- 英
 
- quinidine
 
- 化
 
- 硫酸キニジン quinidine sulfate、キニジン硫酸塩水和物
 
- 商
 
- Quinaglute, Quinidex
 
- 関
 
- 抗不整脈薬
 
作用機序
- 活性化および不活性化状態の時にNaチャネルに結合することでチャネルをブロックする。
 
(低濃度)
- 自動能を有する細胞の拡張期脱分極を抑制
 
(通常)
- →閾値の増大
 
- →伝導速度の現象 → 刺激伝導を抑制
 
- →不応期の延長
 
- → APD延長 → 異所的刺激による期外収縮の発現を抑制
 
薬理作用
動態
適応
- 上室性・心室性期外収縮、心房細動・粗動、房室結節リエントリー性発作性頻拍
 
注意
禁忌
副作用
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/10/11 14:43:52」(JST)
[Wiki ja表示]
| 
 | 
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 | 
キニジン
 | 
| IUPAC命名法による物質名 | 
| (9S)-6′−methoxycinchonan−9−ol | 
| 臨床データ | 
| 胎児危険度分類 | 
 ? | 
| 法的規制 | 
処方せん医薬品(日本) | 
| 投与方法 | 
経口 | 
| 薬物動態的データ | 
| 生物学的利用能 | 
80±15% (経口) | 
| 代謝 | 
肝臓(CYP3A4) | 
| 半減期 | 
6.2±1.8 時間 | 
| 識別 | 
| CAS登録番号 | 
56-54-2 | 
| ATCコード | 
QC01BA01 | 
| PubChem | 
CID 5953 | 
| 化学的データ | 
| 化学式 | 
C20H24N2O2 | 
| 分子量 | 
324.42 g/mol | 
| 物理的データ | 
| 融点 | 
166 °C (331 °F) | 
キニジン(英: quinidine)は、抗不整脈薬のひとつ。キニーネの鏡像異性体(エナンチオマー)。
| 
 
 目次
- 1 概要
 
- 2 効能・効果
 
- 3 禁忌
 
- 4 副作用
 
- 5 関連項目
 
- 6 参考文献
 
 
 | 
概要
キナ(Cinchona)属の樹皮から産生されるアルカロイド。
抗不整脈薬の分類であるVaughan Williams分類ではIa群であり、ナトリウムイオンチャネルを抑制することにより活動電位の最大立ち上がり速度を低下させ、伝導速度を遅らせる作用を持つ。また、カリウムイオンチャネル抑制作用、カルシウムイオンチャネル遮断作用も持つ。
ヒト以外では、小動物やウマの心室性不整脈、急性心房細動などの治療に用いられる。ネコでは経口投与は原則として行わない。
効能・効果
期外収縮(上室性、心室性)、発作性頻拍(上室性、心室性)、新鮮心房細動、発作性心房細動の予防、陳旧性心房細動、心房粗動、電気ショック療法との併用及びその後の洞調律の維持、急性心筋梗塞時における心室性不整脈の予防
禁忌
- 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)患者(失神発作あるいは突然死のおそれ)
 
- 重篤なうっ血性心不全患者(本疾患悪化のおそれ)
 
- 高カリウム血症患者(心疾患悪化のおそれ)
 
- リトナビル、ネルフィナビル、イトラコナゾール、ミコナゾール、ボリコナゾール、チオリダジン、キヌプリスチン・ダルホプリスチン、バルデナフィル、モキシフロキサシン投与中の患者
 
副作用
キニジンは以下のような重大な副作用が発生する可能性があるため、原則として入院投与とされる。
- 高度伝導障害、心停止、心室細動
 
- 心不全
 
- SLE様症状
 
- 無顆粒球症、白血球減少、再生不良性貧血、溶血性貧血
 
- 血小板減少性紫斑病
 
関連項目
参考文献
- 高久史麿、鴨下重彦監修『治療薬マニュアル2000』医学書院、2000年、p380-381、ISBN 4-260-10532-9
 
- 興和『硫酸キニジン錠(コーワ)添付文書』2008年3月改訂版
 
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版社 1991年 ISBN 4885006104
 
- Donald C. Plumb著 佐藤宏ほか監訳 『プラム 動物用医薬品ハンドブック 原書第3版』 株式会社ワハ 2003年
 
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
 
| 
   
心血管疾患 | 
 
 | 
 
| 
   
疾患 | 
 
 | 
 
| 
 心疾患 
 | 
| 
 不整脈 
 | 
| 
 徐脈性 
 | 
 洞不全症候群 | 房室ブロック | 脚ブロック(右脚ブロック · 完全右脚ブロック · 左脚ブロック) 
 | 
 
