- 英
- gelatin
- 同
- ゲラチン
- 商
- スポンゼル、ゼルフォーム、ゼルフィルム
- 関
- 誘導タンパク質
- 他に分類されない治療を主目的としない医薬品
WordNet
- a colorless water-soluble glutinous protein obtained from animal tissues such as bone and skin (同)gelatine
- a thin translucent membrane used over stage lights for color effects (同)gel
- an edible jelly (sweet or pungent) made with gelatin and used as a dessert or salad base or a coating for foods (同)jelly
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/13 22:34:19」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この項目では、化合物のゼラチンについて説明しています。漫画雑誌のゼラチンについては「季刊GELATIN」をご覧ください。 |
ゼラチン(英: gelatin)は、動物の皮膚や骨、腱などの結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出したもの。タンパク質を主成分とする。
目次
- 1 概要
- 2 特徴
- 2.1 原料
- 2.2 栄養特性
- 2.3 基本的な製造法
- 3 歴史
- 4 用途
- 4.1 食品関連
- 4.2 工業製品関連
- 4.3 医薬品・化粧品
- 4.4 美術
- 4.5 その他
- 5 脚注
- 6 関連項目
- 7 外部リンク
概要
ゲル化剤としてゼリーなどの食品に用いられるほか、工業製品にも利用されている。化学的には、コラーゲン分子の三重螺旋構造が熱変性によってほどけたものを主成分とする混合物である。
膠
日本では、主に食品や医薬品などに使われる純度の高いものをゼラチン、日本画の画材および工芸品などの接着剤として利用する精製度の低いものを膠(にかわ)[1]、蹄を原料とするものは hoof glue と称している。接着剤#膠も参照。
特徴
精製された純度の高いものは無味無臭。ゼラチンのコロイド水溶液は熱することによりゾル化して溶け、冷やす事によりゲルとなって固形化する性質を持つ。水分との混合割合により固形化する際の堅さを調節できる。
原料
主にウシやブタの皮や骨などを利用して生産されているが、宗教上の理由などからタブーの対象となる動物を避けて素材を選定し、作られる場合もある。魚の鱗や皮の他、中国ではロバの皮から作る阿膠がある。
栄養特性
ゼラチン(dry powder、unsweetened)
100 gあたりの栄養価 |
エネルギー |
335 kJ (80 kcal) |
|
炭水化物
|
0 g
|
糖分 |
0 g |
食物繊維 |
0 g |
|
脂肪
|
0 g
|
飽和脂肪酸 |
0.070 g |
一価不飽和脂肪酸 |
0.060 g |
多価不飽和脂肪酸 |
0.010 g |
|
タンパク質
|
85.60 g
|
トリプトファン |
0.000 g |
トレオニン |
1.475 g |
イソロイシン |
1.158 g |
ロイシン |
2.454 g |
リシン |
3.460 g |
メチオニン |
0.606 g |
シスチン |
0.000 g |
フェニルアラニン |
1.737 g |
チロシン |
0.303 g |
バリン |
2.081 g |
アルギニン |
6.616 g |
ヒスチジン |
0.662 g |
アラニン |
8.009 g |
アスパラギン酸 |
5.265 g |
グルタミン酸 |
8.753 g |
グリシン |
19.049 g |
プロリン |
12.295 g |
セリン |
2.605 g |
|
ビタミン |
ビタミンA相当量
β-カロテン
ルテインと
ゼアキサンチン
|
(0%)
0 μg
0 μg
|
チアミン (B1) |
(2%)
0.025 mg |
リボフラビン (B2) |
(19%)
0.230 mg |
ナイアシン (B3) |
(1%)
0.085 mg |
パントテン酸 (B5)
|
