- 英
- sick sinus syndrome, SSS
- 同
- 洞機能不全症候群、洞結節機能不全症候群
- 関
- 洞停止。洞機能不全、洞機能不全症候群
概念
分類
- ECGP.283
- 1. 洞徐脈:原因がない持続性洞徐脈。50/分以下。
- 2. 洞停止(PP間隔が元のPP間隔の整数倍にならない。一般的には2秒以上)または洞房ブロック(PP間隔が元のPP間隔の整数倍になる)が存在する。
- 3. 徐脈頻脈症候群:I型/II型の徐脈性不整脈を呈し、かつ少なくとも1回の発作性上室性頻拍or心房細動をきたしたもの
原因
- 1. 加齢
- 2. 薬剤性:抗不整脈薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、ジギタリス、モルヒネなど
- 3. 基礎疾患:高カリウム血症、甲状腺機能低下症、神経調節性(頸動脈症候群、血管迷走神経反射、排尿後失神)、脳圧亢進(Cushing現象)
症状
合併症
検査
治療
- 脳虚血症状や心不全症状が無い場合には経過観察となるが、症状がある場合には治療適応となる。
- 薬剤性や基礎疾患に対する介入を試みる。
- 急性期の薬物療法:アトロピン、イソプロテレノール
- 急性期の対症療法:一次ペーシング
- ペースメーカー埋め込み
- 適応:
- 洞停止が5秒以上 or 徐脈頻脈症候群 (IMD)
- 有症状で心拍数≦40 or 最大RR感覚が3秒以上 (YN.C-40)
国試
PrepTutorEJDIC
- Selective Service System 選抜徴兵制
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/05 11:16:44」(JST)
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洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん、sick sinus syndrome, SSS)(sinus node dysfunctionと論文上記載されることもある)とは、心臓の調律を発する洞房結節が原因で徐脈を起こす病気。普段から心拍数が少なく、運動しても上昇しないため、脳の虚血が起こって失神発作などを生じる。Rubenstein分類により以下のように分けられる。
- I群:特定原因のない洞性徐脈(HR<50/min)
- II群:洞停止・洞房ブロック
- III群:徐脈-頻脈症候群
洞結節あるいはその周辺の障害によって生じ、臨床的にはAdams‐Stokes発作(アダムス・ストークス発作)、心不全、易疲労性などの症状が慢性的に出現する場合をいう。原因としては、虚血性心疾患、サルコイドーシスなどの浸潤性病変、炎症性病、心筋症、家族性発症などがあるが、約半数は原因不明である。原因不明の場合には迷走神経の緊張が強く関与しているといわれ、加齢と共に増加する。とくに高齢者は、基礎疾患に徐脈性不整脈などの不顕性洞不全症候群を伴っていることが多く、高血圧や不整脈、緑内障などの治療によりβ-blockerを投与され、症状が増強された結果、顕性化する場合がある。一般に、緩徐に進行する徐脈性不整脈や数秒の洞停止、洞房ブロックなどは自覚症状に乏しいが、高度の洞徐脈が持続、あるいは Adams‐Stokes発作が生じると生命の危険性が高くなるので注意する。徐脈、めまい、失神といった症状がある。
治療 [編集]
- 症状があって、HR:40/min↓かつ最大RR間隔が3秒↑
- 症状がなくても、HR:40/min↓かつ最大RR間隔が5秒↑
のときペースメーカーの適応となる。それ以外の場合、症状が一過性なら両下肢挙上、薬剤投与(アトロピン、イソプロテノール)などを行うとあるが、実際の臨床では上の1以外のケースは治療せず、症状が出たときは患者を寝かせて負荷を軽減し経過観察をする例が多いようである。
心血管疾患 |
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疾患 |
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心疾患
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不整脈
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徐脈性
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洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック)
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頻脈性
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上室性
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洞性頻脈 | 心房細動 | 心房粗動 | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群
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心室性
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心室細動 | 心室頻拍
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虚血性心疾患
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狭心症 | 急性冠症候群 | 心筋梗塞 | 冠動脈血栓症
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弁膜性心疾患
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僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症 | 三尖弁閉鎖不全症 | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症
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先天性心疾患
|
心房中隔欠損 | 心室中隔欠損 | 心内膜床欠損症 | 動脈管開存症 | ファロー四徴症(極型ファロー四徴症) | 大血管転位(左旋性 · 右旋性) | 総肺静脈還流異常症 | 大動脈縮窄 | 左心低形成症候群 | 両大血管右室起始症 | 三尖弁閉鎖
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心内膜・心筋
・心膜疾患
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心内膜疾患
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感染性心内膜炎
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心膜疾患
|
心膜炎(急性心膜炎 · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ
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心筋疾患
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心筋症(特発性拡張型心筋症 · 肥大型心筋症 · 拘束型心筋症 · 特発性心筋症) | 心筋炎
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心臓腫瘍 | 心臓神経症 | 心臓性喘息 | 肺性心
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血管疾患
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動脈
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動脈硬化 | 大動脈瘤 | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群 | 動静脈瘻 | 閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | レイノー病
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静脈
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静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症
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病態・症候 |
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心不全
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左心不全 | 右心不全
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血圧異常
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高血圧
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本態性高血圧症 | 二次性高血圧 | 悪性高血圧症
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低血圧
