- ラ
- Morbillivirus
- 関
- ウイルス、パラミクソウイルス科
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/30 21:28:45」(JST)
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モルビリウイルス属 |
麻疹ウイルスの電子顕微鏡像
|
分類(ウイルス) |
群 |
: |
第5群(1本鎖RNA -鎖) |
目 |
: |
モノネガウイルス目 |
科 |
: |
パラミクソウイルス科 |
亜科 |
: |
パラミクソウイルス亜科 |
属 |
: |
モルビリウイルス属 |
|
種 |
- 麻疹ウイルス(タイプ種)
- 犬ジステンパーウイルス
- クジラモルビリウイルス
- 羊疫ウイルス(小反芻獣疫ウイルス)
- アザラシジステンパーウイルス
- 牛疫ウイルス
|
モルビリウイルス属(Genus Morbillivirus)とはモノネガウイルス目パラミクソウイルス科パラミクソウイルス亜科に属するRNAウイルスの1属。15.7~15,9kbのマイナス一本鎖RNAをゲノムに持つ。モルビリウイルス属に属する多くのウイルスが牛疫や麻疹、犬ジステンパーのような高い伝染力を有する疾病を引き起こす。しかし、当該属のウイルス特性として、(1)限られた宿主に感染、(2)血清型が単一である、などの理由によりワクチン接種による感染抑制や感染動向調査が容易である。従って流行を効果的に制御できる[1]。
同属ウイルス野生動物での集団感染事例として、
- 1988年:北海で17,000頭以上のアザラシが死亡。
- 1994年:イヌジステンパーウイルスがタンザニアの国立公園のライオンを感染させ、1000頭以上が死亡。
等があり、陸棲および水棲哺乳類に大きな影響を与える問題として注目されている。
参考文献
- 明石博臣ほか3名編 『動物微生物学』 朝倉書店 2008年 ISBN 9784254460285
脚注
- ^ モルビリウイルス:麻疹ウイルス,イヌジステンパーウイルスなど ウイルス Vol.62 (2012) No.2 p.175-182
外部リンク
- 伊藤康彦:パラミクソウイルスの分子進化 ウイルス Vol.46 (1996) No.1 P35-41
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 竹田 誠,柳 雄介,Takeda Makoto,Yanagi Yusuke,タケダ マコト,ヤナギ ユウスケ
- 福岡医学雑誌 97(5), 140-145, 2006-05-25
- … 本総説では, 同目のパラミクソウイルス科モルビリウイルス属の麻疹ウイルスを例に, リバースジェネティクスと呼ばれるウイルスの遺伝子操作手法がウイルスの病原性や遺伝子機能の研究, そしてウイルスベクターの開発などに, どのように貢献しているのかを紹介する. …
- NAID 120002548744
Related Links
- 伝染病の名称 監視伝染病の種類BSL 1 モルビリウイルス属 リンダーペストウイルス(L株、BA-Y S株及びRBOK株を除く) 牛疫 家畜伝染病 3ag 2 アフトウイルス属 フットアンドマウスディジーズウイルス 口蹄疫 家畜伝染病 3ag
- 1.原因 ヘンドラウイルス(パラミクソウイルス科、ヘニパウイルス属:Paramixoviridae, Henipavirus)。1本鎖RNAウイルス。粒子の直径は約40~600nmと多形性を示し、エンベローブを持つ。当初モルビリウイルスに近似した性状から ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 日
- ましん
- 英
- measles, rubeola
- 同
- はしか、麻しん
- 関
- 麻疹ウイルス、感染症法、ワクチン、学校伝染病。修飾麻疹
特徴
病原体
疫学
感染経路
- 空気感染
- 上気道粘膜に進入・増殖 → 所属リンパ節で増殖 → ウイルス血症 → 全身諸臓器で増殖
- 感染性のある時期は、前駆症状(鼻汁、咳嗽、全身倦怠感、結膜充血)が出現する直前から発疹出現後4日間である。
潜伏期
経過、症状
- NDE.437
- 1. カタル期:1-5病日:発熱、くしゃみ、鼻水、目脂。コプリック斑
-
- 白血球が劇的に低下し、2000-3000まで落ち込むことがある。
- カタル期終わりの1-2病日に解熱してコプリック斑が発生
- カタル期の鼻汁、唾液、涙液、気道分泌液は感染性有り
- 2. 発疹期:6-10病日:発熱。発疹は耳後部、頚部から始まり体幹から四肢へ。色素沈着を残す ⇔風疹
細胞性免疫の低下
- リンパ球への感染→細胞性免疫が低下
- 結核に罹患している場合、粟粒結核に進展することがある
合併症
晩期合併症
- M蛋白の欠損した麻疹ウイルスによる、らしい
- 麻疹に感染し、小児期に知能低下、ミオクローヌスなどを、初発症状として発症し、意識障害をきたし致命的となる。
妊娠
検査
診断
- 原則的には血清学的検査でペア血清による4倍以上の抗体価の上昇を証明する。ただし、検体を凍結保存する必要があり、2回目の検体は感染後2週間後の血清を用いることになり、迅速な診断には向かない。RT-PCRは効果であり、商業レベルで普及しておらず、実臨床では麻疹IgMの抗体価でもって診断をしているのが現状である。
鑑別疾患
治療
- 対症療法
- 合併症の治療:肺炎、中耳炎などの細菌性二次感染が多く、予防のために抗菌薬投与が行われる
- 学校保健安全法では、解熱後3日経過するまで出席停止(NDE.438)
出席停止の解除は、主要症状が消退したあと7日?
予防
- 麻疹生ワクチン
- 免疫不全患者にはγグロブリン製剤(ガンマグロブリン筋注)
- 免疫があれば重症化しない
暴露後発症予防
- 麻疹抗体を持たない健常者が麻疹患者と接触した場合、72時間以内であれば麻疹ワクチンを接種することにより麻疹の発症を予防できる可能性がある。また発症しても症状を軽減しうる。
- 免疫不全者、1歳以下の乳児、妊婦などが暴露された場合や麻疹ワクチンが禁忌の人では、暴露後6日以内であれば、免疫グロブリンを投与することにより、あるい程度の発症予防効果、症状軽減効果があるとされる。
予後
参考
uptodate
- 1. [charged] 麻疹の臨床症状および診断 - uptodate [1]
- 2. [charged] 麻疹の予防および治療 - uptodate [2]
- 3. [charged] 麻疹の疫学および伝染 - uptodate [3]
[★]
- 英
- measles virus, rubeola virus
- 同
- はしかウイルス
- 関
- 麻疹、ウイルス
ウイルス学
構造
感染症
-
- 自然麻疹では10万人に1人、ワクチン接種者では100万人に1人の割合
[★]
モルビリウイルス属
[★]
- 英
- virus
- 同
- ウイルス粒子 virus particle、ビリオン virion
- 関
- 微生物学、抗ウイルス薬、国試に出がちなウイルス
感染経路による分類 SMB.374
学名
目(order, -virales), 科(family, -viridae), 亜科(subfamily, -virinae), 属(genus, -virus), 種(species)
増殖過程
- 吸着 absorption
- 侵入 penetration
- 脱殻 uncoating
- ゲノムの複製 replication、遺伝子発現 transcription
- ウイルス粒子の組み立て assembly
- 放出 release
感染の分類
持続時間
ゲノム
- 一本鎖RNA(-)をゲノムとするウイルスはウイルス粒子内にRNA依存性RNA合成酵素を有する。
[★]
- 英
- Morbilli virus
- 関
- パラミクソウイルス科