- 英
- subacute sclerosing panencephalitis, SSPE
- 同
- 亜急性硬化性汎脳炎
- 関
- 麻疹、遅発性ウイルス性脳炎
概念
疫学
- 10万例に1例。麻疹の罹患から5-10年後に発症。ワクチンを接種していなかった患児におこりやすい。 (HIM. part.16)
- →麻疹ワクチンウイルスの接種によって、感染予防と軽症化を計ることができる。
- 0-1歳で罹患。6-8歳に小児の転倒により気づかれる。1年以内に意識がなくなる。治療法はない。
病因
症状
- 初発症状は性格変化、
- 行動異常、知能の低下、運動機能障害、ミオクロニー発作のてんかん、錐体路症状、錐体外路症状、昏睡状態
経過
- 発症から数ヶ月で症状が完成し、ついには昏睡状態から死亡にいたる。
検査
診断
治療
予後
参考
- 1. [charged] 麻疹の臨床症状および診断 - uptodate [1]
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/22 18:20:23」(JST)
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亜急性硬化性全脳炎(あきゅうせいこうかせいぜんのうえん、英: subacute sclerosing panencephalitis; SSPE)は小児の重症な進行性中枢神経疾患で遅発性ウイルス感染症の1つ。9割以上が14歳以下で発症する。麻疹の既往が90%、ワクチン接種が5%に先行する[要出典]。2007年の研究では、ワクチンによる発症は否定され、妊娠中の母親の麻疹罹患によるものもごく稀と報告され[1]、予防接種が強く推奨されている[2]。潜伏期間は2-10年、発生頻度は10万に1.7人程度である。
性格変化、知能低下、不随意運動、けいれん、起立歩行障害などで発病する。発病後数年以内に死亡する。脳脊髄液の麻疹ウイルス抗体が増加する。
インターフェロン治療、けいれん治療、理学療法などが行われるが、根治的な治療はない。
目次
- 1 歴史
- 2 感染メカニズムの概略
- 3 診療科
- 4 参考文献
歴史[編集]
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1933年、J.R.Dawsonは光学顕微鏡による観察で、脳の神経細胞の障害と亜急性の炎症反応および封入体を初めて記載した。1963年に、M.C.Bouteilleが電子顕微鏡で封入体にウイルスをとらえている。1969年に感染組織から麻疹ウイルスの培養に成功した。変異した麻疹ウイルス(核酸の分子量600万、直径0.2μ)が病原体で、細胞外でしめすウイルス形態(ビリオン)になれず、細胞外では感染力が弱いことが明らかになった。1975年に微研のUedaらが、SSPEの組織と胎児肺の細胞を同時に培養すると、細胞同士を融合させながら増殖するBiken株を見出した。治療研究が精力的に進められている。
感染メカニズムの概略[編集]
この疾患では、Biken株の培養条件と同様に、神経系でも隣接する細胞と融合して、ウイルスが移動し感染範囲を拡大すると考えられている。対して通常のウイルスは、ビリオンの形態に変化して細胞外にて拡散するため、急速に感染範囲を拡大する。
SSPEはウイルス感染症が一般にもつ潜伏期間、発症するのに十分な量まで増殖する期間、が極端に長い疾患である。これに対して進行性多巣性白質脳症(PML)も遅発性ウイルス感染症であるが、免疫が増殖を抑えていることで、潜伏期間が長い。
診療科[編集]
参考文献[編集]
- 矢田ら編 『今日の小児治療指針 第14版』 医学書院。
- 植竹久雄編 『ウイルス学 第3版』 理工学社。
- Ueda, S. et al. (1975). "Subacute sclerosing panencephalitis (SSPE): Isolation of a defective variant of measles virus from brain obtained at autopsy." Biken J. 18 (2): 113-122. PMID 1180868.
