- 英
- scalp (M)
- 図:N.19,96
- 血管と神経は第2層(結合組織)に分布
- 5層からなる(M.473)
- skin:皮膚
- connective tissue:結合組織。血管が通る
- aponeurosis:腱膜、つまり帽状腱膜
- loose conective tissue:疎性結合組織
- pericranium:頭蓋骨膜
臨床関連
- 頭皮の外傷と感染 (M.475)
- 後方では後頭筋として後頭骨、側頭骨の乳様突起につながり、側方では側頭筋の側頭筋膜につながっているが、前方では前頭筋として皮膚や結合組織に停止している。このため、血液は鋤眼瞼や下眼瞼に進入して血腫を作る (M.475)
WordNet
- sell illegally, as on the black market
- remove the scalp of; "The enemies were scalped"
- the skin that covers the top of the head; "they wanted to take his scalp as a trophy"
PrepTutorEJDIC
- 頭皮(髪でおおわれている部分) / 頭髪つきの頭皮(昔北米インディアンが戦利品として敵の頭からはいだもの) / 《話》(一般に)戦利品 / …‘から'頭皮をはぎ取る / 《米話》〈入場券など〉‘を'高値で転売する
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/24 11:57:38」(JST)
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頭皮 |
|
英語 |
Scalp |
グレイの解剖学 |
書籍中の説明(英語) |
動脈
|
滑車上動脈、眼窩上動脈、浅側頭動脈、後頭動脈、後耳介動脈
|
静脈
|
浅側頭静脈、後耳介静脈、後頭静脈
|
神経
|
滑車上神経、大後頭神経、小後頭神経、頬骨側頭神経、耳介側頭神経
|
リンパ系
|
後頭リンパ節、耳介後リンパ節
|
MeSH |
Scalp |
頭皮(とうひ、英: scalp)とは、前が顔面、側面と後ろが首に接するものとして解剖学的に定義される領域である。
目次
- 1 層
- 2 血液供給
- 3 神経分布
- 4 リンパ路
- 5 美学的役割
- 6 植毛
- 7 病理
- 8 頭皮の状態
- 9 関連項目
- 10 参考画像
- 11 脚注
- 12 外部リンク
層
頭皮は5層からなると通常は説明され、各々は "SCALP" という語呂合わせで覚えられる[1]。
- S (skin) : 皮膚。ここから頭髪が生える。血管が充分に発達している。
- C (connective tissue) : 結合組織。皮膚の下にある、脂肪と繊維状組織の薄い層。
- A (aponeurosis) : 腱膜。帽状腱膜と呼ばれる。前は前頭筋、後ろは後頭筋につながる、密な繊維状組織の丈夫な層。
- L (loose areolar connective tissue) : 疎性輪紋状結合組織。上3層と頭蓋骨膜をゆるく分ける面である。スカルピング (en:scalping) を行なう際、頭皮はこの層から剥がされる。この層は頭蓋顔面外科や脳神経外科でも扱われる。この層はしばしば「危険地帯」と呼ばれる。なぜなら感染した媒介物がここから導出静脈に広がり、さらにそこから頭蓋内へ吸い込まれるというケースが容易に起こるからである。この層の疎性輪紋状組織は、不規則なコラーゲン I の繊維束とコラーゲン III からなる。この層には頭皮の主要な血管が含まれ、受傷時の出血にはおびただしいものがあるが、これは首から下の循環系にあるような静脈弁が(頭皮に)無いことも一因である。この層にはグリコサミノグリカン (GAGs) も多く含まれ、繊維状である以上に格子状に構成されている。
- P (periosteum) : 頭蓋骨膜。頭蓋骨の骨膜であり、骨に栄養を送り修復を可能にさせている。これは開頭術で骨に穴を開けるため、骨から剥がされる場合がある。
臨床上重要な層は腱膜である。頭皮の裂傷がこの層に至ったということは、表層の固着性が失われ傷の割れ目が生じた、すなわち縫合が必要になったことを意味する。これは7-10日後に抜糸される非吸収性縫合糸を用い、単純な、あるいは垂直マットレス縫合によって行なわれる。
血液供給
頭皮への血液供給は左右5対の動脈から行なわれる。うち3対は外頸動脈から、2対は内頸動脈からのものである。
- 内頸動脈
- 滑車上動脈 - 額の正中線へ延びており、内頚動脈の眼分枝の支脈である。
- 眼窩上動脈 - 額の側面および頭皮の頭頂部まで延びており、やはり内頚動脈の眼分枝の支脈である。
- 外頸動脈
- 浅側頭動脈 - 前頭部および頭頂部の支脈になり、頭皮の大部分に血液を供給する。
