- 英
- second heart sounds, S2
- 関
- 心音
まとめ
II音増大
- MSとASとでは、同じstenosisでも心音の大きさに関与の仕方が違うんですね。
- 拡張期における大動脈圧、肺動脈圧が高い → 弁に衝突する血液の流速が早い → 弁の閉鎖音が大きい
- 大動脈弁が閉じるとき、拡張期早期 back pressureが高い?
- 拡張期に大動脈弁を挟んだback pressureが高いから?
II音減弱
分裂音
- PHD.33-35
|
横隔膜の相対的位置
|
II音
|
呼気
|
expiration
|
 ̄
|
|
|
single sound
|
吸気
|
inspiration
|
_
|
| |
|
splitting sound
|
- (1)吸気時には、肺の血管抵抗性が低下 → 拡張期におけるP弁へのback pressureは呼気時と比べ比較的低下する →P弁の開放時間が延長
- (2)吸気時には、肺静脈が拡張 → 左房・左室への血液還流量が減少 → 左室を充満する血液量減少 → 一回拍出量減少 → 駆出時間の短縮 → A弁の開放時間が短縮
- right bundle branch block(RBBB), pulmonic stenosis(PS)
- IIAが早まる:MR, VSD
- IIPが遅れる:RBBB, PS, pulmonary hypertension
WordNet
- the 9th letter of the Roman alphabet (同)i
PrepTutorEJDIC
- 『私は』私が
- iodineの化学記号
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- DSPを用いた心音特徴検出システムに対する検討(ディジタル信号処理)
- 佐伯 勝敏,鬼頭 亨東,関根 好文
- 電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 J93-A(11), 732-738, 2010-11-01
- … 周期計測法を提案し,心雑音,I音及びII音分裂を検出する手法とし,ウェーブレット変換による周波数分解,I音及びII音の2値化信号の積分による時間幅算出を行う手法を提案し,これらを組み合わせたシステムを構築した.これをMATLAB/Simulinkを用いDSPへ実装し,DSPを用いた心音特徴検出システムを構築して実験を行った.実験には,正常心音,I音及びII音分裂心音,心雑音心音を使用して,それ …
- NAID 110007880856
- 想像性から創造性への教育II : 音楽表現から地域文化
- 技術の人間化を目指して(II 音響技術をめぐる話題,<特集>音を操るテクノロジー)
- A-4-26 DSPを用いた心音のI音およびII音分裂検出に対する検討(A-4. 信号処理,一般セッション)
- 鬼頭 亨東,佐伯 勝敏,関根 好文
- 電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集 2009年_基礎・境界, 89, 2009-09-01
- NAID 110007881402
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- 2006年6月20日 ... クラスにもポツリポツリと聴診器を持ち始めたヒトが増えてきました。ということで、今日は 最も基本的なI音とII音の聴き方をおさらい。その前にI音・II音って?...
- 2007年8月13日 ... 1年ぶりくらいの心音ネタ。ちょっとした気の迷いで今回出して見ます。前回II音の分裂 について殆ど触れていなかったのでそのことをば。。。II音は大動脈成分(I...