- ^ Campbell H. et al. Review of the effect of measles vaccination on the epidemiology of SSPE. Int J Epidemiol. 2007 Dec;36(6):1334-48. Epub 2007 Nov 23. PubMed
- ^ 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)診療ガイドライン(案)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 臨床 亜急性硬化性全脳炎に対する治療の動向 (特集 中枢神経系感染症のUp-To-Date)
- 沖縄県における亜急性硬化性全脳炎の発生状況 (1977-2005)
Related Links
- この病気は公費負担の対象疾患です。公費負担の対象となるには認定基準があります。 認定基準 臨床調査個人票 臨床調査個人票 1. 亜急性硬化性全脳炎とは 亜急性硬化性全脳炎は英語ではsubacute sclerosing panencephalitis ...
- SSPEとは SSPE治療研究グループ事務局:福島県立医科大学小児科学教室 細矢光亮 (Tel:024-547-1295、Fax:024-548-6578) 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)とは 亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis) は ...
- 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)診療ガイドライン(案) A.亜急性硬化性全脳炎(SSPE)とは B.診断 C.治療 D.SSPEの発症機序 E.介護、支援 F.SSPE青空の会 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)診療ガイドラインの作成にあたって ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 10歳の男児。学習の遅れと視覚障害とが顕著になったため来院した。
- 4か月前からボールの捕球が困難になり、またピアノの楽譜を読めなくなった。記憶力が低下し、算数の図形の問題が苦手となった。運動自体や感情面に問題はない。三種混合と麻疹ワクチンとは接種済みである。
- 意識は清明。自分の名前と年齢とを言える。手掌と足底とを除いて全身皮膚に色素沈着がある。心雑音は聴取せず、ラ音も聴取しない。腹部は平坦で軟、肝・脾は触れない。深部腱反射は亢進し、Babinski徴候は陽性である。手の変換運動は良好で、片足立ちは可能である。
- 血清生化学所見:総蛋白7.1g/dl、アルブミン4.7g/dl、尿素窒素11mg/dl、AST(GOT)33単位(基準40以下)、ALT(GPT)35単位(基準35以下)、LDH548単位(基準176~353)。頭部単純MRIのT1強調像とT2強調像とを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D043]←[国試_096]→[096D045]
[★]
- 7か月の乳児。発熱のため母親に連れられて来院した。2日前の昼過ぎから発熱があり就寝前の体温は39.0℃であった。昨日も38.9℃の発熱があったが他に目立った症状はなかった。食欲は良好で、普段より軟らかい便が2回あった。元気に泣いている。体重 6.5kg。体温 39.1℃。脈拍 148/分、整。SpO2 99%(room air)。眼球結膜に充血を認めない。口蓋垂近くの軟口蓋に紅斑を認める。口蓋扁桃に腫脹や白苔を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮疹を認めない。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 466万、Hb 12.9g/dL、Ht 42%、白血球 3,500、血小板 18万。CRP 0.5mg/dL。特に加療することなく経過観察としたところ、受診翌日の体温は36.6℃で腹部に皮疹が出現した。
- この患児で注意すべき合併症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I066]←[国試_109]→[109I068]
[★]
- 10歳の男児。転びやすいことを主訴に来院した。周産期に異常はなく、成長発達は正常である。三種混合ワクチン、ポリオワクチン及びBCGは接種済みである。2歳時麻疹に、3歳時水痘に罹息した。2か月前から授業について行けなくなり、学業成績が低下した。また、ささいなことに腹を立てたり、自室に閉じこもるようになった。5日前にインフルエンザ様症状があった。2、3日前からは上肢のミオクローヌスが頻回に出現した。胸腹部に異常を認めない。神経学的には中等度の知能低下、四肢腱反討亢進およびミオクローヌスを認める。脳波に6~10秒に1回の高振幅徐波バーストを認める。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095D053]←[国試_095]→[095D055]
