下したが関節痛は悪化した。
- 現時点での治療薬として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108I070]←[国試_108]→[108I072]
[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 82歳の男性。意識消失のため搬入された。
- 現病歴:本日、ビールを飲みながら夕食をとった後、入浴のため食卓から立ち上がり歩き始めたところ、突然意識を消失し倒れた。驚いた妻が駆けつけ大声で呼びかけたところ、すぐに意識は清明となった。明らかな外傷やけいれんはなかったという。最近、椅子から立ち上がる時にふわっとすることがよくあったという。
- 既往歴:高血圧症のためカルシウム拮抗薬を内服している。1か月前から持病の腰痛症悪化のため非ステロイド性抗炎症薬を内服している。
- 生活歴:長男夫婦と同居。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。体温36.8℃。脈拍88/分、整。血圧132/68mmHg。呼吸数18/分。SpO2 95%(room air)。瞳孔径は両側3mmで対光反射は正常である。眼瞼結膜はやや蒼白である。眼球結膜に黄染を認めない。口腔内に出血を認めない。舌と粘膜とに損傷を認めない。項部硬直を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。咽頭に腫脹と発赤とを認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腹部に圧痛を認めない。四肢に浮腫、チアノーゼ、ばち指および皮疹を認めない。
- 検査所見:心電図に異常を認めない。
- 追加すべき診察はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107G060]←[国試_107]→[107G062]
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 89歳の女性。左膝の痛みを主訴に来院した。
- 現病歴:3日前から左膝の痛みと38℃の発熱が出現した。様子をみていたが症状が改善しないため家族とともに受診した。
- 既往歴:右変形性膝関節症。
- 生活歴:息子家族と同居。自宅周辺は押し車で散歩する。
- 家族歴:妹が関節リウマチ。
- 現症:意識は清明。体温 38.7℃。脈拍 96/分、整。血圧 138/56mmHg。呼吸数 18/分。SpO2 97%(room air)。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。左膝関節に発赤、熱感、腫脹、圧痛および膝蓋跳動を認める。
- 検査所見:血液所見:赤血球 404万、Hb 12.1g/dL、Ht 36%、白血球 6,300、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dL、アルブミン 3.4g/dL、総ビリルビン 0.6mg/dL、AST 14IU/L、ALT 11IU/L、LD 168IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.5mg/dL、尿酸 5.3mg/dL。CRP 2.1mg/dL。左膝関節エックス線写真を撮影後に左膝関節を穿刺し、関節液は黄色混濁である。左膝関節エックス線写真(別冊No. 4A)と膝関節穿刺液のGram染色標本(別冊No. 4B)とを別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [110F026]←[国試_110]→[110F028]
[★]
- 次の文を読み、31、32の問いに答えよ。
- 65歳の男性。発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:1週前から咳嗽と喀痰とを認めていた。3日前から高熱となり、膿性痰が増量し、昨日から呼吸困難も増強したため来院した。
- 既往歴:5年前から糖尿病を指摘され、食事療法を勧められていたが放置していた。
- 生活歴:喫煙は30本/日を26年間。飲酒はビール大瓶1本/日を40年間。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長168cm、体重68kg、体温39.2℃。脈拍112/分、整。血圧138/96mmHg。左胸部打診で濁音を認める。心音に異常を認めない。左側の呼吸音の減弱を認める。
