- 英
- facial nerve paralysis (KH), facial palsy, facial palsy
- 同
- ベル麻痺 Bell's palsy
- 関
- 顔面神経
顔面神経麻痺の分類 (KL.649)
- 中枢性麻痺
- 核上性麻痺
- 顔面神経の上位(大脳皮質から顔面神経に至るまで)での障害により起こる
- 内包における血管障害によるものが多い
- 対側の顔面下半分の麻痺が生じる ← 皮質核線維のほとんどが交差性 (KL.702)
- 前頭筋など顔面上部、両側の一次運動野からの皮質核線維を介して支配されるので、一次運動野の片側麻痺でも機能する (KL.702)
- 末梢性麻痺
検査
- 障害の程度と場所を特定する。
- 障害の部位を特定できる
- 40満点とし、次の10項目を正常4点、不全麻痺2点、全麻痺0点として評価する。
- 1. 安静時対象
- 2. 額しわ寄せ
- 3. 軽い閉眼
- 4. 強い閉眼
- 5. 片目つむり
- 6. 角膜反射
- 7. 鼻翼運動
- 8. 口笛
- 9. イー発声
- 10. 口角外方運動
- 電気生理的検査法 神経の障害の程度を定量的に診断可能
- a) 神経興奮性試験 verve excitability test NET
- 経皮的に電気刺激を与え筋収縮が発生する閾電流で神経の障害を定量的に評価する。神経障害発生より48-72時間後から検査異常が発生する。早期の神経障害の程度を把握したり、予後の判定に有用。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/03 01:35:58」(JST)
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脳神経 |
第I脳神経 – 嗅神経 |
第II脳神経 – 視神経 |
第III脳神経 – 動眼神経 |
第IV脳神経 – 滑車神経 |
第V脳神経 – 三叉神経 |
第VI脳神経 – 外転神経 |
第VII脳神経 – 顔面神経 |
第VIII脳神経 – 内耳神経 |
第IX脳神経 – 舌咽神経 |
第X脳神経 – 迷走神経 |
第XI脳神経 – 副神経 |
第XII脳神経 – 舌下神経 |
表・話・編・歴 |
顔面神経(がんめんしんけい、facial nerve)は、12ある脳神経の一つで第七脳神経(CNVII)とも呼ばれる。
目次
- 1 概説
- 2 特殊内臓遠心性線維
- 3 中間神経
- 3.1 特殊内臓求心性線維 (SVA)
- 3.2 一般体性求心性線維 (GSA)
- 3.3 一般内臓遠心性線維 (GVE)
- 4 顔面神経障害
- 5 関連項目
- 6 参考文献
- 7 外部リンク
概説
狭義の顔面神経は、顔面に分布し主として表情筋の運動を支配する。この神経と内耳神経の間に中間神経と呼ばれる神経があり、広義にはこれを含めて顔面神経と呼ぶ。内耳神経と一緒に側頭骨の錐体を貫き、さらに単独で顔面神経管という弓状の骨の管を通り、茎乳突孔から出てきて顔面全体に分岐する。顔面神経管を通る途中から涙腺、唾液腺の分泌、味覚(舌の前部3分の2)などに関係する枝が出て骨の細管を通り抜け関連する神経節や舌神経などに入っていく。顔面神経の神経線維には4種類あり、特殊内臓遠心性線維(special visceral efferent fiber, SVE) 、一般内臓遠心性線維 (general visceral efferent fiber, GVE) 、特殊内臓求心性線維 (special visceral afferent fiber, SVA) 、一般体性求心性線維 (general somatic afferent fiber, GSA) と呼ばれる。
特殊内臓遠心性線維
運動神経線維であり、顔面表情筋、広頸筋、頬筋、アブミ骨筋、顎二腹筋後腹などを支配する。この神経線維の細胞体は橋尾側にある顔面神経運動核に存在する。顔面神経運動核はさらに背内側核・腹内側核・中間核・外側核に分けられ、それぞれ異なる筋群を支配している。背内側核からの線維は後耳介神経となって耳介筋と後頭筋(前頭後頭筋の一部)を支配する。腹内側核から出た繊維は顔面神経頸枝として広頸筋を支配している。内側核の中にはアブミ骨筋を支配するものもあると考えられている。顔面神経側頭枝と頬骨枝は中間核から出て前頭筋(前頭後頭筋の一部)と眼輪筋、皺眉筋および頬骨筋を支配する。外側核からの線維は顔面神経頬枝となって頬筋と頬唇筋を支配している。他の動物と比較すると、ヒトの顔面神経運動核では頬唇筋を支配する外側核が顕著に発達しており、一方内側核群はかなり小さくなっている。
