ギラン・バレー症候群
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 上背部痛を主訴に来院し,急激に人工呼吸管理を要する状態となった軸索型Guillain-Barre症候群の一例
- 症例 ヒトパピローマウイルスワクチン接種後にGuillain-Barre症候群を発症し初回治療後症状が再燃した1女児例
- Guillain-Barre症候群と慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー (特集 神経疾患の新しい治療 : 現場で必須の知識と今後の展望)
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- の障害のため、急に手や足に力が入らなくなる病気です。手足のしびれ感もしばしば伴います。多くの場合(約7割程度)風邪をひいたり下痢をしたりなどの感染の後1~2週して症状がはじまります。症状は2~4週以内にピークとなり ...
- 別名;acute idiopathic polyneuritis; acute inflammatory polyneuropathy; infectious polyneuritis; Landry-Guillain-Barre 症候群 定義;普通は感染症の後に進行性の脱力とマヒがくる疾患。多くの神経の炎症に関係する。 原因、頻度と ...
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[★]
- 次の文を読み、60~62の問いに答えよ。
- 34歳の女性。腹痛、下痢および発熱を主訴に来院した。
- 現病歴:2日前に夫婦で焼き鳥と鳥刺しを食べた。昨日深夜に腹痛と悪寒とで目を覚まし、トイレに駆け込んだところ水様下痢であった。朝までに5、6回の水様下痢と1回の嘔吐があり、夫に連れられて受診した。夫は下腹部痛はあるが、下痢はない。
- 既往歴:4歳時に肺炎。
- 生活歴:会社員。33歳の夫との2人暮らし。ペットは飼っていない。海外渡航歴はない。
- 家族歴:父親が高血圧症。母親が糖尿病。
- 現症:意識は清明。身長 155cm、体重 48kg。体温 37.8℃。脈拍 112/分、整。血圧 102/68mmHg。呼吸数 18/分。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。口腔内と皮膚は乾燥している。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、全体に軽度の圧痛を認めるが反跳痛はない。肝・脾を触知しない。皮疹を認めない。
- 検査所見:尿所見:比重 1.031、蛋白(±)、糖(-)、ケトン体2+、潜血(-)。便所見:外観は淡黄色水様。血液の付着はない。血液所見:赤血球 452万、Hb 13.1g/dL、Ht 40%、白血球 10,300(好中球 81%、好酸球 2%、好塩基球 0%、単球 1%、リンパ球 16%)、血小板 32万。血液生化学所見:総蛋白 8.0g/dL、アルブミン 4.1g/dL、総ビリルビン 1.0mg/dL、AST 10U/L、ALT 16U/L、LD 289U/L(基準 176~353)、ALP 215U/L(基準 115~359)、γ-GTP 14U/L(基準8~50)、アミラーゼ 55U/L(基準 37~160)、CK 50U/L(基準 30~140)、尿素窒素 22mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、尿酸 4.2mg/dL、血糖 82mg/dL、Na 133mEq/L、K 3.0mEq/L、Cl 95mEq/L。CRP 4.5mg/dL。
- 脱水と判断し、直ちに生理食塩液の急速輸液を開始した。
- 治療開始後は順調に回復し入院3日目に退院したが、退院10日目から両下肢の脱力が出現した。脱力感は徐々に進行し、退院12日目に歩行困難となったため、救急車で搬入された。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111G061]←[国試_111]→[111G063]
[★]
- 次の文を読み、 59~ 61の問いに答えよ。
- 22歳の男性。全身の筋力低下のため搬入された。
- 現病歴: 5日前に下痢と悪心とがあった。昨日の起床時に歯ブラシをしっかり握れず、朝食時には箸を使えなかった。昼には両腕を持ち上げることができなくなり、夕食時には舌がもつれて話しにくく、むせるようになった。今朝は起き上がれず、母親が救急車を要請し、即日入院となった。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 生活歴:大学 4年生。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現症:意識は清明。身長 168 cm、体重 63 kg。体温 36.8℃。脈拍 64/分、整。血圧 150/96 mmHg。呼吸数 18/分。 SpO2 96% ( room air)。認知機能に異常を認めない。両眼の[[睫毛徴候[[を認め、鼻唇溝は浅く、口笛を吹くまねができない。構音はやや不明瞭で、軽度の嚥下障害を認める。顔面の感覚には異常を認めない。臥位での頭部挙上ができない。徒手筋力テストで上肢は 1~ 2に低下し、下肢も 3に低下している。握力は両側 0 kgである。上下肢とも筋萎縮と感覚障害とを認めない。腱反射は上下肢とも消失し、病的反射を認めない。自力歩行はできない。排尿と排便とに異常を認めない。