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、41、42の問いに答えよ。
- 80歳の女性。失神のため救急車で搬入された。
- 現病歴:1か月前から咳が出現し、5m歩行しても息切れするようになった。発熱や喀痰、胸痛はなく、体重が1か月で3kg増加した。本日、自宅の居間で倒れているのを家族が発見し、救急車を要請した。救急隊到着時には意識はすでに回復し清明であった。
- 既往歴:高血圧症および不眠症があり、降圧薬と睡眠薬を内服中である。
- アレルギー歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない。認知機能は正常で介護保険サービスは利用していない。夫とは8年前に死別し、現在は息子夫婦および孫3人と同居している。
- 家族歴:突然死や心疾患はなく、姉は70歳時に乳癌で死亡した。
- 現症:意識は清明。身長 154cm、体重 49kg。体温35.9℃。心拍数 80/分、整。血圧 100/78mmHg。呼吸数 22/分。SpO2 98%(マスク 5L/分酸素投与下)。眼瞼結膜は貧血を認めず、眼球結膜に黄染を認めない。頸部リンパ節腫脹および甲状腺腫大を認めない。心音は胸骨右縁第2肋間を最強点とするⅢ/Ⅵの収縮期駆出性雑音を聴取し、頸部への放散を認める。呼吸音は両側胸部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側下腿に軽度の圧痕性浮腫を認める。神経診察で異常を認めない。検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 444万、Hb 13.5g/dL、Ht 41%、白血球 6,900(好中球 65%、好酸球 2%、好塩基球 0%、単球 4%、リンパ球 29%)、血小板 22万。血液生化学所見:総ビリルビン 0.5mg/dL、AST 21U/L、ALT 18U/L、LD 175U/L(基準 120~245)、ALP 166U/L(基準 115~359)、γ-GT 35U/L(基準 8~50)、CK 121U/L、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、血糖 103mg/dL、Na 142mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl101mEq/L。脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP) 2,200 pg/mL(基準 18.4以下)。心電図(別冊No.8A)及び胸部エックス線写真(別冊No.8B、C)を別に示す。
- この患者でみられる身体所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114B041]←[国試_114]→[114B043]
[★]
- 38歳の女性。労作時呼吸困難を主訴に来院した。29歳時に関節炎を発症し、同時にリンパ球減少、血小板減少およびネフローゼ症候群を指摘され、全身性エリテマトーデス(SLE)の診断で治療を受けている。3か月前から労作時の呼吸困難を感じていた。1か月前から階段を昇るときにも息切れを自覚するようになったため受診した。身長 163cm、体重 50kg。胸骨左縁第2肋間でII音の病的分裂と肺動脈弁成分の亢進とを認める。呼吸音に異常を認めない。尿所見:比重 1.009、蛋白1+、潜血2+。血液所見:赤血球 460万、Hb 12.1g/dL、Ht 36%、白血球 8,600、血小板 21万。血液生化学所見:アルブミン 3.5g/dL、AST 67IU/L、ALT 95IU/L、LD 370IU/L(基準 176~353)、尿素窒素 15mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL。免疫血清学所見:CRP 0.1mg/dL、抗核抗体 640倍(基準 20以下)。心電図(別冊No. 28A)と胸部エックス線写真(別冊No. 28B)とを別に示す。
- 労作時呼吸困難の原因を診断するために最も有用な検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109A051]←[国試_109]→[109A053]
[★]
- 次の文を読み、43、44の問に答えよ。
- 56歳の男性。会社役員。1週前からの軽い頭痛を主訴に来院した。
- 現病歴: 3年前から毎年の健康診断で高血圧を指摘されていたが放置していた。
- 既往歴: 特記すべきことはない。
- 嗜 好: 喫煙歴なし。飲酒歴はビール1本/日を30年間。塩辛い食事を好む。
- 家族歴: 高血圧症なし。糖尿病なし。