- 検査所見:尿所見:蛋良1+、糖(-)。血液所見:赤血球410万、Hb13.0g/dl、Ht40%、白血球13,900(好中球80%、好酸球5%、好塩基球1%、単球4%、リンパ球10%)、血小板46万。血液生化学所見:血糖125mg/dl、総蛋白 6.2g/dl、アルブミン2.6g/dl、尿素窒素20.0mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、総ビリルビン0.3mg/dl、直接ビリルビン0.2mg/dl、AST53IU/l、ALT58IU/l、LDH340IU/l(基準176~353)、Na141mEq/l、K4.6mEq/l、Cl1O9mEq/l、Ca8.4mg/dl。免疫学所見:CRP16.9mg/dl、β-D-グルカン6.0pg/ml(基準20以下)。胸部エックス線写真と胸腔穿刺液のGram染色標本とを以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [102H031]←[国試_102]→[102H033]
[★]
- 48歳の女性。尿検査の異常を主訴に来院した。 2年前に健康診断で尿検査の異常を指摘されたが、受診しなかった。今年の健康診断でも同じ異常を指摘されたため精査目的で来院した。身長160cm.体重60kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧142/84mmHg。口蓋扁桃の腫大、発赤および白苔の付着を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。四肢に浮腫を認めない。尿所見:蛋白2+、糖(-)、潜血3+、尿蛋白1.8g/日。血液所見:赤血球 380万、Hb 11.2g/dl、Ht 34%、白血球 6,600、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 6.8g/dl、アルブミン 3.8g/dl、IgG 1,560mg/dl(基準739-1,649)、IgA 360mg/dl(基準107-363)、尿素窒素 24mg/dl、クレアチニン 1.4mg/dl、尿酸 8.5mg/dl、Na 136mEq/l、K 4.0mEq/l、C1 104mEq/l。免疫学所見:CRP 0.3mg/dl、抗核抗体陰性。腎生検のPAS染色標本(別冊No.16A)、蛍光抗体IgA染色標本(別冊No.16B)及びC3染色標本(別冊No.16C)を別に示す。
- この患者に対する治療方針として適切でないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A045]←[国試_105]→[105A047]
[★]
- 次の文を読み、 37、 38の問いに答えよ。
- 69歳の女性。発熱を主訴に来院した。
- 現病歴: 2週前から 38℃台の発熱が出現し、非ステロイド性抗炎症薬を内服し、解熱と発熱とを繰り返していた。その後、徐々に食欲が減退し、最近 1週間は発熱時は 39℃を超えるようになった。かかりつけ医で胸部エックス線撮影と尿検査とを行い、異常を指摘されなかった。受診前日に 2回軟便があった。咽頭痛、咳、痰および排尿痛はない。
- 既往歴:高血圧症で治療中。
- 生活歴:海外渡航歴とペット飼育歴とはない。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。体温 38.4℃。脈拍 96/分、整。血圧 160/66 mmHg。呼吸数 20/分。 SpO2 96% ( room air)。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。項部硬直を認めない。心尖部に III /VIの汎〈全〉収縮期雑音を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。脊椎棘突起の叩打痛を認めない。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。四肢に浮腫を認めない。経胸壁心エコー検査では僧帽弁の逆流と僧帽弁の疣贅とを認めた。
- 診断に有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108H036]←[国試_108]→[108H038]
[★]
- 22歳の女性。皮疹と発熱とを主訴に来院した。 3日前から、感冒様症状に対して市販の総合感冒薬を内服している。総合感冒薬には非ステロイド性抗炎症薬が含まれることは判明しているが、詳細は不明である。昨日から発熱と皮疹とが出現した。意識は清明。身長 152 cm、体重 48 kg。体温 39.2℃。脈拍 84/分、整。血圧 104/66mmHg。呼吸数 28/分。顔面、四肢および体幹の広範囲の皮膚に紅斑、水疱およびびらんがみられる。水疱とびらんの範囲は体表面積の 50%以上である。眼瞼結膜は発赤、眼球結膜は充血している。口腔粘膜にもびらんがみられる。尿所見:蛋白 (±)、糖 (-)。血液所見:赤血球 360万、 Hb 11.4 g/dl、Ht 38%、白血球 9,800、血小板42万。血液生化学所見:総蛋白 5.8 g/dl、アルブミン 2.8 g/dl、AST 64 IU/l、ALT 78 IU/l、LD 440 IU/l(基準 176~353)、 ALP 250 IU/l(基準 115~359)、 γ -GTP 43 IU/l(基準 8~50)、尿素窒素 28 mg/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl。CRP 3.8 mg/dl。両手背と腹部の写真 (別冊 No. 19)を別に示す。
