出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/02 12:42:29」(JST)
トモグラフィー(英: tomography) [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [注釈 1] [注釈 2] [注釈 3] [注釈 4] は、物理探査、医療診断等で用いられる逆解析技術の一つ。日本語訳は、断層映像法または断層影像法である。
その多くは、対象領域を取り囲む形で、走査線(線源と検出器)を配置し、内部の物性(音速、比抵抗、音響インピーダンス、密度など)の分布を調べる技術である。評価したい対象物によって、X線CT、地震波トモグラフィー、海洋音響トモグラフィーなどと呼ばれている。
本記事では、トモグラフ像の撮影と、復元について、原理と装置構成説明する。 トモグラフ像の撮影方法には、主に、平行ビーム光学系を用いる方法(図2参照)と、扇形ビーム(ファンビーム)光学系(図3参照)を用いる方法がある [注釈 5] [注釈 6]。
被写体のx-y断面を考える。トモグラフィーの数学的な基礎はラドン変換と、ラドン逆変換である。ラドン変換は、トモグラフィーの基本原理であるばかりでなく、 例えば、ハフ変換等にも応用される [16]。 [17] [18] [19] 応用範囲の広い数学的手法であるが、ここでは、トモグラフィーのモデル化という観点に重きをおいて説明する。
関数のラドン変換は、以下の式で与えられる。
即ち、 「のラドン変換の での値 」は、 「関数の直線に沿う線積分の値」である。 但し、は、
で定まる直線(tについての直線)である。ここで、上式をtについての直線とみなす際には、 ,sは、固定されているものと考えるが、 その際、は前記の直線の傾き角を表し、sは、前記の曲線と原点との間の距離を表すことに注意されたい。
本節では、被写体の、座標(x,y)における吸収係数をとモデル化する。 そのうえで、
を説明する。
被写体を光線が透過した際に、透過光がどれだけ減衰するかを考えることで、上記のラドン変換が導出される。以下、その導出を行う。
ラドン変換を考える際、光線は幾何光学的な光を考える。即ち、光線は、極めて直進性がよく、吸収はされるが、回折や散乱をしないと考え、さらに反射もしないと考えてよいとする。例えばX線を、人体に透過させる場合には、このように考えて差しさわりない。 幾何光学において、光線は直線で表される。光線の軌跡が、x-y断面上の直線で表される場合について考える。
吸光が、ランベルト・ベールの法則に従うとすると、 前記光線の入射強度を、透過後の強度を表記したとき、
が成り立つ。従って、光線lに沿った吸光度をと表すと、
次に、x-y平面に対し、角度θをなす光束を考える。この光束の像について考察しよう。 新たに座標系を、
により定義する。即ち、s-t座標系は、x-y座標系を角度θだけ回転した座標系である。このとき、回転行列の性質から、
となる。今、上式において、sとθを固定すると、上式は、tを変数とする直線と見做せる。
のように書くと、より直線らしく見えるであろう。
即ち、x-y平面に対し、角度θをなす光束は、以下ので定まる直線を、すべてのsにわたって集めてきたものと考えられる。
さらに、光線による吸光量を、と書くと、
が成り立つ。
以上から、x軸に対し、角度θをなす平行光束による透過像(一次元透過像)のプロファイルが、ラドン変換によって与えられることが判った。この、が、CT撮影により測定される測定データである。
ラドン逆変換とは、実測されたから、を復元する作業のことを指すが、これを説明するためには2変数関数のフーリエ変換について知っておく必要があるので、簡単に復習する。
まず、のフーリエ変換とは、
である。のことを、 と書く場合もある。 ここで、""は、関数と関数の積(たんなる掛け算)を意味する。
先のと、に対し、以下の等式が成立する。これを、フーリエ逆変換と呼ぶ。
即ち、関数をフーリエ変換した後、フーリエ逆変換すれば、元の関数に戻る。 ここで、""は、関数と関数の積(たんなる掛け算)を意味する。
実測されたから、今度はを復元することを考える。この復元操作は、数学的に、 以下の2ステップで行われる。
を計算する。
を計算する。
上記2ステップの計算を実施することを、ラドン逆変換という。以下、上記ステップにて、μ(x,y)が示せることを示す。
(1) の証明
を、変数sについてフーリエ変換(一変数関数としてフーリエ変換)したものを、とする。即ち、
とする。これは、上記ステップ(1)の変換に他ならない。 当たり前のことだが、このは、とは別物である。そもそも定義が異なる。
今、の定義式、即ち、
を、上式に代入すると、
である。
今、2変数ベクトル値関数と、を、それぞれ、
と定めると、明らかに、
である。さらに、
である。従って、
である。
さらに、上式を、
に注意して積分の変数変換を施すと、
一方で、
の、(u,v) に を代入すると、
従って、
が判る。
(2)の証明
第一段階の結論、すなわち、
より、以下の等式が、任意の(x,y)に対して成り立つ。
上式の右辺に、以下の変数変換:
を施すと、 積分の変数変換の公式から、
一方、二次元のフーリエ逆変換を考えると、
であるため、
を得る。
特に医療機器の場合には、図3のような扇形ビームを用いる場合が多い。
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