- 現 症: 身長172cm、体重60kg。脈拍72/分、整。血圧182/120 mmHg。皮膚やや湿潤。腹部に異常なく、神経学的にも異常はない。
- 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血清生化学所見:空腹時血糖102 mg/dl、総蛋白6.8 g/dl、クレアチニン 0.9 mg/dl、総コレステロール 220 mg/dl、トリグリセライド 180 mg/dl(基準50~130)、Na 142 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 104 mEq/l
- この患者に予想される胸部所見はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095F042]←[国試_095]→[095F044]
[★]
- 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
- 4か月の乳児。体重増加不良と発達遅延の疑いとを主訴に来院した。
- 現病歴:生後数時間から心雑音が聴取され、7mmの欠損孔を有する心室中隔欠損症と診断された。生後2週から利尿薬を内服している。この1か月の体重の増加は約300gであった。
- 発育・発達歴 在胎38週2日、3,240gで出生。追視は可能、頚定は十分でない。
- 既往歴・家族歴 特記すべきことはない。
- 現症 体動は活発。身長64.2cm、体重4.8kg。体温37.1℃。呼吸数60/分。心拍数132/分、整。右肋骨弓下に肝を2.5cm触知する。
- 検査所見 胸部エックス線写真(別冊No.4)を別に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [105F026]←[国試_105]→[105F028]
[★]
- 63歳の男性。動悸と労作時息切れとを主訴に来院した。3年前の健康診断で心拡大を指摘されたが無症状であるため医療機関を受診しなかった。1週前から動悸を自覚するようになり、坂道を歩くと息切れを感じるため受診した。脈拍 104/分、不整。血圧 122/78mmHg。SpO2 97%(room air)。胸骨左縁第2肋間を最強点とする収縮期雑音とII音の固定性分裂とを聴取する。肝を3cm触知する。下腿に軽度の浮腫を認める。12誘導心電図(別冊No. 26A)、胸部エックス線写真(別冊No. 26B)及び心エコー図(別冊No. 26C、D)を別に示す。
- 今後の方針として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D053]←[国試_109]→[109D055]
[★]
- 生後3日の新生児。チアノーゼのため搬入された。38週3日、体重2,869gで出生した。生後2日からチアノーゼを認めていたが、徐々に増強し、体動も不活発となった。身長49.3cm、体重2,812g。体温37.2℃。心拍数144/分、整。血圧88/56mmHg。心音はII音が単一で、胸骨左縁第2肋間にわずかに連続性雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。右肋骨弓下に肝を2cm触知する。右心室造影写真(別冊No.13A. B)を別に示す。
- この患児に使用すべき治療薬はどれか。
[正答]
E
プロスタグランディンE1 : 約 28,900 件
プロスタグランジンE1 : 約 194,000 件
- よって後者に書き換え
※国試ナビ4※ [105D038]←[国試_105]→[105D040]
[★]
- 6歳の男児。入学時の健康診断で心電図の異常を指摘され来院した。生来元気で、易感染性もなかった。聴診で、胸骨左縁第2肋間に最強点を有する3/6度の駆出性収縮期雑音と胸骨左縁下部に2/6度の拡張期ランブルとを聴取する。II音は固定性に分裂している。胸部エックス線写真では心胸郭比55%で、左第2弓の突出があり、肺血流の増加を認める。心電図を以下に示す。
- この患児について正しいのはどれか。
- a. 学校での運動を制限する。
- b. 抜歯の際に感染性心内膜炎の予防を行う。
- c. 強心薬の内服を開始する。
- d. 待期的に根治手術を行う。
- e. 緊急に根治手術を行う。
[正答]
※国試ナビ4※ [099H021]←[国試_099]→[099H023]
[★]
- 53歳の男性。易疲労感、腹部膨満感および下肢の浮腫を主訴に来院した。頸静脈の怒張を認める。右肋骨弓下に肝を4cm触知し、肝の圧迫により頸静脈の怒張が顕著となる。胸部エックス線写真側面像と心臓カテーテル検査での右室圧曲線とを以下に示す。
- a. 病因としてウイルス性が多い。
