肺動脈弁狭窄症
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Japanese Journal
- ラステリ術後の右肺動脈狭窄に対するバルーン血管形成術により右肺動脈-左房交通を形成した一例
- 田中 敏克,齋木 宏文,富永 健太,藤田 秀樹,城戸 佐知子,大嶋 義博
- 日本小児循環器学会雑誌 = Acta cardiologica paediatrica Japonica 26(5), 423-427, 2010-11-01
- NAID 10027696598
- 特異な血行動態を示し, 経食道心エコーにて診断された二次孔欠損型心房中隔欠損症の一例
- 尾崎 理史,笠巻 祐二,田野 絢子,太田 昌克,真野 博明,小船 達也,藤井 信如,相澤 芳裕,國本 聡,中井 俊子,渡辺 一郎,平山 篤志,瀬在 明,塩野 元美
- 日大醫學雜誌 69(5), 304-309, 2010-10-01
- NAID 10027718204
- 小角 卓也,米倉 竹夫,山内 勝治,木村 拓也,神山 雅史,長門 久雄
- 日本小児外科学会雑誌 45(1), 72-76, 2009-02-20
- … 症例は,Noonan症候群の3歳女児.1歳6か月に肺動脈狭窄症に対して胸骨正中切開にて根治術施行された.術後に進行する鳩胸に対して3歳9か月目に胸郭形成術を施行した.しかし,CT検査で胸骨は正中で折れ曲がり癒合していたため,再度,胸骨正中切開を行い,過形成した左右の第4肋骨から第8肋骨の肋軟骨を切除したのち,左右に分離した胸骨を第6肋間の高さでそれぞれ骨折させ平坦にした.骨折させた胸骨の上下とその外側にある …
- NAID 110007098262
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- 肺動脈狭窄症は、全先天性心疾患の約10%近くを占める比較的多い疾患です。肺動脈 の狭窄の程度により症状や経過は異なります。肺動脈(弁)が完全に閉鎖しているもの で心室中隔欠損がないものを「純型肺動脈閉鎖」とよびますが、これは通常別の疾患 ...
- 2010年11月18日 ... 肺動脈狭窄はその狭窄部位により、肺動脈狭窄(弁下、弁、弁上)と末梢性肺動脈狭窄 に分類される。肺動脈弁性狭窄が大半を占めるが、全体として他の心奇形と合併する ことが多く、単独では先天性心疾患全体のうち、6~8%と少ない1)。
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- tetralogy of Fallot TOF ToF TF
- 同
- (国)Fallot四徴症
- 関
- 先天性心疾患、心奇形
まとめ
- 肺動脈狭窄、心室中隔欠損、大動脈騎乗、右室肥大が四徴とされており、漏斗部中隔が右前方へ偏位したために生じた大きな心室中隔欠損と漏斗部狭窄が病態の核心である。出生後は体重増加正常であるが、生後数ヶ月後より徐々にチアノーゼが出現、次第に増悪していく。無酸素発作が出現するようになり、小児期には蹲踞の姿勢をとるようになる。聴診上、2-3LSBに駆出性雑音を聴取、またII音は単一II音として聴取される。低酸素血症の持続により、バチ指、多血症、鉄欠乏性貧血を来す。治療は鉄欠乏性貧血に対して鉄材内服、無酸素発作に対して胸膝位、酸素投与、モルヒネ、βブロッカーとし、予防的にβブロッカーを投与する。手術療法としては1歳頃までに頻回の失神発作、無酸素発作をきたす例に対して、Blalock-Taussig手術を施行、1-3歳頃に根治的に心内修復術(心室中隔欠損の閉鎖、肺動脈の拡張/右室流出路形成)を行う。合併症として脳血栓、脳膿瘍、感染性心内膜炎に留意する。(文献(2) YN.C-121 SPE.452)
原因
- 発生の過程で、円錐動脈管中隔(漏斗中隔)が前方に変位 → 円錐の不等分割 (L.225)
- 22q11の微少な欠損が関係する (PHD.391)
- 22q11.2欠失症候群 CATCH22
四徴
病態
肺動脈狭窄
- (左室の心筋収縮による駆出圧が、心室中隔欠損により右室壁に加わる)
PSと大動脈騎乗を伴う心室中隔欠損
疫学
- 9.6/10000出生。 5/10,000 live births(PHD.391)
- 心奇形を合併しうる (PHD.391)
症状
- 息切れ、易刺激性、チアノーゼ、頻呼吸、ときに失神、痙攣。無酸素発作
- 運動時、食事、哺乳 → 全身の血管が拡張 → 肺血管抵抗 >> 全身血管抵抗 → ↑右左シャント → チアノーゼ
- 子供は全身の血管抵抗を上げるためにしゃがむようになる(蹲踞)。大腿の血管が圧排されて全身血管抵抗が上がる → ↓右左シャント → ↓チアノーゼ
- 中心性チアノーゼ(生後2-3ヶ月) → 無酸素発作(生後6ヶ月) → 蹲踞の姿勢(2歳以降)
- 無酸素発作/低酸素発作:生後、3-4ヶ月移行、急に多呼吸になりチアノーゼが増強。呼吸困難、意識消失を来す。午前中の覚醒時に起きることが多い。右室流出路狭窄の増強が引き金となり、肺血流の低下が起こる。3ヶ月頃から出現。
身体所見
聴診 PHD.393
- RV heave:右室肥大
