- 英
- acute cerebellar ataxia
- 同
- (国試)急性小脳失調
概念
- 幼小児において、非特異的感染症に罹患後、数日~14日後に発症する急性の小脳失調。
疫学
病因
- 水痘脳炎の1/3、麻疹や風疹脳炎の10-15%の症例で認められる(SPE.642)
- 小児例では水痘、成人例ではEBウイルス(YN.J-143)
症状
- 突然の歩行障害で発症。小脳性失調歩行、体感の動揺、筋力低下、振戦、眼球の異常運動(SPE.642)
検査
- SPE.642
- 脳脊髄液検査:正常だが、時に細胞数や蛋白質の軽度上昇があり得る。
- 脳波:急性期に広汎徐波
- MRI:急性期に小脳腫脹、小脳や脳幹のT2強調画像で高信号
診断
鑑別疾患
- 潜在性の神経芽細胞腫、後頭蓋窩脳腫瘍、急性迷路炎、代謝異常症の急性悪化、薬物中毒
治療
- 必要ないが、遷延する場合には副腎皮質ステロイドを(SPE.642)
予後
国試
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 臨床研究・症例報告 遷延する小脳失調症状にメチルプレドニゾロンパルス療法が奏功した急性小脳失調症の幼児例
- 抗N末端α-エノラーゼ抗体をみとめた急性小脳失調症の1例
- 山本 幹枝,和田 健二,米田 誠,土井 浩二,古和 久典,中島 健二
- 臨床神経学 50(8), 581-584, 2010-08-01
- NAID 10027705681
- 急性小脳失調症を合併した Ramsay Hunt 症候群
- 北島 明美,佐藤 成樹,肥塚 泉
- 耳鼻咽喉科臨床 102(7), 539-542, 2009-07-01
- We experienced a case of Ramsay Hunt syndrome accompanied by acute cerebellar ataxia. The patient was a 70-year-old woman who developed left facial palsy with otalgia, typical findings of Ramsay Hunt …
- NAID 10025096600
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- 2010年11月19日 ... ウイルスや細菌感染症などの先行感染や予防接種後、一定期間(罹患や接種後10日 程度、1ヶ月以内)をおいてから発症することが多く、症状の発症は一般に急性である。 病変部位によって症状は異なり、小脳半球病変では失調性歩行、企図 ...
- 急性小脳失調症とは?>. 急性小脳失調症は,ウイルスや細菌感染症の回復期 あるいはワクチン接種後一定の期間. をおいて,小脳症状(失調,振戦,構音障害,眼振 など)を呈する疾患です. <病因は?>. 急性小脳失調症の 80%に先行感染が あります. ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 7か月の乳児。発熱のため母親に連れられて来院した。2日前の昼過ぎから発熱があり就寝前の体温は39.0℃であった。昨日も38.9℃の発熱があったが他に目立った症状はなかった。食欲は良好で、普段より軟らかい便が2回あった。元気に泣いている。体重 6.5kg。体温 39.1℃。脈拍 148/分、整。SpO2 99%(room air)。眼球結膜に充血を認めない。口蓋垂近くの軟口蓋に紅斑を認める。口蓋扁桃に腫脹や白苔を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮疹を認めない。尿所見に異常を認めない。血液所見:赤血球 466万、Hb 12.9g/dL、Ht 42%、白血球 3,500、血小板 18万。CRP 0.5mg/dL。特に加療することなく経過観察としたところ、受診翌日の体温は36.6℃で腹部に皮疹が出現した。
- この患児で注意すべき合併症はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I066]←[国試_109]→[109I068]
[★]
- 3歳の女児。今朝から立てないことを主訴に来院した。2週前水痘に罹患し、痂皮形成がみられる。昨日は歩行時にふらついていた。意識は清明。身長96cm、体重14.2kg。発音が不明瞭である。両方向性の水平眼振を認める。聴診で胸部に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触れない。項部硬直は認めない。指指試験、指鼻試験および腫膝試験は拙劣である。手指振戦を認める。膝蓋腱反射は正常で、Babinski徴候は陰性である。筋緊張はやや低下しているが、筋力低下はない。血液所見:赤血球452万、Hb13.6g/dl、Ht38%、白血球6,200。CRP0.2mg/dl(基準0.3以下)。脳脊髄液所見:初圧120mmH2O、細胞数0/mm3、蛋白17mg/dl(基準15~45)、糖58mg/dl(基準50~75)。
- a. 急速に軽快する。
- b. 徐々に軽快する。
- c. 症状は持続する。
- d. 徐々に悪化する。
- e. 急速に悪化する。
[正答]
※国試ナビ4※ [097A048]←[国試_097]→[097A050]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E051]←[国試_099]→[099E053]
[★]
- 英
- cerebellum
発生
解剖
-
血管
機能概要
- 運動のタイミング決定と一つの運動から次の運動への急速な切り替え
機能
- ①運動開始に関与
- ②運動学習に関与
- ③多関節にわたる運動に関与
- ④フィードバックモード、フィードフォワードモードに関与
-
- 熟練した運動で、早く動かさないとき
- 素早い運動を行うとき。学習を行うとき
入力経路
障害 (KAPLAN USMLE STEP 1 QBOOK p.54)
障害
-
- 体幹失調=姿勢の制御不良
- 失調性歩行
- 注視方向への眼振(注意方向性眼振=注視眼振)
- Tomberg兆候(-)(両側をそろえて開眼して立つ、その後閉眼しても倒れない)
- 体幹筋失調による歩行障害(体幹歩行失調, 失調性歩行)
- 四肢の運動失調(協調運動障害)
- ①推尺障害
- ②変換運動障害
- ③運動解離
- ④共同運動不能
- ⑤失調性構音障害
臨床関連
[★]
- 英
- ataxia
- 関
- 運動失調、失禁 incontinence、incontinent、失調症
概念
- loss of coordination of the muscles
- 円滑に行われるべき運動行為が円滑に行えない状態
[★]
- 英
- ataxia、dysregulation、incontinence、ataxic
- 関
- 運動失調、失調性、失禁、失調、調節不全
[★]
- 英
- cerebellar ataxia
- 関
- 小脳性運動失調、小脳性失調、小脳性運動失調症、小脳失調症
[★]
- 英
- cerebellar ataxia
- 関
- 小脳性運動失調、小脳性失調、小脳失調、小脳性運動失調症