- b. II音の固定性分裂を聴取する。
- c. 前胸部で心膜ノック音を聴取する。
- d. 心エコー検査で左室収縮不全を認める。
- e. 右室拡張期圧は正常である。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A020]←[国試_097]→[097A022]
[★]
- 62歳の女性。安静時の息切れを主訴に来院した。60歳ころから心雑音を指摘されていたが、放置していた。6か月前から労作時の息切れと動悸とを感じるようになった。脈拍84/分、整。血圧126/74mmHg。呼吸音に異常を認めない。収縮終期心エコー図(別冊No.7A)と収縮中期カラードプラ心エコー図(別冊No.7B)とを別に示す。
- 聴診所見はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A024]←[国試_104]→[104A026]
[★]
- 19歳の女性。動悸と胸痛とを主訴に来院した。生来健康であったが1か月前から足のむくみを自覚するようになった。1週前にバスに乗り遅れそうになり、50mほど走ったところで失神した。来院時の12誘導心電図(別冊No.11A)と収縮期の心エコー図(別冊No.11B)とを別に示す。
- この疾患でみられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A028]←[国試_104]→[104A030]
[★]
- 7歳の男児。学校の健康診断で心雑音を指摘されたため来院した。チアノーゼを認めない。胸部聴診上、吸気時と呼気時とでII音が分裂し、収縮期雑音を聴取する。
- これらの所見の聴診に最も通した部位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I069]←[国試_106]→[106I071]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [099D079]←[国試_099]→[099D081]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102C006]←[国試_102]→[102C008]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106G022]←[国試_106]→[106G024]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097B021]←[国試_097]→[097B023]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E025]←[国試_099]→[099E027]
[★]
- 心電図と左心の心周期とを図に示す。
- III音を聴取するポイントはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103E014]←[国試_103]→[103E016]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103A005]←[国試_103]→[103A007]
[★]
- 英
- tetralogy of Fallot TOF ToF TF
- 同
- (国)Fallot四徴症
- 関
- 先天性心疾患、心奇形
まとめ
- 肺動脈狭窄、心室中隔欠損、大動脈騎乗、右室肥大が四徴とされており、漏斗部中隔が右前方へ偏位したために生じた大きな心室中隔欠損と漏斗部狭窄が病態の核心である。出生後は体重増加正常であるが、生後数ヶ月後より徐々にチアノーゼが出現、次第に増悪していく。無酸素発作が出現するようになり、小児期には蹲踞の姿勢をとるようになる。聴診上、2-3LSBに駆出性雑音を聴取、またII音は単一II音として聴取される。低酸素血症の持続により、バチ指、多血症、鉄欠乏性貧血を来す。治療は鉄欠乏性貧血に対して鉄材内服、無酸素発作に対して胸膝位、酸素投与、モルヒネ、βブロッカーとし、予防的にβブロッカーを投与する。手術療法としては1歳頃までに頻回の失神発作、無酸素発作をきたす例に対して、Blalock-Taussig手術を施行、1-3歳頃に根治的に心内修復術(心室中隔欠損の閉鎖、肺動脈の拡張/右室流出路形成)を行う。合併症として脳血栓、脳膿瘍、感染性心内膜炎に留意する。(文献(2) YN.C-121 SPE.452)
原因
- 発生の過程で、円錐動脈管中隔(漏斗中隔)が前方に変位 → 円錐の不等分割 (L.225)
- 22q11の微少な欠損が関係する (PHD.391)
- 22q11.2欠失症候群 CATCH22
四徴
病態
肺動脈狭窄