[★]
- 5歳の男児。 1時間前から数分間持続する全身の強直性間代性けいれんを3回繰り返したため搬入された。 1年前から熱いものを食べたり激しく泣いたりしたときに右片麻痺あるいは左片麻痺を認めていた。片麻痺発作は10分程度で改善したが.このような発作は1か月に1回あったという。神経学的所見で両側の上下肢の軽度筋力低下、腱反射亢進およびBabinski徴候を認める。頭部単純MRlのT1強調像(別冊No.5)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A029]←[国試_105]→[105A031]
[★]
- 12歳の男児。半年前から、ボーッとして横になっていることが多くなり、家に引きこもるようになったため、母親に連れられて来院した。2歳時に麻疹に感染したという。診察時に、傾眠傾向にあり、ときおり右の上下肢にミオクローヌスを認める。脳波検査で周期性同期性放電を認める。髄液検査で、蛋白濃度の軽度上昇、麻疹ウイルス抗体価の上昇およびIgGの増加を認める。
- この疾患でみられないのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A054]←[国試_099]→[099A056]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097H048]←[国試_097]→[097H050]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F069]←[国試_101]→[101F071]
[★]
- 神経疾患と脳波所見との組み合わせで正しいのはどれか
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E051]←[国試_099]→[099E053]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- (1) 麻疹ワクチン接種では起こらない
- (2) 脳炎症状で発症する
- (3) 髄液の麻疹抗体価が上昇する
- (4) 髄液のγ-グロブリン分画は増加する
- (5) 脳波で周期性に高振幅徐波と抑制とがみられる
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- インフルエンザにみられる合併症はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A014]←[国試_103]→[103A016]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[★]
[★]
- 日
- ましん
- 英
- measles, rubeola
- 同
- はしか、麻しん
- 関
- 麻疹ウイルス、感染症法、ワクチン、学校伝染病。修飾麻疹
特徴
病原体
疫学
感染経路
- 空気感染
- 上気道粘膜に進入・増殖 → 所属リンパ節で増殖 → ウイルス血症 → 全身諸臓器で増殖
- 感染性のある時期は、前駆症状(鼻汁、咳嗽、全身倦怠感、結膜充血)が出現する直前から発疹出現後4日間である。
潜伏期
経過、症状
- NDE.437
- 1. カタル期:1-5病日:発熱、くしゃみ、鼻水、目脂。コプリック斑
-
- 白血球が劇的に低下し、2000-3000まで落ち込むことがある。
- カタル期終わりの1-2病日に解熱してコプリック斑が発生
- カタル期の鼻汁、唾液、涙液、気道分泌液は感染性有り
- 2. 発疹期:6-10病日:発熱。発疹は耳後部、頚部から始まり体幹から四肢へ。色素沈着を残す ⇔風疹
細胞性免疫の低下
- リンパ球への感染→細胞性免疫が低下
- 結核に罹患している場合、粟粒結核に進展することがある
合併症
晩期合併症
- M蛋白の欠損した麻疹ウイルスによる、らしい
- 麻疹に感染し、小児期に知能低下、ミオクローヌスなどを、初発症状として発症し、意識障害をきたし致命的となる。
妊娠
検査
診断
- 原則的には血清学的検査でペア血清による4倍以上の抗体価の上昇を証明する。ただし、検体を凍結保存する必要があり、2回目の検体は感染後2週間後の血清を用いることになり、迅速な診断には向かない。RT-PCRは効果であり、商業レベルで普及しておらず、実臨床では麻疹IgMの抗体価でもって診断をしているのが現状である。
鑑別疾患
治療
- 対症療法
- 合併症の治療:肺炎、中耳炎などの細菌性二次感染が多く、予防のために抗菌薬投与が行われる
- 学校保健安全法では、解熱後3日経過するまで出席停止(NDE.438)
出席停止の解除は、主要症状が消退したあと7日?