 | 
 
| 
 頻脈性 
 | 
| 
 上室性 
 | 
 洞性頻脈 | 心房細動 | 心房粗動 | ブルガダ症候群 | QT延長症候群 | WPW症候群 
 | 
 
 | 
 
| 
 心室性 
 | 
 心室細動 | 心室頻拍 
 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 | 
 
| 
 虚血性心疾患 
 | 
 狭心症 | 急性冠症候群 | 心筋梗塞 | 冠動脈血栓症 
 | 
 
 | 
 
| 
 弁膜性心疾患 
 | 
 僧帽弁狭窄症 | 僧帽弁閉鎖不全症 | 三尖弁狭窄症 | 三尖弁閉鎖不全症 | 大動脈弁狭窄症 | 大動脈弁閉鎖不全症 
 | 
 
 | 
 
| 
 先天性心疾患 
 | 
 心房中隔欠損 | 心室中隔欠損 | 心内膜床欠損症 | 動脈管開存症 | ファロー四徴症(極型ファロー四徴症) | 大血管転位(左旋性 · 右旋性) | 総肺静脈還流異常症 | 大動脈縮窄 | 左心低形成症候群 | 両大血管右室起始症 | 三尖弁閉鎖 
 | 
 
 | 
 
| 
 心内膜・心筋 
・心膜疾患 
 | 
| 
 心内膜疾患 
 | 
 感染性心内膜炎 
 | 
 
 | 
 
| 
 心膜疾患 
 | 
 心膜炎(急性心膜炎 · 慢性収縮性心膜炎) | 心タンポナーデ 
 | 
 
 | 
 
| 
 心筋疾患 
 | 
 心筋症(特発性拡張型心筋症 · 肥大型心筋症 · 拘束型心筋症 · 特発性心筋症) | 心筋炎 
 | 
 
 
 | 
 
 | 
 
| 
 心臓腫瘍 | 心臓神経症 | 心臓性喘息 | 肺性心 
 | 
 
 
 | 
 
 | 
 
| 
 血管疾患 
 | 
| 
 動脈 
 | 
 動脈硬化 | 大動脈瘤 | 大動脈解離 | 大動脈炎症候群 | 動静脈瘻 | 閉塞性動脈硬化症 | 閉塞性血栓性血管炎 | レイノー病 
 | 
 
 | 
 
| 
 静脈 
 | 
 静脈瘤 | 血栓性静脈炎 | 静脈血栓塞栓症 | 脂肪塞栓症 
 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 | 
 
| 
   
病態・症候 | 
 
 | 
 
| 
 心不全 
 | 
 左心不全 | 右心不全 
 | 
 
 | 
 
| 
 血圧異常 
 | 
| 
 高血圧 
 | 
 本態性高血圧症 | 二次性高血圧 | 悪性高血圧症 
 | 
 
 | 
 
| 
 低血圧 
 | 
 
 
 | 
 
 | 
 
| 
 心臓発作 | 心臓肥大 | 心停止 | 心肺停止 
 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 | 
 
| 
   
所見・検査 | 
 
 | 
 
| 
 血圧計 | 聴診 | 心雑音 | 心電図 | 心電図モニタ | 心臓超音波検査 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 心臓カテーテル検査(肺動脈カテーテル) | 心臓核医学検査 
 | 
 
 
 | 
 
 | 
 
| 
   
治療 | 
 
 | 
 
| 
 外科的治療 
 | 
 冠動脈大動脈バイパス移植術 | 経皮的冠動脈形成術 | 植え込み型除細動器 | バチスタ手術 | 人工心臓 | 心臓ペースメーカー 
 | 
 
 | 
 
| 
 内科的治療 
 | 
| 
 心臓作動薬 
 | 
| 
 抗不整脈薬 
 | 
Ia群: プロカインアミド,  キニジン
Ib群: リドカイン, フェニトイン 
Ic群: フレカイニド, プロパフェノン 
II群: 交感神経β受容体遮断薬(プロプラノロールなど) 
III群: アミオダロン, ソタロール 
 
