出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/10 00:20:23」(JST)
ミトコンドリア病(ミトコンドリアびょう)は、細胞小器官の一つであるミトコンドリアの異常による病気である。1980年代から脚光を浴びるようになった。障害の起こる部位に因んで、ミトコンドリア脳筋症、ミトコンドリアミオパチーとも呼ばれる。
ミトコンドリアの変異が原因になって、十分な好気的エネルギー産生が行えなくなることによって起こる。昔の推定と違い、最近の研究では必ずしもミトコンドリアDNAの異常が原因でないことがわかってきた。ミトコンドリア病は、このエネルギー需要の多い、脳、骨格筋、心筋が異常を起こすことが多い。体内全てのミトコンドリアが一様に異常をきたすわけではないため、多彩な病態を示す。また、嫌気的エネルギー産生機構が異常に酷使されるため、代謝産物の乳酸やピルビン酸の蓄積を来すことがある。糖尿病様の病態を示すこともあり、実際、糖尿病の1%はミトコンドリア病であると考えられている。ミトコンドリア病にはまれに核遺伝子の変異によるものもある(チトクロームc酸化酵素欠損の一部)。
多くの場合、孤発性(遺伝関係がはっきりしない)であるが、殆どのミトコンドリアDNAは母親の卵細胞から受け継がれるので、点突然変異(一塩基が置き換わるもの)の場合は母系を伝わり遺伝することがある(細胞質遺伝、または母系遺伝)。核遺伝子の異常によるものは多くの場合常染色体劣性遺伝である。
現時点では根治法のない難病であり、対症療法が主となる。電子伝達系(ミトコンドリアが利用する反応経路の一つ)を補うため、ユビキノンやコハク酸の投与を行う場合もある。2006年現在、モデルマウスを用いた研究が行われている。日本では、特定疾患に指定されている。
ミトコンドリア病では筋生検を行うとしばしば、筋鞘膜下に異常なミトコンドリアがたくさん集積した赤色ぼろ線維(ragged red fiber: RRF)と呼ばれるものが見える。
代表的なミトコンドリア病としては、慢性進行性外眼筋麻痺、MELAS、MERRFの3つがあるが、このうちMELASとMERRFが母系遺伝するのに対し、慢性進行性外眼筋麻痺の多くは孤発例である。
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muscle weakness : 約 4,720,000 件 muscular weakness : 約 725,000 件
症候・検査 | 障害部位 | |||
上位運動ニューロン | 下位運動ニューロン | 神経筋接合部 | 筋 | |
筋力低下 | + | + | + | + |
筋萎縮 | - | + | - | +*** |
筋線維束攣縮 | - | + | - | - |
筋卜ーヌス | ↑ | ↓ | → | ↓ |
腱反射 | ↑ | ↓~- | → | ↓~- |
病的反射 | + | - | - | - |
異常連合運動 | + | - | - | - |
血清CK | → | →(ときに→↑) | → | ↑ |
針筋電図 | → | 神経原性変化 | →** | 筋原性変化 |
神経伝導速度 | → | → (脱髄性の ニューロバ シー*で↓) |
→ | → |
筋生検 | → | 神経原性変化 | → | 筋原性変化、 各疾患に特徴的な変化 |
代表的疾患 | 脳梗塞、出血、脳腫癌など による片麻痺、脊髄障害 による対麻痺、運動ニューロン疾患、頚椎症、多発性硬化症 | 運動ニューロン疾患、頚椎症 *ニューロパシー (Charcot-Marie-Tooth病、Guillain-Barre症候群など) |
(a)重症筋無力症 (b)筋無力症候群 **誘発筋電図で、 (a)waningあるいは (b)waxingがみられる |
筋ジストロフィー、筋 炎、代謝.内分泌性ミオパシー、ミトコンドリア脳筋症 ***周期性四肢麻痺では 筋萎縮はほとんどない |
+:存在する、-:なし・消失、↑:亢進・上昇、↓:低下・減少、→:正常ないし著変なし、 →↑:軽度上昇 |
末梢神経領域の筋脱力 | 単神経障害 | ||
非対称性 | 一側上下肢 | 脳神経障害あり | 大脳、脳幹障害(脳血管障害、脳腫瘍など) |
脳神経障害なし | 頚椎症、脊髄腫瘍、脊髄空洞症 | ||
両側遠位優位 | 筋萎縮あり、感覚障害なし | 運動ニューロン疾患、筋緊張性ジストロフィー | |
急性に両下肢末梢から始まり. 感冒様症状が前駆 | Guillain-Barre症候群 | ||
対称性 | 両下肢 | 筋萎縮なし‥膀胱直腸障害レベルを有する感覚障害あり | 変形性脊椎症、脊髄腫瘍、MS、脊髄炎 |
筋萎縮なし‥感覚障害なし . | ヒ卜T細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)関連ミエロパシー(HAM)、亜急性連合性脊髄変性症 | ||
両側近位優位 | 易疲労性 | MG、Eaton-Lambert症候群 | |