茎乳突孔を出た後の特殊内臓遠心性線維(運動線維)の分布
これらの遠心性線維は顔面神経運動核から出てまず第四脳室底面のある背内側に向かう。正中を走る内側縦束とやや外側にある外転神経核の間を通り、外転神経核を巡るように鋭角に折れ曲がる(ここが第四脳室底の顔面神経丘の直下である)。ここから腹外側に向かい、三叉神経脊髄路の内側、上オリーブ核の外側を通り、橋の最尾側(小脳橋角部と呼ばれる)で脳幹から外に出る。外転神経を巡るループの事を運動神経内膝 (internal genu of facial nerve) という。末梢に出た繊維は顔面神経管に入って顔面神経外膝で折れ曲がり、はじめ外側へ走行した後に下行する。顔面神経管の中でアブミ骨筋への枝を分枝し、茎乳突孔から顔面に出てそれぞれの支配筋へと分枝する。
顔面神経運動核への投射には以下のようなものがある。三叉神経脊髄路核からの二次性ニューロン、これは角膜反射などの三叉神経顔面反射にかかわる。皮質延髄路からの直接投射、これは左右両側性に投射する。皮質延髄路から網様体を経由した間接投射も存在する。交叉性の赤核延髄路からの投射は背内側核と中間核(すなわち上部顔面筋を支配する部位)にのみ投射している。中脳の網様体からも同側性に投射がある。聴神経の二次あるいは三次ニューロンも顔面神経核に投射すると考えられている。これは聴性顔面神経反射(突然大きな音を聞いたときに目をつぶったり、アブミ骨筋が収縮して耳小骨の振動を抑制する反射)に関係している。
中耳・内耳の構造と運動神経・内耳神経
1.前庭神経
2.蝸牛神経
3.顔面神経
4.膝神経節(顔面神経外膝)
5.鼓索神経
6.蝸牛管
7.半規管
8.つち骨
9.鼓膜
10.耳管(ユースタキー管)
中間神経
小脳橋角部から狭義の顔面神経と内耳神経(より正確には前庭神経)の間を走行して末梢に出てくる。この神経はSVA、GSA、GVEの各繊維を含んでいる。SVA・GSAの各求心性神経線維は膝神経節 (geniculate ganglion) に神経細胞体を持つ。
特殊内臓求心性線維 (SVA)
SVAは舌の前3分の2からの味覚を鼓索神経 (chorda tympani nerve) を通って伝達する(後ろ3分の1については舌咽神経の支配)。中枢でこの線維は延髄の孤束核 (solitary nucleus、味覚中枢とも呼ばれる) に投射する。
一般体性求心性線維 (GSA)
GSAは外耳道や耳介、耳の後ろ部分の表在感覚を伝達する。中枢では三叉神経脊髄路核に投射する。
一般内臓遠心性線維 (GVE)
副交感線維である。橋背外側の網様体に散在するアセチルコリン作動性ニューロンからなる上唾液核から出る。このニューロン群は橋から延髄まで続いており、延髄では下唾液核(舌咽神経の核)や迷走神経背側運動核につながっている。副交感節前線維は末梢に出ると顔面神経外膝の近傍で二つに分岐する。一方は大錐体神経となって翼口蓋神経節に達する。他方は顔面神経管内で顔面神経から分岐して鼓索神経となり、舌神経(三叉神経第III枝下顎神経のさらに枝神経)の枝として顎下神経節に達する。各神経節で節後線維とシナプスを形成し、節後線維は翼口蓋神経節から涙腺・鼻粘膜・口腔粘膜の分泌および血管作動線維になる。また顎下神経節からの節後線維は、顎下腺および舌下腺に達する(より詳しい機能については自律神経系を参照)。
顔面神経障害
別名、顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)。末梢性の顔面神経麻痺は病変の部位によって顔面筋の運動麻痺、知覚障害、自律神経障害などを起こす。
- 鼓索神経分岐より末梢、茎乳突孔付近での病変では顔面神経運動枝の完全麻痺が起きる。病変のある側で、額のしわ寄せができない、目をつぶれない、歯をむけない、口がすぼめない、また眼裂がひろがる、鼻唇溝(唇と頬の間にある溝)が浅くなる、口角が下がるなどの症状が見られる。患側では角膜反射が消失するが、角膜の感覚は保たれる(感覚は三叉神経支配のため)。
- 膝神経節よりも末梢、鼓索神経分岐よりも中枢側に病変があると、上記の症状に加えて舌の前3分の2の味覚が障害され、顎下腺および舌下腺の分泌障害、聴覚過敏が起こる。聴覚過敏は、アブミ骨筋の麻痺によって耳小骨の振動を抑制できなくなり、患側で異常に大きな音に聞こえる。
