- 英
- Wallenberg's syndrome, Wallenberg syndrome
- 同
- ワレンベルグ症候群、Wallenberg症候群
- 延髄外側症候群 lateral medullary syndrome LMS
- 関
- 後下小脳動脈血栓、橋延髄外側症候群
[show details]
- 表:BET.235(脳神経を侵す脳幹障害)
- 図:BET.370,376 N.159(自律神経),164(脊髄の動脈)
障害部位:5, 8(vestibular n.), 9, 10, Sympathetic, Cerebellar, Lateral spinothalamic tract
疫学
- 若年に多く、椎骨動脈の解離が原因であることが多い。
病因
障害部位
- see BET.376
症状
- 全身:頭痛、回転性めまい、悪心・嘔吐
- 同側:顔面の温度・痛覚消失(感覚解離)、角膜反射低下、ホルネル症候群、眼振(回旋性眼振)、眼球側方突進、発声困難、嚥下困難、小脳性運動失調、筋緊張低下
- 対側:体幹・上下肢の温度・痛覚消失
[show details]
BET.235
症候
|
障害側
|
健側
|
CN V(感覚解離)
|
半身感覚解離(顔面をのぞく)
|
CN IX, Xの麻痺
|
|
ホルネル症候群
|
小脳性運動失調、眼振
|
- 椎骨動脈が脳底動脈となるより下位で後下小脳動脈(PICA)を分枝。PICAは延髄を後方に回り込み小脳の下面に分布
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/04/12 01:02:29」(JST)
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延髄外側症候群(えんずいがいそくしょうこうぐん、英:Lateral medullary syndrome)は、脳幹障害のうちの一つで、延髄外側の梗塞によって生じる症候群。
通称独:Wallenberg症候群(ワレンベルグしょうこうぐん)。
目次
- 1 病態
- 2 症状
- 3 鑑別
- 4 関連項目
- 5 診療科
病態
延髄外側が障害されることによって下記の一連の症状を表す。
主に椎骨動脈ないし椎骨動脈の枝である後下小脳動脈の閉塞によると考えられている。
症状
病変の広がりによって様々な症状を来す。ここでは代表的な症状について述べる。
障害側と同側に
-
- これらは前庭神経核(聴神経(Ⅷ)感覚核)の障害による。
- これらは疑核(舌咽神経(Ⅸ)・迷走神経(Ⅹ)運動核)の障害による。
- 孤束核(舌咽神経(Ⅸ)・迷走神経(Ⅹ)感覚核)の障害による。
- 下小脳脚の障害による。
- 交感神経下行路の障害による。
- 三叉神経脊髄路核の障害による。
- -顔面の温痛覚は三叉神経から三叉神経脊髄路を下り、その後シナプスを介し対側へ入り上行する。
- -三叉神経脊髄路核は対側へ入るより前の経路にあるため、同側の温痛覚障害を生じる。
障害側と対側に
-
- 外側脊髄視床路の障害による。
- -頸部以下の温痛覚ニューロンは脊髄に入るとそのレベルで対側へ交叉し上行する。そのため対側の温痛覚障害が生じる。
延髄外側の障害であるため、内側を通る錐体路(運動系の経路)や内側毛帯(深部覚の経路)は障害されないことが特徴である。
鑑別
- 延髄内側症候群(Dejerine症候群)
- 舌下神経麻痺がないこと、錐体路障害が無いことから鑑別できる。
関連項目
診療科
|
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Japanese Journal
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[★]
- 次の文を読み、22~24の問いに答えよ。
- 56歳の男性。会議中に突然めまいと吐き気とが出現したため救急車で搬送された。
- 現病歴 :半年前から会社の仕事が忙しく睡眠不足が重なり、過労気味であった。今朝、起床した時はいつもと変わらなかったが、14時ころ会社の会議室で立って発言中に突然、周りがぐるぐる回るめまいと吐き気とが出現し、立っていられなくなった。すぐ、同僚にかかえられて横になったが、めまいと吐き気とが持続した。
- 既往歴・家族歴:40歳ころから高血圧と糖尿病とを指摘され、食事療法を続けている。父親に高血圧と脳梗塞との既往がある。
- 現症 : 意識は清明。身長168cm、体重82kg。体温36.0℃。呼吸数20/分。心拍90/分、整。血圧170/nommHg。貧血と黄疸とはない。心雑音はない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知せず、圧痛と抵抗とを認めない。下肢に浮腫を認めない。神経学的診察では、左顔面と頭部から下の右半身とに温痛覚低下、左上下肢の小脳性運動失調、構音障害、嚥下障害および回転性眼振を認める。運動麻痺、難聴、触覚・深部感覚障害、深部(腱)反射の異常、病的反射および膀胱直腸障害は認めない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球470万、Hb12.8g/dl、白血球6,500、血小板25万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン4.6g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン1。。0mg/dl、総コレステロール280 mg/dl、トリグリセライド190 mg/dl、AST28単位、ALT22単位、Na 140mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 104mEq/l。CRP 0.1mg/dl、15時に行った頭部単純CTでは異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I023]←[国試_099]→[099I025]
[★]
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- 既往歴・家族歴:40歳ころから高血圧と糖尿病とを指摘され、食事療法を続けている。父親に高血圧と脳梗塞との既往がある。
- 現症 : 意識は清明。身長168cm、体重82kg。体温36.0℃。呼吸数20/分。心拍90/分、整。血圧170/nommHg。貧血と黄疸とはない。心雑音はない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知せず、圧痛と抵抗とを認めない。下肢に浮腫を認めない。神経学的診察では、左顔面と頭部から下の右半身とに温痛覚低下、左上下肢の小脳性運動失調、構音障害、嚥下障害および回転性眼振を認める。運動麻痺、難聴、触覚・深部感覚障害、深部(腱)反射の異常、病的反射および膀胱直腸障害は認めない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球470万、Hb12.8g/dl、白血球6,500、血小板25万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン4.6g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン1。。0mg/dl、総コレステロール280 mg/dl、トリグリセライド190 mg/dl、AST28単位、ALT22単位、Na 140mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 104mEq/l。CRP 0.1mg/dl、15時に行った頭部単純CTでは異常を認めない。