- 単一II音 ← 肺動脈への駆出路が狭窄しており、かつ肺動脈弁は低形成であるためP2成分は小さく聴取できない。そのためA2成分のみS2として聴くことになる。
- 左右の胸骨縁に収縮期雑音:右室の駆出路で乱流が発生することで生じる(肺動脈までの流路が狭窄しているから)
-
- 心室中隔欠損症 VSDによる雑音は生じない。欠損している部分が大きすぎるため
検査
胸部単純X線写真
- 心陰影は正常/やや小さい ← 拡大はない
- 木靴心:左第二弓陥凹、左第四弓突出
- 肺血管陰影の減弱
心エコー
[show details]
心電図
- 右室肥大所見(high RV1, deep SV6)
心カテーテル検査
右室造影
治療
内科療法
- 多血症:Ht>60%で注意、>70%で危険なので、瀉血を行う。 (PED.919)
薬物療法
- 鉄欠乏性貧血、無酸素発作の予防が目的。
- 無酸素発作:(治療)胸膝位、酸素投与、モルヒネ、βブロッカー、アシドーシス補正の補液。(予防)βブロッカー ⇔ 禁忌:β刺激薬 → 漏斗部狭窄(肺動脈弁下狭窄)を増強させてしまう
- 治療
- βブロッカー:右室流出路狭窄の改善
- モルヒネ:鎮静、漏斗部のspasm解除。
末梢血管の拡張、静脈還流量減少? ← 塩酸モルヒネ/ペチロルファンを用いる(PED.918)
- アシドーシス補正の補液:重炭酸を含む輸液
- 予防
- 塩酸プロプラノロール/塩酸カルテオロール (PED.918)
手術療法
- 新生児期において動脈管依存性の重症例では、プロスタグランジンE1の持続投与を行い、ブラロック・タウシグ手術(Blalock-Taussig手術)を行う。(ガイドライン1)。
- 動脈管非依存性の場合、1歳頃に頻回の失神発作、無酸素発作をきたす例に対して(YN.C-122)、内科的に無酸素発作のコントロールが困難な症例や著しい肺動脈低形成に対してブラロック・タウシグ手術を行う(ガイドライン1)。
- 1-2歳(ガイドライン1)/1-3歳(YN.C-122)頃に、根治的に心内修復術(心室中隔欠損の閉鎖、肺動脈の拡張/右室流出路形成)を行う。
合併症
ガイドライン
- 1. 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf
国試
症例
- 2歳男児。運動後にチアノーゼが見られるため来院した。家族の話によると、うずくまっていることが多くなってきたという。胸骨左縁第2肋間に駆出性収縮期雑音を聴取する。
[★]
- 英
- congenital heart disease, CHD
- 同
- 先天性心血管奇形 congenital cardiovascular anomaly
- 関
- 先天性心奇形
先天性心疾患.xls
先天性心疾患
右→左シャントが優位な疾患 チアノーゼ性心疾患
左→右シャントが優位な疾患 非チアノーゼ性心疾患
疫学
症状
- 参考文献(2)より
心疾患による症状
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肺血流増加
|
肺血流減少
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低心拍出
|
1.新生児期・乳児早期
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多呼吸,陥没呼吸, 呼吸困難,喘鳴, 多汗, 哺乳障害
|
チアノーゼ
|
蒼白,末梢冷感, 冷汗,網状チアノーゼ, 体重増加不良, 弱い泣き声
|
2.乳幼児期
|
多呼吸, 易感染性,反復する肺炎
|
チアノーゼ, 低酸素発作, 蹲踞
|
体重増加不良, 運動発達遅延, 易疲労性, 顔色不良,やせ
|
3.小児期
|
運動能低下, 息切れ
|
ばち状指
|
運動能低下, 動悸
|
4.思春期以後 合併症による症状
|
胸痛,失神発作,突然死,喀血,不整脈,出血傾向,痛風,けいれん 等
|
|
|
酸素投与の悪影響(1)
- 1)動脈管依存型 → 酸素投与により動脈管が閉鎖方向に向かう
-
- 肺動脈閉鎖、右室低形成、重症肺動脈狭窄
- 大動脈縮窄・大動脈離断、大動脈閉鎖
- 2)肺循環負荷型 → 酸素投与により肺血管が拡張し、肺血管抵抗も減少して肺うっ血が増強
-
- 心室中隔欠損、大動脈縮窄複合、完全心内膜床欠損、総動脈幹遺残、
- 完全大血管転位(II型)、三尖弁閉鎖(C型)、大動脈肺動脈窓など
- 総肺静脈環流異常、三心房心、僧帽弁狭窄、肺静脈狭窄など
合併症
- QB.C-478
先天性疾患と先天心疾患
参考文献
- http://nmcg.shiga-med.ac.jp/rc_lecture/lecture21.htm
- (2) 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf
[★]
- 英
- second heart sounds, S2
- 関
- 心音
まとめ
II音増大
- MSとASとでは、同じstenosisでも心音の大きさに関与の仕方が違うんですね。
- 拡張期における大動脈圧、肺動脈圧が高い → 弁に衝突する血液の流速が早い → 弁の閉鎖音が大きい
- 大動脈弁が閉じるとき、拡張期早期 back pressureが高い?