(3%)
0.125 mg |
ビタミンB6 |
(1%)
0.007 mg |
葉酸 (B9) |
(8%)
30 μg |
ビタミンB12 |
(0%)
0 μg |
コリン |
(8%)
38.5 mg |
ビタミンC |
(0%)
0 mg |
ビタミンD |
(0%)
0 IU |
ビタミンE |
(0%)
0 mg |
ビタミンK |
(0%)
0 μg |
|
ミネラル |
カルシウム |
(6%)
55 mg |
鉄分 |
(9%)
1.11 mg |
マグネシウム |
(6%)
22 mg |
マンガン |
(5%)
0.105 mg |
セレン |
(56%)
39.5 μg |
リン |
(6%)
39 mg |
カリウム |
(0%)
16 mg |
ナトリウム
(塩分の可能性あり) |
(13%)
196 mg |
亜鉛 |
(1%)
0.14 mg |
|
他の成分 |
水分 |
13.0 g |
成分名「塩分」を「ナトリウム」に修正したことに伴い、各記事のナトリウム量を確認中ですが、当記事のナトリウム量は未確認です。(詳細)
|
- 単位
- μg = マイクログラム • mg = ミリグラム
- IU = 国際単位
|
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
出典: USDA栄養データベース(英語) |
ここでは乾燥粉末のゼラチンについて述べる。含まれる栄養素のほとんどはタンパク質である。タンパク質を構成する必須アミノ酸ではリジンが多く含まれる一方でトリプトファンはまったく含まれていない。すなわちゼラチンのアミノ酸スコアはゼロで、その第一制限アミノ酸はトリプトファンである。またメチオニンの量が相対的に少ない組成となっている。非必須アミノ酸に関しては、グリシンとプロリンが大変多く含まれており、この2つで重量比の3割強を占め、グルタミン酸も合わせると半分近い重量を占めている。
基本的な製造法
素材の不純物を除去後、水を加えて熱処理し、ゼラチンを含む溶液を抽出する。濾過後に酸またはアルカリでpH調節を行い、濃縮し殺菌および冷却、さらに乾燥と精製を重ねて製品化する。
歴史
接着剤である膠として5000年以上前の古代から利用されていたと考えられている。シュメール時代にも使用されていたとも言われており、古代エジプトの壁画には膠の製造過程が描かれ、ツタンカーメンの墓からは膠を使った家具や宝石箱も出土している。中国では、西暦300年頃の魏の時代にススと膠液を練った「膠墨」が作られたとされ、また6世紀頃には現代とほとんど変わらない膠製造の記録も見られる。
中国から日本に膠が伝わったのは『日本書紀』などの記述から推古天皇の時代、「膠墨」としてもたらされたものと考えられている。食材としての伝来は遅く、明治時代以降、欧米の食文化の到来とともにゼラチンとして知られることになったが、食用のゲル化剤としては和菓子などに用いる寒天や葛粉など多糖類系統のものが既に広く用いられていたこともあり、1935年頃、国内で食品にできるだけの純度に精製する技術が確立して後、ようやく食品用ゼラチンが普及することとなった。
日本では兵庫県姫路市に製造企業が集中している。
用途
食品関連
一般にアスピックなどのゼリー、煮こごりなどへの使用がよく知られている。マシュマロ・グミなど菓子だけでなく、焼肉などのタレやヨーグルトやクリームチーズ、ハムやソーセージなどにもゲル化剤・増粘剤・安定剤として広く利用されている。調理用の素材として販売されているゼラチンには、薄い板状の板ゼラチン、粉状の粉ゼラチン(粉末ゼラチン)、顆粒状の顆粒ゼラチンなどがあり、ゼリーをはじめ菓子などの家庭料理にも広く用いられている。
ただし、ゼラチンは食物アレルギーを引き起こすことがあるので、市販されているゼラチンを含む食品は、原則としてゼラチンを含む旨を表示することになっている。
- ゼラチンを使用したコーヒーゼリーの調理例
- コーヒーを淹れる。この際ゼラチンを溶かした水を混ぜることを考慮し、やや濃い目に淹れる方が良い。
- ゼラチンを水に溶かす(水分に対し約3%)。この際にゼラチンが塊である場合は水に溶けやすくするために細かくする。
- コーヒーを沸騰しない程度まで温めたら、ゼラチンを溶かした水を入れて粗熱をとり、冷蔵庫で1時間-2時間ほど冷却する。
- 好みに応じてシロップ、コーヒークリーム、ホイップを添える。コーヒーに添えるものであれば殆ど利用可能。