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[★]
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- 既往歴・家族歴:40歳ころから高血圧と糖尿病とを指摘され、食事療法を続けている。父親に高血圧と脳梗塞との既往がある。
- 現症 : 意識は清明。身長168cm、体重82kg。体温36.0℃。呼吸数20/分。心拍90/分、整。血圧170/nommHg。貧血と黄疸とはない。心雑音はない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知せず、圧痛と抵抗とを認めない。下肢に浮腫を認めない。神経学的診察では、左顔面と頭部から下の右半身とに温痛覚低下、左上下肢の小脳性運動失調、構音障害、嚥下障害および回転性眼振を認める。運動麻痺、難聴、触覚・深部感覚障害、深部(腱)反射の異常、病的反射および膀胱直腸障害は認めない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球470万、Hb12.8g/dl、白血球6,500、血小板25万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン4.6g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン1。。0mg/dl、総コレステロール280 mg/dl、トリグリセライド190 mg/dl、AST28単位、ALT22単位、Na 140mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 104mEq/l。CRP 0.1mg/dl、15時に行った頭部単純CTでは異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I021]←[国試_099]→[099I023]
[★]
- 66歳の男性。今朝からのめまいと左上下肢のしびれとを主訴に来院した。右顔面の温痛覚の低下、顔面を除く左半身の温痛覚の低下および右半身の小脳失調を認める。四肢の運動麻痺は認めない。眼部の写真を以下に示す。
- 障害があるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A042]←[国試_101]→[101A044]
[★]
- 52歳の男性。起床時からのふらつきと左顔面・右半身のしびれとを主訴に来院した。水を飲むとむせてしまい、しゃっくりが続いている。眼部の写真(別冊No.7)を別に示す。病巣部位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [104E046]←[国試_104]→[104E048]
[★]
- 英
- spinal trigeminal nucleus (KL), nucleus of spinal tract of trigeminal nerve
- ラ
- nucleus tractus spinalis nervi trigemini
- 関
- 三叉神経脊髄路、三叉神経主知覚核、三叉神経中脳路核、三叉神経
- 橋-延髄、あるいは橋の下部から第3頚髄(CNUR.176)にかけて下方に長く伸びている。
- 脊髄後角に相当し、特に尾側亜核は脊髄後角と相同な層構造を持ち、触、温・痛覚を伝える。(SP.232)
- 三叉神経支配領域やその周辺領域から発せられる侵害感覚、温度感覚の各情報を広く受け入れている(CNUR.176)。
- 延髄レベルでは後外側に位置している。
- 内側毛帯で交叉(2007年度後期生理学授業プリント 図:CNUR.179)
臨床関連
- ワレンベルグ症候群(延髄外束晶行軍):脳神経は中脳レベルであるが、神経核は延髄にまで及ぶので、顔面の感覚が障害を受ける。
[★]
- 英
- Horner's syndrome (KL), Horner syndrome
- 同
- Horner症候群 (M.500)、Horner徴候群
- ベルナール-ホルネル症候群 ベルナール・ホルネル症候群 Bernard-Horner syndrome
概念
- 頚部の自律神経節の障害などにより生じる症状
- 軽度の眼瞼下垂(瞼裂狭小)、中等度縮瞳(暗室でより明瞭)、顔面の発汗低下と紅潮を3主徴とする眼部交感神経系の障害による症候群。
症状
- 眼瞼下垂(上瞼板筋への支配(-))、縮瞳(瞳孔散大筋への支配(-))、顔面の発汗低下と紅潮(汗腺に対する支配(-)、血管平滑筋への支配(-))
原因
- 鎖骨下動脈に対する手術
- 頚部手術におけるリンパ節郭清時の損傷
国試
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- posterior inferior cerebellar artery (KH) , PICA
- ラ
- arteria cerebelli inferior posterior
- 関
- 椎骨動脈、大脳動脈、前下小脳動脈
起始
走行
- 延髄と小脳の間の凹みに入り込んで背側に回り込む
- 延髄の下部あたりで分岐し、副神経の枝を通り抜けつつ背面に向かう (N.134)
分布
- 延髄両側を支配し、小脳に枝を出す。(CNUR.48)
- 小脳の後下面
枝
臨床関連
- ワレンベルグ症候群:CN X, CN XI, CN XIIの脳神経核がある部位は後下小脳動脈が支配しており、この動脈の閉塞により延髄外側部の梗塞が生じて発症する。
[★]
- 英
- dissecting cerebral aneurysm
- 同
- 脳動脈解離症 脳動脈解離 cerebral arterial dissection、解離脳性動脈瘤
病態
- 動脈壁が解離することにより壁内に血管が入り込む → 動脈瘤様に拡張/血管腔の狭窄・閉塞
症状
- 頻度は1>2
- 1. クモ膜下出血で解離性脳動脈瘤を発症
- 2. 脳虚血症状で解離性脳動脈を発症 → 突然の頭痛・頚部痛に引き続き小脳、脳幹梗塞を来たす。
- (その他)頭痛・頚部のみで解離性脳動脈を発症
[★]
- 英
- cochlear nuclei
- ラ
- nuclei nervi cochleares
- 同
- 聴神経核、蝸牛神経
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
人名
生理的な音の感受性を考慮した音の強さの単位
- 英
- bel
- 関
- デシベル
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候