IV群: カルシウム拮抗剤(ベラパミル, ジルチアゼムなど)  
 | 
 
 | 
 
| 
 心不全治療薬 
 | 
 利尿薬 | 血管拡張薬 | 強心配糖体 | 強心剤 
 | 
 
 | 
 
| 
 狭心症治療薬 
 | 
 交感神経β受容体遮断薬 | 硝酸薬 
 | 
 
 
 | 
 
 | 
 
| 
 血管作動薬 
 | 
| 
 高血圧治療薬 
 | 
 利尿薬 | 交感神経β受容体遮断薬 | レニン-アンジオテンシン系 (ACE阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、レニン阻害薬) | カルシウム拮抗剤 | アドレナリン作動薬 | 脂質降下薬 
 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 | 
 
| 循環器系の正常構造・生理 | 
 
 
 | 
 
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- グリセロールおよびシスプラチンにより誘発された急性腎不全モデル病態における血中キニジン濃度推移の比較
 
- IZUWA Yuki,KUSABA Jun-ichi,HORIUCHI Mizuki,AIBA Tetsuya,KAWASAKI Hiromu,KUROSAKI Yuji
 
- Drug metabolism and pharmacokinetics 24(5), 451-457, 2009-10-25
 
- NAID 10025724709
 
- Effects of Kampo medicines on Cyp3a and P-glycoprotein activity in vivo
 
- ITO Kiyomi,TAKASAKI Ayaka,IKARASHI Nobutomo,WATANABE Junko,KANITANI Masanao,杉山 清
 
- 和漢医薬学雑誌 26(3), 131-135, 2009-08-31
 
- … また,P-gp基質であるジゴキシンの血漿中濃度はP-gp阻害剤であるキニジンの併用により上昇したのに対し,いずれの漢方薬も有意な影響を及ぼさなかった。 …
 
- NAID 110007356319
 
- ヒト心房活動電位モデルを用いた各種I_<Kr>遮断薬とI_<Kur>遮断薬による活動電位延長作用の検討
 
- 村上 慎吾,辻前 賢司,鈴木 慎悟,倉智 嘉久
 
- 心電図 = Electrocardiology 29(2), 126-132, 2009-04-13
 
- … 考察した.まず最初に,三つの薬物(ドフェチリド,キニジン,ベスナリノン)の特徴的なIKr遮断様式がもつ心房活動電位延長作用の刺激頻度依存性について,Courtemancheらによるヒト心房活動電位モデルを用いて検討を行なった.オリジナルのモデルの遅延整流K+電流の遅い成分(IKs)に遅い活性化成分を導入すると,ドフェチリド,キニジンの逆頻度依存性が再現された.また,ベスナリノンは …
 
- NAID 10024857425
 
Related Links
- キニジン(英: quinidine)は、抗不整脈薬のひとつ。キニーネの鏡像異性体(  エナンチオマー)。 ... キニジンは以下のような重大な副作用が発生する可能性がある  ため、原則として入院投与とされる。 高度伝導障害、心停止、心室細動; 心不全; SLE様  症状; 無顆粒 ...
 
- キニジンとは?効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬  事典版)
 
Related Pictures







Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
硫酸キニジン「ホエイ」
組成
成分・含量
禁忌
- 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者〔失神発作あるいは突然死をおこすおそれがある。〕
 
- 重篤なうっ血性心不全のある患者〔本疾患を悪化させるおそれがある。〕
 
- 高カリウム血症のある患者〔心疾患を悪化させるおそれがある。〕
 
- 本剤に過敏症の既往歴のある患者
 
- ※アミオダロン塩酸塩(注射)、バルデナフィル塩酸塩水和物、トレミフェンクエン酸塩、キヌプリスチン・ダルホプリスチン、ボリコナゾール、サキナビルメシル酸塩、ネルフィナビルメシル酸塩、リトナビル、モキシフロキサシン塩酸塩、イトラコナゾール、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ミコナゾール、メフロキン塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
 