- (左室の心筋収縮による駆出圧が、心室中隔欠損により右室壁に加わる)
PSと大動脈騎乗を伴う心室中隔欠損
疫学
- 9.6/10000出生。 5/10,000 live births(PHD.391)
- 心奇形を合併しうる (PHD.391)
症状
- 息切れ、易刺激性、チアノーゼ、頻呼吸、ときに失神、痙攣。無酸素発作
- 運動時、食事、哺乳 → 全身の血管が拡張 → 肺血管抵抗 >> 全身血管抵抗 → ↑右左シャント → チアノーゼ
- 子供は全身の血管抵抗を上げるためにしゃがむようになる(蹲踞)。大腿の血管が圧排されて全身血管抵抗が上がる → ↓右左シャント → ↓チアノーゼ
- 中心性チアノーゼ(生後2-3ヶ月) → 無酸素発作(生後6ヶ月) → 蹲踞の姿勢(2歳以降)
- 無酸素発作/低酸素発作:生後、3-4ヶ月移行、急に多呼吸になりチアノーゼが増強。呼吸困難、意識消失を来す。午前中の覚醒時に起きることが多い。右室流出路狭窄の増強が引き金となり、肺血流の低下が起こる。3ヶ月頃から出現。
身体所見
聴診 PHD.393
- RV heave:右室肥大
- 単一II音 ← 肺動脈への駆出路が狭窄しており、かつ肺動脈弁は低形成であるためP2成分は小さく聴取できない。そのためA2成分のみS2として聴くことになる。
- 左右の胸骨縁に収縮期雑音:右室の駆出路で乱流が発生することで生じる(肺動脈までの流路が狭窄しているから)
-
- 心室中隔欠損症 VSDによる雑音は生じない。欠損している部分が大きすぎるため
検査
胸部単純X線写真
- 心陰影は正常/やや小さい ← 拡大はない
- 木靴心:左第二弓陥凹、左第四弓突出
- 肺血管陰影の減弱
心エコー
[show details]
心電図
- 右室肥大所見(high RV1, deep SV6)
心カテーテル検査
右室造影
治療
内科療法
- 多血症:Ht>60%で注意、>70%で危険なので、瀉血を行う。 (PED.919)
薬物療法
- 鉄欠乏性貧血、無酸素発作の予防が目的。
- 無酸素発作:(治療)胸膝位、酸素投与、モルヒネ、βブロッカー、アシドーシス補正の補液。(予防)βブロッカー ⇔ 禁忌:β刺激薬 → 漏斗部狭窄(肺動脈弁下狭窄)を増強させてしまう
- 治療
- βブロッカー:右室流出路狭窄の改善
- モルヒネ:鎮静、漏斗部のspasm解除。
末梢血管の拡張、静脈還流量減少? ← 塩酸モルヒネ/ペチロルファンを用いる(PED.918)
- アシドーシス補正の補液:重炭酸を含む輸液
- 予防
- 塩酸プロプラノロール/塩酸カルテオロール (PED.918)
手術療法
- 新生児期において動脈管依存性の重症例では、プロスタグランジンE1の持続投与を行い、ブラロック・タウシグ手術(Blalock-Taussig手術)を行う。(ガイドライン1)。
- 動脈管非依存性の場合、1歳頃に頻回の失神発作、無酸素発作をきたす例に対して(YN.C-122)、内科的に無酸素発作のコントロールが困難な症例や著しい肺動脈低形成に対してブラロック・タウシグ手術を行う(ガイドライン1)。
- 1-2歳(ガイドライン1)/1-3歳(YN.C-122)頃に、根治的に心内修復術(心室中隔欠損の閉鎖、肺動脈の拡張/右室流出路形成)を行う。
合併症
ガイドライン
- 1. 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf
国試
症例
- 2歳男児。運動後にチアノーゼが見られるため来院した。家族の話によると、うずくまっていることが多くなってきたという。胸骨左縁第2肋間に駆出性収縮期雑音を聴取する。
[★]
- 英
- heart sound
- 関
- 過剰心音、心雑音、心拍数
心音
open snap
- 三尖弁や肺動脈弁が開く音。三尖弁領域や僧帽弁領域で聴取。高音。僧帽弁狭窄症、三尖弁狭窄症。呼吸で変動しにくい。
- 僧帽弁狭窄症:左胸骨縁~心尖。A2~P2~OSの順に聞こえる。吸気ではS1,,,A2, P2, OS、呼気ではS1,,,S2,OSと聴取される。病状が進行するほどS2~OSは狭くなる(左心房の圧上昇を反映)。
- 左房が固くなった左室に対して強力に収縮するときの音 PHD.37
- まれ
- 高音
- 収縮性心膜炎
- 拡張期早期
- S2の後(S3やOSと混同しやすい。OSより若干遅めで、音が大きい。ventricular gallopよりタイミングは早い)
- 心室への血流充満が急激に止まる(abrupt cessation)ことにより生じる
収縮期早期
- ejection click:大動脈弁や肺動脈弁が開く音。大動脈弁領域・肺動脈弁領域で聴取。高音。大動脈弁狭窄症、肺動脈弁狭窄症、大動脈の拡張、肺動脈の拡張。
- 大動脈弁狭窄症、肺動脈弁狭窄症:硬くなった弁が急に開くため?
