重症度 | 軽症 | 中等症 | 重症 | ||
病型 | くしゃみ・ | 鼻閉型 | くしゃみ・ | 鼻閉型 | |
鼻漏型 | 鼻漏型 | ||||
治療 | 1.第2世代抗ヒスタミン薬 | 1.第2世代抗ヒスタミン薬 | 1.ロイコトリエン拮抗薬 | 局所ステロイド薬 + 第2世代抗ヒスタミン薬 | 局所ステロイド薬 + ロイコトリエン拮抗薬 またはトロンボキサン拮抗薬 |
2.遊離抑制薬 | 2.遊離抑制薬 | 2.トロンボキサン拮抗薬 | |||
3.局所ステロイド薬 | 3.局所ステロイド薬 | ||||
1. 2. のいずれか | 1.2.3.のいずれか 必要に応じて1.に2.または3.を併用する | 必要に応じて点鼻用血管収縮薬を治療開始の5~7日間に限って用いる。 | |||
鼻閉型で鼻腔形成異常を伴う症例では手術 | |||||
特異的免疫療法 | |||||
アレルゲン除去・回避 |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/12/10 09:53:48」(JST)
アレルギー性鼻炎 | |
---|---|
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | J00, J30, J31.0 |
ICD-9-CM | 472.0, 477 |
OMIM | 607154 |
DiseasesDB | 26380 |
MedlinePlus | 000813 |
eMedicine | ent/194 med/104, ped/2560 |
Patient UK | アレルギー性鼻炎 |
MeSH | D012220 |
アレルギー性鼻炎(アレルギーせいびえん、allergic rhinitis、略:AR )とは、発作性反復性のくしゃみ、水性鼻汁、鼻閉を主徴とする鼻粘膜のI型アレルギーである。
鼻アレルギー(nasal allergy)とも呼ばれるが、この場合は鼻粘膜における炎症である鼻炎以外、すなわち副鼻腔などを含む鼻におけるアレルギー疾患全般を指す。しかしながら、アレルギー性鼻炎と鼻アレルギーとはしばしば同義に用いられる。
鼻過敏症(hyperesthetic rhinitis)と呼ぶこともあるが、これはさらに広義であり、アレルギーの機序によらない鼻疾患、たとえば血管運動性鼻炎なども含む概念である。
アレルギー性鼻炎には通年性と季節性があり、後者の代表的なものに花粉症がある。空気が乾燥する季節に限って、鼻炎を起こすケースもある。
やや狭義および一般市民の間で用いられる意味でアレルギー性鼻炎と言った場合、通年性のアレルギー性鼻炎を指すことが多い。通年性アレルギー性鼻炎の代表的なものは、ダニによる鼻炎である。しかし、カビによる鼻炎も少なくないことがわかってきている。
まずはアレルギー性鼻炎か、非アレルギー性鼻炎(血管運動性、薬剤性、感染性、内分泌性、閉塞性)かを鑑別する。これは病歴作成、身体所見、特異的IgE検査などを用いることがある。しかし頻度からいうと殆どがアレルギー性鼻炎である。アレルギー性鼻炎は通常、抗原量による季節変動性があり、家族歴、他のアレルギー疾患の病歴があることが多い。
耳鏡による鼻粘膜の外観、閉塞度、目、耳、肺の症状に注目し、診断していく。治療可能な症状としては鼻漏、鼻閉、くしゃみ、かゆみ、眼症状である。あくまで症状の緩和であり、アレルギー体質自体は治すことはできない。しかし、アレルギー性鼻炎の治療の多くは炎症を抑える治療であるため、鼻炎の症状を抑えることで他のアレルギー症状を緩和できる可能性があること、また加齢により治療が不要となる可能性がある。
他のアレルギー疾患同様、抗原回避は非常に重要である。ハウスダストは空気中を舞っているわけではないのでカーペットなどを変更するといったことが効果的である。しかし、症状が出現しないほど抗原量が減るには相当時間がかかるので即効性は低い。
薬剤のタイプ | 鼻漏 | 鼻閉 | くしゃみ | かゆみ | 眼症状 |
---|---|---|---|---|---|
経口抗ヒスタミン薬 | ++ | ± | ++ | ++ | ++ |
経口抗ロイコトリエン薬 | + | ++ | + | + | + |
点鼻抗ヒスタミン薬 | + | ± | + | + | - |
点鼻ステロイド薬 | ++ | ++ | ++ | ++ | + |
点鼻血管収縮薬 | - | ++ | - | - | - |
点鼻抗コリン薬 | ++ | - | - | - | - |
点鼻抗肥満細胞薬 | + | + | + | + | - |
治療に関しては、ガイドラインが作成されている。まずは十分に症状、アレルギー反応を抑えて、徐々にステップダウンしていく方針をとられる。中心的な薬物は経口抗ヒスタミン薬である。急性の閉塞症状があるばあいは血管収縮薬を用いることもあるが、薬剤性鼻炎の原因となるため、使用は1週間程度にとどめる。また点鼻薬は基本的に鼻中隔に当てないように鼻の外側に噴射する。特に血管収縮薬、ステロイドでは鼻中隔穿孔が報告されている。アレルギー性結膜炎を合併した場合はザジテン点眼薬を用いることもある。
鎮静作用がなく眠気が少ないものとしては、第三世代抗ヒスタミン薬であるアレグラやクラリチン (Loratadine) が用いられている。眠気は強いものの抗ヒスタミン作用の強いものとして、第二世代抗ヒスタミン薬であるジルテック (Cetirizine hydrochloride) 、アレロック、タリオンが用いられる。