効能または効果
- 期外収縮(上室性、心室性)
発作性頻拍(上室性、心室性)
新鮮心房細動、発作性心房細動の予防、陳旧性心房細動
心房粗動
電気ショック療法との併用及びその後の洞調律の維持
急性心筋梗塞時における心室性不整脈の予防 
- 経口的に投与するが、著明な副作用を有するので、原則として入院させて用いる。
本剤の投与法は心房細動の除去を目的とする場合を標準とし、漸増法と大量投与法に大別できる。その他の不整脈に対しては、原則として少量持続投与でよく、この場合には外来にて投与してもよい。 
試験投与
- 治療に先だち、1回量0.1〜0.2g(1〜2錠)を経口投与し、副作用があらわれた時は、投与を中止する。副作用を調べる際には血圧測定と心電図記録を行う必要がある。
 
漸増法
- 成人における慢性心房細動に対しては、例えばキニジン硫酸塩水和物として、1回量0.2g(2錠)を最初1日3回(6〜8時間おき)に投与し、効果がない場合は、2日目ごとに1回量を0.4g(4錠)、0.6g(6錠)のごとく増すか、投与回数を1〜2日目ごとに4、5、6回のごとく増す。不整脈除去効果が得られたら、そこで維持量投与に切りかえ、あるいは投与を中止する。 6日間投与して効果がない場合、途中で副作用があらわれた場合には、投与を中止すること。本剤は昼間のみ与えるのが原則である。
 
大量投与
- はじめから大量を与え、投与期間の短縮をはかるもので、成人における慢性心房細動に対しては、例えばキニジン硫酸塩水和物として、1回量0.4g(4錠)を1日5回、3日間与え、効果がない場合には投与を中止する。効果が得られた場合の維持投与は漸増法と同様である。わが国では漸増法でよいとする報告が多い。
 
維持量投与
- キニジン硫酸塩水和物として、通常、成人1日量0.2〜0.6g(2〜6錠)を1〜3回に分割経口投与するが、個人差が大きい。
電気ショック療法との併用及びその後の洞調律の維持に対する用量もこれに準ずる。 
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者〔類似薬で心室頻拍、心室細動が発現した報告がある。〕
 
- うっ血性心不全のある患者〔本疾患を悪化させるおそれがある。〕
 
- 重篤な肝・腎機能障害のある患者〔本剤の排泄が低下し、副作用の発現が増大するおそれがある。〕
 
- 塞栓の既往歴や一過性脳虚血発作等の症状のある患者〔心房細動・粗動から洞調律に回復した時、塞栓をおこすことがある。〕
 
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
 
- 血清カリウム低下のある患者〔多形性の心室頻拍の発現の危険性が増大する。〕
 
重大な副作用
高度伝導障害、心停止、心室細動:
(頻度不明)
- これらの致死性の不整脈が突然発現することがある。したがって毎日数回心電図を記録し、QRS幅の増大、あるいは期外収縮の発生数の増加、心室頻拍、P波の消失が認められた場合には投与を中止すること。
 
心不全:
(頻度不明)
- 心筋の収縮力を低下させ、心不全、血圧低下をおこすことがあるので、このような場合には投与を中止すること。
 
SLE様症状:
(頻度不明)
- このような症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、この様な症状があらわれた場合には投与を中止すること。
 
無顆粒球症、白血球減少、再生不良性貧血、溶血性貧血:
(頻度不明)
- このような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
 
血小板減少性紫斑病:
(頻度不明)
- このような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
 
薬効薬理
本剤はNa+チャネルを遮断し、細胞内へのNa+の流入を抑制することにより、心房筋、心室筋、プルキンエ線維における活動電位第0相の立上がりを抑制して、刺激伝導を遅延させる。また活動電位持続時間と有効不応期を延長し、心筋の自動性を低下させ、かつ刺激に対する閾値を上昇させることで、異所性自動能に基づく不整脈の発生を抑制する。迷走神経遮断作用があり、このため心拍数を増加させるが、この作用は上記の諸作用に比べて非常に弱い。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- 〔日局〕キニジン硫酸塩水和物(Quinidine Sulfate)
〔日局別名〕キニジン硫酸塩、硫酸キニジン 
化学名:
- (9S)-6'-Methoxycinchonan-9-ol hemisulfate monohydrate
 