- 膝神経節よりも中枢側に病変があると上記のすべての症状に加え、涙腺の分泌障害が起こる。この部分で完全麻痺が起こると、舌の前3分の2の味覚が永久に失われる事がある。SVA線維は再生できないためである。一方副交感節前線維は再生するが、その際しばしば誤った再生をすることがある。障害前は顎下神経節に向かっていた線維が翼口蓋神経節に向かって再生する事がある。この結果、食事などの唾液腺刺激に対して涙が出てしまう現象がある(ワニの涙症候群)。膝神経節が水痘・帯状疱疹ウイルスによって冒されるラムゼイ・ハント症候群では、耳痛や外耳道・耳介の水疱形成に続いて上記のような症状が現れる。
特発性末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺、運動成分のみが麻痺する疾患)の病因はほとんどわかっていないが、顔面神経管内での何らかの原因による神経の腫脹によるものと考えられている。
中枢性の顔面神経麻痺は、皮質延髄路や皮質網様体路など上位運動ニューロンの病変で起こる。中枢性と末梢性の顔面神経麻痺の最大の鑑別点は、中枢性の場合は額のしわ寄せが保持でき、眼輪筋の麻痺も程度が軽いことである。これは顔面神経のうち顔面の上半分の表情筋だけは両側の大脳皮質に支配されているため、一側の中枢に病変があっても麻痺が起こらないのである。そのため、顔面神経麻痺がある場合、額のしわ寄せができなければ、鑑別診断の中から、大脳および中脳における脳梗塞などの脳血管障害はまず除外してよいことになるが、小脳橋角部から顔面神経運動核に至るまでの間で脳血管障害が起きた場合は、小脳橋角部は膝神経節よりも中枢側に位置するため、額のしわ寄せができなくなる上に、前述したような末梢性顔面神経麻痺の種々の症状が発現し得る。ただし、この場合はウイルス感染ではないため、ラムゼイ・ハント症候群にみられる外耳道や耳介の水疱形成は生じない。また顔面神経には情動性支配というものがあり、経路は未知であるが運動野とは別の中枢にも支配されているため、皮質延髄路の途中に病変がある場合でも感情的刺激には反応して健側と同じように表情筋が動かせることがある。
関連項目
参考文献
- Parent, André, Carpenter's human neuroanatomy, 9th ed. Media: Williams & Wilkins, 1996, pp.495-498. ISBN 0683067524
- 田崎・斎藤著、坂井改訂『ベッドサイドの神経の診かた』改訂16版、南山堂、2004年 ISBN 9784525247164
外部リンク
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- 津布久 崇,蠣崎 文彦,松村 道哉,古田 康
- Facial nerve research 30, 181-183, 2011-12-20
- NAID 10027668159
- 岡本 昌之,齋藤 武久,呉 明美,山田 武千代
- Facial nerve research 30, 171-173, 2011-12-20
- NAID 10027668122
- 西窪 加緒里,中谷 宏章,兵頭 政光
- Facial nerve research 30, 168-170, 2011-12-20
- NAID 10027668110
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★リンクテーブル★
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- 60歳の女性。右耳の耳鳴と難聴とを主訴に来院した。最近、電話の受話器を左手に持ち左耳で聞くことが多くなった。頭部MRI(別冊No.21)を別に示す。
- この患者にみられるのはどれか。 3つ選べ。
- a 歩行時によろめく。
- b 右側の同名半盲を訴える。
- c 右側の嗅覚が低下している。
- d 右側の顔面神経麻痺がみられる。
- e 右側を注視すると大きな振幅の眼振がみられる。
[正答]