- 拡張期に大動脈弁を挟んだback pressureが高いから?
II音減弱
分裂音
- PHD.33-35
|
横隔膜の相対的位置
|
II音
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呼気
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expiration
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 ̄
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single sound
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吸気
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inspiration
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_
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| |
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splitting sound
|
- (1)吸気時には、肺の血管抵抗性が低下 → 拡張期におけるP弁へのback pressureは呼気時と比べ比較的低下する →P弁の開放時間が延長
- (2)吸気時には、肺静脈が拡張 → 左房・左室への血液還流量が減少 → 左室を充満する血液量減少 → 一回拍出量減少 → 駆出時間の短縮 → A弁の開放時間が短縮
- right bundle branch block(RBBB), pulmonic stenosis(PS)
- IIAが早まる:MR, VSD
- IIPが遅れる:RBBB, PS, pulmonary hypertension
[★]
- 英
- pulmonic stenosis, pulmonary stenosis, PS, pulmonary valve stenosis
- 同
- 肺動脈狭窄症、肺動脈狭窄
- 関
- 右室流出路
- crescendo-decrecscendo murmur at pulmonic area
- right ventricular hypertrophy
- right atrial enlargement would not be present
概念
疫学
- 肺動脈弁の狭窄が90%以上を占める(PHD.387)
- 先天性心疾患の10%で肺動脈弁狭窄症が見られる(PHD.387)
病因
- 参考1
病態
重症度
- a peak systolic transvalvular pressure gradient
- >50 mmHg : mild
- 50< < 80 mmHg : moderate
- > 80 mmHg : severe
症状
身体所見
- 頚静脈圧波:a波の亢進
- RV heaveを胸骨上で触れる
- II音減弱
- 収縮期駆出性雑音。ダイヤモンド型。2LSB。
- PS(肺動脈弁狭窄症)の駆出性雑音は吸気で減弱するのが特徴。(PHD.388)
- This occurs bacause with inspiration, the augmented right-sided filling elevates the leaflets into the pulmonary artery prior to RV contraction, preemping the rapid tensing in early systole that is thought to produce the sound.(PHD.388)
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations and diagnosis of pulmonic stenosis - uptodate [1]
国試
[★]
- 英
- oxygen administration
- 関
- 酸素療法
酸素投与の悪影響(1)
- 1)動脈管依存型 → 酸素投与により動脈管が閉鎖方向に向かう
-
- 肺動脈閉鎖、右室低形成、重症肺動脈狭窄
- 大動脈縮窄・大動脈離断、大動脈閉鎖
- 2)肺循環負荷型 → 酸素投与により肺血管が拡張し、肺血管抵抗も減少して肺うっ血が増強
-
- 心室中隔欠損、大動脈縮窄複合、完全心内膜床欠損、総動脈幹遺残、
- 完全大血管転位(II型)、三尖弁閉鎖(C型)、大動脈肺動脈窓など
- 総肺静脈環流異常、三心房心、僧帽弁狭窄、肺静脈狭窄など
- http://nmcg.shiga-med.ac.jp/rc_lectur
[★]
- 英
- pulmonary stenosis PS、pulmonary artery stenosis
- 関
- 肺動脈弁狭窄、肺動脈狭窄、肺動脈弁狭窄症。先天性肺動脈弁狭窄症
[★]
- 英
- peripheral pulmonary artery stenosis
[★]
- 英
- plumonary artery PA
- 同?
- 肺動脈幹 pulmonary trunk truncus pulmonalis
- 関
- 肺静脈
- 肺門で肺動脈はT5椎体の高さで肺に入る (Qbook. p56)
疾患との関連
肺動脈の拡張 QB.C-384
[★]
- 英
- stenosis, stricture, constriction, narrowing
[★]
- 英
- artery (Z)
- ラ
- arteria
- 関
- 静脈
[★]
- 英
- arterial stenosis
- 関
- 動脈狭窄症