コーヒーゼリー以外にも、ワインゼリー、フルーツゼリー、マンゴープリンなど様々なゼリーに用いられる。フルーツゼリーの場合、パイナップルやキウィフルーツのように、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を含む生の果物を使った場合は、それらがゼラチンのタンパク質を分解してしまうためうまく凝固しない。プロテアーゼの一つであるパイナップルに含まれるブロメリン(プロメライン)やキウィフルーツのアクチニジン (酵素)は熱により変性しその効力を失うため、熱処理の行われたもの(缶詰)などを使えば、問題なく作ることができる。
工業製品関連
- 弦楽器
- ゼラチンの利用法として、歴史に古くから記されている。特に木材に対して極めて強力な接着力を示す一方、蒸気をあてると結合が緩み綺麗に剥離する事から、調整や修理の必要な、バイオリンなどの弦楽器の接着剤として用いられ、修理の際に剥離の必要な部位には、意図的に接着力の弱いものが使用されている。高温多湿の車内などに放置すると、ニカワが溶けてしまい、楽器がバラバラに分解してしまうという惨事が起こる。その際、たいてい弦の張力で傷が付いてしまう。
- 和弓
- 日本では、竹やハゼノキを幾重にも貼り合わせてつくる和弓づくりにも古くから用いられており、材料の接着は弓の性能に大きく影響する事から和弓に用いる膠は伝統的に弓師自ら作成・調合している。
- 建築
- 住宅において、フローリングの固定に使用される。通常は酢酸ビニル系の接着剤で固定されるが、シックハウス症候群を予防するためにニカワを使用して固定することがある。
- フィルム・印画紙
- 溶かしたゼラチンに臭化カリウムの溶液と硝酸銀の溶液を加えて攪拌すると写真乳剤となる。1871年、写真乳剤が開発されそれを塗布し乾燥させ感光膜とした臭化銀ゼラチン乾板が発明された。それらの写真乳剤をベースとなる素材に塗布したものが、それぞれフィルムであり印画紙となった。以降、感光物質の結合剤であり、保護コロイドとして機能するゼラチンが用いられ続けているが、デジタルカメラが普及し、使用量は減少してきている。
医薬品・化粧品
- 医薬品
- 飲み薬に使用されている各種のカプセルの他、錠剤やトローチなどにも使用されている。[2]
- 日本では、年間1000t以上のゼラチンが医薬用として使用されている[2]。
- 水分量を増やし流動性を高めたゼラチンを用い、嚥下障害のある患者への水分補給などにも使用されている[2]。
- 湿布薬にもゼラチンが用いられており、多用されている日本では特に使用率が伸びている。
- ゼラチンには止血作用があるのでゼラチンスポンジとして手術時に使われる。やがて体内で吸収されるので除去する必要はない。また、ゼラチン加水分解物を止血剤として注射することもある。
- ロバ(ウシの場合もある)の膠(ゼラチンとして精製する前のもの)を阿膠(あきょう)といい止血作用のある生薬である。阿膠は効能を表示しない限りは法的に食品扱いである。
- 化粧品
- ゼラチンの元でもあるコラーゲンは美容の分野で保湿剤として着目されており、従来シャンプーやリンス、口紅などに使用されていた粘性保持のための添加剤としてだけでなく、「加水分解コラーゲン」「水溶性コラーゲン」などが製品化され化粧品の基材の一つとして使用されている。
美術
画材
- テンペラ - 石膏地や白亜地の下地として膠が用いられる。兎の皮革から作られたウサギのトタン膠などが良く知られている。(英: rabbit-skin glue)
- ディステンパー - 膠は絵具の固着材となる。墨は油煙と膠を水に溶かしたものを練ったものである。描く際に紙や布などのにじみを調節し紙のけば立ちを押さえたい場合に「礬水引き(どうさびき)」として焼きミョウバンと膠の混合液を塗布する。日本の伝統的なディステンパーである日本画では、粉末のフリットや鉱石を定着させるため膠を水に溶かしたものと混ぜて使用する。かつては鹿の皮革から作られていたことから鹿膠(しかにかわ)と言われているものや、三千本膠と言われる牛皮膠などが主に用いられている。(英: hide glue)
- また、絵画の修復の際に絵具の剥離を抑えるため、膠水(にかわみず)とミョウバンを合わせたものが用いられる場合もある。
その他
- 競技用
- シンクロナイズドスイミングの選手が競技時に頭髪を固めるのに用いる。水には溶けず、湯で溶けるのでシャワーで洗い流すのに都合が良い。
- 弾道ゼラチン
- 銃弾が人体に命中した際の挙動を再現するために、人の筋肉に近い硬さの弾道ゼラチン(英語版)(人体ゼラチン)が用いられる。