- 大動脈の拡張、肺動脈の拡張 :大動脈・肺動脈基部が急激に緊張するため?
- aortic ejection click :心基部、心尖部聴取。呼吸変動無し
- pulmonic ejection click:心基部のみで聴取 。吸気で減弱
収縮期中期~末期
心音と過剰心音のまとめ QB.C-360
|
音を発する構造
|
聴診部位
|
疾患
|
*I音
|
房室弁
|
心尖部
|
MS
|
*II音
|
肺動脈弁、大動脈弁
|
心基部
|
HT, PH
|
*III音
|
拡張早期に血液が心臓に充満する音
|
|
容量負荷(心不全)、生理的
|
*IV音
|
拡張後期に心房収縮により心室壁が振動する音
|
|
圧負荷(拡張不全)
|
呼吸性変動
- 吸気時:心拍数↑
- 呼気時:心拍数↓
- I音-II音の間隔の変化は小さい。
II音の分裂
まとめ
|
心拍数
|
II音分裂
|
吸気
|
↑
|
A2-P2
|
呼気
|
↓
|
S2
|
記載方法の例
- I音(→) II音(→) III音(-) IV音(-)
- I音亢進減弱無し(=normal intensity) II音normal splitting
[★]
- 英
- pulse
- 同
- 脈
- 関
- 脈拍数
大きさ
- 脈拍の大きさ:収縮期と拡張期の間の動脈壁の動きの幅 → 脈圧を反映
1. 大脈(large pulse)
2. 小脈(small pulse)
速さ
- 動脈壁が上下に動く速さ → 血圧の上昇、下降の急峻さを反映
- 速脈---大脈で、遅脈---小脈
その他
1. 二峰性脈(double apical pulse)
- 脈拍の大きさが交互に変化する
- 心筋梗塞や心筋炎など心筋障害があるときにみられる。
- 心拍出量が一定しない重症心不全の徴候
呼吸による変化
- (吸気時)拍出量が減る → 駆出時間短縮 → 脈拍の間隔短縮 → 脈拍↑
- (II音のページより)吸気時には、肺静脈が拡張 → 左房・左室への血液還流量が減少 → 左室を充満する血液量減少 → 一回拍出量減少 → 駆出時間の短縮 → A弁の開放時間が短縮
成長と脈拍(SPE.50)
[★]
- 英
- pulmonic stenosis, pulmonary stenosis, PS, pulmonary valve stenosis
- 同
- 肺動脈狭窄症、肺動脈狭窄
- 関
- 右室流出路
- crescendo-decrecscendo murmur at pulmonic area
- right ventricular hypertrophy
- right atrial enlargement would not be present
概念
疫学
- 肺動脈弁の狭窄が90%以上を占める(PHD.387)
- 先天性心疾患の10%で肺動脈弁狭窄症が見られる(PHD.387)
病因
- 参考1
病態
重症度
- a peak systolic transvalvular pressure gradient
- >50 mmHg : mild
- 50< < 80 mmHg : moderate
- > 80 mmHg : severe
症状
身体所見
- 頚静脈圧波:a波の亢進
- RV heaveを胸骨上で触れる
- II音減弱
- 収縮期駆出性雑音。ダイヤモンド型。2LSB。
- PS(肺動脈弁狭窄症)の駆出性雑音は吸気で減弱するのが特徴。(PHD.388)
- This occurs bacause with inspiration, the augmented right-sided filling elevates the leaflets into the pulmonary artery prior to RV contraction, preemping the rapid tensing in early systole that is thought to produce the sound.(PHD.388)