- 後頭動脈 - 後頭部から走っている血管で、頭皮の後頭部の大部分に血液を供給する。
- 後耳介動脈 - 耳介の後ろを上がるもので、耳介の上と後ろの頭皮に血液を供給する。
神経分布
頭皮に分布する感覚・運動神経は以下のとおりである[2]。
- 滑車上神経および眼窩上神経 - 三叉神経の眼神経に由来する。
- 大後頭神経 (C2) - 後頭部を、頭頂に向け走っている。
- 小後頭神経 (C2) - 耳の後ろに存在する。
- 頬骨側頭神経 - 三叉神経の上顎神経に由来し、こめかみの無毛部分を走っている。
- 耳介側頭神経 - 三叉神経の下顎神経に由来する。
頭皮の神経分布は "Z-GLASS" という語呂合わせで覚えられる。すなわちZygomaticotemporal nerve(頬骨側頭神経)、Greater occipital nerve(大後頭神経)、Lesser occipital nerve(小後頭神経)、Auriculotemporal nerve(耳介側頭神経)、Supratrochlear nerve(滑車上神経)、Supraorbital nerve(眼窩上神経)、となる[2]。
リンパ路
頭皮にリンパ節は存在しない。リンパ排液は耳介前/後リンパ節に運ばれる。
美学的役割
頭皮は、顔の美学的側面において重要な役割を果たす。男性型脱毛症や男性型の薄毛は、男性にとって共通の心配事である。これは(例えばフィナステリドやミノキシジルを使った)投薬や、植毛によって治療できるが、効果には個人差がある。頭皮に厚みと弛みがある場合、加齢でよくあることだが、額は低く、厚く、深く皺がよることがある。前額部除皺術 (en:brow lift) はこれに対処することが狙いである。
植毛
現在の植毛術は全て、患者の既存の毛を使用する。手術の狙いは、それらの毛をできるだけ効果的に使うことである。この種の手術が最も適しているのは、側頭と後頭にまだ健康な髪が残っており、そこから髪を調達できる人である。髪の色・髪質・巻き毛・縮れ毛といった要因に基づき、望ましい美容上の仕上がりを実現するため、様々な技術が使われる。
最もよく使われる技術はマイクロ植毛法 (micro grafting) として知られるもので、理由はそれが自然な仕上がりを生み出すからである。この手法は FUE 法(en:Follicular Unit Extraction、小胞単位摘出法)と同類だが、やや旧式である。複数の刃がついたナイフで提供部位から組織を切り取り、その組織は顕微鏡でなく目視で小さな塊に切り分けられる[3]。
手術後の頭皮の赤み
手術が完了し回復する過程において、頭皮の赤みが生じうる。主な理由は、その期間は移植が行なわれた頭皮の部位が通常より柔らかいからである。しかしこれは治療の当然の結果であり、形成外科医はその点を患者に伝え、望ましい回復のため従うべき一連の指示を与えるだろう。それには、氷で冷やしたり、短期間運動を控えるといった内容が含まれる場合がある[4]。
病理
頭皮は、以下のような腫瘍の発達がよく起こる場所である。
- 粉瘤腫
- 皮脂嚢胞
- 日光角化症、扁平上皮癌
- 基底細胞癌
- メルケル細胞癌
頭皮の状態
- 頭垢 -- フケ。頭皮から古い角質が過度に剥がれ落ちるため起こる、よくある問題。
- 脂漏性湿疹 -- 皮膚が鱗状・薄片状になり、かゆみと赤化を伴う病気。
- 脂漏性皮膚炎 -- 同様の病気で、新生児に発生するもの。
- 脳回状頭皮 -- 頭皮の稀な奇形を指す用語。
- アタマジラミ
- ざ瘡壊死汗疹 (en:Tycoon's cap, en:acne necrotica miliaris) -- 吹き出物と痒みが特徴である。
関連項目
- 毛髪学 (en:Trichology) -- 髪と頭皮の科学
- トリコディニア (en:Trichodynia) -- 頭皮が燃えるような感覚を伴う症候群
- スカルピング (en:Scalping) -- 頭皮を(通常毛髪ごと)剥ぐ行為。(敵の頭皮を剥ぐことで、自らの)戦闘能力の証拠・記念品とする。
- ダマティロマニア (en:Dermatillomania) -- 強迫観念的な皮膚自傷
参考画像
脚注
- ^ “Medical Mnemonics .com: World's Database of Medical Mnemonics” (英語). 2010年5月19日閲覧。
- ^ a b “Scalp: Nerve supply, Medical mnemonic” (英語). LifeHugger. 2010年5月19日閲覧。
- ^ “An overview on head transplantation” (英語). 2010年5月19日閲覧。
- ^ Pistone, Gregory MD. "Scalp Redness Following a Hair Transplant" 2010-03-09.