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- 2歳の女児。意識障害のため搬入された。なかなか泣きやまないことに激昂した父親によって、肩を持たれ何度も強く揺さぶられた。しばらくするとぐったりして意識がなくなったという。意識レベルはJCS III-100で、全身に多数の熱傷瘢痕が散在し、新旧の皮下出血斑が多数認められる。
- この患児に認められる可能性が高いのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
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- 32歳の女性。右頸部の腫瘤を主訴に来院した。10年前から腫瘤に気付いていた。腫瘤は徐々に増大傾向にあるという。腫瘤の表面は平滑、可動性良好で、圧痛を認めない。顔面神経麻痺を認めない。頭頸部MRIのT1強調軸位断像(別冊No. 20)を別に示す。
- 診断として最も考えられるのはどれか。
[正答]
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- 18歳の女子。オートバイを運転中に転倒したため搬入された。
- 意識は清明。頭部に外傷はないが、鼻出血を認める。顔面骨3D-CT(別冊No. 28A)と頭部単純cT(別冊No. 28B)とを別に示す。
- この患者の症状として考えられるのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
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[正答]
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- 25歳の男性。自転車で転倒し右側頭部を強打したため搬入された。意識は清明。右顔面神経麻痺を認める。側頭骨高分解能CT(別冊No.22)を別に示す。
- この患者に認められる可能性の高い症候はどれか。 3つ選べ。
[正答]
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- 7歳の男児。2週前から歩行時に転倒することを主訴に来院した。頭部造影MRIのT1強調矢状断像(別冊No.14A)と横断像(別冊No.14B)とを別に示す。神経学的診察でみられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
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[★]
- 23歳の男性。バイクを運転中に転倒したため搬入された。意識は清明。右側頭部を強打しており右外耳からの出血がある。頭部CTで側頭骨を横断する骨折を認める。
[正答]
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- 眼位および眼球運動の診察を行っている。9方向の眼位(別冊No. 4)を別に示す。診断はどれか。
[正答]
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- 顔面を殴打された直後の患者の顔面骨3D-CT(別冊No. 1)を別に示す。症状として考えられるのはどれか。
[正答]
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- 耳下腺腫瘍摘出術を行う際、手術前に説明すべき合併症はどれか。3つ選べ。
[正答]
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[正答]
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[正答]
※国試ナビ4※ [109D004]←[国試_109]→[109D006]
[★]
- 英
- sarcoidosis
- 同
- サルコイド症、ベック病 Boeck disease、ベック類肉腫 Boeck sarcoid Boeck's sarcoid、ベニエー・ベック・シャウマン病 morbus Besnier-Boeck-Schaumann、血管類狼瘡 angio-lupoide
- 関
- 難病
概念
- 特定疾患治療研究事業の対象となっている難病である。
- 原因不明の全身性疾患
病因
- P. acnes?が抗原としてTh細胞に提示されるため?