脚注
- ^ 英: animal glue
- ^ a b c 森井 啓二 『ホメオパシー マテリアメディカ大全1(Abel-Agar)』 エンタプライズ、2008年7月27日、287頁。ISBN 978-4-87291-188-6。
関連項目
外部リンク
- ゼラチン - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
- 日本ゼラチン・コラーゲンペブチド工業組合
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- A preliminary study of the physical properties of a new anti-adhesive material made of thermally cross-linked gelatin film
- Horii Tsunehito,Tsujimoto Hiroyuki,Miyamoto Hiroe,Ikeda Junki,Orikasa Taichi,Narita Kazuyuki,Takamori Hideki,Morita Shinichiro,Urabe Mamoru,Nakamachi Eiji,Hagiwara Akeo
- 同志社大学理工学研究報告 54(1), 52-58, 2013-04-00
- … 腹部外科手術において安全に使用でき、優れた癒着防止効果を持つ癒着防止材を作るために、我々は、新規熱架橋ゼラチンフィルムを作製し、これまでに犬の実験で、その優れた癒着防止効果と、腸管吻合部においても安全に使用できることを報告してきた。 …
- NAID 110009575481
- Gelatin sponge sheet combined with gelatin glue as new topical hemostatic materials : a preliminary report in an animal model
- Wang Zhen,Kotani Yutaka,Tamura Atsushi,Kawasumi Akari,Tsuji Misaki,Hayashi Maho,Ikeda Junki,Orikasa Taichi,Takamori Hideki,Torii Hiroko,Ozamoto Yuki,Morita Shinichiro,Tsujimoto Hiroyuki,Hagiwara Akeo
- 同志社大学理工学研究報告 54(1), 36-40, 2013-04-00
- … この問題を解決するために、アルカリ処理によりゼラチンのウイルスや抗原性構造部位ほぼ完全に排除されることに着目し、筆者らは構成要素としてアルカリ処理ゼラチンのみを使用しこれを凍結乾燥してゼラチンスポンジ作成し、これとゼラチン糊とを組み合わせた新規の止血材を考案した。 …
- NAID 110009575477
- The effects of thermally cross-linked gelatin film on intraperitoneal dissemination of cancer cells : an in vitro study using human gastrointestinal cancer cell lines
- Miyamoto Hiroe,Tsujimoto Hiroyuki,Horii Tsunehito,Ikeda Junki,Orikasa Taichi,Takamori Hideki,Torii Hiroko,Ozamoto Yuki,Morita Shinichiro,Urabe Mamoru,Hagiwara Akeo
- 同志社大学理工学研究報告 54(1), 16-20, 2013-04-00
- … 腹部外科手術後の癒着障害を防ぐため、我々は新規癒着防止材として熱架橋ゼラチンフィルムを開発し、これまでに動物実験においてその優れた癒着防止効果と良好な腹膜再生を報告した。 …
- NAID 110009575473
Related Links
- 商品情報 CM情報 森永天使のお菓子レシピ キャンペーン お楽しみ&お役立ち情報 会社情報
- ゼリーやプリン、ムースなどの冷たいデザートは、つるんとした食感がおいしさのポイント。 その食感に欠かせない凝固剤、「ゼラチン」「アガー」「寒天」の特徴とおすすめレシピをご紹介します!