外部リンク
- Histology image: 08601ooa — Histology Learning System at Boston University - "Integument: scalp, transverse"
- Histology image: 08801ooa — Histology Learning System at Boston University - "Integument: scalp"
- lesson1 at The Anatomy Lesson by Wesley Norman (Georgetown University)
- http://www.dartmouth.edu/~humananatomy/figures/chapter_47/47-1.HTM
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 頭皮下髄液リザーバー設置によるドレナージ (特集 周産期医が習得したい専門的手技 : 新生児編) -- (穿刺とドレナージ)
- 頭皮脳波における事象関連脱同期を用いた運動学習 (第48回日本リハビリテーション医学会 学術集会/千葉 シンポジウム 脳の可塑性と運動学習 : リハビリテーションへの応用を目指して)
- 牛場 潤一
- The Japanese journal of rehabilitation medicine 49(10), 674-678, 2012-10-00
- NAID 40019470543
- ガゴメ昆布フコイダン配合育毛料の毛髪と頭皮への効果 (特集 頭皮,毛髪のケアと製品開発)
- 日比野 佐和子,堺 則康,高田 香織 [他]
- Fragrance journal 40(10), 66-71, 2012-10-00
- NAID 40019464860
- 毛髪の紫外線ダメージとその保護剤の有用性 (特集 頭皮,毛髪のケアと製品開発)
Related Links
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- 2012年5月24日 ... ちょっと前から頭皮ブラシ使い始めたがあれ使わない方がいいのか? 93:以下、名無し にかわりましてVIPがお送りし ... 美容師の人にとりあえず頭皮マッサージ勧められたし さぼらずやってみるわ… 81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送り ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 57歳の女性。下肢の皮疹を主訴に来院した。6か月前から激しい掻痒を伴う皮疹が多発し、自宅近くの診療所で副腎皮質ステロイド外用薬を処方されているが、寛解と増悪を繰り返すため受診した。下肢の広範囲に米粒大から爪甲大の丘疹、結節が多発し、表面は紫紅色調で光沢を帯び、白色線条を伴う。既往歴に特記すべきことはない。内服している薬はない。皮膚生検を施行したところ、表皮基底細胞の液状変性と表皮直下の帯状細胞浸潤を認めた。下肢の写真(別冊No. 15A)及び生検組織のH-E染色標本(別冊No. 15B)を別に示す。
- さらに確認すべき部位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [113A040]←[国試_113]→[113A042]
[★]
- ☆case82 aches and pains
- ■症例
- 76歳 女性
- 主訴:疼痛
- 現病歴:約10週間、どことも無く調子が悪く感じていた。朝起きたときにぎこちなさを覚える。ベットから出るときに苦労しており、また紙をとくために手を挙げるのが困難であった。膝や指にいくらか痛みがあった。(いつからかは記述されてないが)4kg体重減少してきており、盗汗が認められていた。今回、新たに症状が認められたためGPにかかった。2,3日前から持続性の頭痛が認められていた。
- 喫煙歴:40年間タバコを吸っていない。
- 飲酒歴:飲酒はクリスマスの時のみ。
- 既往歴:生来健康。
- 生活歴:1人住まいである。
- 家族歴:
- 服薬歴:定期的に服用している薬はない。頭痛のためにparacetamolを飲んだが効果はなかった。
- 身体所見 examination
- 顔貌 青白。頭皮全体の触診で顕著な圧痛。血圧 138/84 mmHg。心血管系、呼吸器系、腹部臓器(abdominal systems)に異常を認めない。上肢・下肢の近位筋における筋力低下。神経所見に異常なし
- 検査所見 investigations
- High
- WBC 12.2x10^9/L → 12.2x10^3/uL →1.22x10^4/ul
- ESR 91 mm/hr
- glucose 122.4 mg/dL
- ALT(GPT) 85IU/L
- AlP 465IU/L
[★]
- 44歳 女性
- 主訴:頭痛
- 現病歴:前年より頭痛が続いていた。頭痛が増強してきたたため、当院受診となった。
- なお頭痛は両側性であり、夜に向かって増悪し、視覚障害、または嘔気は伴わない。その他に食欲減退と早朝覚醒を伴う睡眠障害がある。
- 嗜好歴:喫煙 15/day、飲酒 15units/week (350mlの缶ビール 10本)