予防
- 麻疹生ワクチン
- 免疫不全患者にはγグロブリン製剤(ガンマグロブリン筋注)
- 免疫があれば重症化しない
暴露後発症予防
- 麻疹抗体を持たない健常者が麻疹患者と接触した場合、72時間以内であれば麻疹ワクチンを接種することにより麻疹の発症を予防できる可能性がある。また発症しても症状を軽減しうる。
- 免疫不全者、1歳以下の乳児、妊婦などが暴露された場合や麻疹ワクチンが禁忌の人では、暴露後6日以内であれば、免疫グロブリンを投与することにより、あるい程度の発症予防効果、症状軽減効果があるとされる。
予後
参考
uptodate
- 1. [charged] 麻疹の臨床症状および診断 - uptodate [2]
- 2. [charged] 麻疹の予防および治療 - uptodate [3]
- 3. [charged] 麻疹の疫学および伝染 - uptodate [4]
[★]
- 英
- abnormal electroencephalogram
- 関
- 脳波
異常脳波
- 1. 速波化:β波やα波が多い状態:向精神薬服薬時、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群など
- 2. 徐波化:δ波とθ波が多い状態:意識障害や代謝障害、脳腫瘍、脳血管障害など
- 3. 左右差:左右で異なる周波数を認める状態:大脳の片方に異常がある場合は左右差を認めることがある。
- 1. 棘波 spike:70ms未満で先鋭な波形
- 2. 鋭波 sharp wave:70ms以上で先鋭な波形
-
- 抑圧-群発交代:無酸素脳症、エーテルやサイクロプロパンなどの麻酔時、バルビツレートなどの薬物中毒
- 周期性片側性てんかん様発作、周期性一側性てんかん様放電 PLED:脳血管障害、代謝性・中毒性疾患
- 両側独立性周期性一側性てんかん様放電 BIPLED:無酸素脳症、中毒性脳症、脳炎
- 三相性波:肝性昏睡
プリント
[★]
- 英
- keratoplasty, corneal transplantation
- 関
- 角膜、臓器移植
制限
- 角膜移植は心停止状態で行われることが多く、死後48時間まで移植可能である。
眼球ドナーの基準
- 参考2
- 1. 眼球提供者(ドナー)となることができる者は、次の疾患又は状態を伴わないこと。
- (1)原因不明の死
- (2)細菌性、真菌性又はウイルス性全身性活動性感染症
- (3)HIV抗体、HTLV-1抗体、HBs抗原、HCV抗体などが陽性
- (4)クロイツフェルト・ヤコブ病及びその疑い、亜急性硬化性全脳炎、進行性多巣性白質脳症等の遅発性ウイルス感染症、活動性ウイルス脳炎、原因不明の脳炎、進行性脳症、ライ症候群、原因不明の中枢神経系疾患
- (5)眼内悪性腫瘍、白血病、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫等の悪性リンパ腫
参考
- 1. 財団法人日本アイバンク協会---角膜移植/アイバンク/目/眼球/献眼/輸入角膜/賛助会員募集
- http://www.j-eyebank.or.jp/
- 2. 厚生労働省:第1回角膜移植の基準等に関する作業班資料 日時:平成21年12月11日(金) 15:00~17:00 場所:経済産業省別館 1042会議室
- (1) 標準的なレシピエント選択基準(案)について
- (2) ドナー適応基準について
- (3) その他
- http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/12/s1211-12.html
国試
[★]
- clonus
- 英
- myoclonus myoclonia
- 同
- 筋クローヌス、筋間代、間代性筋痙攣
- 関
- 不随意運動、動作性ミオクローヌス action myoclonus
概念
- 電光のように突然起こる共同筋群の収縮によって、体の一部がピクッと動く不随意運動。
- 持続時間は短い。規則性はない。
- 大脳皮質、視床、大脳基底核、脳幹、脊髄前角細胞の障害で起こりうるため、原因部位も原因疾患も多彩ある。
- てんかんでも起こりうる。
原因
<youtube v=faiVIKmmi5k></youtube>
[★]
- 英
- subacute sclerosing panencephalitis agent SSPE agent
[★]
- 英
- encephalitis, cephalitis
- 関
脳炎
[★]
- 英
- consolidation、stiffening、curing、hardening、induration、sclerosis、harden、indurated
- 関
- 加硫、強化、硬化症、固定、治療、ハードニング、圧密、硬結
- コンソリデーション
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
-
- 関
- 硬変
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型