急性2-3日で自然軽快 | 周期性四肢麻痺、低K性ミオパシー | ||
亜急性 | PM、DM | ||
慢性 : 神経原性 | Kugelberg-Welander病(脊髄性筋萎縮症3型) | ||
慢性 : 甲状腺機能異常 | 粘液水腫、甲状腺中毒性ミオパシー | ||
慢性 : ステロイド使用 | ステロイドミオパシー |
大脳基底核の障害との関連 | 特徴 | 好発部位 | 代表疾患 | ||
振戦 | tremor | 黒質 | 律動的な振動運動 | 指、手 | Parkinson病 本態性振戦 |
舞踏病様運動 | choreiform movement | 尾状核 | 不規則で、目的のない、非対称性運動 [show details] <youtube>http://www.youtube.com/watch?v=JzAPh2v-SCQ</youtube>
|
顔面、四肢 | Huntington舞踏病 |
バリズム | ballism/ballismus | 視床下核 | 舞踏様病の一種。運動はより急速、粗大、持続性。四肢の抹消よりも体幹に誓い部分に強く起こり、上下肢を投げ出すよう激しい運動 [show details] <youtube>http://www.youtube.com/watch?v=Cn3WSt6omzY</youtube>
|
四肢 | 視床下核 Juys体の出血・梗塞 |
アテトーゼ | athetosis | 赤核、被殻、淡蒼球 | 舞踏病よりゆっくりで、持続性のある運動。舞踏病に比べ一定の運動。虫が這うような運動。 [show details] <youtube>http://www.youtube.com/watch?v=I63SobW58J0</youtube>
|
手・指 | 脳性麻痺 CO中毒 レンズ核障害 |
ミオクローヌス | myoclonus | 赤核 | 1つまたは多くの筋の短時間の不随意な収縮。関節や四肢の強い運動を伴わないのが原則 [show details] <youtube v=faiVIKmmi5k></youtube>
|
全身・局所 | Creutzfeldt-Jakob病 Ramsay Hunt症候群 てんかん リピドーシス ミトコンドリア脳筋症 |
痙攣 | cramp/convulsion | 筋肉が不随意に,激しく攣縮する状態 | |||
ジストニー | dystonia | 異常姿勢。筋緊張の亢進で異常な姿勢となり、体幹の捻転、胸郭の傾斜、頚の捻転、肘の過伸展、手首の過屈曲、指の過伸展などを呈する。 [show details] <youtube v=1MQtaMENDV0></youtube>
|
体幹・近位筋 | 捻転ジストニー | |
チック | tic | 顔、頚部、肩などに起こる、比較的急激で、繰り返して起こる運動 [show details] <youtube>http://www.youtube.com/watch?v=xIAbmfxIm6I</youtube>
|
顔面 | てんかん 緊張 |
フロッピーインファント : 約 5,610 件 ぐにゃぐにゃ乳児 : 約 255 件 筋緊張低下児 : 約 65 件
筋緊張低下 | + | + |
筋力低下 | + | - |
脊髄性筋萎縮症1型 (ウェルドニッヒ・ホフマン病) |
ダウン症候群 | |
先天性ミオパチー | 脳性麻痺 | |
糖原病 | プラダー・ウィリ症候群 | |
進行性筋ジストロフィー | エーラス・ダンロス症候群 | |
筋強直性ジストロフィー | マルファン症候群 | |
重症筋無力症 | クレチン症 (先天性甲状腺機能低下症) | |
周期性四肢麻痺 |
カーンズ・セイヤ症候群 : 93 件 カーンズ・セイヤー症候群 : 93 件 カーンズ・セイア症候群 : 93 件 カーンズ・セイアー症候群 : 57 件 キーンズ・セイア症候群 : 15 件 キーンズ・セイアー症候群 : 15 件 キーンズ・セイヤ症候群 : 41 件 キーンズ・セイヤー症候群 : 41 件 ケアーンズ・セイア症候群 : 6 件 ケアーンズ・セイアー症候群 : 6 件 ケアーンズ・セイヤ症候群 : nothing ケアーンズ・セイヤー症候群 : 14 件
<youtube v=faiVIKmmi5k></youtube>
ミトコンドリア内膜にはNADH輸送タンパク質がない!!(FB.333) 解糖系で得られたNADHは、リンゴ酸-アスパラギン酸シャトルにより還元力がミトコンドリア内に送られる。(FB.309 図15-27,333)
CO2 O2 クエン酸 トリカルボン酸輸送経路 ピルビン酸 輸送体により制御 ATP 輸送体により制御 ADP 輸送体により制御 Pi 輸送体により制御 Ca2+ 輸送体により制御 リンゴ酸 輸送体により制御 アスパラギン酸 輸送体により制御
アセチルCoA (トリカルボン酸輸送経路に乗せるために、クエン酸に変換) オキサロ酢酸 (リンゴ酸かアスパラギン酸に変換)
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