- 検査所見:尿所見と血液所見とに異常を認めない。血液生化学所見:総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 3.9 g/dl、総ビリルビン 0.9 mg/dl、AST 33 IU/l、ALT 26 IU/l、CK 86 IU/l(基準 30~140)、尿素窒素 18 mg/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl、血糖 86 mg/dl、Na 138 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 97 mEq/l。CRP 0.8 mg/dl。動脈血ガス分析 ( room air)に異常を認めない。呼吸機能検査:% VC 73.1%、 FEV1% 94.5%。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。脳脊髄液所見:初圧 155 mmH2O(基準 70~170)、細胞数 2 /mm3(基準 0~ 2)(単核球 100% )、蛋白 83 mg/dl(基準 15~45)、糖 69 mg/dl(基準 50~75)。
- この患者の筋力低下の原因はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B058]←[国試_108]→[108B060]
[★]
- 45歳の男性。歩行困難を主訴に来院した。2週間前の起床時に右足背に痛みを自覚し、その後、右足関節の背屈が困難になった。5日前から左手の示指と中指に痛みを伴うびりびり感が出現し、昨日から左足関節の背屈も難しくなったため受診し、入院となった。意識は清明。身長 180cm、体重 72kg。体温 37.8℃。脈拍 92/分、整。血圧 150/72mmHg。呼吸数 14/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。脳神経に異常を認めない。筋力は上下肢とも近位筋は正常、遠位筋では左右差のある筋力低下がみられた。四肢の腱反射は全般的に低下し、Babinski徴候は陰性。左正中神経領域と右浅腓骨神経領域とに痛みを伴う感覚低下が観察された。小脳系に異常を認めない。髄膜刺激症候はない。尿所見:蛋白1+、潜血1+、沈渣に赤血球 10~20/1視野。血液所見:赤血球 352万、Hb 11.8g/dL、Ht 32%、白血球 12,500(桿状核好中球 10%、分葉核好中球 63%、好酸球 1%、好塩基球 1%、単球 2%、リンパ球 23%)、血小板 18万。血液生化学所見:総蛋白 6.6g/dL、アルブミン 4.2g/dL、尿素窒素 28mg/dL、クレアチニン 1.7mg/dL、血糖 96mg/dL、HbA1c 5.2%(基準 4.6~6.2)、Na 136mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 99mEq/L。免疫血清学所見:CRP 6.2mg/dL、抗核抗体 陰性、MPO-ANCA 62U/mL(基準 3.5未満)、PR3-ANCA 3.5U/mL未満(基準 3.5未満)。胸部エックス線写真で異常を認めない。入院翌日の夜に下血があり下部消化管内視鏡検査を施行したところ、上行結腸に潰瘍を認め、生検を行った。生検組織のH-E染色標本(別冊No. 21)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112A048]←[国試_112]→[112A050]
[★]
- 68歳の女性。下肢の筋力低下を主訴に来院した。3か月前から下肢の筋力低下を自覚し、和式トイレから立ち上がれなくなり、階段昇降もできないようになった。同じころから足先にジンジンする感じを自覚するようになった。下肢の筋力低下は少し改善したが症状が長引くので受診した。意識は清明。脈拍 68/分、整。血圧 134/82mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。脳神経に異常を認めない。徒手筋力テストで左右差なく、大腿四頭筋は4、前脛骨筋は4で筋萎縮はみられない。表在感覚は正常で下肢振動覚は軽度低下し、四肢腱反射は消失している。自律神経障害はない。血糖 98mg/dL、HbA1c 5.8%(基準 4.6~6.2)。心電図と心エコー図とに異常を認めない。運動神経伝導検査の結果(別冊No. 6)を別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109E049]←[国試_109]→[109E051]
[★]
- 25歳の女性。反復する嘔吐と著しい体重減少とを主訴に来院した。重症妊娠悪阻の診断で緊急入院となった。絶食とし、糖質と電解質との輸液によって悪阻は軽減した。入院後3週目ころから急に、歩行がふらつき、物が二重に見えるようになり、会話内容も支離滅裂になった。意識は軽度混濁、見当識障害を認める。身長156 cm、体重39㎏。体温36.5℃。呼吸数18/分。脈拍88/分、整。血圧120/70mmHg。皮膚色は正常。貧血と黄疸とを認めない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫はない。眼振、眼球運動制限および歩行失調を認める。四肢麻痺、けいれん及び項部硬直はない。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A050]←[国試_099]→[099A052]
[★]
- 25歳の男性。歩行障害を主訴に来院した。昨夜、夕食後2時間卓球をして就寝した。今朝から四肢がだるく、力が入らないことに気付いた。その後、次第に筋力低下と倦怠感とが強くなり、歩行不能となった。10か月前にも会社のスポーツ大会があった日の深夜に同様の症状があったが、翌日の午前中には回復していた。意識は清明。脈拍104/分、整。腱反射は消失している。感覚障害はない。食事はきちんととっているが、体重は1年で6kg減少している。血液生化学所見:総コレステロール 120mg/dl、AST 25IU/l、ALT 16IU/l、CK 76IU/l(基準30-140)。Na 145mEq/l、K 2.1 mEq/l、Cl 105 mEq/l。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A048]←[国試_104]→[104A050]
[★]