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心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止
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所見・検査 |
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血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査
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治療 |
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外科的治療
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冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー
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内科的治療
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心臓作動薬
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抗不整脈薬
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Ia群: プロカインアミド, キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど)
III群: アミオダロン, ソタロール
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)
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心不全治療薬
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利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤
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狭心症治療薬
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交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬
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血管作動薬
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高血圧治療薬
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利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬
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循環器系の正常構造・生理 |
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 洞不全症候群による意識消失をくりかえした胸腺腫をともなう重症筋無力症
- 洞不全症候群 (特集 興奮の伝わり方と波形を結びつけて理解する 心電図セミナー) -- (徐脈性不整脈のモニター心電図の特徴)
- カルバマゼピンとブプレノルフィン投与後に洞不全症候群を呈した1症例
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- 洞不全症候群(sick sinus syndrome; SSS)とは、洞機能が低下し、それによって洞性徐 脈、洞停止、洞房ブロックなどが複合して発生するもので、3つのタイプに分類されている (Rubensteinらによる洞不全分類)。I型は持続性の洞性徐脈、II型は洞停止又は洞房 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 78歳の男性。全身倦怠感とめまいとを主訴に来院した。65歳時から高血圧症と糖尿病で、5年前から発作性心房細動で内服治療中である。2か月前から時々目の前が暗くなることがあった。1週前から全身倦怠感とめまいとが出現したため受診した。身長 164cm、体重 58kg。脈拍 32/分、整。血圧 138/80mmHg。呼吸数 20/分。心尖拍動を鎖骨中線から2cm外側に触知する。I音の強さは一定しない。下腿に著明な浮腫を認める。4か月前と本日の心電図(別冊No. 13A、B)を別に示す。
- 全身倦怠感とめまいの原因として正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109A031]←[国試_109]→[109A033]
[★]
- 起床時に左上下肢の力の入りにくさと、ろれつの回りにくさとに気付き、救急車で搬送された。
- 5年前、洞不全症候群のため、ペースメーカー埋込術を施行されている。意識混濁。身長160cm、体重58kg。脈拍60/分、整。血圧110/68mmHg。左片麻痺を認め、左Babinski徴候陽性。右共同偏視がある。
- まず行う検査はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099F040]←[国試_099]→[099F042]
[★]
- 76歳の男性。失神を主訴に来院した。最近1か月の間に2度失神し、その際前額部を打撲している。Holter心電図を以下に示す。対応として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [102A058]←[国試_102]→[102A060]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [107E033]←[国試_107]→[107E035]
[★]
- 英
- Rubenstein's classification, Rubenstein classification
- 同
- Rubenstein分類
- 関
- 洞不全症候群
[show details]
ルビンシュタイン : 約 124,000 件
ルビンシュテイン : 約 14,800 件
ルビンスタイン : 約 4,680,000 件
ルビンステイン : 約 1,950 件
ルービンシュタイン : 約 645,000 件
ルービンシュテイン : 約 15,700 件
ルービンスタイン : 約 13,400 件
ルービンステイン : 約 645,000 件
ルビンシュタイン Rubenstein : 約 8,600 件
ルビンシュテイン Rubenstein : 約 1,720 件
ルビンスタイン Rubenstein : 約 411,000 件
ルビンステイン Rubenstein : 約 588 件
ルービンシュタイン Rubenstein : 約 62,800 件
ルービンシュテイン Rubenstein : 48 件
ルービンスタイン Rubenstein : 約 2,800 件
ルービンステイン Rubenstein : 8 件
- 1. 洞徐脈:原因がない持続性洞徐脈。50/分以下。
- 2. 洞停止・洞休止、洞房ブロック
- 3. 徐脈頻脈症候群:I型/II型の徐脈性不整脈を呈し、かつ少なくとも1回の発作性上室性頻拍or心房細動をきたしたもの
[★]
- 英
- sinus bradycardia
- 同
- 洞徐脈、洞性徐拍、洞徐拍
- 関
- 徐脈性不整脈、徐脈。洞性頻脈 洞頻脈 sinus tachycardia
[show details]
- 心電図で洞調律かつ、心拍数が60回/分以下のものを指して言う。
- 脈拍は自律神経(興奮)や薬剤、ないし発熱・炎症・虚血で変動しうる。
- スポーツマンの場合、スポーツ心あるいは迷走神経緊張により洞性徐脈が見られることがあるので(生理的)、気にしなくても良い。
- また、健常人でも安静時に徐脈となる人もいるが、活動時にも洞性徐脈が継続するのでなければ、精査・治療対象とはならない。
- しかしながら、徐脈による症状が出現するようであれば精査した方が良い。
- 心拍数が50回/分以下が、(体の動作にかかわらず)持続的に続くようであれば洞不全症候群が疑われるので、専門医受診が好ましい。
[★]
- 英
- bradycardia-tachycardia syndrome
- 同
- 徐脈頻脈不整脈 bradytachyarrhythmia
- 関
- 不整脈、洞不全症候群
国試
治療
- 急性期:両下肢挙上、薬剤(アトロピン、イソプロテレノール)
- 永続性:人工ペースメーカー(適応:心拍数が40以下、最大RR間隔が3秒以上)
[★]
- 英
- bradyarrhythmia, bradyarrhythmias
- 同
- 徐拍性不整脈
- 関
- 徐脈、頻脈性不整脈
[★]
- 英
- sinus arrest
- 同
- 洞休止
- 関
- 洞不全症候群
- 洞結節のペースメーカ機能の低下で起こる病態。
- 2秒以上洞結節が停止した場合、つまり心電図でP波が2秒以上消失した場合をいう。
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 関
- 機能不全、失敗、不十分、不全症、不足、無能、無能力、弁閉鎖不全、弁閉鎖不全症、機能不全症
[★]
- 英
- failure、insufficiency、(ラ)imperfecta
- 関
- 機能不全、失敗、不十分、不全、不足、弁閉鎖不全、弁閉鎖不全症、機能不全症
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候