ロイコトリエン拮抗薬(英: Leukotriene antagonist)とも呼ばれる。 オノンやキプレス・シングレアが用いられることが多い。鼻閉に対しては抗ヒスタミン薬よりも有効であるが点鼻ステロイドよりは効果が落ちるといわれている。アレルギーの発症にロイコトリエンD4が関与しない患者ではまったく効果を示さず、おおむね60%の患者で効果を示すといわれている。作用発現に2週間ほどかかるため、持続的鼻閉感を訴えるアレルギー性鼻炎の患者で好んで用いられることが多い。
眼症状がない軽症の患者や経口薬を増やしたくない時に用いる。ザジテン点鼻薬が良く用いられる傾向がある。
初期は定期的に処方し、症状が落ち着いたら頓用に切り替える。抗ヒスタミン薬と併用することで使用量を減らす場合が多い。フルナーゼを一日2回や、ナゾネックス・アラミストを一日1回を使用する。
血管収縮薬(英: Vasoconstrictor)とは、中枢性あるいは末梢性に作用して血管収縮を引き起こす薬物の総称。 ナーベル、トーク、プリビナという薬がよく用いられる。肥厚性鼻炎の原因となるため1週間以上の使用は推奨されない。通常は3日間の使用で十分である。ナーベルは1日3回まで1回につき2プッシュという制約がかかることが多い。
リパーゼ阻害薬(英: Lipase inhibitors)とも呼ばれる。作用時間が短いため就寝前、起床時、外出30分前を含め、1日6回投与する。インタールスプレーがよく用いられる。小児では扱える抗ヒスタミン薬が少ないためよく用いられる傾向がある。
アレルギー性鼻炎の積極的な治療を希望する患者に対しては、スギ花粉やダニの抗原によるアレルゲン免疫療法(減感作療法)をすることで、症状の治癒や予防が期待できると結論付けている医師もいる[1]。
減感作療法は多くの月日や根気を要するため、急速減感作療法を一週間入院することを前提として、集中的に行われる方法が埼玉医科大学等で行われている。この際は急なショックを抑えるため、厳重監視下で実施される。
レーザー治療、高周波電気凝固、ラジオ波凝固、科学的粘膜焼灼術などがある。これらは、アレルギー性鼻炎の主な病変部位であるところを焼き、アレルギー反応を抑えることを目的としている。
また入院を前提とはするものの、根治を目的とする後鼻神経切断術などが注目されている。
中国において三九灸という治療が行われており、短時間でアレルギー性鼻炎を直すことができるとされている[2]。これは、天灸(冷灸)の一つであり、毒成分のプロトアネモニンを含む薬草から作った発泡薬を背中のツボに張るというものである。
小児の慢性鼻炎は適切な治療を受けないと中耳炎、副鼻腔炎といった合併症や発育障害や顔面の伸長化がみられるため注意が必要である。小児の場合は扱える薬品に制限が加わるため、経口抗ヒスタミン薬としてはザジテン、抗肥満細胞薬としてインタールが治療の中心となることが多い。
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胸痛 | 左胸部、胸骨左部、乳腺下部に圧痛 | ECG(異常なし) |
息切れ | 呼吸数多い(22/分) | |
気が遠くなる感じ | 左腸骨窩に圧痛 | |
めまい | ||
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腹痛 | ||
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コレステロール値正常 | ||
家族歴に花粉症、喘息あり | ||
アレルギー性鼻炎 | ||
虫垂摘出 | ||
1. 心臓神経症疑い | ||
2. 過敏性腸症候群 | 2 + 3 = 1を支持 | |
3. 心疾患を心配する環境要因 | ||
4. 喘息による胸痛を疑う要因 |
寄生虫疾患:旋毛虫症、条虫症、回虫症、日本住血吸虫症、肺吸虫症、ジストマ症、アニサキス症、フィラリア症
慢性アレルギー性鼻炎 : 約 66,600 件 通年性アレルギー性鼻炎 : 約 711,000 件
I型アレルギー | II型アレルギー | III型アレルギー | IV型アレルギー | V型アレルギー | |||
免疫反応の主体 | IgE | IgM, IgG | 免疫複合体 | Th1細胞 | Th2細胞 | Tc細胞 | IgG |
抗原 | 水溶性抗原 | 細胞や マトリックスに 結合している抗原 |
水溶性抗原 | 水溶性抗原 | 水溶性抗原 | 細胞関連の抗原 | 細胞表面レセプター |
エフェクター機構 | 肥満細胞の活性化 | 補体 (CDC)|NK細胞、好中球 (ADCC) | 補体、好中球 | マクロファージの活性化 | IgE産生、好酸球と肥満細胞活性化 | 細胞障害 | 抗体の結合 |
アレルギー疾患の例 | 気管支喘息 アレルギー性鼻炎 花粉症 喘息 蕁麻疹 アトピー性皮膚炎 ラテックスアレルギー |
ABO不適合輸血 新生児溶血性貧血 グッドパスチャー症候群 自己免疫性溶血貧血 AIHA 特発性血小板減少性紫斑病 ITP 橋本病 超急性移植片拒絶反応 |
アルツス反応 アニサキス症 トリ飼い病 農夫肺 血清病 急性糸球体腎炎 ループス腎炎(SLE) 関節リウマチ 過敏性肺臓炎 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 |
接触性皮膚炎 ツベルクリン反応 慢性肉芽腫症 |
慢性喘息 慢性アレルギー鼻炎 |
移植片拒絶 | 慢性蕁麻疹 バセドー病 重症筋無力症 |
検査方法 | RAST法 RIST法 皮内反応 プリックテスト スクラッチテスト 負荷試験 |
免疫組織染色 凝集反応(完全抗体) 凝集反応(不完全抗体, クームステスト) |
皮内反応 |
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