- HLA-DRB1*1101 are assosiated with an increased risk for developing sarcoidosis (HIM.2136)
疫学
- 若年と中年に好発。
- 北に多く南に少ない。黒人に多い。HLAやサイトカイン遺伝子が関与か?
病型
病理
- 真皮および皮下組織に、結合組織に被包された類上皮細胞の特徴的な島嶼状結節性の肉芽腫がある。
- 皮膚では複数の類上皮細胞肉芽腫が主に真皮の上中層に生じる。ときに真皮深層、皮下組織、筋層に生じうる。
症候
- 無症状での検診発見例が大多数。微熱などの症状を出して来院することはまれ。
- 肺病変 :両側肺門リンパ節腫脹(bilateral hilar lymphadenopathy, BHL):胸部X線所見の割には無症状。
- 眼病変 :両眼性霧視(ぶどう膜炎、硝子体炎)
- 心病変 :心サルコイドーシス。心ブロック、不整脈、Adams-Stokes症候群
- 皮膚病変:2型ある。結節型、びまん浸潤型が多く、古い瘢痕(肘、膝)にサルコイド肉芽腫ができることがある。この肉芽腫を病理診断に使うと浸襲が少ない。
- 内分泌異常:高ACE活性、高カルシウム血症
- その他・・無痛性表在リンパ節腫大や心病変(まれだが本症の急死の原因)脳神経(致死的)
病変部位の頻度
- 肺(縦隔・肺門リンパ節,肺)95%以上
- 眼(ぶどう膜,網膜,硝子体)30-40%
- 皮膚5-10%
- 表在リンパ節腫脹のみられることがあり,時に心臓病変がみられる。
- YN I-112
- 初発症状:眼(眼前霧視)50%、呼吸器症状15%、皮膚症状5-10%、両側耳下腺腫脹、リンパ節腫脹
検査
- 生検:病理的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を証明する。経気管支的肺生検や前斜角筋生検が行われる。
- 画像検査
- 胸部単純X線写真:両側肺門部リンパ節腫脹(BHL)、びまん性陰影、結節影、空洞病変、網状影、浸潤影、小粒状影
- 分類(I~III型):(I型)BHL、(II型)BHL+肺野病変、(III型)肺野病変。I型が最多。
- 胸部CT:縦隔リンパ腺腫脹、血管・気管支周囲の肥厚・不整像、胸膜不整像
- ガリウムシンチグラム(67Ga):病変部に集積。
- テクネシウムシンチグラム(99mTc):病変部に欠損像
- タリウムシンチグラム(201Tl):灌流欠損像
- PET:高集積
- 気管支鏡検査:気管分岐部周囲や両主気管支に毛細血管の増生・拡張や腫大したリンパ節による圧排像を認めうる。気管支内にサルコイド結節(肉芽腫)を認めうる。
- 気管支肺胞洗浄
- 細胞数増加
- リンパ球増加
- CD4/CD8比:高値 (喫煙者でも上昇しうる) → 液性免疫優位。血清γグロブリン上昇はこのためか?