- 20歳の女性。昼ころから両下肢に力が入らなくなり来院した。1年前と3か月前とに右眼の視力低下を生じたが、数日で回復した。意識は清明。対麻痺、感覚障害および膀胱障害を認める。脳脊髄液所見:細胞数3/μl(基準0~2)、蛋白30mg/dl(基準15~45)、lgG10.5mg/dl(基準0.8~4.1)。血清生化学所見:CK30単位(基準10~40)、Na140mEq/l、K3.8mEq/l、Cl108mEq/l、免疫学所見:HTLV-I抗体(-)。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100A048]←[国試_100]→[100A050]
[★]
- 61歳の女性。嚥下困難を主訴に来院した。 5日前から水を飲み込みにくい感じがあり、徐々に増悪してきた。嚥下困難の原因検索のため入院となった。血液検査、上部消化管内視鏡検査、頸部CT及び胸部CTに異常を認めなかった。入院後4日、患者は口を開けられないと訴えた。身体診察で胸鎖乳突筋の筋緊張亢進を認める。
- 考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106I053]←[国試_106]→[106I055]
[★]
- 45歳の男性。飲酒歴が長く、肝硬変症および糖尿病を指摘されていた。3日前からかぜ気味であったが、昨朝起床して間もなく、急に下胸部に疼痛を感じるとともに、両下肢の筋力低下を来した。今朝から両下肢が全く動かなくなり、入院した。両下肢は弛緩性麻痺で、腱反射は消失し、Babinski徴候は陰性である。下胸部以下両側性に温・痛覚が低下し、下肢筋の把握痛はなく、触覚・関節位置覚は保たれている。排尿障害がある。
- 適切な診断はどれか。
[★]
- 自己免疫性神経疾患とその治療薬の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [107I038]←[国試_107]→[107I040]
[★]
- 免疫グロブリン静注が第一選択の薬物療法であるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100B049]←[国試_100]→[100B051]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E051]←[国試_099]→[099E053]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H055]←[国試_098]→[098H057]
[★]
- 食道平滑筋の異常によって嚥下困難をきたすのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [095A073]←[国試_095]→[095A075]
[★]
- インフルエンザにみられる合併症はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [103A014]←[国試_103]→[103A016]
[★]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- 英
- muscle weakness, muscular weakness
- 同
- 筋無力、筋脱力
- 関
- 筋萎縮
[show details]
筋力低下をきたす障害部位別の症候・検査所見 IMD.147
筋脱力の診断 IMD.660
[★]
- 英
- Guillain-Barré syndrome Guillain-Barre syndrome GBS
- 同
- (国試)Guillain-Barre症候群
- 急性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー acute inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy AIDP
- 感染性多発神経炎 infective polyneuritis infectious polyneuritis、急性炎症性多発ニューロパシー acute inflammatory polyneuropathy
- 関
- 免疫介在性ニューロパチー
病型
- SPE.645
- ギラン・バレー症候群:経過中に蛋白細胞解離が見られたもの
症状
- 知覚異常:(初発)腰痛、手足のしびれ感。感覚障害は軽度にとどまる
- 運動神経:下肢末梢から左右対称性、上行性の弛緩麻痺。腱反射消失
- 自律神経:自律神経の障害による症状(不整脈、洞性頻脈、血圧の変動、発汗異常)が見られることがある。
検査
-
- 抗原:GM1、GQ1b(→Fisher症候群と関連)、GD1a、GalNAc-GD1a、ガラクトセレブロシド
- 蛋白細胞解離。発症から1週間後の患者の80-90%の患者で見られる。近位神経根のレベルで血液神経関門の透過性が亢進したことによるのかもしれない(increased permeability of the blood-nerve-barrier at the level of the proximal nerve roots)。(参考1)
治療
- 免疫吸着療法(プラスマフェレーシス):侵襲の大きさから大量ガンマグロブリン静注療法が行われることが多いらしい。
- 大量ガンマグロブリン静注療法(高ガンマグロブリン大量静注法)
予後
- 予後良好:2週間程度で極期に達し徐々に回復する。しかしながら約5%の例で死亡、約10%の例では重篤な機能障害を残す。(IMD)
関連疾患
参考
- 1. [charged] Clinical features and diagnosis of Guillain-Barré syndrome in adults - uptodate [1]
- 2. [charged] Treatment and prognosis of Guillain-Barré syndrome in adults - uptodate [2]
国試
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候