- まず投与する治療薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D036]←[国試_108]→[108D038]
[★]
- 英
- propionic acid
- 同
- プロパン酸、プロパン
- 関
- カルボン酸
- プロピオン酸(プロピオンさん、propionic acid)は示性式CH3CH2COOH、分子量74.08のカルボン酸。IUPAC命名法ではプロパン酸 (propanoic acid) となる。CAS登録番号は79-09-4。
物性
反芻動物におけるプロピオン酸
ヒト(非反芻動物を含む)におけるプロピオン酸
- 奇数脂肪酸のβ酸化、イソロイシンとコレステロール側鎖の酸化によって得られる。(HBC.169)
代謝
- HBC. 169
- →プロピオン酸血症
- →メチルマロン酸尿症
誘導体
臨床関連
[★]
- 英
- NSAID nephropathy
- 関
- 非ステロイド性抗炎症薬 NSAID、プロスタグランジン、腎前性腎不全、急性腎不全
概念
- 健康人では問題ないが、うっ血性心不全、肝硬変、慢性腎臓病、hypovolemia、あるいは交感神経-副腎系やレニン-アンジオテンシン系の活性化に関する他の状態においては、プロスタグランジンの産生が(腎機能を発揮する上では?)重要になる。(GOO.685)
- プロスタグランジンは、尿細管においてCl-の再吸収とADHの作用を抑制する(プロスタグランジンは利尿状態にする方向に作用)。NSAIDはプロスタグランジンの産生を抑制するのでwaterとsaltのretentionが起こる。(GOO.685)
- NSAIDsはK+の再吸収を促進し、またプロスタグランジンにより誘導されるレニンの分泌を抑制する。(GOO.685)
- 考える技術 第2版 p.536
- 急性の腎前性腎不全(NSAID誘発性腎低灌流)と腎性腎不全(間質性腎炎(血尿、側腹部痛))を来しうる
- NSAID誘発性腎低灌流:
- NSAIDs(tNSAIDs, COX-2阻害薬問わず)で起こり、服用3-7日以内で起こる。
- 正常人ではGFRの自動調節能がintactでありプロスタグランジンが腎血流に対する影響は大きくないが、慢性腎臓病、高血圧、循環血液量減少、心不全、肝硬変の患者では自動調節能が損なわれており、その結果としてプログラスタンジン抑制に続いて腎血流量が低下し腎虚血や急性腎不全を生じる。
症状
- 腎前性腎不全:浮腫、体重増加、血圧上昇
- 間質性腎炎:血尿、側腹部痛
検査
- FENaは1%未満のはず。
- 間質性腎炎では尿中好酸球が上昇する
治療
経過
- NSAIDsの服用中止に引き続いて腎機能が回復していく。
[★]
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[★]
- 関
- 非ステロイド性抗炎症薬
メリット
前述の通り従来のNSAIDsではCOX-1を阻害してしまうため、重篤な消化管傷害を生じる。COX-2選択阻害薬はNSAIDsと同じ抗炎症、解熱、鎮痛作用を有するが、消化管に対する副作用に関してはCOX-1を阻害しないことで組織保護作用が働き、安全であると考えられている。
しかし、長期投与に対する安全性は知られておらず、rofecoxibは高血圧、腎不全、心不全等心血管系、腎臓系に有害作用をもつことがわかっている。また、矢島らはCOX-2選択阻害薬に関しても50%異常に胃粘膜傷害が認められ、従来のNSAIDsに対する優位性はなかったと報告している。
胃粘膜傷害とは別に、関節リウマチは自己免疫反応によって、COX-2発現を促すTNF、増殖因子、インターロイキンなどを放出する炎症を生じるため、COX-2選択阻害薬を処方することは理にかなっているといえる。
出典NSAIDs長期服用患者における胃粘膜傷害の発症状況に関する疫学調査,矢島 弘嗣 他,Therapeutic Reserch,2006,vol.27,no.6,1211-1217
[★]
- 英
- diclofenac
- 化
- ジクロフェナクナトリウム diclofenac sodium
- 商
- ボルタレン Voltaren、アデフロニック、アナバン、イリナトロン、サフラック、サビスミン、サンナックス、ジクロード、ジクロスター、ジクロフェナック、スタフルミン、ソファリン、ソレルモン、ダイスパス、チカタレン、ナボール、フェナシドン、ブレシン、プロフェナチン、ベギータ、ボナフェック、ボラボミン、ボルマゲン、ボンフェナック、メリカット、ヨウフェナック、レクトス
- Cataflam, Voltaren
- 関
- 非ステロイド性抗炎症薬、NSAID。眼科用剤
概念
適応