分子式:
分子量:
- 782.94
 
- 本品は白色の結晶で、においはなく、味は極めて苦い。
本品はエタノール(95)又は熱湯に溶けやすく、水にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。また、本品の乾燥物はクロロホルムに溶けやすい。
本品は光によって徐々に暗色となる。
旋光度〔α〕20D:+275〜+287゜(乾燥後、0.5g、0.1mol/L塩酸、25mL、100mm)。 
★リンクテーブル★
  [★]
- a. (1)(2)(3)
 
- b. (1)(2)(5)
 
- c. (1)(4)(5)
 
- d. (2)(3)(4)
 
- e. (3)(4)(5)
 
  [★]
  [★]
- 英
 
- atrial fibrillation, AF, AFIB
 
- 関
 
- 心房粗動、心室細動
 
定義
- 心房細動は心房が高頻度に、しかも同期せずに興奮する状態である。その結果、心房は心室に血液を送るための律動的な収縮を行えなくなり、また心室の興奮も不規則となる。 (参考2)
 
分類
- 参考2
 
- 基礎心疾患を認めず,高血圧もない症例に出現した心房細動
 
完全房室ブロックを伴う心房細動(EAB 135)
原因
心房細動を合併しやすい病態
- 医学大事典
 
- 虚血性心疾患、高血圧症、リウマチ性心疾患、心筋症、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進症、高齢者心房中隔欠損症、WPW症候群など
 
- 心房負荷で僧帽弁狭窄症を来しやすい
 
甲状腺機能亢進症
危険因子 QB.C-410
- 高齢者(65歳以上)
 
- 脳卒中の既往
 
- 高血圧
 
- 心不全
 
- 心房・心室拡大
 
症状
- 頻拍に因る:動悸、胸部圧迫感
 
- 拍出量低下による:(器質的心疾患のある場合)心不全
 
- 心房収縮低下による:心房内血栓形成 → 血栓塞栓症
 
- 血栓塞栓症は心房細動の時と心房細動から洞調律に復帰させるときに起こりやすい。
 
心電図
- 着目する誘導:P波 = II誘導、f波 = V1誘導
 
- 1. f波の出現(400-700/分(EAB.160), 350-600/分(PHD.295))←多数興奮旋回 multiple reentry
 
- 2. P波の欠如
 
- 3. RR間隔が不整 ← f波が時々心室に伝わるため
 
- 絶対性不整脈
 
[show details]
治療
QB.C-410
- 血行動態が不安定:電気的除細動
 
- 血行動態が安定 :2-3週間抗凝固療法を行ってから薬物的な除細動Class Ia(APD↑), Class Ic(APD±)
 
- 48-72時間以内に新規発症した心房細動では抗凝固療法不要
 
- 経食道心エコーにより左房内血栓を認めなければ、除細動施行。
 
- 慢性経過(6ヶ月程度)した慢性心房細動では除細動を行っても再発する率が高いので、除細動の適応にはならない????
 
概要
- 薬物療法と抗凝固療法を施行する
 
- electrical direct-current cardioversionによる洞調律の回復は、頻脈の時にすべき(心房の興奮が心室に伝導しているとき)
 
- カテーテルアブレーションは症状があって、かつ他の内科的治療法が奏効しない特に行う
 
- 外科治療はMaze手術がある
 
薬物治療
- 心室への興奮の伝達を抑制:Class II, class IV, or digitalis
 
- 除細動         :Class Ia(APD↑), Class Ic(APD±), Class III
 
薬物治療 (不整脈薬物治療に関するガイドライン Guidelines for Drug Treatment of Arrhythmias (JCS 2004))
抗凝固療法
- ワーファリンはINR 1.6-2.5に調節。欧米では2.0-3.0。 (QB.C347)日本人ではPT-INRを1.5-2.0に設定。 治療域が狭く個人差が大きいのでPT-INRをモニターする。
 