- 粉ゼラチンの簡単おいしいレシピ(作り方)が26805品! 「ゼラチンご飯」「ゼラチンでプリン」「ゼラチンで作るプリン」「芋羊羹~ゼラチン使用~」 « クックパッド for Yahoo!プレミアム に戻る 人気順を無料体験! プレミアムサービス ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
はしか風しん混合生ワクチン「北里第一三共」
組成
製法の概要
- 本剤は、弱毒生麻しんウイルス(AIK-C株)を特定の伝染性の疾患に感染していないニワトリ胚初代培養細胞で増殖させ、得たウイルス液を精製したものと、弱毒生風しんウイルス(高橋株)を特定の伝染性の疾患に感染していない健康なウサギの初代腎臓培養細胞で増殖させ、得たウイルス液を精製したものとを混合し、安定剤を加え分注した後、凍結乾燥したものである。培養液にはM-199を使用している。
なお、本剤は製造工程でウシの血液由来成分(血清)、ウシの乳由来成分(ラクトアルブミン水解物、乳糖)、及びブタの膵臓由来成分(トリプシン、パンクレアチン)を使用している。また、1970年代に作製したマスターシードに、動物種及び原産国が明らかでない生物由来原料(血清、トリプシン、ラクトアルブミン水解物、乳糖水和物、エリスロマイシンラクトビオン酸塩、ゼラチン)を一部使用している。
組成
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶かした液剤0.5mL中の組成を示す。
有効成分
- 弱毒生麻しんウイルス(AIK-C株) 5,000FFU以上
弱毒生風しんウイルス(高橋株) 1,000FFU以上
安定剤
- 乳糖水和物 5.0W/V% ウシの乳由来
D−ソルビトール 1.8W/V%
L−グルタミン酸ナトリウム 0.4W/V%
抗生物質
- エリスロマイシンラクトビオン酸塩 12.5μg(力価)以下
カナマイシン硫酸塩 12.5μg(力価)以下
希釈剤
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者(「相互作用」の項参照)
- 妊娠していることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)0.7mLで溶解し、通常、その0.5mLを1回皮下に注射する。
接種対象者
定期の予防接種
第1期
第2期
- 5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者(小学校就学前の1年間にある者)
任意の予防接種
不活化ワクチン製剤との接種間隔
- 不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
輸血及びガンマグロブリン製剤投与との関係
- 輸血又はガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、通常、3か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。
また、ガンマグロブリン製剤の大量療法において200mg/kg以上投与を受けた者は、6か月以上間隔を置いて本剤を接種すること。(「相互作用」の項参照)
他の生ワクチン製剤接種との関係
- 他の生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種すること。(「相互作用」の項参照)
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー
- (0.1%未満)
ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
血小板減少性紫斑病
- (0.1%未満)
血小板減少性紫斑病があらわれることがある。通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
- (頻度不明)
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)があらわれることがある。通常、接種後数日から2週間程度で発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害等があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
脳炎・脳症
- (0.1%未満)
脳炎・脳症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
けいれん
- (頻度不明)
けいれん(熱性けいれんを含む)を起こすことがある。異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 麻しんウイルス及び風しんウイルスは経気道的に感染し、上気道及び局所リンパ節で増殖後ウイルス血症を起こして全身の標的器官に運ばれ、麻しんあるいは風しんを発症すると考えられている。予め本剤の接種により麻しんウイルス及び風しんウイルスに対する液性免疫及び細胞性免疫が獲得されていると、感染したウイルスの増殖は抑制され、発症は阻止される。2)