参考
- 1. [charged] Clinical manifestations and diagnosis of pulmonic stenosis - uptodate [1]
国試
[★]
- 英
- fixed splitting
- 関
- 心音、S2, II音
概念
- 生理的には、呼気時に単一音、吸気時に分裂音を聴取するが、これが呼吸によらず分裂音のみを聴取する場合を表現して言う。
- 心房中隔欠損症の診断的価値が高いらしい。(HIM.1385)
固定性分裂が起こるメカニズム
- 生理的な状態では、吸気で胸腔内が陰圧となり、肺のキャパシタンスを上げて(血管抵抗を低下させて)P2がA2より遅れるようになる。ASDでは慢性的なvolume loadにより肺のキャパシタンスが上がりきった状態になっている。このために肺動脈弁を挟んだ圧較差は小さくなり、生理的な状態に比べP2はA2よりもさらに遅れる。(PHD.35)
- 心房中隔欠損の欠損孔からのシャント血流により、肺血管に容量負荷がかかりコンプライアンスが上昇。これによりP弁を挟んだ圧較差が低下する、ということか。
- 肺のキャパシタンスは上がりきっているので、(1)呼気による静脈還流量の増加であっても肺動脈弁を挟んだ圧較差は生理的な状態に比べて大きくなりにくい、また(2)ASDの欠損孔を介して呼気により増加した静脈血は左房とバランスを取ることができる(呼気時にleft-right shuntが減少)ので、P2とA2は呼吸による影響を受けない。(PHD.35)
- ぶっちゃけると、呼吸性変動がキャンセルされ、P2がA2より遅れたままで固定される → S1-A2-P2
[★]
- 英
- third heart sound, S3 heart sound S3
- 関
- 心音、過剰心音、IV音
タイミング
- I-II-III
部位
- left-sided:apex
- right-sided:sternal border
音
- dull, pitch:low. bell of the stethoscope
- left-sided S3:the left lateral decubitus positionの時に心尖で大きく聞こえる
病態生理
- 簡単に言えば、「容量負荷」
- 1. 腱索が、血液が急に充満し心室が拡張するときに張力で緊張した(引っ張られた)結果起こるように見える(PHD.37)
- 2. 急速流入期の血流による衝撃を心室壁の伸展によって逃がすことができず、衝突音が生じる(手技見え p.105)
- 3. 急速流入期における心房から心室への流入血液量の異常な増加あるいは心筋緊張度の低下、心室収縮終期容量の増加に伴って起こる心室内の振動の増加(IMD.95)
III音を生じる病態
病的
生理的
- 子供、若年者(20-30歳)、妊婦:正常(生理的III音)
- 成人:うつ血心不全など起因する容量負荷。うっ血性心不全・MR・DCM(手技見え p.105)。 ← これは生理的ではない
QB.C-15
- 拡張期流入血液増加:MR,AS
- 心室コンプライアンス低下:DCM, MI後のcardiomegaly, heart failure
III音の増強
[★]
- 同
- single S2
- 関
- II音
原因
- Eisenmenger症候群:肺高血圧のために肺動脈弁の閉鎖音が大きくなり、大動脈弁閉鎖音に近づくため。
- Fallot四徴症:肺動脈への駆出路が狭窄しており、かつ肺動脈弁は低形成であるためP2成分は小さく聴取できない。そのためA2成分のみS2として聴くことになる。(PHD.393)
- 肺動脈狭窄、肺動脈弁閉鎖
[★]
- 関
- III音
- 子供、若年者(20-30歳)、妊婦:正常(生理的III音)
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- 英
- tone、sound
- 関
- 緊張、緊張度、トーン、響く、健全
[★]
[★]