- C  cardiac failure
 
- H  hypertension
 
- A  age >75yr
 
- D  disbites mellitus
 
- S2 prior stroke or TIA
 
- 0 LOW: aspirin 81-325 mg PO dialy
 
- 1 MODERATE: aspirin or warfarin
 
- 2 MODERATE: previous CVA/TIA/embolism? YES: warfarin/NO: aspirin or warfarin
 
- 3-6 HIGH: warfarin
 
外科的療法 (NSU.440)
- 再発性の発作性心房細動で患者の社会生活に障害が生じているもの
 
- 塞栓症の既往のある心房細動
 
- 冠状動脈疾患、僧帽弁膜症、心房中隔欠損症などのため手術を受ける症例で、発作性あるいは慢性心房細動を有する症例
 
- 右心房、心房中隔、左心房に切り込みを入れ一方向性の伝導しか起こらなくする。
 
- Coxが創案し、手術法はMazeIII法と呼ばれる。
 
心房細動の存在により面倒くさくなること
参考
- 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
 
- [display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
 
- 2. 不整脈薬物治療に関するガイドライン Guidelines for Drug Treatment of Arrhythmias (JCS 2004)
 
国試
  [★]
- 関
 
- QT延長症候群、QT間隔
 
原因
- 洞結節機能不全
 
- 房室ブロック:2度房室ブロック、3度房室ブロックアンドロゲン遮断療法(GnRHアゴニスト/アンタゴニスト療法または両側性精巣摘除術)
 
- 利尿薬:低マグネシウム血症・低カリウム血症の誘発による
 
- 鎮吐薬:
 
  [★]
- 英
 
- drug-induced hypoglycemia
 
- 同
 
- 薬剤性低血糖症
 
- 関
 
- 低血糖
 
低血糖を引きおこす薬剤
- DMR.295
 
  [★]
- 英
 
- QT interval
 
- 関
 
- QT、補正QT、QT延長症候群
 
概念
- 心電図のQ波の開始点からT波の終了点までの時間。
 
- 生理:心室筋の収縮(脱分極)~心室筋の弛緩(再分極)
 
- おおまかには、僧帽弁が閉じる少し前から大動脈弁が閉鎖するあたりまで。
 
- QTが長いと言うことは、心筋活動電図上で、0,1,2,3相が延長していると言うこと。大抵は2相だけど。抗不整脈薬class IAはQT延長させるが、Class IBはQTの延長はない(PHD.425)。
 
- 心拍数によって変動するため、バゼットの式で補正した補正QT時間(QTc)がしばしば用いられる。
 
- QTc = QT時間 / ( (R-R間隔)^(1/2) )
 
基準範囲
- 乳児期:400±20 ms
 
- 思春期~成人:420±20 ms
 
- 健常人の99パーセンタイルQTc値:460 ms(思春期前)、470 ms(思春期後の男性)、480 ms(思春期後の女性) (Acquired long QT syndrome: Definitions, causes, and pathophysiology - uptodate)
 
- PHD.94
 
- ジギタリス中毒(心電図の読み方パーフェクトマニュアル.208):PQ延長、QT短縮
 
- QT短縮:ジギタリスが作用している状態では、細胞内のCa2+濃度が上昇する。これにより、(1)Ca2+依存性K+チャネルの活性が亢進し速やかに再分極に至る。あるいは、(2)Ca2+チャネル活性が低下しており、Ca2+による脱分極の持続時間が短い。この2点によりQTが短縮するらしい。(PHD.399)
 
- PHD.94
 
臨床関連
- QT延長症候群:心筋細胞のイオンチャネルをコードする遺伝子の異常や薬剤などでQTcが異常に延長すると、不整脈を起こしやすくなる。
 
  [★]
- 英
 
- dabigatran
 
- 化
 
- ダビガトランエテキシラート dabigatran etexilate、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩 dabigatran etexilate methanesulfonate
 
- 商
 
- プラザキサ
 
- 関
 
- 抗凝固薬
 
- 適応は非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
 
- 用量:通常は1回150mg 1日2回。減量が必要な場合は1回110mg 1日2回とする。
 
- 通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150mg(75mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110mg(110mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること。
 
- 用量を調整する必要がある場合
 
- 
 
- 1. 本薬品の過敏症の既往
 
- 2. 透析中の患者、及びCcr 30mL/minの患者
 
- 3. 出血症状、出血素因、および止血障害のある患者
 
- 4. 出血リスクのある器質的病変を有する患者(6ヶ月以内の出血性脳梗塞を含む)
 
- 5. 脊椎・硬膜外カテーテルを留置している患者及び抜去後1時間以内の患者
 
- 6. イトラコナゾール(経口剤)を服用中
 
  [★]
- 英
 
- quinidine-like action
 
- 関
 
- 膜安定化作用