- 皮膚生検、皮下結節生検、表在リンパ節生検、前斜角筋リンパ節生検、肝生検、縦隔・肺門部リンパ節生検:非乾酪性類上皮細胞肉芽腫の証明
診断
診断基準
- 参考1
- 組織診断群(確実) :1-(2)のいずれかの臨床・検査所見があり,1-(3)が陽性。
- 臨床診断群(ほぼ確実):1-(2)①,②のいずれかの臨床所見があり,1-(2)③の(a)(ツベリクリン反応)又は(c)(血清ACE)を含む3 項目以上陽性。
- (1) 臨床症状:呼吸器症状(咳・息切れ),眼症状(霧視),皮膚症状(丘疹)など。
- (2) 臨床所見・検査所見
-
- (a) 胸部X 線・CT 所見(両側肺門リンパ節腫脹,びまん性陰影,血管・胸膜の変化など)
- (b) 肺機能所見(%VC・DLco・PaO2 の低下)
- (c) 気管支鏡所見(粘膜下血管のnetwork formation,結節など)
- (d) 気管支肺胞洗浄液所見※1(総細胞数・リンパ球の増加,CD4/8 上昇)
- (e) 胸腔鏡所見(結節,肥厚,胸水など)
- (a) 眼病変(前部ぶどう膜炎,隅角結節,網膜血管周囲炎など) → 眼サルコイドーシス
- (b) 皮膚病変(結節,局面,びまん性浸潤,皮下結節,瘢痕浸潤)
- (c) 表在リンパ節病変(無痛性腫脹)
- (d) 心病変(伝導障害,期外収縮,心筋障害など) → 心サルコイドーシス
- (e) 唾液腺病変(耳下腺腫脹,角結膜乾燥,涙腺病変など)
- (f) 神経系病変(脳神経,中枢神経障害など)
- (g) 肝病変(黄疸,肝機能上昇,結節など)
- (h) 骨病変(手足短骨の骨梁脱落など)
- (i) 脾病変(腫脹など)
- (j) 筋病変(腫瘤,筋力低下,萎縮など)
- (k) 腎病変(持続性蛋白尿,高カルシウム血症,結石など)
- (l) 胃病変(胃壁肥厚,ポリープなど)
- (a) ツベルクリン反応陰性
- (b) γグロブリン上昇
- (c) 血清ACE 上昇
- (d) 血清リゾチーム上昇
- (e) 67Ga 集積像陽性(リンパ節,肺など)
- (f) 気管支肺胞洗浄液の総細胞数・リンパ球増加,CD4/8 上昇
- 類上皮細胞からなる乾酪性壊死を伴わない肉芽腫病変生検部位(リンパ節,経気管支肺生検,気管支壁,皮膚,肝,筋肉,心筋,結膜など)。クベイム反応も参考になる
治療
- stage0やⅠ(BHL)では経過観察
- stageⅡ(BHL+肺陰影)、Ⅲ(肺陰影のみ)、Ⅳ(肺繊維化)では
- 1ステロイド(8割) 2免疫抑制剤メソトレキセート・アザチオプリン(難治性2割に)
予後
- 70%は2年以内に自然寛解。5-10%は難治性に進行。
- 死因の60%は心サルコイドーシスであり、心病変(刺激伝導障害)をきたす。
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/266
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/043_s.pdf
- http://www.jssog.com/www/top/shindan/shindankijyun.html
[★]
- 英
- Bell palsy, Bell's palsy
- 同
- Bell麻痺、特発性顔面神経麻痺 idiopathic facial palsy
- 関
- 顔面神経麻痺、角膜反射
[★]
- 英
- facial paralysis、facial paresis
- 関
- 顔面神経麻痺、末梢性顔面神経麻痺、顔面不全麻痺
[★]
- 英
- facial paresis
- 関
- 顔面神経麻痺、末梢性顔面神経麻痺、顔面麻痺
[★]
- 英
- peripheral facial paralysis
- 関
- 顔面神経麻痺、ハント症候群
[★]
- 英
- facial nerve paralysis in children
- 関
- 顔面神経麻痺
[★]
- 英
- facial nerve paralysis due to otitis media?, facial nerve paralysis in otitis media?
- 関
- 中耳炎, 顔面神経麻痺
[★]
- 英
- infectious facial palsy, infectious facial paralysis
[★]
- 英
- facial nerve
- ラ
- nervus facialis
- 同
- 第VII脳神経, 第七脳神経, 第7脳神経, CN VII, cranial nerve VII, seventh cranial nerve
- 関
- 中間神経、脳神経
- 図:N.117(全体) N.108,111,112(脳幹から出るところ)
- 特殊感覚性と臓性運動性の線維は中間神経として顔面神経から分かれて脳幹から出ている (KL.648)
由来
支配
走行
枝 (KL.649, N.117)
頭蓋からの出口
臨床関連
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
[★]
- 英
- paralysis, palsy
- 関
- (comb form)plegia。不全麻痺 paresis
[★]
- 英
- nerve paralysis、neuroparalysis