- 社会歴:パートタイムのoffice cleaner。離婚している。2人の子供(10歳と12歳)の世話をしている。
- 家族歴:母が脳腫瘍で死亡。
- 既往歴:皮疹と過敏性腸症候群(当時はそれ以外になにも問題なかった)
- 服用薬:頭痛に対してパラセタモールかイブプロフェン
- 身体所見 examination
- 全身:引きこもっているように見える(withdrawn)。
- 脈拍:74/分、整。血圧:118/76 mmHg。
- システミックレビュー:心血管系、呼吸器系・消化器系、胸部および網内系は正常。神経学所見は正常。眼底所見は正常
- Q1. 診断は?
- Q2. 鑑別診断は?
- Q3. 管理方法は?
-
- ■鑑別診断
- 片頭痛 問診:(典型例では)眼症状に続く片側性、拍動性の頭痛で、悪心・嘔吐もあり、数時間持続。家族歴。
- 群発頭痛 問診:眼窩の激烈な痛み(行動不能になる程度)。
- 占拠病変による頭痛
- その他
- 副鼻腔炎 問診:頭重感、鼻汁の有無、発熱。診察:上顎洞・前頭洞の圧痛を触診、扁桃腺視診、頚部リンパ節触診
- 歯牙障害 歯科コンサルト
- 頚椎症 加齢による退行性変性を考慮しつつ、頚部の可動制限、疼痛、凝り感を問診。単純X線、MRIで診断。
- 緑内障 問診:視野。検査:視力、眼圧、視野、視神経乳頭形態、隅角検査
- 外傷後頭痛 外傷の既往歴、頭皮の視診
- □unit
- 1 unit = 10 ml of ethanol
- □350ml アルコール5%
- 350x0.05/10=1.75 unit
- ■glossary
- withdrawn
- v.
- withdrawのpp.
- adj.
- 1.(人が)引きこもった、内にこもった、世間と交わらない
- She looks withdrawn.
- 2.人里離れた、遠くにある
- 3.(商品などが市場から)回収された
- 4.(競争などから)撤退した
- reticuloendothelial system
- 細網内皮系 = 網内系
- dental disorder 歯牙障害
- bereavement
- n.
- 死別
- sneezing
[★]
- 英
- ophthalmic nerve (KH)
- ラ
- nervus ophthalmicus
- 関
- ガッセル神経節
一般感覚性
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臓性感覚性
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特殊感覚性
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体性運動性
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臓性運動性
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鰓弓運動性
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神経細胞(中枢神経外)
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神経細胞(中脳)
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神経細胞(橋)
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神経細胞(延髄)
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神経細胞(脊髄)
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○-< 節後ニューロン
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頭蓋からの出口
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分布と機能
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○
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三叉神経節
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上眼窩裂
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角膜、前頭部、頭皮、眼瞼、鼻の皮膚、鼻腔と副鼻腔の粘膜からの感覚
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[★]
- 英
- epicranial aponeurosis (M)
- ラ
- galea aponeurotica
- 関
- 頭皮、顔面筋群
[★]
- 英
- pericranium (M)
- 関
- 頭皮
[★]
- 英
- scalp laceration
- 関
- 頭皮