★リンクテーブル★
[★]
- 食物アレルギー症状を引き起こすことが明らかになった食品のうち、加工食品に表示が義務付けられている特定原材料はどれか。3つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [111B038]←[国試_111]→[111B040]
[★]
トコフェロール、ビタミンA
適応
副作用
消化器
- 0.1~5%未満 食欲不振、胃部不快感、胃痛、悪心、下痢、便秘
過敏症
肝臓
- 0.1%未満 肝機能障害 (AST (GOT)、ALT (GPT) の上昇等)
その他
- 0.1%未満 温感、潮紅
- 頻度不明 顔面浮腫、浮腫
臨床効果
- 高血圧症:しびれ感、めまい感、首筋や肩のこり、頭痛、不眠、耳鳴、息切れ、抑鬱、四肢冷感などの随伴症状を改善
- 脂質異常症:T-CHO低下、HDL-C上昇
- 末梢循環障害:閉塞性動脈硬化症などの末梢循環障害に対して有用性
薬効薬理
- (1) 加齢ラットやコレステロール負荷ラットの実験でコレステロールの代謝回転を高めることにより、血中総コレステロール値を低下させる。これは本薬がコレステロールの異化・排泄を高めるためと考えられる。さらに過酸化脂質、中性脂肪も低下させる。
- (2) ヒトの血中総コレステロールを低下させ、リポ蛋白代謝において血中HDL‐コレステロールを上昇させる。
- (1) 本薬の微小循環系賦活作用は、神経系を介さず、血管平滑筋に直接作用し、血管運動性を維持しながら耳殼血流を増加させることが無麻酔ウサギの実験で認められている。
- (2) ヒトの末梢循環不全に対する改善作用は、ビタミンEとニコチン酸との併用よりも明らかに優れている。
- 3. 血管強化作用 ヒトの毛細血管の透過性亢進を改善し、紫斑数を減少させることが認められている。
- 4. 血小板凝集抑制作用
- (1) ヒトの凝集能が亢進している血小板に対するアドレナリン凝集、アラキドン酸凝集、コラーゲン凝集、ADP凝集のいずれにおいても血小板凝集抑制が認められている。
- (2) ヒトの多血小板血漿に対するアラキドン酸凝集、コラーゲン凝集において血小板凝集抑制作用をトコフェロールニコチン酸エステル、トコフェロール酢酸エステル、トコフェロールで比較した結果、トコフェロールニコチン酸エステルが強力な抑制効果を示した。
- 5. 血中酸素分圧上昇作用 ヒトにおいて低下した血中酸素分圧を上昇させることが認められている。
[★]
- 関
- アレルギー表示、食品衛生法
特定原材料等
- 参考1-2
規定
|
特定原材料等の名称
|
理由
|
表示の義務
|
省令
|
卵、乳、小麦、えび、かに
|
発症件数が多い
|
表示義務
|
そば、落花生
|
症状が重篤であり生命に関わるため特に留意が必要なもの(症状が重篤な割合が多いもの等)
|
通知
|
あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
|
過去に一定の頻度で発症件数が報告されたもの
|
表示を奨励(任意表示)
|
参考
- http://www.caa.go.jp/foods/index.html
- 1-1. アレルギー表示に関する情報 - 消費者庁
- http://www.caa.go.jp/foods/index8.html
- http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin425.pdf
- 1-3. 食品のアレルギー物質として「えび」「かに」の表示が義務づけられ、平成22 年6 月4 日から完全施行されます!
- http://www.caa.go.jp/foods/pdf/syokuhin295.pdf
[★]
アスコルビン酸、エルゴカルシフェロール、シアノコバラミン、チアミン硝化物、トコフェロール酢酸エステル(トコフェロール)、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、ピリドキシン塩酸塩、リボフラビン、レチノールパルミチン酸エステル(レチノール)、葉酸
組成
添加物
性状]]
[★]
- 英
- Gelfilm
- 関
- 他に分類されない治療を主目的としない医薬品
- ゼラチン
[★]
ゼラチン
- 関
- gelatine
[★]
- 英
- gelatinization、gelatinize
- 関
- アルファ化、糊化
[★]
- 英
- gelatinous、gelatine
- 関
- ゼラチン、ゼラチン状
[★]
- 英
- absorbable gelatin sponge
- 関
- ゼラチン
[★]
- 英
- gelatinous
- 関
- ゼラチン質